J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい"音楽をつくるクリエイターが“WOW"と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる。
3月にマンスリープレゼンターはaiko。3月6日(土)のオンエアでは、Official髭男dismのボーカル・藤原 聡をゲストに迎えた。ここでは、藤原の音楽ルーツや互いの音楽制作について、ヒゲダンの新曲『UNIVERSE』の誕生秘話、そして藤原が考える音楽について話した模様を紹介しよう。
藤原:10歳くらいからドラムをやり始めて、始めてすぐプロのドラマーになろうって思ったんですよね。でもドラムってなかなか買えないので、ずっとカタログを見ていたんです。そのときに見つけたのがタムやシンバルがたくさん並んだドラムに目が止まって、「これはいったい誰だ?」って。すぐCDを借りに行って、聴いていたのがSlipknotなんです。いわゆるヘヴィメタルバンドなんですけど、聴いたときに身体中に電気が走ったんです
aiko:そうだったんだ。それはドラムの音を主に聴いてしまうみたいな?
藤原:当時は、ドラムのことだけを考えていて、両手・両足がどういう風に動いているのかってことを考えていたので、今とは全然音楽の聴き方が違っていたと思います。歌にフォーカスし始めたのはブラック・ミュージックに出会ってからですね。
aiko:それはいくつくらいのときなんですか?
藤原:高校1年生のときですね。地元に仕事しながらバンドをやっている大人の方たちがたくさんいて、その中でアース・ウィンド・アンド・ファイアーやスティーヴィー・ワンダーをコピーしている方たちがいたんです。それを地元のホールで聴いたときにこんなにも歌がキラキラ輝く楽曲があるのかと感じて、そこから歌にもフォーカスするようになりました。
幼い頃から、ヘヴィメタルやブラック・ミュージックを聴いてきたと話す藤原。多くの洋楽を聴く中で、邦楽アーティストで原点になったアーティストがいる。それがaikoだ。藤原 聡の今の形があるのは、彼女のおかげなのだという。
藤原:僕が10代頃からハマった邦楽のアーティストってaikoさんなんですよ。
aiko:え!? ありがとうございます!
藤原:初めてアルバムを通して聴きたいと思ったんですよね。だから今の僕の姿があるのはaikoさんのおかげなんです。大学生のときに『時のシルエット』を歌詞カードを見て聴いていたときに、歌詞を書くことの喜びというか、「自分もこんな歌詞を書きたい」と思ったのがターニングポイントだったんです。aikoさんの音楽性にはブラック・ミュージックのエッセンスも入っていて、フェイク(本来のメロディーの一部をリズムや音程を変えて自由に歌うこと)を聴いていてもすごく楽しそうで、aikoさんの気持ちがすごく伝わってくる。この体験が今のスタイルのもとになっている感じがしてるんですよね。
aiko:事前にアンケートに答えてもらっているんですけど、やってみたいことでストリングスのアレンジをして、自分で構成を考えてみたいって書いてあって。聡くんはすごいレベルまでいくんだなって思ったんですけど。あんなの考えられへんで!
藤原:(笑)。すごく魅力的な作業だなって思ってるんですよ。でもそうやって思ったのもaikoさんの楽曲に衝撃を受けたことが理由にあって。僕、『心に乙女』のストリングスが大好きなんです。
aiko:私も好き!
藤原:あの曲すごいですよね! 自分でストリングスのことも理解した上でいろんなものを作っていきたいと思ってるんです。誰かにお任せしてもいいんですけど、もっと自分が関われるようになりたいなと。
aiko:普段制作するときはどうしてるの? 最初はボイスメモで録ったりするのかな?
