J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい"音楽をつくるクリエイターが“WOW"と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる。
5月のマンスリープレゼンターはWANIMAのKENTA(Vo/Ba)が担当。5月8日(土)のオンエアでは、UVERworldのTAKUYA∞をゲストに迎えた。ここでは、TAKUYA∞がコロナ禍で気づいた歌への思いや新曲『NAMELY』について、さらに「バンドの終わり方」について語った場面を紹介しよう。
今回のトークは、動画でも楽しむことができる。
まずは、スケボーやBMX、写真など多趣味なTAKUYA∞に、「その中でもなぜ音楽を人生の軸にしたのか?」と質問する。
TAKUYA∞:コロナ禍で気づいたことがあって。スケボー、スノボー、サーフィンとか、今だったらチェス、ポーカーとか趣味がすごくあるのね。(コロナ禍で)自由な時間がすごくできた中で、いろんな趣味をやるんだけど、今年に入って超真剣に歌を練習することを始めてみた。
これまでTAKUYA∞は、もちろん歌は大切だが、それよりもパッションが大事だと考えていたという。
TAKUYA∞:でも、ここにきて歌がいちばん大事なボーカリストになりたいなと思って練習しだしたらめちゃくちゃ楽しくて。いろんな趣味がある中で、いちばん歌うのが楽しい。そこに気づけた。歌うのが好きなんだなってあらためて最近気づいて、好きっていう気持ちが軸になってきたんだと思う。
KENTA:それまでは歌は練習をしていたんですか。
TAKUYA∞:週1回のボイトレとかはしてたけど、1時間歌を練習するってけっこうしんどくない?
KENTA:そうなんですよね。ボイトレ自体が地味な作業ですよね。
TAKUYA∞:俺はせめて1週間で1時間くらいは歌うことを考えようってことでボイトレに行ってたんだけど、本当にうまくなろうとか練習しなきゃって意識がなくて。でも、最近は違う角度で歌を歌い出して。歌えるようになってくることがすごく楽しくて。今さらか、とか思いながらもそれも自分っぽいなと思いながら真剣に練習していた。
KENTA:TAKUYA∞さんのライブを観ていて、ハイトーンも抜けて、ブレも全然感じないんです。しかもMCなんかほぼ叫びじゃないですか。俺も叫びで熱い気持ちを言ってしまうと2曲目とかで喉がポンっていっちゃうんですよ。TAKUYA∞さんのライブは全部叫びで、しかもしっかり抜けるし、しかもさらに歌を勉強されているって、ちょっとそれはやめてほしい(笑)。
TAKUYA∞:あはは(笑)。ありがとう。
TAKUYA∞:(エンディングテーマ部分の)1分半はアニメに寄り添ってというか、アニメの世界観をしっかり生かしたいなというのもあって。今はその続きを書いている。
KENTA:続きを書いてどうですか?
TAKUYA∞:カラオケで歌える曲がほしくて(笑)。(KENTAは)カラオケに行ったら自分の曲を歌わされる? 自分の曲って歌いやすい?
KENTA:僕はスタジオでドンって声を出して曲を作るんですけど、それっていちばんマックスのテンションの喉のあたたまり具合だから、キーが高いんですよ。それをカラオケで歌えって言われたら、その分の準備がいるんですよね。
TAKUYA∞:めっちゃわかる。
KENTA:たとえば、ONE OK ROCKのTakaがカラオケで自分の歌を歌うんですけど、しゃべる声のキーじゃないですか。それがあったら、もっと(世の中に)広がるんだろうなっていつも歯がゆい思いをしているんです。
新曲『NAMELY』は、低音の設定にして歌詞も詰め込みすぎずに大きく歌えるよう譜割りなどを考えながら丁寧に作っている、とTAKUYA∞は言う。
TAKUYA∞:レコード会社の人たちって曲作りに対して口を出してくる?
