クリエイティブディレクターの野村訓市が、RADWIMPS・野田洋次郎との交流を語った。
野村がトークしたのは、自身がナビゲーターを務めるJ-WAVE『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』。8月29日(日)放送。
野村:実際、この夏に「夏らしいこと」をしたといったらドライブくらいでした。結局ちゃんと海に行って泳いだりもしていませんし、キャンプに行こうと思っても“密”でどこに行ったらいいのかわからなくて。そうやって考えると車を走らせるくらいしかありませんでしたが、その代わりに久しぶりに学生時代のような夏をすごしました。特に友だちとのビデオ作り。ビデオと言っても、それはRADWIMPSの『SUMMER DAZE』という曲のMVです。
RADWIMPSのボーカル、野田洋次郎とは年齢が一回り違う丑年同士。野田とは馬が合い、彼が20代のころからよく酒を酌み交わしてきたという。野村いわく、その量は「ひと夏でタンクローリー1台分ぐらい」なのだとか。
野村:普通はビールに始まり、ハイボールにウォッカソーダ、いつの間にか夜明けを肩を組んで迎えたことも多々ありました。けれどもそんな夏というのが去年もなくて。今年、確か3月ぐらいだったでしょうか。「残念だけど、今年の夏もきっともとのようにはならないぞ」という話を確か、彼の家のキッチンでビールを飲んでいるときに話しました。「つまりこの先も、下手したら年末ぐらいまでお酒を飲むとしたら互いの家で2人、さみしくビールを飲むぐらいしかないということなんだぞ」と。「というわけでここはひとつ、自分たちが好きだった夏のすべてが詰まった曲を洋次郎、キミは作るべきなんじゃないの?」と話しました。
「夏が詰まった曲」とはどういうものなのか、2人は話し合いをしたという。
野村:最低7分ぐらいあって、ちゃんと踊れて、しかもそれまで聴いたことがない人が1回聴いただけで、1人で大声で一緒に歌えるような。今年の夏に大勢の人と騒いだりする体験はできなくても、1人ならできる。夜明け前に1人ヘッドフォンをして音楽をかけて夜明けまで、どこへ行くと決めず走り出してもいいし、車がある人は窓を全開にして海まで走ってもいい。「普段の夏にしていたことや、そのときの感情を思い出すような曲を作ったほうがいいんじゃない?」という話でした。
野村:じゃあ一緒に聴こうと彼のスタジオにいき、スピーカーからその音源を流すと、まあいろいろな夏の日のことを思い出しました。どんな夏の日かというと、お酒を片手に踊っていたり、DJブースのなかでレコードのラベルを一生懸命見ているような思い出。いきなりそういうことを思い出す曲を作れちゃうというところに「ミュージシャンってすごいな」とあらためて思いました。「ああ、早く普通の夏がこないかな?」と、聴いたときに思いましたし、同時に大勢で騒ぐことはできないけど、この曲なら1人でいても通常の夏のような気持ちにさせてくれるんじゃないかとも思いました。
野村は夏の日々の“Days”と、ゆらめき的な意味と持つ“Daze”をかけて名付けられた『SUMMER DAZE』について「僕や友だちにとって今年の唯一の夏らしい思い出」だったと振り返った。
野村:そのためのTシャツを「音源ができる前に作ろうぜ」とデザインして作ってみたり、夜を抜けて“一人万歳”のような夏が表現できるMVを作ったりしました。そのMVの作り方がなんだか学生の文化祭ノリでした。別件の撮影中にデモをたまたま聴かせたカメラマンの川上智之くんが「いいっすね、これ。撮るんだったら僕カメラ回します」と言ってくれたり、デモを聴いてもらったアートディレクターのYOSHIROTTENが「いいっすねこれ、僕もなにかあったらやります」と言ってくれたり、手弁当でDIYなモノづくりをしようと、最低人数が集まってくれました。
野村は少人数での撮影でこの歳で徹夜を何度もするなかで、体力的にはつらかったものの充実した日々を送ったという。
野村:誰もいない海で美しい夜明けを見たりして、すごく楽しくて。もしコロナがなかったらこういうものを作ろうとも思わなかったですし、こういうやり方をしようとも思わなかったと思います。僕も早く世の中が普通になってほしいですし、早く旅行に行きたいなと思ってはいるんですが、できないことを嘆くよりは、いまできることや、いまなりに楽しくやれる方法を探すというほうがよっぽどいい時間のすごし方なのかなと思うようになりました。というわけで暦的にはもう夏も終わりですが、まだまだ暑く夏気分の日々が続くはずです。もしなにも夏らしい思い出も感情も持っていないという人は、ぜひこの『SUMMER DAZE』を聴いて夜明けに向けて走ったり、ドライブしてみたりと、熱いエモい瞬間をすごしてみてください。きっと1人の夏というのも悪くないんじゃないのかな?と思います。
番組ではRADWIMPSの『SUMMER DAZE』をオンエア。同曲は音声ファイル共有サービスの「SoundCloud」で無料配信されており、MVはYouTubeで観ることができる。
RADWIMPSの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
野村がトークしたのは、自身がナビゲーターを務めるJ-WAVE『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』。8月29日(日)放送。
