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ゴダイゴが音楽シーンにもたらした「重要な概念」とは? 亀田誠治が語る

ゴダイゴが音楽シーンにもたらした「重要な概念」とは? 亀田誠治が語る

亀田誠治が、ゴダイゴの魅力を語った。彼らが「音楽シーンに蒔いたタネ」とは。

亀田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)における「持ち込みレコメン」のコーナー。8月1日(日)のオンエア。

70年代に洋楽サウンドを取り入れた最重要バンド

亀田はコロナ禍で周年を迎えたアーティストがツアーもできず、ひっそりと活動していることが気がかりだと告白。大きな節目を迎えるバンドを持ち込みレコメンした。

亀田:レジェンドアーティストを持ってきました。今年デビュー45周年を迎えるゴダイゴです。
クリス:ゴダイゴ!
亀田:たぶんゴダイゴはクリスさんもリアルタイムだと思いますが、僕らにとっては70年代に洋楽のサウンドを本格的に取り入れた最重要バンドみたいな存在なんです。ポップなのに演奏が格好よかったり、あとは歌詞が英語だったり。いまの時代の音楽に通じる、ヒットチャートにある音楽のタネになるようなものをゴダイゴがあの時代に蒔いてくれたんじゃないかと思って今日は持ってきました。
クリス:実はゴダイゴの2代目ベーシストの吉沢洋治は僕の高校のときの同級生で、一緒にバンドをやってたんですよ。
亀田:え!! マジですか(笑)。
クリス:あいつは当時ギターで僕がベースを弾いていて。(初代ベーシストの)スティーヴ・フォックスさんのあとの吉沢が僕の同級生なんです。
亀田:いいこと聞いちゃった。本当ですか? 会いたい! 吉沢さん。
クリス:あいつは帰国子女でイギリスにずっと住んでいたんです。だからあいつが初めて転入してきたときに、なんか生意気そうなやつが入ってきて、10円玉をピック代わりにギターを弾いてるんですよ。それに、「イギリスだと(コインの)フチがないから弾きやすいけど、日本の10円玉はダメだな」と。「馬鹿、お前なに言ってるんだ」みたいな(笑)。
亀田:ブライアン・メイがコインで弾いてましたから(笑)。
クリス:そうなんです、10円で弾いてて。そんな話もありました。

亀田はゴダイゴが現在のミュージックシーンに通じる要素を持っていると解説。絶対に見逃せないものとして、16ビートがベーシックにあるドラムのトミー・スナイダーとベースのスティーヴ・フォックスによるリズムがあると語った。

亀田:これが強力すぎた。だって他の人たちは日本ではニューミュージックやフォークみたいなものが、自分の気持ちをどう表現して言葉で歌っていくみたいなところに、いきなり「グルーヴ」という概念をゴダイゴは持ち込んでくれたと思うんです。スティーヴ・フォックスが初代のベースなんですが、僕は初めて買ったベースがグレコというメーカーのベースなんですが、グレコのベースにスティーヴ・フォックスの教則のカセットテープがついてたんです。
クリス:へー! どんな内容なんですか?
亀田:「ツーフィンガーとはこうだ」とかチョッパー、あのころはスラップと言わずにチョッパーと言っていたんですけど(笑)。
クリス:チョッパーでしたね。
亀田:「チョッパーというのはこうやるんだよ」みたいな、いわゆる奏法の解説とか普段の練習の仕方みたいなものを20分か30分ぐらいのカセットに入って語ってくれているんです。なので僕のベースの先生なんです。
クリス:スティーヴ・フォックスが。
亀田:なのでスティーヴさんからは間接的にグルーヴや、ファンク、ロック、ジャズなどさまざまなジャンルを行き来するスタイルに影響を与えています
クリス:へー! じゃあ亀田さんの師匠はスティーヴ・フォックスだったんですね。
亀田:師匠の師匠はスティーヴ・フォックスだったという(笑)。
クリス:スゲー! そうなんだ。

