ベーシストの村田隆行が、自身の活動やさまざまなアーティストとのエピソードについて語った。
村田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは11月5日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を持ち寄る。村田は、大阪からの帰りということで、関西からのお土産として、いか天、みたらし団子、八ツ橋だった。
クリス:フロントがベーシスト3人という感じだよね。鳴瀬さんがリーダーなんですか?
村田:いや、実は僕なんですよ。言い出しっぺも僕で。中学生のときに音楽をやったきっかけがカシオペアだったんですけれども、そのときすでに鳴瀬さんが参加されているカシオペアだったんですね。
クリス:なるほどね。
村田:どう考えてもベースが目立ってるじゃないですか。「ベースってこんなに目立てる楽器なんだ」っていう、完全に間違えたベース像で音楽をやりだしたんです。そのナルチョさん(鳴瀬)への憧れをずっと捨てていないので、なにか日本でひとつパンチのあるユニットを作れないかなと思ったときに、ナルチョさんと、あとはスーパーテクニックのIKUOさん、それに僕というこの3人で。「アンサンブルする」をテーマにしているので、3人が馬鹿みたいに弾き倒しているとかではなく、3人の個性をちゃんと活かして、バトルじゃなくて共有することをコンセプトに始めたのがザ・チョッパーズ・レボリューションです。
クリス:ベースでもいろいろなピッチや音色があるからアンサンブルで成り立つというか。
村田:そうですね。ナルチョさんって8弦ベースじゃないですか。
クリス:あれは4弦にオクターブが高い弦が次にくるっていう、いわゆる12弦ギター?
村田:そのコンセプトですね。なので、ナルチョさん独特のサウンドもそうですし、けっこうラリー・グラハムみたいな16分のサンピングのバッキングをしてもカッティングみたいに聞こえるんですよね。
クリス:鳴瀬さんのベースで弾いたことある? 2弦を同時に引っ張るってどう?
村田:意外に弾けるんですけど、じゃあ自分のものにして好き勝手に弾けるかというと、やっぱり8本分の張力を指で引っ張らないといけないから、僕はとても弾き続けられないという感じでした。
クリス:パッと見た感じは、けっこうライトゲージっぽいんだけど、そうでもないんだ?
村田:さすがですね。そうでした、鳴瀬さんは1弦40とかなので。
クリス:じゃあフェザータッチだよね。
村田:実はそうなんですよ。ラリー・グラハムさんも40なんですよね。
クリス:ほんと!?
村田:そうなんです、ビックリしました。
村田:ラリーさんのビルボードライブ東京に飛び入りさせてもらったことがあって。
クリス:俺、それ観た。
村田:あ、そうなんですか! ありがとうございます。サウンドチェックでラリーさんのベースを弾かせてもらったんですね。そうしたら弦高がベタベタなんですよ。
クリス:スレスレみたいな。
村田:弦は細いしペッタンペッタンで、本当に大げさじゃなくて全然楽器が鳴らないんですよ。
クリス:え、どういうこと?
村田:弦高ペタペタで弦が細いじゃないですか。サウンドチェックで僕が弾いたら、全然あのラリーさんの音じゃないんです。「これ大丈夫か?」なんて思って。
村田は、ラリーがスラッピングをするに至った逸話に納得したのだという。
村田:もともとギターでピックを持って弾く弾き方。あの人は一時期ベースを弾く程度だったから、2フィンガーで(一般的なベースの弾き方の)練習をする気もなかったらしく、ギターを弾いているスタイルのカッティングのままでベースをやっていたらしいんです。でもそこにドラマーがいなくなったから、「キックっぽい音を出そう」って叩いてやったら「いけるじゃん」となったのがスラッピングらしいんです。なので、見ているとジャズベースのフロントピックアップとリアピックアップの真ん中で叩いてるんですよね。
クリス:へえ、そうなんだ。
村田:親指も、少なくとも僕の倍はあった(笑)。あの大きさで、その辺りでバッキングやってたら、それはそれは音が太くて。
クリス:すごいね。
村田:ラリーさんとマーカスさんがツインベースでやったときがあったじゃないですか。
クリス:あのとき村田くんが弾いてなかったっけ?
村田:僕はあのとき楽屋にいさせてもらったんです。僕のフェンダーベースを、マーカスさんが楽屋で小さなアンプで弾いて、スライ(Sly & The family Stone)の曲をやってるわけですよ。マーカスさんも「Loveラリー」だから全部の曲を弾けるんですね。それでめちゃくちゃかっこいいんですよ、マーカス・ミラーのスライソング。
クリス:へえ!
村田:そうしたら奥の楽屋からラリーさんが出てきて、マーカスさんが「この曲弾いてくれよ」ってベースをパッと渡したら、あんなにかっこよかったマーカス・ミラーの音が、なんか子どもみたいになってるんですよ。要は、ラリー・グラハムが弾いた途端、“本物”になるんですよね。
クリス:なるほどねえ。
村田:あれは僕、本当に幸せな瞬間でした。
12日(金)のオンエアでも村田が登場。放送は23時から。オンエアから一週間後まで、radikoのタイムフリー機能で再生できる。
【radikoで聴く 12日23時に開通】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20211112230000
村田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは11月5日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を持ち寄る。村田は、大阪からの帰りということで、関西からのお土産として、いか天、みたらし団子、八ツ橋だった。
ベーシスト3人によるユニット
クリスはまず、村田、鳴瀬喜博、IKUOによるトリプルベース・ユニット「ザ・チョッパーズ・レボリューション」の活動について質問を投げかけた。クリス:フロントがベーシスト3人という感じだよね。鳴瀬さんがリーダーなんですか?