「自分たちが好きだった夏のすべてが詰まった曲を」
「僕のなかでは夏はやっぱり8月までとしています」と語る野村だったが、コロナ禍でそんなに夏らしい夏がやってきていないと嘆いた。野村:実際、この夏に「夏らしいこと」をしたといったらドライブくらいでした。結局ちゃんと海に行って泳いだりもしていませんし、キャンプに行こうと思っても“密”でどこに行ったらいいのかわからなくて。そうやって考えると車を走らせるくらいしかありませんでしたが、その代わりに久しぶりに学生時代のような夏をすごしました。特に友だちとのビデオ作り。ビデオと言っても、それはRADWIMPSの『SUMMER DAZE』という曲のMVです。
RADWIMPSのボーカル、野田洋次郎とは年齢が一回り違う丑年同士。野田とは馬が合い、彼が20代のころからよく酒を酌み交わしてきたという。野村いわく、その量は「ひと夏でタンクローリー1台分ぐらい」なのだとか。
野村:普通はビールに始まり、ハイボールにウォッカソーダ、いつの間にか夜明けを肩を組んで迎えたことも多々ありました。けれどもそんな夏というのが去年もなくて。今年、確か3月ぐらいだったでしょうか。「残念だけど、今年の夏もきっともとのようにはならないぞ」という話を確か、彼の家のキッチンでビールを飲んでいるときに話しました。「つまりこの先も、下手したら年末ぐらいまでお酒を飲むとしたら互いの家で2人、さみしくビールを飲むぐらいしかないということなんだぞ」と。「というわけでここはひとつ、自分たちが好きだった夏のすべてが詰まった曲を洋次郎、キミは作るべきなんじゃないの?」と話しました。
「夏が詰まった曲」とはどういうものなのか、2人は話し合いをしたという。
野村:最低7分ぐらいあって、ちゃんと踊れて、しかもそれまで聴いたことがない人が1回聴いただけで、1人で大声で一緒に歌えるような。今年の夏に大勢の人と騒いだりする体験はできなくても、1人ならできる。夜明け前に1人ヘッドフォンをして音楽をかけて夜明けまで、どこへ行くと決めず走り出してもいいし、車がある人は窓を全開にして海まで走ってもいい。「普段の夏にしていたことや、そのときの感情を思い出すような曲を作ったほうがいいんじゃない?」という話でした。
友だちと一緒に…手弁当でDIYなモノづくり
「そういう曲を作ったら?」というきっかけから、2人はビールを飲みつつ「あのときは最高だった」「あのときに聴いたあの曲は、いつもの倍よく聞こえた」という夏の思い出を語り合った。そして、ある日野田から「ちょっとできたかも」という連絡が届いたそう。野村:じゃあ一緒に聴こうと彼のスタジオにいき、スピーカーからその音源を流すと、まあいろいろな夏の日のことを思い出しました。どんな夏の日かというと、お酒を片手に踊っていたり、DJブースのなかでレコードのラベルを一生懸命見ているような思い出。いきなりそういうことを思い出す曲を作れちゃうというところに「ミュージシャンってすごいな」とあらためて思いました。「ああ、早く普通の夏がこないかな?」と、聴いたときに思いましたし、同時に大勢で騒ぐことはできないけど、この曲なら1人でいても通常の夏のような気持ちにさせてくれるんじゃないかとも思いました。
野村は夏の日々の“Days”と、ゆらめき的な意味と持つ“Daze”をかけて名付けられた『SUMMER DAZE』について「僕や友だちにとって今年の唯一の夏らしい思い出」だったと振り返った。
野村:そのためのTシャツを「音源ができる前に作ろうぜ」とデザインして作ってみたり、夜を抜けて“一人万歳”のような夏が表現できるMVを作ったりしました。そのMVの作り方がなんだか学生の文化祭ノリでした。別件の撮影中にデモをたまたま聴かせたカメラマンの川上智之くんが「いいっすね、これ。撮るんだったら僕カメラ回します」と言ってくれたり、デモを聴いてもらったアートディレクターのYOSHIROTTENが「いいっすねこれ、僕もなにかあったらやります」と言ってくれたり、手弁当でDIYなモノづくりをしようと、最低人数が集まってくれました。
野村は少人数での撮影でこの歳で徹夜を何度もするなかで、体力的にはつらかったものの充実した日々を送ったという。
野村:誰もいない海で美しい夜明けを見たりして、すごく楽しくて。もしコロナがなかったらこういうものを作ろうとも思わなかったですし、こういうやり方をしようとも思わなかったと思います。僕も早く世の中が普通になってほしいですし、早く旅行に行きたいなと思ってはいるんですが、できないことを嘆くよりは、いまできることや、いまなりに楽しくやれる方法を探すというほうがよっぽどいい時間のすごし方なのかなと思うようになりました。というわけで暦的にはもう夏も終わりですが、まだまだ暑く夏気分の日々が続くはずです。もしなにも夏らしい思い出も感情も持っていないという人は、ぜひこの『SUMMER DAZE』を聴いて夜明けに向けて走ったり、ドライブしてみたりと、熱いエモい瞬間をすごしてみてください。きっと1人の夏というのも悪くないんじゃないのかな?と思います。
番組ではRADWIMPSの『SUMMER DAZE』をオンエア。同曲は音声ファイル共有サービスの「SoundCloud」で無料配信されており、MVはYouTubeで観ることができる。
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