J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。
8月14日(金)のオンエアでは、前回に引き続き、森山直太朗が出演。朝ドラ出演のエピソードや、先日行われた無観客配信ライブについて語った。
クリス:役者はいつからはじめたの?
森山:はじめた自覚は全くないんですけど(笑)。たまにドラマで役をやらせてもらったりして、音楽もそうですけど、自分以外の何かを演じることに興味はありました。でも、こうやって連続ドラマに出させていただくのは初めてでしたね。
クリス:すごく楽しそうじゃないですか。
森山:お芝居はオフィシャルに誰かになって嘘をつけるじゃないですか(笑)。自分だったら絶対に言わないようなセリフを、なんの照れもなく言えることのおもしろみが今はすごくありますね。
クリス:じゃあ、音楽とは別なアウトプットの仕方なのかな?
森山:僕の感覚では共通している部分もありますね。さっき言ったみたいに物語のなかで何かを演じきる、一曲のなかで誰かになって表意するって共通項があります。自分の認識として違うのは、音楽はもう少し能動的というか、自分にイニシアティブがある。でも、お芝居とか、特にドラマのイニシアティブは、やっぱり監督のビジョンとか制作スタッフとか「映像を撮るんだ!」っていう現場の人たちのビジョンがすごく大きくて、そこに対して瞬間的な仕事を役者は求められているというか。だから(音楽と芝居は)集中力が異なるなと思いながら、僕は本業の音楽のときにも「これくらい集中しなくちゃな」っていうようなフィードバックみたいなものがありましたね。
クリス:僕も見せてもらいました。無観客だったけど、それで逆に伸び伸びとやれていたような、リビングルームで歌っているような感じでしたね。
森山:今回、初めてブルーノートのステージで歌わせてもらったんですけど、ブルーノートはブルーノートでした。すごいなと思いましたね。そこのこだわりとか意地を、ステージやスタッフのみなさんからすごく感じました。本場(ニューヨーク)から受け継がれている、ブルーノートの魔力みたいな磁場を感じたんですよね。たとえばラウンジとか受付とか、そこに行く導線のなかで、お客さんのように「ここはこうなってるんだ」「あそこにこんな写真が飾ってあるんだ」「この裏に謎のバーがある」とか、その場所との出会いを大事にしながら粛々と歌っていくような実感を、映像を通してみんなに感じてもらったほうがいいかなと。
当初、5月にブルーノート東京で開催予定だったライブが2021年へ延期となったが、「せっかくこの場所に出会えたので、何か配信でできることはないか」との思いから、今回の無観客配信ライブが実現した。
森山:ブルーノートってどこか敷居が高いイメージがあるじゃないですか。格式も高いけど、そうじゃない部分、たとえばみんなで食事に舌鼓を打ちながら音楽を身近に感じるとか、「実はこの場所って親近感があるんだ」ってことを、映像を通して感じてもらえたらなと思っていました。それと同時にステージの上でただカメラを置いて撮影するのは自分らしくないなって感じたので、お客さんがいないことをいかして、いろんな場所で歌わせてもらいました。ちょっとした建物探訪みたいになっていたと思います。
クリス:バックステージからステージへ練り歩く感じもよかったですよね。
森山:あの瞬間にすごくメッセージがあるなと思っていて。舞台に立つまでの過程ってあまり見られないじゃないですか。配信ってことも含めて、ブルーノートという由緒も歴史もある場所で歌わせていただいたことがものすごくスリリングでしたね。
