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コーラスを楽しむ邦楽&洋楽を紹介! 宇多田ヒカルの楽曲はここがすごい

コーラスを楽しむ邦楽&洋楽を紹介! 宇多田ヒカルの楽曲はここがすごい

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。

3月16日(火)のオンエアでは、AAAMYYYと大坂朋子がゲストに登場。「このコーラスがすごい! 名曲の裏にコーラスあり!」をテーマにお届け。

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サンプリングコーラスとは

コーラス、それは楽曲に彩りを加える魔法。バックコーラスの声だったり、バンドメンバーの声だったり、1人の声を何重にも重ねたものだったり。近年ヒットを量産しているOfficial髭男dism、King Gnuらも美しいコーラスワークによって壮大さを演出している楽曲が多数。この世に存在するポップスのほとんどがコーラスのお世話になっているともいえる。

番組では、コーラス特集をお届け。ゲストには、AAAMYYYとシンガーのSolmanaとしても活動中の大坂朋子が登場。

あっこゴリラ:SONARでも馴染みのあるアーティストの楽曲に数多く声を入れているお二方ですが、そもそもバックコーラスをするようになったのは何がきっかけだったんですか?
AAAMYYY:私は完全にRyohuくんに頼まれたことがきっかけで、それからですね。
あっこゴリラ:大坂さんは?
大坂:私は23歳のときに音大入るために上京してきて、一発目のライブがコーラスだったんです。そのメンバーがSuchmosのTAIHEIとかNao Kawamuraとかで、そこからコーラスをやるようになりました。
あっこゴリラ:なるほど~。ご自身がコーラスを入れた楽曲の中で特に思い入れの強いものってありますか? AAAMYYYはどう?
AAAMYYY:私は、ODD Foot Worksの『髪と紺』っていう曲がお気に入りです。
あっこゴリラ:この曲、めっちゃ好き! この曲はコーラスのフレーズとかもAAAMYYYが考えたの?
AAAMYYY:デモのときには1声くらいしかコーラスが重なってなかったところに、自由にコーラスワークを入れさせてもらってできた曲です。

番組では、ODD Foot Works『髪と紺 feat. AAAMYYY』をオンエアした。



あっこゴリラ:この曲のコーラスって、何個くらいの声を重ねてるんですか?
AAMYYY:私の主線には4声重なってて、後ろには3声だったり5声だったりが重なってます。
あっこゴリラ:すごい! 魔術師やね(笑)。けっこう感覚でやってるの?
AAMYYY:私は完全に感覚でやってます。大体コーラスは3度上、5度上とかでやることが多いみたいなんだけど、それがあんまりよくわかってなくて。だから、理論とかをひとまず置いといて、気持ちいいやつを入れるようにしてる。
あっこゴリラ:いいね~。じゃあ、もうレコーディングブースでレックしながら作っちゃうみたいな感じか。
AAMYYY:そうそうそう。試しながら1声ずつ入れて、その場でやっちゃう感じですね。

続いて、大坂の思い入れの強いコーラス曲も教えてもらった。

大坂:Suchmosの『Get Lady』です。この曲はリリースされる作品としては初めてコーラスで参加した曲なんです。レックした当時はまだ学生で、ライブのコーラスサポートしかしてなくて。そのときによく一緒に歌っていたNao Kawamuraとサンプリングコーラスとして参加したとても思い入れのある曲です。
あっこゴリラ:サンプリングコーラスって?
大坂:サンプリングコーラスは、DJが流すように短いフレーズをレックしておいて、DJが好きなタイミングにかけるみたいな感じで、歌うというよりは歌ったものを使ってもらうって感じですかね。
あっこゴリラ:なるほど~。じゃあ、歌ってる間はどこで使われるかわからないような感じで、いろんなパターンを言われたままやっていくみたいな?
大坂:そうそう。だから曲とかもわかんないんですよ(笑)。当時もどの曲でどう使われるかもわからなかったです。
あっこゴリラ:え~! おもしろい!
大坂:フレーズもとても短くて、同じフレーズを連続で何度も歌って、その中から一番よかったものを使ってもらう、という流れですね。
あっこゴリラ:作り方がヒップホップですね。
大坂:そうですね。出来上がった曲を聴いて、“こうなったんだ~”みたいな感じで。でもこれはちょっと特殊だったかなと思いますね。このやり方はこのときだけだったかな。あはははは。

番組では、Suchmos『Get Lady』をオンエアした。

このコーラスがすごい! 邦楽編

ここからは、ゲストのお二人に邦楽・洋楽でコーラスに注目して欲しい曲を教えてもらった。まずは、邦楽編からスタート。

あっこゴリラ:AAAMYYY的に“このコーラスすごい!”と思った邦楽は何ですか?
AAAMYYY:宇多田ヒカルさんの全楽曲です。
あっこゴリラ:宇多田ヒカルさんといえば、『traveling』では約70個も自分の声を重ねたなんて逸話もあるらしいんですけど、コーラスワークの特徴はどんなところにあると思いますか?
AAAMYYY:コーラスって、主線よりもかなり引いたところで存在する楽器みたいな立ち位置なんだけど、宇多田ヒカルさんの曲はコーラスがフロントのすぐ横にいるみたいな。
大坂:確かに。
AAAMYYY:かなりレベルが出てて、もう一つの楽器みたいな感じで使っているところがすごくおもしろいと思います。
あっこゴリラ:何か注目するようになったきっかけがあったの?
AAAMYYY:もう鳥肌が立ったから? あはははは。初めて聴いたとき“なにこれ!”みたいな衝撃があったのをすごく覚えてる。
あっこゴリラ:自身のコーラスワークで影響された部分ってあります?
AAAMYYY:ぶっちゃけ宇多田ヒカルさんの影響しか受けてないかもしれない。
あっこゴリラ:おお~!
AAAMYYY:オクターブの使い方とか、コーラスの入れ込んでくる位置とかが本当に唯一無二というか、“これは宇多田ヒカルさん節”みたいな感じで秀逸です。