KENTA:一切ないですね。僕らがやりたいことを提示しています。でも、アニメとかのタイアップものに対しては、それに沿った要望とかもあります。
TAKUYA∞:(UVERworldも)わりと最近は任せてもらうようになったけど、デビュー当時はレコード会社の人が「もっとカラオケで歌えるように」と言われていました。それを言われると「何が?」と思ってしまうんですよね。でも、今何も言われなくなってから、レコード会社の人たちが言っていた言葉の意味がわかったというか。カラオケで歌える曲って素敵だよなって。
KENTA:冷静に考えるとよくわかるんですよ。たとえば「名曲を作ってくれ」って言われて「名曲? 何が?」みたいな(笑)。でも、僕らの外側を見ている意見って大切にしなきゃいけないなって思いました。
KENTAは、お客さんとバンドが作り上げる世界があることが、UVERworldはバンドとしての理想像だとその姿勢を絶賛する。
TAKUYA∞:あの階段は自分たちでもすごく達成感があった。(UVERworldは)すごく悔しい思いをしてきたものが多くて。最初「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」には出してもらえなかったとか、いざZeppで男祭りをしようとなったときに、チケットが500枚余ったとか、すごい悔しい気持ちを埋めるだけの達成感が東京ドームにはあって、バンド冥利に尽きるっていうか。自分たちの後輩のバンドもそれにすごい可能性を感じてくれてたっていうか。派手なプロモーションをしたわけじゃなくて、口コミで広がっていったものがかたちになったということが、あるべきかたちだなと思いましたね。
KENTA:本当にすごいなって思いました。
一方で、TAKUYA∞は「バンドをしっかり支えてくれているのって女性のファン」ともコメントする。
TAKUYA∞:あの子たち(女性ファン)、いいものを見つけるのが早いもん。広める能力というか、人に教えてくれたりする力もすごいから、すごく感謝もするし。それを伝えるのがおろそかになって、何回か炎上したんだけど(笑)、そこは根底にあった上で、斜に構えている男たちの拳を上げさせるのは、俺らのやりがいでもあるよね。
KENTA:僕は常にそれに近しいことは考えているタイプですね。志半ばで最近僕の親しかった人が亡くなったりとか見ていると、死に方は選べないにしても、やめ方は(選べる)。世の中の人気とか不人気とか関係なしに、自分たちが納得のいくかたちが取れるのであれば、僕はスパンとやめたい。ただ、納得いくかたちっていうのは見つからないのかなって。だからずっと追い求めてしまうのかなってことがあるんですよね。だから世の中の風向きとか関係なしに、今自分たちで飛べる力をつけたいと思っています。TAKUYA∞さんはどうですか?
TAKUYA∞:これに関して、俺はぐらぐらで。ファンのことを大切に思うがゆえに、東京ドームのあの映像を思い出して、彼らのためにいちばんいい状態で真空パックしたいっていう欲も出てきたりするけど、ここでやめたら絶対に80歳になったときに後悔するとか。それでぐらぐら。みんなどう考えてるのかなっていうのが、シンプルに気になって訊かせてもらったけど、俺もその答えは出てない。難しいよね。
こうした話を聞いたうえで、KENTAは「俺はUVERworldのファンとして、UVERworldの歳を取っていく姿も見ていたいなって思いました」とコメント。「お客さんは面倒は見てくれないと思うんですけど、UVERworldがいることで活力になっている人が1人でもいるんだったら……でも、それもまたきれいごとですよね」と話しつつ、「納得のいく答えと、どのタイミングで折り合いが付けられるのかわからないから、先輩であり20年続けられているUVERworldがまだやっているんだったら、俺らも言い訳できない」と心境を語る。
KENTA:だから、同業者としてUVERworldはずっとやっていてほしいですね。
TAKUYA∞:頑張ります。
KENTA:もし、声が出なくなったり調子が悪そうだったりしたら、ライブに行ってディスりに行きます(笑)。
TAKUYA∞:それくらいがいいと思う(笑)。
UVERworldの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