タケカワユキヒデの歌う「英語」のよさ

また、亀田はもうひとつの要素としてタケカワユキヒデの歌う英詞のインパクトが強烈だったと解説した。

亀田:奈良橋陽子さんが作詞とプロデュースをして、タケカワさんが歌うネイティブではないんだけれどもきれいな響きの英語がよいなと思いました。これがドネイティブだとリスナーとのあいだにちょっと距離ができちゃったと思うんです。ところがタケカワさんの歌うきれいな美しい英詞というのが、リスナーとのあいだにフレンドリーな関係を作ったと思うんですよね。
クリス:タケカワさんの英語はうまいです。俺が高校2年ぐらいのときかな? 彼はソロでかなり早い時期から英語でやってましたよね。すごくレベルが高かったな。
亀田:なのでリズム隊のレベルの高さ、タケカワさんのボーカル力ももちろんそうですが、英語のレベルの高さ。そしてキーボードのミッキー吉野さんのプロデュース能力というか、ありとあらゆる先進的なシンセサイザーを取り入れて、シーケンサーとかもいち早く取り入れていました。あとはそれこそドラマの『西遊記』や『銀河鉄道999』、CMなど、いろいろなメディアで自分達の音楽を幅広く投げかけた。ようするにレベルのメチャクチャ高い音楽性のものをメチャクチャ敷居を低く届けていったところにゴダイゴの偉大さがあるんじゃないのかなと思うんです。
クリス:一種のスーパーグループですよね。

ミッキー吉野のオリジナルアルバムをプロデュース

今年デビュー45周年となるゴダイゴ。実は亀田はゴダイゴのメンバー・ミッキー吉野から「オリジナルアルバムを作りたい」という相談を受けていたという。

亀田:去年、コロナが始まったころに連絡をいただいて。ミッキー吉野さんが70歳で今年古希を迎えるんです。オリジナルアルバムを作りたいと思っていて、もしかしたら自分のキャリアのなかで最後のアルバムになるかもしれないので、いろいろな世代の人とやりたいから亀ちゃん、一緒にプロデュースしてくれないか?とオファーをいただき、実はいまミッキー吉野さんのソロアルバムを作っているんです。
クリス:へー!
亀田:数々のゴダイゴの楽曲をいまのアーティストと一緒にコラボレーションしながら作っていくというアプローチをしています。ゴダイゴの持っている幅広い音楽のネットワークから生まれた、いま僕がプロデュースしている楽曲を1曲、みなさんに聴いていただきたいなと思っています。

番組ではゴダイゴの『DEAD END~LOVE FLOWERS PROPHECY feat. STUTS & Campanella』をオンエアした。

クリス:渋いですね。
亀田:これは『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)の主題歌をやっていたSTUTSくんと一緒にトラックを作ったんです。とにかくいまの世代のミュージシャンと一緒にやりたいと思って、僕からSTUTSくんに声をかけたんです。
クリス:STUTSくんはどうでしたか?
亀田:もう最高! 手打ちのMPCですよ。僕はベースを弾いているので、フィジカルとデジタルが本当にいい感じでうねっていました。
クリス:デジタルでもリアルタイムで打ち込んでいるんですよね。
亀田:そう。これがゴダイゴの精神かなと思ってSTUTSくんに声をかけて。そしたらSTUTSくんが「名古屋にCampanellaくんというすばらしいラッパーがいます。この『DEAD END』という袋小路、ある意味いまのコロナの時代を象徴しているような言葉に対してベストなバースのラップをつけてくれるのはCampanellaくんです」と大推薦してくれたんです。去年のコロナのなかなので全員フルリモートでここまで作ってきて、本当にいいものができたなと。もちろんキーボードは全部ミッキーさんが弾いています。
クリス:これは楽しみですね。リリースはいつぐらいになるんですか?
亀田:これはデジタルでリリースされています。
クリス:みなさんぜひチェックしていただきたいと思います。

亀田の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ではさまざまなデータをもとに、世界の音楽シーンからJ-WAVEが厳選した100曲をカウントダウン。ゲストを招いたトークコーナーにも注目。放送は毎週日曜の13時から。

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2021年8月8日28時59分まで

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番組情報
SAISON CARD TOKIO HOT 100
毎週日曜
13:00-16:54