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森山直太朗が語る、友部正人の魅力「言葉で語れることの限界を知りながら…」

森山直太朗が語る、友部正人の魅力「言葉で語れることの限界を知りながら…」

J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。

8月7日(金)のオンエアでは、森山直太朗が出演。森山が愛してやまない友部正人や、親交の深いハナレグミ・永積 崇について語った。

【後編】森山直太朗、朝ドラ『エール』出演で感じた「芝居と歌の集中力の違い」とは?

森山「僕の大尊敬するフォークシンガー」

森山は「ライブを観て印象に残るアーティスト」として友部正人をあげた。

クリス:好きなシンガー3人の中の1人でもあるそうですね。
森山:友部さんは日本のフォークブームの一端を担った方で、今もなお活動をされている、僕の大尊敬するフォークシンガーです。友部さんはシンガーであると同時に吟遊詩人でもあるんですよね。よくボブ・ディランがそういうふうに言われましたけど、友部さんも“和製ボブ・ディラン”という言葉がふさわしい人ですね。

同じ日本語を扱うミュージシャンとして、友部以上の詩情を持って音楽活動をするアーティストはいない、と森山は続ける。

森山:今はソーシャルメディアとか、言葉がすごく力を持ち出して、良くも悪くも影響力を持ち出しているけど、言葉で語れることってすごく限られている。その限界を知りながら友部さんは詩(ポエム)という手段を用いて、言葉と言葉の間にある、言葉にできない部分を表現している数少ないアーティストの1人ですね。言葉に絶望しているわけではないけれど、僕らが言葉で伝えきれていないこともたくさんあって、それを語り出したら今日のビールを朝まで飲んでも飲み足りないくらいなんだけど、やっぱり僕らがやっている音楽は答えのないものだし、かたちにとどまってはいけないものだから、友部さんは多くを語らないけど、今もなおギター1本持っていろんな場所に行って歌い続けている、スナフキンみたいな人なんですよね。自分もそうあれたらいいなっていう、僕にとってのスーパーマンみたいな人です。

ハナレグミの永積 崇は、いつも何かに悩んでる

続いて森山と親交が深く、共演して印象に残るアーティストとしてもあげるハナレグミの永積 崇の話題に。

森山:(永積)崇くんは僕にないものを全部持ってる人って感じ。彼とたまに飲むとバカ騒ぎしているだけなんだけど、ふと言ってくれる一言が自分の糧になるというかね。同世代で数少ない友だちのような存在ですね。
クリス:2人はどういう話をするの?
森山:僕も大概ですけど、彼も悩み上手で、いつも何かに悩んでるんですよ(笑)。「でもな」なんて言って。その感じがすごく個人的なもので、要するに一番自分を信じているし、一番自分を疑っているみたいな。ここ10年、20年と彼が活動を続けていく中で、その緊張感とか鮮度を保てるってなかなかないと思うんですよね。それはすごく動物的で感覚的で、つまり「自分が歌っていて楽しいか」っていつも悩んでいる。あんなに人を楽しませたり癒やしたりしてるのに。でも、悩み抜いたところにあるものを彼はいつも探している感じがして。疑いと信じているものの先を見る目線がよくて、遠い目をしてるんですよね。

森山直太朗はパンク好き?

以前、この番組に出演したBiSHのセントチヒロ・チッチは、毎回ライブ前は楽屋で森山の曲を聴いていると話していた。それを聞いた森山は「うっそ!?」と驚いた様子。

クリス:打ち上げで(森山に)会って、すごく感動したと言ってて。
森山:本当ですか。うれしい! でも、チッチさんはそんなそぶりひとつも見せませんでしたよ。
クリス:どちらかというとBiSHはアグレッシブな曲調だけど、そういうアーティストが直太朗さんを好きって思うと(うれしいよね)。でも、直太朗さんもセックス・ピストルズとかラモーンズとかアグレッシブな曲も実は好きなんですよね?
森山:そうですね。ギター1本持ってフォークソングとかカントリーミュージックとかもスタイルとして好きなんですけど、5歳上の姉の影響もあって、中学生くらいからザ・ブルーハーツもそうだし、その源泉であるピストルズとかラモーンズとかも聴いてましたね。

その影響か、森山は「根本的な部分でパンク的な思想のようなものがあるかも」と話す。

森山:誰かから、僕の『さくら』をロックアレンジするとけっこう合うと言われたことがあるし、誰も歌わないような題材とかテーマみたいなものに、いとわずチャレンジできたりするので。
クリス:直太朗さんはどこかパンクですよね。どんなにきれいな曲でも、どこか安全ピンを刺しているというかね。ちょっと血も出てるじゃんって(笑)。

「最悪」と口に出せる、ある種の豊かさ

森山は5月に『最悪な春』をリリースした。この曲はコロナ禍だからこそ生まれた1曲だという。

森山:(コロナ禍でも)平常心でいようって思うんだけど、そこに力んじゃう自分もいたりする中で、一緒に楽曲制作をする御徒町 凧が「こんな詞ができたんだ」ってこの曲の詞を紙っぺら1枚で渡してきて。それを見たときに、「それ言っちゃうの?」って思ったんだけど、「言っちゃおうか」みたいな(笑)。言い切ったことで、すごくラクになれた部分もあったんです。



森山:「最悪」って言えるときは、本当は「最悪」と思っていないんですよ。本当に最悪な状況やつらい状況のときって「最悪」とか「つらい」って言葉も言えないと思うんです。でも、いま俺たちは愛を持ってこの状況を「最悪だぜ」「やってらんねえよ」って言える。「我慢して頑張ろう」「負けないで」って言えることも大事だけど、照れも含めて「最悪」「イヤになっちゃうね」って言えることの豊かさってあるんじゃないかなと思って。言葉尻だけ取ると、「最悪」って最悪な言葉かもしれないけど、なんか愛着を持ってその言葉に触れられたときに、違う風穴が開くんじゃないかなという思いで作りました。

【後編】森山直太朗、朝ドラ『エール』出演で感じた「芝居と歌の集中力の違い」とは?

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番組情報
『SAPPORO BEER OTOAJITO』
毎週金曜
23:00-23:30
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