番組では他にも、TAKUYA∞が楽曲制作や思い出に残る曲を語る場面もあった。
『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
5月のマンスリープレゼンターはWANIMAのKENTA(Vo/Ba)が担当。5月8日(土)のオンエアでは、UVERworldのTAKUYA∞をゲストに迎えた。ここでは、TAKUYA∞がコロナ禍で気づいた歌への思いや新曲『NAMELY』について、さらに「バンドの終わり方」について語った場面を紹介しよう。
今回のトークは、動画でも楽しむことができる。
「いろんな趣味がある中で、いちばん歌うのが楽しい」
面識はあるものの、じっくり話すのは初めてだというふたり。KENTAは、UVERworldの表現する「自分たちがやりたいこと」や音楽は誰もマネできないと語り、その姿がバンドの理想像だと表現した。まずは、スケボーやBMX、写真など多趣味なTAKUYA∞に、「その中でもなぜ音楽を人生の軸にしたのか?」と質問する。
TAKUYA∞:コロナ禍で気づいたことがあって。スケボー、スノボー、サーフィンとか、今だったらチェス、ポーカーとか趣味がすごくあるのね。(コロナ禍で)自由な時間がすごくできた中で、いろんな趣味をやるんだけど、今年に入って超真剣に歌を練習することを始めてみた。
これまでTAKUYA∞は、もちろん歌は大切だが、それよりもパッションが大事だと考えていたという。
TAKUYA∞:でも、ここにきて歌がいちばん大事なボーカリストになりたいなと思って練習しだしたらめちゃくちゃ楽しくて。いろんな趣味がある中で、いちばん歌うのが楽しい。そこに気づけた。歌うのが好きなんだなってあらためて最近気づいて、好きっていう気持ちが軸になってきたんだと思う。
KENTA:それまでは歌は練習をしていたんですか。
TAKUYA∞:週1回のボイトレとかはしてたけど、1時間歌を練習するってけっこうしんどくない?
KENTA:そうなんですよね。ボイトレ自体が地味な作業ですよね。
TAKUYA∞:俺はせめて1週間で1時間くらいは歌うことを考えようってことでボイトレに行ってたんだけど、本当にうまくなろうとか練習しなきゃって意識がなくて。でも、最近は違う角度で歌を歌い出して。歌えるようになってくることがすごく楽しくて。今さらか、とか思いながらもそれも自分っぽいなと思いながら真剣に練習していた。
KENTA:TAKUYA∞さんのライブを観ていて、ハイトーンも抜けて、ブレも全然感じないんです。しかもMCなんかほぼ叫びじゃないですか。俺も叫びで熱い気持ちを言ってしまうと2曲目とかで喉がポンっていっちゃうんですよ。TAKUYA∞さんのライブは全部叫びで、しかもしっかり抜けるし、しかもさらに歌を勉強されているって、ちょっとそれはやめてほしい(笑)。
TAKUYA∞:あはは(笑)。ありがとう。
「カラオケで歌える曲」の良さにも気づいた
UVERworldは6月2日(水)に新曲『NAMELY』をリリース予定だ。この曲はTVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』(テレビ東京系)の第2クールエンディングテーマで使用されている。KENTA:続きを書いてどうですか?
TAKUYA∞:カラオケで歌える曲がほしくて(笑)。(KENTAは)カラオケに行ったら自分の曲を歌わされる? 自分の曲って歌いやすい?
KENTA:僕はスタジオでドンって声を出して曲を作るんですけど、それっていちばんマックスのテンションの喉のあたたまり具合だから、キーが高いんですよ。それをカラオケで歌えって言われたら、その分の準備がいるんですよね。
TAKUYA∞:めっちゃわかる。
KENTA:たとえば、ONE OK ROCKのTakaがカラオケで自分の歌を歌うんですけど、しゃべる声のキーじゃないですか。それがあったら、もっと(世の中に)広がるんだろうなっていつも歯がゆい思いをしているんです。
新曲『NAMELY』は、低音の設定にして歌詞も詰め込みすぎずに大きく歌えるよう譜割りなどを考えながら丁寧に作っている、とTAKUYA∞は言う。
TAKUYA∞:レコード会社の人たちって曲作りに対して口を出してくる?
