日本円にして1000億円超え─イギリス政府がコロナ禍のイベント補償を新たに開始

イギリスのコロナに関する新たなイベント保険システムについてのニュースを、ノイハウス萌菜が紹介した。

このニュースを話題に挙げたのは、8月10日（火）放送の『STEP ONE』のワンコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」（ナビゲーター：サッシャ、ノイハウス萌菜）。

日本円だと1000億円超えの支援を政府が開始

同コーナーでは、サッシャとノイハウスが気になるニュースを紹介する。今回は、ロイター通信によるニュースを紹介した。

イギリスではコロナ禍において、文化的な施設などを政府が支援していた。さらに、コロナによるイベントのキャンセルリスクをカバーするために、7億5000万ポンドを超える政府支援の再保険制度が開始された。

ノイハウス：ライブイベントを行う際のコロナによるキャンセルリスクをカバーするために、7億5000万ポンド、日本円でだいたい1000億円を超えるくらいの支援金を政府が再保険制度として開始したというニュースです。このイベントは音楽のイベントだけでなく、ビジネス関連のカンファレンスとかも幅広く含まれます。9月から誰でも加入できるそうです。イベントの中止は主催される方々には死活問題なので、リスクを恐れて開催ができない方にとっては、そういう時期から抜けるための第一歩かなと思っています。
サッシャ：民間の保険会社じゃなくて、政府が用意しているっていうのがすごいよね。
ノイハウス：そこはウィズコロナで、イギリスがすごく進んでいるところかなと思います。

新たな制度にはまだまだ課題も…

新たに始まる今回の制度も、業界のなかでは「これでも足りない」という声が上がっているようだ。

ノイハウス：（今回の保険は）ロックダウンによるキャンセルはカバーされるんですけど、たとえばソーシャルディスタンスの新たなルールとか、万一アーティストがコロナにかかった場合はカバーされません。

つまり、政府主導でキャンセルを余儀なくされた場合は補償されるが、「ソーシャルディスタンスをとるために人数を減らさなければならない」場合は対象にならない。

サッシャ：たとえば5000人の予定だったのに2000人しか入れなくなって、2000人分しか収入がなくても、残りの3000人分の補填はされない。そうすると、赤字のままやるしかないみたいなことになっちゃう、ということをイベント主催者側は言っているんですね。あと、アーティストがコロナになったときは確実にライブできないじゃないですか。延期はあるだろうけど。それがカバーされないのはけっこう難しいですね。
ノイハウス：でも、カバーするのも難しいですね。その方々がどういう生活をしているのかわからないなか、そこの責任を取るっていうのはなかなか難しいです……。
サッシャ：あと、性悪説に立つと悪く取る可能性もあるよね。たとえばあんまりチケットが売れなかったから、「コロナになったことにして中止してしまえ」ということも、リスクとしてあんまり保険でカバーしたくない理由にあるかもしれないですね。

サッシャによると、日本でもイベント開催時にはさまざまな保険に加入するという。

サッシャ：現状のフェスとかでも、みんな保険に入っているんですよ。たとえばヘッドライナーがこれなくなっちゃったとか、怪我をしちゃったとか、悪天候で開催できなくなったときに補填できるようにとか。細かい条件は色々あると思うんですけど、各イベントってだいたい保険に入っているんですよ。万が一開催できなかったときに、ちゃんと保険金でカバーして、イベント会社が倒産しないようにっていうのはやっているんですけどね。それは民間の保険会社がやっているんですけど、そういうなかに組み込んでいくとかね、日本でも参考になることかもしれませんね。
ノイハウス：「来年の半ばならいいだろう」と思ってもなかなか企画ができていないっていうところも多いと思うので、次のステップに向かうための「ステップワン」ですね。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜～木曜の12時5分ごろから。