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海洋ごみの処分は、家庭ごみの「数十倍の費用」がかかる。さらに“責任”の問題も

海洋ごみの処分は、家庭ごみの「数十倍の費用」がかかる。さらに“責任”の問題も

海の豊かさを守るために活動する「一般社団法人オーシャンスイープ協会」が、海や川で目にしたごみの写真を募集している。いったいなぜなのか。海洋ごみにまつわる問題を、協会の公認ライターである白野圭俊さんに訊いた。

白野さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のワンコーナー「NISSUI PEACEFUL BLUE」。ここで11月13日(土)のオンエアをテキストで紹介する。

「海に漂流するごみ」は責任の所在があいまい

「海洋ごみ」や「海洋プラスチックごみ」という言葉がよく聞かれるようになった。「海にあるごみ」と考えてしまいがちだが、「どこにあるか」によって扱いは異なる。ナビゲーターの甲斐まりかが、白野さんに質問していった。

甲斐:海岸で拾うごみと海に漂っているごみって、少し扱いが違うんですか?

白野:そうですね、一口に「海洋ごみ」や「海洋プラスチック」と括って言ってしまうんですけど、実際は海に流れている「漂流ごみ」と、海岸にたどり着いた「漂着ごみ」は分けて考えないといけないものです。

甲斐:たどり着いてしまったごみは、ビーチクリーンなどで拾ったりする活動があります。漂ってしまっているごみはどうすればよいのでしょうか?

白野:海洋法という法律があって、海に面している市区町村の方々はそれぞれの地域の責任を持っているんですね。だから、たどり着いてしまったものに関してはその責任のもとで処分をします。その処分費用はその市区町村が負担することになっているんですけど、まだ漂流しているごみは責任がはっきりしていなんですね。行政も予算がひっ迫していますので、その責任を誰が持つのかが決まっていない状態では、積極的にそれを取りに行くことはなかなかできないということがあります。

家庭から出るプラスチックごみは、市区町村が回収して処分する。しかし一度ごみが海に出てしまうと、ごみが海水に浸かって水分や塩分が増し、場合によっては生き物の死骸も付着する。こうなると家庭ごみの処分に比べて数十倍の費用がかかってしまうという。そのため、引き揚げたごみをどう処分するかには大きな金銭的問題がある。

白野:海岸に面していないところで生活している人たちのごみも、川とかから流れ出てしまっていて、結果的に海ごみと無関係ではありません。全体の3分の2くらいはそういった生活ごみが原因になっていて、残りの3分の1が漁師さんたちの使う網などです。陸上生活をしている人たちが原因になっている部分もありますので、そこをお互いに負担しあって、漁師さんたちだけで負担せずに済むように、また、ごみを拾ってくるときに「拾ったあとの処分費用をどうしよう」と心配しなくても済むような仕組みを作っていきたいと思っています。

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短期間で目標達成するために“ごみの写真”を募集

一般社団法人オーシャンスイープ協会では、海や川で目にしたごみの写真を募集している。これはどういう取り組みなのだろうか。

白野:身近なところにどんなふうにごみが流れ出てしまっているのか、そういったものを実際に現場に行って写真を撮っていただき、それを私たちがマップ上にプロットすることで、社会的な認識も広がっていくと考えています。なおかつ、抑えられた処分費用をみんなで出しあったり、行政に協力してもらったりする動きを作っていく。実際に漁師の方たちがごみを拾って処分場まで運んでくださって、そこで少ないコストで処分できる流れを作っていくためには、どうしてもたくさんの方々のご理解をいただく必要があります。そのためには、目に見える形で状況を伝えていかなければならないので、現場の写真が必要になるかと思います。私たちが一カ所ずつ行って写真を撮るよりも、身近なみなさんに撮っていただいた写真を集めることで、短い期間で達成できるんじゃないかと考えています。

活動の詳細は、一般社団法人オーシャンスイープ協会の公式サイトまで。

『BLUE IN GREEN』のワンコーナー「NISSUI PEACEFUL BLUE」では、海や水にまつわるサスティナブルな話題を中心にピックアップ。自然と自分のつながりを考える10分間となっている。放送は毎週土曜の12時15分頃から。

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毎週土曜
12:00-16:00