森山:この曲をどこかの時代の変わり目でもいいし、年が明ける瞬間でもいいから、リリースしたいなと思っていたんですけど、その矢先に新型コロナウイルスが出てきてしまって。リリースしたい気持ちはあるんだけど、悶々とした状況が続くなかで、5月にリリースした『最悪な春』を歌い切れたときに、満を持してこの曲をリリースしようと思えたんですよね。図らずも今のソーシャルディスタンスの状況を憂うようにはじまるんですけど、(本当は)ただ当たり前の景色を歌っているんです。「新しい日々は今ここにはない、でもすぐそこにあるんだ」っていう自分たちの想像力とモチベーション。今それがここにあったら僕たちはこの先、生きていけないかもしれないけど、すぐそこに見えているから追いかけてしまうんだっていう、人間のポジティブで底抜けな明るさと、儚さがない交ぜになった曲ですね。
もともと『すぐそこにNEW DAYS』はビッグバンドのスタイルで制作するはずだったが、最終的にはブルーグラスのスタイルにアレンジさしたという。
森山:ジャズフィドラーの山田拓斗が「新型コロナでライブとかレコーディングも延びちゃって、あまりに暇だからブルーグラスバージョンでちょっとジャジーなアレンジで仕上げてみた」って、彼が能動的にやってくれたんです。コロナ禍じゃなかったらこのアレンジにたどり着かなかったかもしれないですね。そこから映像作品も制作していきました。いつもとは違う状況のなかでも、変わらないものを提示できたのかなって思っています。
クリス:ミュージックビデオもすごい作品でしたね。
ミュージックビデオは「カレーメシ」などのCMを手がける、CMディレクターの佐藤 渉が監督を務めた。
森山:佐藤さんが初めてミュージックビデオを手掛けてくれました。僕も昔からファンだったので、お願いしたら二つ返事で「いいですよ」ってことで。ぜひみなさんに見ていただきたいですね。
クリス:これは大作でしたね。ドラマもありますし、すごかったですね(笑)。
森山は10月公開の映画『望み』の主題歌を担当することが決定している。今後の活動などは、森山のオフィシャルサイトまで。
8月14日(金)のオンエアでは、前回に引き続き、森山直太朗が出演。朝ドラ出演のエピソードや、先日行われた無観客配信ライブについて語った。
音楽と芝居の「イニシアティブ」の違い
森山はNHK連続テレビ小説『エール』に出演。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、現在は順調に撮影が進んでいるという。クリス:役者はいつからはじめたの?
森山:はじめた自覚は全くないんですけど(笑)。たまにドラマで役をやらせてもらったりして、音楽もそうですけど、自分以外の何かを演じることに興味はありました。でも、こうやって連続ドラマに出させていただくのは初めてでしたね。
クリス:すごく楽しそうじゃないですか。
森山:お芝居はオフィシャルに誰かになって嘘をつけるじゃないですか(笑)。自分だったら絶対に言わないようなセリフを、なんの照れもなく言えることのおもしろみが今はすごくありますね。
クリス:じゃあ、音楽とは別なアウトプットの仕方なのかな?
森山:僕の感覚では共通している部分もありますね。さっき言ったみたいに物語のなかで何かを演じきる、一曲のなかで誰かになって表意するって共通項があります。自分の認識として違うのは、音楽はもう少し能動的というか、自分にイニシアティブがある。でも、お芝居とか、特にドラマのイニシアティブは、やっぱり監督のビジョンとか制作スタッフとか「映像を撮るんだ!」っていう現場の人たちのビジョンがすごく大きくて、そこに対して瞬間的な仕事を役者は求められているというか。だから(音楽と芝居は)集中力が異なるなと思いながら、僕は本業の音楽のときにも「これくらい集中しなくちゃな」っていうようなフィードバックみたいなものがありましたね。
初の無観客配信ライブは建物探訪のよう?