藤原:そうですね。aikoさんもボイスメモを使うんですか?
aiko:すごく使います。その時々で思いついたものがボイスメモに保存してあるわけだけど、半年くらい経って見返してみて「あ、50個もある! やった!」ってお腹がいっぱいになっちゃうことがある(笑)。
ボイスメモアプリに楽曲の欠片を保存するという2人。作ったものすべて使うのではなく、いい曲と思ったものにマークをつけていくのだとか。
aiko:数ヶ月前に録ったものってどんなメロディーだったかを忘れてるけど、絶対いいものが入ってるって信じて、スクロールすることがあるんだよね。私はお風呂とかで全部バーって聴いて、よかったやつにスタンプで炎のマークをタイトルの横につけて、それをまとめて曲にする感じなんですよ。
藤原:一緒ですね! 僕は“◎”マークをつけます(笑)。たまに2分半くらいホニャホニャ歌ってて、これはボツかなって思うときがあるんですけど、2分10秒くらいからめちゃくちゃいいメロディーだったりすることってありません?
aiko:わかる! 私は、たまにメモで「Aメロがいつになくメロディアス」とか書いてる曲があります(笑)。
藤原:僕もそのときは「2分10秒からだけいい」って書きました(笑)。aikoさんのボイスメモにはメロディーだけ録音されてるんですか?
aiko:全部かな。ピアノと歌詞とボーカルが全部入ってて、それでワンコーラス録ってあるんですよ。それを改めて聴いてよかったら形にする感じなんですけど、聡くんは?
藤原:僕も本当はそこまでやりたいんですけど、たまにベースのラインだけを入れてるときがありますね。周りを気にしながら録ってるから、フガフガしてる音だけ入っていて、わからなかったりとかあったりするんですよね(笑)。
藤原:『UNIVERSE』のメロディーはすごく断片的で自分が東京に出てきたタイミングからあったメロディーが組み合わさってできているんです。Aメロの基となるメロディーがボイスメモに残っていて、そこから生まれたりしていて。曲を制作していて印象的だったのはサビのメロディーなんですけど、ちょっと太ったってときにあんまりご飯食べないように気をつけていたんですけど、ちょっと今日は我慢できないからって吉野家に入って、牛丼を食べて帰ったことがあったんです。そしたら帰り道が本当に幸せで、夜風が気持ちよくてそのときにサビのメロディーが浮かんだんです(笑)。
aiko:何その、ハピネスな話(笑)。でも『UNIVERSE』はいくとこまでいくなというか。聡くんがどんどん楽しくなって、歌いたい!って感情が全面に出て終わる曲って感じがする。
藤原:そうですね。フェイクとかは新しくやってみたんです。
aiko:すごく気持ちよくて、あんなにアップテンポで前向きで華やかな曲なのに、涙が出る曲だよね。
藤原:嬉しいです。歌うことを楽しむってことを大事にできた曲だなって思いますね。あのフェイクのテーマはaikoさんのフェイクをやりたいって思ってやったものなんです。
aiko:本当に? すごいね、それを聴いて泣いちゃってる私。めちゃくちゃ幸せ!
aikoの楽曲に多くの影響を受けている藤原。話題は、『UNIVERSE』のキャッチーなリリックについて。aikoがおもしろいと感じた部分は?
aiko:『UNIVERSE』の歌詞を現場で、「食べる、食べないのどっち」って変えて歌ってることがあるんだけど、聡くんの歌詞ってすごく覚えやすくてキャッチーというか。聡くんの美味しいものがいっぱい詰まってる感じがするんです。それをあんなに楽しそうに歌うのが本当に羨ましいなって思う。
藤原:嬉しいです。キャッチーなものって単語を繰り返したりすることで生まれると思うんですけど、自分の中でキャッチーなものと本当に伝えたい言葉を秤かけなきゃならない瞬間がたまに訪れる気がしてて。aikoさんはそういうときありませんか?
aiko:私は、歌詞が一番先にできるので、言葉に合うメロディーはなんだろう。この感情を伝えるためにはどうしたらいいだろという作り方が多いかもしれないですね。
藤原:僕は、aikoさんの曲を聴いてて、言葉とメロディーが一緒になって入ってくる感覚っていうのが本当にすごいと思っていて、大好きなポイントなんです。特に『しらふの夢』のサビの歌詞と音階が大好きで心地よくて、こういう言葉にこういうメロデイーが乗っかるってところがaikoさんの音楽の大好きなところなんだよなって。
aiko:あれは、1月3日に洗濯物を干してるときに思いついたの。スウェットとかパジャマを今から干すからパンパンってやってるときに、できて。そのまま曲にしました。
藤原:そうだったんですね。いや〜、本当に素晴らしいです。
aiko:聡くんにとって音楽とは?