番組では、宇多田ヒカル『One Last Kiss』をオンエアした。



あっこゴリラ:大坂さんも宇多田さんのコーラスは独特だと感じますか?
大坂:そうですね。やっぱりJ-POPというよりはすごく洋楽っぽい。AAAMYYYが言ってたようにコーラスのレベル、音量が大きいし、単純にコーラスの量がすごく多いですよね。
あっこゴリラ:うんうん。
大坂:他にもフェイクみたいのがガンガン入ってきたり、すごく洋楽っぽいなって感じる。
あっこゴリラ:改めて二人は、コーラスのフレーズを作るときどんなこだわりを持ってやってますか?
AAAMYYY:私は絶対“違和感”を入れる。そういうのを入れるのが好きですね。
大坂:AAAMYYYっぽい。
あっこゴリラ:大坂さんは?
大坂:ただハモってるだけ、ただ“Uh~”って歌ってるだけ、にはならないようにしてます。聴いていて思わずコーラスも口ずさんじゃう、みたいな感じになるように意識して作るようにはしてます。

続いて、大坂にも“このコーラスがすごい!”と思う邦楽を訊いてみた。

大坂:モノンクルがカバーしたバージョンの、モーニング娘。『抱いてHOLD ON ME』です。予想の500倍くらいえぐかったです(笑)。もう初めて聴いたときに口が開きっぱなしで、説明できないくらいヤバすぎて爆笑しました。



あっこゴリラ:ヤバすぎると爆笑もあるよね。ちなみにどういった部分がヤバかった?
大坂:まず、こんなコーラスラインのアイディアが絶対出てこない(笑)。ボーカルの沙良ちゃんは本当にいろんな声が出る人で、出せる声の種類が普通のシンガーの何倍もあるんです。それだけでもすごいんですけど、普通だったら“これはコーラスで使えないか~”という声もあえて実験的にガンガン入れてくるんです。それが違和感じゃなくてスパイスになってるというか聴きどころになってるっていうのが、本当にこの人は“歌の天才でド変態”だと思いました(笑)。
AAAMYYY:沙良ちゃんは本当に変態。
あっこゴリラ:あはははは! でも二人から変態ってワードが出たから聴くのすごく楽しみ。
大坂:とにかく衝撃的です。

番組では、モノンクル『抱いてHOLD ON ME』をオンエアした。

このコーラスがすごい! 洋楽編

続いて、洋楽編。

あっこゴリラ:AAAMYYYは何を選んでくれたんですか?
AAAMYYY:ディアンジェロです!
あっこゴリラ:出ました! やっぱりどんなジャンルの特集してもだいたいディアンジェロの名前はあがるんだよね~。
AAAMYYY:すべてをコンプリートしてる。
あっこゴリラ:ディアンジェロといえば、1995年デビューのアメリカのR&Bシンガー。2000年代のR&Bを変えたとも言われるほどの影響力を持ちながら、とにかく寡作で知られ、活動26年で出したオリジナルアルバムはたった3枚!
AAAMYYY:すごい!

番組では、D'Angelo『The Line』をオンエアした。



あっこゴリラ:(曲を聴いて)もう何もかもがすごすぎて……。まず主メロがどこなのかわからない。あはははは。
AAAMYYY:わからないですよね。本当にすごい。
あっこゴリラ:AAAMYYYが考えるディアンジェロのコーラスのすごさとは?
AAAMYYY:この息をするような声で、全員ビブラートがめちゃくちゃかかっている状態で、その揺れてる感、トレモロ感を声で出してるのがめちゃくちゃすごいなと思って。
あっこゴリラ:そうだよね~。ウィスパーボイス的な感じでビブラートって効かせれるの? って思う。
大坂:ディアンジェロ独特の歌い方だよね。
AAAMYYY:ディアンジェロの声にもコーラス隊がめちゃくちゃ合ってるんだよね。
大坂:確かに、それすごいよね~!
AAAMYYY:それが気持ちいい理由かな~。

続いて、大坂がセレクトした“このコーラスがすごい!”洋楽を教えてもらった。

大坂:私が選んだのは、Destiny's Childの『Cater 2 U』です。
あっこゴリラ:デスチャだ~! テンションあがる~! かつてビヨンセが在籍した3人組R&Bグループですね。この曲のコーラスのポイントとは?
大坂:コーラスって入れすぎると“くどいな~”みたいな感じになったりして、けっこう引き算していくことが多いんですけど、これは、曲が始まった瞬間から終わるまで一生コーラスがてんこ盛りで入ってるんですよ。
あっこゴリラ:おお~!
大坂:いろんな種類のコーラスがずっと入ってるんだけど、全然くどくなくて、むしろそれが聴きどころになっているくらいの曲です。

番組では、Destiny's Child『Cater 2 U』をオンエアした。



あっこゴリラ:改めて、この曲のすごさとは?
大坂:まずメインメロがヒップホップの影響でリズムがラップっぽい部分と、メロウで甘々なメロの2種類が混ざっていて、そのバックや間に終始コーラスが入ることによって、一曲を通して一貫性があるまとまった曲に聴こえるんです。シンガー同士で「『Cater 2 U』みたいな感じで」という一言で通じ合えるくらい、多くのR&Bシンガーに影響を与えた曲だと思います。

J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。

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