森山が7月に自身初の無観客配信ライブ「すぐそこにNEW DAYS in Blue Note Tokyo」をブルーノート東京で開催した。クリス:僕も見せてもらいました。無観客だったけど、それで逆に伸び伸びとやれていたような、リビングルームで歌っているような感じでしたね。
森山:今回、初めてブルーノートのステージで歌わせてもらったんですけど、ブルーノートはブルーノートでした。すごいなと思いましたね。そこのこだわりとか意地を、ステージやスタッフのみなさんからすごく感じました。本場(ニューヨーク)から受け継がれている、ブルーノートの魔力みたいな磁場を感じたんですよね。たとえばラウンジとか受付とか、そこに行く導線のなかで、お客さんのように「ここはこうなってるんだ」「あそこにこんな写真が飾ってあるんだ」「この裏に謎のバーがある」とか、その場所との出会いを大事にしながら粛々と歌っていくような実感を、映像を通してみんなに感じてもらったほうがいいかなと。
当初、5月にブルーノート東京で開催予定だったライブが2021年へ延期となったが、「せっかくこの場所に出会えたので、何か配信でできることはないか」との思いから、今回の無観客配信ライブが実現した。
森山:ブルーノートってどこか敷居が高いイメージがあるじゃないですか。格式も高いけど、そうじゃない部分、たとえばみんなで食事に舌鼓を打ちながら音楽を身近に感じるとか、「実はこの場所って親近感があるんだ」ってことを、映像を通して感じてもらえたらなと思っていました。それと同時にステージの上でただカメラを置いて撮影するのは自分らしくないなって感じたので、お客さんがいないことをいかして、いろんな場所で歌わせてもらいました。ちょっとした建物探訪みたいになっていたと思います。
クリス:バックステージからステージへ練り歩く感じもよかったですよね。
森山:あの瞬間にすごくメッセージがあるなと思っていて。舞台に立つまでの過程ってあまり見られないじゃないですか。配信ってことも含めて、ブルーノートという由緒も歴史もある場所で歌わせていただいたことがものすごくスリリングでしたね。
人間の「底抜けな明るさ」と「儚さ」がない交ぜになった曲
森山は7月に新曲『すぐそこにNEW DAYS』を配信リリース。この曲は2019年まで続いた「森山直太朗コンサートツアー2018~19『人間の森』」で生まれた楽曲だ。森山:この曲をどこかの時代の変わり目でもいいし、年が明ける瞬間でもいいから、リリースしたいなと思っていたんですけど、その矢先に新型コロナウイルスが出てきてしまって。リリースしたい気持ちはあるんだけど、悶々とした状況が続くなかで、5月にリリースした『最悪な春』を歌い切れたときに、満を持してこの曲をリリースしようと思えたんですよね。図らずも今のソーシャルディスタンスの状況を憂うようにはじまるんですけど、(本当は)ただ当たり前の景色を歌っているんです。「新しい日々は今ここにはない、でもすぐそこにあるんだ」っていう自分たちの想像力とモチベーション。今それがここにあったら僕たちはこの先、生きていけないかもしれないけど、すぐそこに見えているから追いかけてしまうんだっていう、人間のポジティブで底抜けな明るさと、儚さがない交ぜになった曲ですね。
もともと『すぐそこにNEW DAYS』はビッグバンドのスタイルで制作するはずだったが、最終的にはブルーグラスのスタイルにアレンジさしたという。
森山:ジャズフィドラーの山田拓斗が「新型コロナでライブとかレコーディングも延びちゃって、あまりに暇だからブルーグラスバージョンでちょっとジャジーなアレンジで仕上げてみた」って、彼が能動的にやってくれたんです。コロナ禍じゃなかったらこのアレンジにたどり着かなかったかもしれないですね。そこから映像作品も制作していきました。いつもとは違う状況のなかでも、変わらないものを提示できたのかなって思っています。
クリス:ミュージックビデオもすごい作品でしたね。
ミュージックビデオは「カレーメシ」などのCMを手がける、CMディレクターの佐藤 渉が監督を務めた。
森山:佐藤さんが初めてミュージックビデオを手掛けてくれました。僕も昔からファンだったので、お願いしたら二つ返事で「いいですよ」ってことで。ぜひみなさんに見ていただきたいですね。
クリス:これは大作でしたね。ドラマもありますし、すごかったですね(笑)。
森山は10月公開の映画『望み』の主題歌を担当することが決定している。今後の活動などは、森山のオフィシャルサイトまで。
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2020年8月21日28時59分まで
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番組情報
- 『SAPPORO BEER OTOAJITO』
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毎週金曜23:00-23:30
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クリス・ペプラー