藤原:ロマンのない答えかもしれないけど、人生をかけた釣りをしている感じですね。
aiko:え!? 釣り?
藤原:ただ、何が釣れるかわからないし、ここにはこういう魚がいるってこともわからない。自分の釣り人としてのポテンシャルや才能とかもわからない状況なんですけど、とにかく自分の日常生活や考えていること、弾いてた楽器。キッカケはなんでもいいんですけどそこから何が出てくるのか、自分のインスピレーションから何が出てくるのかを毎日釣り糸を垂らして釣れるのを待ってる感じがするんです。
aiko:めっちゃロマンやん。
藤原:ありますかね(笑)。でも何も釣れない日もあるわけで。
釣りと音楽、あまり共通点がないように思えるが、例えたのには明確な理由があった。
藤原:いい曲ができたらすごく嬉しいし救われるし、今まで何日間もボウズだった日々も報われるし、それによって、自分の夢も叶っていって幸せなんですけど、いつまでもその音楽は僕の側にいないというか。そういうところが釣りに似ているのかなって思うんです。多分僕はこれからも自分の生きがいのためにまた新しい何かが出てきてくれるまでずっと音楽を続けていくと思うし。
aiko:じゃあ、これからも釣りを続けていくんですね。
藤原:そうですね、ずっと釣り糸を垂らすと思います。そうすることでこの世界で幸せに生きていけると思うし、お客さんに楽曲を届けることができていると思うので。あとは音楽が僕を東京へ連れてきてくれたし、大好きなaikoさんとお話しできるところまで連れてきてくれました。僕はそれが音楽の力だなって思うんですよ。
『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
(構成:笹谷淳介)
3月にマンスリープレゼンターはaiko。3月6日(土)のオンエアでは、Official髭男dismのボーカル・藤原 聡をゲストに迎えた。ここでは、藤原の音楽ルーツや互いの音楽制作について、ヒゲダンの新曲『UNIVERSE』の誕生秘話、そして藤原が考える音楽について話した模様を紹介しよう。
現在のスタイルの原点は、aikoの楽曲
日本の音楽シーンを牽引するOfficial髭男dism。ブラック・ミュージックやR&Bのエッセンスを散りばめたポップ・ミュージックを生み出し続ける同バンドの作詞・作曲を手がける藤原はいったい、どんな音楽をこれまで聴いてきたのだろうか。彼が10代の頃に聴いていたアーティストの話から番組はスタートした。藤原:10歳くらいからドラムをやり始めて、始めてすぐプロのドラマーになろうって思ったんですよね。でもドラムってなかなか買えないので、ずっとカタログを見ていたんです。そのときに見つけたのがタムやシンバルがたくさん並んだドラムに目が止まって、「これはいったい誰だ?」って。すぐCDを借りに行って、聴いていたのがSlipknotなんです。いわゆるヘヴィメタルバンドなんですけど、聴いたときに身体中に電気が走ったんです
aiko:そうだったんだ。それはドラムの音を主に聴いてしまうみたいな?
藤原:当時は、ドラムのことだけを考えていて、両手・両足がどういう風に動いているのかってことを考えていたので、今とは全然音楽の聴き方が違っていたと思います。歌にフォーカスし始めたのはブラック・ミュージックに出会ってからですね。
aiko:それはいくつくらいのときなんですか?
藤原:高校1年生のときですね。地元に仕事しながらバンドをやっている大人の方たちがたくさんいて、その中でアース・ウィンド・アンド・ファイアーやスティーヴィー・ワンダーをコピーしている方たちがいたんです。それを地元のホールで聴いたときにこんなにも歌がキラキラ輝く楽曲があるのかと感じて、そこから歌にもフォーカスするようになりました。
幼い頃から、ヘヴィメタルやブラック・ミュージックを聴いてきたと話す藤原。多くの洋楽を聴く中で、邦楽アーティストで原点になったアーティストがいる。それがaikoだ。藤原 聡の今の形があるのは、彼女のおかげなのだという。
藤原:僕が10代頃からハマった邦楽のアーティストってaikoさんなんですよ。
aiko:え!? ありがとうございます!
