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森山直太朗、曲は「潮が引いたとき」に生まれる─その表現にトータス松本も感心

森山直太朗、曲は「潮が引いたとき」に生まれる─その表現にトータス松本も感心

森山直太朗とウルフルズのトータス松本が12月18日(土)、J-WAVEで対談。互いが曲作りのスタイルを明かし、森山は「武者震いしたライブ体験」も語った。

ふたりが語り合ったのは、J-WAVE発の一大音楽祭「ギタージャンボリー」と連動した番組『TOKYO GUITAR JAMBOREE EXTRA』。毎年、両国国技館にて開催している「ギタージャンボリー」の出演者がマンスリーでナビゲーターを務める番組で、12月はウルフルズのトータス松本が担当。土曜16時からのオンエア。

「ギタージャンボリー」は2022年も開催決定。日時は2022年3月5日(土)、6日(日)の2日間で、トータス松本と森山直太朗も出演する。

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表現は違うけど、好きな音楽は似ている?

森山が音楽業界に登場したとき、トータス松本は「またえらいのが出てきたぞ、と思った」と振り返る。

トータス松本:ギター1本でガッと持っていくタイプってたまに出てくるでしょ。ギター1本野郎。
森山:4年に一度くらいね(笑)。
トータス松本:そうそう。バンドは群像でいくけど、たとえば山崎まさよしみたいなのが出てきたりとか。それでしれっとバラードを歌って持っていくようなやつが、また出てきたなって。

今年でデビュー20周年イヤーを迎えた森山。幼い頃からテレビで音楽チャンネルをよく観ていたそうで、ウルフルズのミュージックビデオも欠かさずチェックしていたという。

森山:ウルフルズはいつも観てました。
トータス松本:でも、そういう音楽を自分でやろうとは思わなかったわけだよね?
森山:僕ってフォーキーな感じなんですけど、結局トータスさんもルーツってオールドミュージックじゃないですか。
トータス松本:うんうん。
森山:僕も大好きで、ソウルも好きだし、大きな根っこの部分ではトータスさんに勝手に共感しています。
トータス松本:そうかもしれないね。表現は違うけど好きな音楽は似てるのかな。
森山:めちゃくちゃ影響を受けてますね。ボブ・ディランとか。たとえばウルフルズの『かわいいひと』ってちょっとカントリーな感じじゃないですか。僕はそういう根っこがちゃんとつながってるものが好きで、ちゃんとリスペクトとオマージュ感があるというか。でも自分たちに合ったフレーズでやってるよって感じが好きで。
トータス松本:そういうことか。なるほど、納得した。

俳優業は社会勉強の感覚

近年は俳優としても大活躍の森山。2020年1月にはNHK土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』に、4月にはNHK連続テレビ小説『エール』に出演した。

トータス松本:『エール』観てたよ。
森山:奇遇ですね、僕も観てました(笑)。
トータス松本:そりゃ観るわ、自分が出てるんだから(笑)。
森山:僕もトータスさんが出てた『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK)観てましたよ。トータスさんも同じような感覚があるのかなと思うんですけど、僕は「俳優として出演」とか「ドラマに」とか言われたとき、本当にポカンとしちゃうんですよね。
トータス松本:わかる、わかる。
森山:自分で選んだからそれは事実としてあるんですけど、「俳優として」とか言われちゃうと……。
トータス松本:「俺は俳優として」って感じじゃないってことでしょ。俳優で出たみたいな気持ちがまだなくて。
森山:ただ社会勉強をさせてもらってる感覚なんです。僕みたいなものがそこに行って何かカンフル剤として組織の一員になれればいいなって。
トータス松本:まさに組織の異分子としてバンと入り込んで、その効果が出てると思うよ。
森山:そうでしたかね。
トータス松本:『エール』の先生役、すごくよかったよ。
森山:ありがとうございます。うれしい。

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『エール』にはRADWIMPSの野田洋次郎も出演するなど、ミュージシャンの起用も話題となった。

トータス松本:『エール』はセンスがいいというか、しゃれてたね。コロナ禍で一回中断して再開したときにドラマのテイストがガラッと変わったでしょ。あれはシビれたね。
森山:いろんなことに対応して、変更も余儀なくされたと思うんですよ。脚本的にも。主人公のモデルの作曲家・古関裕而さんは切っても切れないところだけど、オリンピック自体も延期になっちゃったときに、制作とかチームは逆にコロナ禍だからこそ結束が固まって、ひとつの方向に向かっていったのかなって、現場のはじっこにいながら垣間見てました。

ふたりは楽曲をどう生み出す?