KENTA:一切ないですね。僕らがやりたいことを提示しています。でも、アニメとかのタイアップものに対しては、それに沿った要望とかもあります。
TAKUYA∞:(UVERworldも)わりと最近は任せてもらうようになったけど、デビュー当時はレコード会社の人が「もっとカラオケで歌えるように」と言われていました。それを言われると「何が?」と思ってしまうんですよね。でも、今何も言われなくなってから、レコード会社の人たちが言っていた言葉の意味がわかったというか。カラオケで歌える曲って素敵だよなって。
KENTA:冷静に考えるとよくわかるんですよ。たとえば「名曲を作ってくれ」って言われて「名曲? 何が?」みたいな(笑)。でも、僕らの外側を見ている意見って大切にしなきゃいけないなって思いました。
悔しさの先に達成感があった「男祭り」
UVERworld は2019年に東京ドームで男性限定ライブ「KING'S PARADE 男祭り FINAL」を開催。当初、大半が女性ファンだったUVERworld は、2011年に彼らの故郷・滋賀県のライブハウスで「男祭り」をスタート。観客は230人だった。その後、キャパを広げたが、チケットが余ることもあったという。しかし、チャレンジを続け、日本武道館、横浜アリーナ、そして東京ドームと「男祭り」は成長していった。KENTAは、お客さんとバンドが作り上げる世界があることが、UVERworldはバンドとしての理想像だとその姿勢を絶賛する。
TAKUYA∞:あの階段は自分たちでもすごく達成感があった。(UVERworldは)すごく悔しい思いをしてきたものが多くて。最初「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」には出してもらえなかったとか、いざZeppで男祭りをしようとなったときに、チケットが500枚余ったとか、すごい悔しい気持ちを埋めるだけの達成感が東京ドームにはあって、バンド冥利に尽きるっていうか。自分たちの後輩のバンドもそれにすごい可能性を感じてくれてたっていうか。派手なプロモーションをしたわけじゃなくて、口コミで広がっていったものがかたちになったということが、あるべきかたちだなと思いましたね。
KENTA:本当にすごいなって思いました。
一方で、TAKUYA∞は「バンドをしっかり支えてくれているのって女性のファン」ともコメントする。
TAKUYA∞:あの子たち(女性ファン)、いいものを見つけるのが早いもん。広める能力というか、人に教えてくれたりする力もすごいから、すごく感謝もするし。それを伝えるのがおろそかになって、何回か炎上したんだけど(笑)、そこは根底にあった上で、斜に構えている男たちの拳を上げさせるのは、俺らのやりがいでもあるよね。
バンドの最後を意識することはある?
TAKUYA∞は「バンドは続けようと思えば一生できるけど、最後を意識することはあるか?」とKENTAに問いかける。KENTA:僕は常にそれに近しいことは考えているタイプですね。志半ばで最近僕の親しかった人が亡くなったりとか見ていると、死に方は選べないにしても、やめ方は(選べる)。世の中の人気とか不人気とか関係なしに、自分たちが納得のいくかたちが取れるのであれば、僕はスパンとやめたい。ただ、納得いくかたちっていうのは見つからないのかなって。だからずっと追い求めてしまうのかなってことがあるんですよね。だから世の中の風向きとか関係なしに、今自分たちで飛べる力をつけたいと思っています。TAKUYA∞さんはどうですか?
TAKUYA∞:これに関して、俺はぐらぐらで。ファンのことを大切に思うがゆえに、東京ドームのあの映像を思い出して、彼らのためにいちばんいい状態で真空パックしたいっていう欲も出てきたりするけど、ここでやめたら絶対に80歳になったときに後悔するとか。それでぐらぐら。みんなどう考えてるのかなっていうのが、シンプルに気になって訊かせてもらったけど、俺もその答えは出てない。難しいよね。
こうした話を聞いたうえで、KENTAは「俺はUVERworldのファンとして、UVERworldの歳を取っていく姿も見ていたいなって思いました」とコメント。「お客さんは面倒は見てくれないと思うんですけど、UVERworldがいることで活力になっている人が1人でもいるんだったら……でも、それもまたきれいごとですよね」と話しつつ、「納得のいく答えと、どのタイミングで折り合いが付けられるのかわからないから、先輩であり20年続けられているUVERworldがまだやっているんだったら、俺らも言い訳できない」と心境を語る。
KENTA:だから、同業者としてUVERworldはずっとやっていてほしいですね。
TAKUYA∞:頑張ります。
KENTA:もし、声が出なくなったり調子が悪そうだったりしたら、ライブに行ってディスりに行きます(笑)。
TAKUYA∞:それくらいがいいと思う(笑)。
UVERworldの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
番組では他にも、TAKUYA∞が楽曲制作や思い出に残る曲を語る場面もあった。
『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
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