村田:いや、実は僕なんですよ。言い出しっぺも僕で。中学生のときに音楽をやったきっかけがカシオペアだったんですけれども、そのときすでに鳴瀬さんが参加されているカシオペアだったんですね。
クリス:なるほどね。
村田:どう考えてもベースが目立ってるじゃないですか。「ベースってこんなに目立てる楽器なんだ」っていう、完全に間違えたベース像で音楽をやりだしたんです。そのナルチョさん(鳴瀬)への憧れをずっと捨てていないので、なにか日本でひとつパンチのあるユニットを作れないかなと思ったときに、ナルチョさんと、あとはスーパーテクニックのIKUOさん、それに僕というこの3人で。「アンサンブルする」をテーマにしているので、3人が馬鹿みたいに弾き倒しているとかではなく、3人の個性をちゃんと活かして、バトルじゃなくて共有することをコンセプトに始めたのがザ・チョッパーズ・レボリューションです。
クリス:ベースでもいろいろなピッチや音色があるからアンサンブルで成り立つというか。
村田:そうですね。ナルチョさんって8弦ベースじゃないですか。
クリス:あれは4弦にオクターブが高い弦が次にくるっていう、いわゆる12弦ギター?
村田:そのコンセプトですね。なので、ナルチョさん独特のサウンドもそうですし、けっこうラリー・グラハムみたいな16分のサンピングのバッキングをしてもカッティングみたいに聞こえるんですよね。
クリス:鳴瀬さんのベースで弾いたことある? 2弦を同時に引っ張るってどう?
村田:意外に弾けるんですけど、じゃあ自分のものにして好き勝手に弾けるかというと、やっぱり8本分の張力を指で引っ張らないといけないから、僕はとても弾き続けられないという感じでした。
クリス:パッと見た感じは、けっこうライトゲージっぽいんだけど、そうでもないんだ?
村田:さすがですね。そうでした、鳴瀬さんは1弦40とかなので。
クリス:じゃあフェザータッチだよね。
村田:実はそうなんですよ。ラリー・グラハムさんも40なんですよね。
クリス:ほんと!?
村田:そうなんです、ビックリしました。
サウンドチェックでラリー・グラハムのベースを弾いたら…
村田は、スラップ奏法を生み出したラリー・グラハムとの貴重な体験を振り返った。村田:ラリーさんのビルボードライブ東京に飛び入りさせてもらったことがあって。
クリス:俺、それ観た。
村田:あ、そうなんですか! ありがとうございます。サウンドチェックでラリーさんのベースを弾かせてもらったんですね。そうしたら弦高がベタベタなんですよ。
クリス:スレスレみたいな。
村田:弦は細いしペッタンペッタンで、本当に大げさじゃなくて全然楽器が鳴らないんですよ。
クリス:え、どういうこと?
村田:弦高ペタペタで弦が細いじゃないですか。サウンドチェックで僕が弾いたら、全然あのラリーさんの音じゃないんです。「これ大丈夫か?」なんて思って。
村田は、ラリーがスラッピングをするに至った逸話に納得したのだという。
村田:もともとギターでピックを持って弾く弾き方。あの人は一時期ベースを弾く程度だったから、2フィンガーで(一般的なベースの弾き方の)練習をする気もなかったらしく、ギターを弾いているスタイルのカッティングのままでベースをやっていたらしいんです。でもそこにドラマーがいなくなったから、「キックっぽい音を出そう」って叩いてやったら「いけるじゃん」となったのがスラッピングらしいんです。なので、見ているとジャズベースのフロントピックアップとリアピックアップの真ん中で叩いてるんですよね。
クリス:へえ、そうなんだ。
村田:親指も、少なくとも僕の倍はあった(笑)。あの大きさで、その辺りでバッキングやってたら、それはそれは音が太くて。
クリス:すごいね。
マーカス・ミラーとラリー・グラハム
過去にマーカス・ミラーがラリー・グラハムと共演した際、村田は楽屋にいたそうで、こんなエピソードを披露した。村田:ラリーさんとマーカスさんがツインベースでやったときがあったじゃないですか。
クリス:あのとき村田くんが弾いてなかったっけ?
村田:僕はあのとき楽屋にいさせてもらったんです。僕のフェンダーベースを、マーカスさんが楽屋で小さなアンプで弾いて、スライ(Sly & The family Stone)の曲をやってるわけですよ。マーカスさんも「Loveラリー」だから全部の曲を弾けるんですね。それでめちゃくちゃかっこいいんですよ、マーカス・ミラーのスライソング。
クリス:へえ!
村田:そうしたら奥の楽屋からラリーさんが出てきて、マーカスさんが「この曲弾いてくれよ」ってベースをパッと渡したら、あんなにかっこよかったマーカス・ミラーの音が、なんか子どもみたいになってるんですよ。要は、ラリー・グラハムが弾いた途端、“本物”になるんですよね。
クリス:なるほどねえ。
村田:あれは僕、本当に幸せな瞬間でした。
12日(金)のオンエアでも村田が登場。放送は23時から。オンエアから一週間後まで、radikoのタイムフリー機能で再生できる。
【radikoで聴く 12日23時に開通】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20211112230000
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2021年11月12日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
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毎週金曜23:00-23:30
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クリス・ペプラー