番組後半は曲作りの話題に。トータス松本は単刀直入に「どうやって曲を作るの?」と森山に質問する。

森山:どうやって作るのかって言うと、ギターとかそこに自分のフレーズをのせていくっていうことだけど、曲を作ろうと思って腕をまくってねじりハチマキをしてできるものではなくて、できるのって唐突なんです。だから作ろうとしないというか、いつも釣り堀にいるような感じで(笑)。
トータス松本:ぼうっと待ってると。
森山:あとは、高校のサッカー部の後輩で友だちの御徒町 凧が詩人として詩を書いていて、それが歌詞になったり、そこに自分が曲をつけたり、いろんなかたちで曲ができてますね。
トータス松本:でも曲の締め切りがあると、そこに向かって焦ったりしないの?
森山:そこに向かって焦ったところで大したものはできないじゃないですか。だから僕は一回人格を増やすというか。なんならちょっと遊ぶ、みたいなことはします。物理的にレコーディングしましょうってなったら期限までにとことんやるけれど、僕が曲を作りにいくと流れる雲じゃないけど逃げていくから、曲と同等になるというか。そうすると、ただそこにあるものに気付けたりするから。

森山の曲作りを聞いて、「俺もだいたい似てる」とトータス松本は共感する。

トータス松本:俺も「よし、曲を作るぞ」って紙を置いてギターを抱えてハチマキ巻いてペンを取って「さてと」ってやるタイプではなくて、ぼうっとしてるっていうか。
森山:ある種、霞を掴むような行為だから、うまく言えないんだけど、僕自身は邪念の塊というか、いつもつまらないことばっかり考えたり気にしたりしてるから、その潮が引いたときにスッとそこに現れた貝殻みたいなものを集める、そういう感覚なんですよね。期限までに間に合わせなくちゃっていうのもひとつの作り方だし、モチベーションとしてはきっとあるんだけど。
トータス松本:言い方がうまいわ。潮が引いたときに集めるって、なんでそんなにカッコいい言い方で言うの。
森山:全然意識してないんだけどな、なんでだろう?
トータス松本:腹立つわ(笑)。言い方がもう詩になってるもんね。

ライブで武者震いをした瞬間

森山は「ギタージャンボリー」での思い出の一曲として、2018年の出演時に披露した『愛し君へ』を選曲、その音源をオンエアした。

森山直太朗『愛し君へ』(J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2018 ver)
【radikoで聴く】(2021年12月25日28時59分まで)

森山:このとき僕は武者震いをしたんですよね。この曲って最後にロングトーンで歌を伸ばすところがあるんですけど、そのときに誰からともなくお客さんの拍手がわき起こったんです。そういうのって海外ではあるけど、日本ってあんまりないじゃないですか。ただ日本でも、たとえばライブでよかったときとか、ミュージカルの最後のシーンとかで趣味とか好き嫌いを超えて無条件で拍手をしちゃうときってあって、そういう瞬間に自分のパフォーマンスで立ち会えたような気がして、すごくうれしかった記憶があります。
トータス松本:へえ!
森山:こんなに上質なイベントが日本にあるのかなって思ってます。リスナーの方の音楽に対する造詣の深さみたいなものが垣間見られた瞬間でしたね。
トータス松本:最初に拍手をし始めた人自身もめちゃくちゃ感動してると思うよ。自分が拍手したことによって会場一体で盛り上がったわけだからね。

最後に、今後のことを訊かれた森山は「今年から来年にかけては周年イヤーなのでひとつ自分なりのフラッグを立てたい。リリースだったりそれを小脇に抱えて旅に出たりをアグレッシブにやっていきたい」と語った。

森山直太朗の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『TOKYO GUITAR JAMBOREE EXTRA』はさまざまなゲストを迎えて、お互いの音楽人生の系譜を辿りながら、時には生演奏を交えつつ展開する貴重なトーク&ライブセッションを放送。ラジオの中の追加公演=エクストラを発信していく。放送はJ-WAVEで土曜16時から。

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radikoで聴く
2021年12月25日28時59分まで

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番組情報
TOKYO GUITAR JAMBOREE EXTRA
毎週土曜
16:00-16:54