藤原:初めてアルバムを通して聴きたいと思ったんですよね。だから今の僕の姿があるのはaikoさんのおかげなんです。大学生のときに『時のシルエット』を歌詞カードを見て聴いていたときに、歌詞を書くことの喜びというか、「自分もこんな歌詞を書きたい」と思ったのがターニングポイントだったんです。aikoさんの音楽性にはブラック・ミュージックのエッセンスも入っていて、フェイク(本来のメロディーの一部をリズムや音程を変えて自由に歌うこと)を聴いていてもすごく楽しそうで、aikoさんの気持ちがすごく伝わってくる。この体験が今のスタイルのもとになっている感じがしてるんですよね。
楽曲制作は「ボイスメモアプリ」を活用。いいメロディーが残っていると…
話題は互いの音楽制作についての話に。ヒット曲を生み出す両者の制作方法はどんなものだろうか。話していくと、2人の共通点が見えてきた。aiko:事前にアンケートに答えてもらっているんですけど、やってみたいことでストリングスのアレンジをして、自分で構成を考えてみたいって書いてあって。聡くんはすごいレベルまでいくんだなって思ったんですけど。あんなの考えられへんで!
藤原:(笑)。すごく魅力的な作業だなって思ってるんですよ。でもそうやって思ったのもaikoさんの楽曲に衝撃を受けたことが理由にあって。僕、『心に乙女』のストリングスが大好きなんです。
aiko:私も好き!
藤原:あの曲すごいですよね! 自分でストリングスのことも理解した上でいろんなものを作っていきたいと思ってるんです。誰かにお任せしてもいいんですけど、もっと自分が関われるようになりたいなと。
aiko:普段制作するときはどうしてるの? 最初はボイスメモで録ったりするのかな?
藤原:そうですね。aikoさんもボイスメモを使うんですか?
aiko:すごく使います。その時々で思いついたものがボイスメモに保存してあるわけだけど、半年くらい経って見返してみて「あ、50個もある! やった!」ってお腹がいっぱいになっちゃうことがある(笑)。
ボイスメモアプリに楽曲の欠片を保存するという2人。作ったものすべて使うのではなく、いい曲と思ったものにマークをつけていくのだとか。
aiko:数ヶ月前に録ったものってどんなメロディーだったかを忘れてるけど、絶対いいものが入ってるって信じて、スクロールすることがあるんだよね。私はお風呂とかで全部バーって聴いて、よかったやつにスタンプで炎のマークをタイトルの横につけて、それをまとめて曲にする感じなんですよ。
藤原:一緒ですね! 僕は“◎”マークをつけます(笑)。たまに2分半くらいホニャホニャ歌ってて、これはボツかなって思うときがあるんですけど、2分10秒くらいからめちゃくちゃいいメロディーだったりすることってありません?
aiko:わかる! 私は、たまにメモで「Aメロがいつになくメロディアス」とか書いてる曲があります(笑)。
藤原:僕もそのときは「2分10秒からだけいい」って書きました(笑)。aikoさんのボイスメモにはメロディーだけ録音されてるんですか?
aiko:全部かな。ピアノと歌詞とボーカルが全部入ってて、それでワンコーラス録ってあるんですよ。それを改めて聴いてよかったら形にする感じなんですけど、聡くんは?
藤原:僕も本当はそこまでやりたいんですけど、たまにベースのラインだけを入れてるときがありますね。周りを気にしながら録ってるから、フガフガしてる音だけ入っていて、わからなかったりとかあったりするんですよね(笑)。
牛丼屋からの帰り道で降ってきた楽曲
1月9日にリリースされた、Official髭男dismの新曲『UNIVERSE』は映画『ドラえもんのび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』の主題歌に抜擢された楽曲だ。ヒゲダンの新たな代表曲とも言えるこの曲が誕生したきっかけはダイエット中の藤原の何気ない日常からだった。藤原:『UNIVERSE』のメロディーはすごく断片的で自分が東京に出てきたタイミングからあったメロディーが組み合わさってできているんです。Aメロの基となるメロディーがボイスメモに残っていて、そこから生まれたりしていて。曲を制作していて印象的だったのはサビのメロディーなんですけど、ちょっと太ったってときにあんまりご飯食べないように気をつけていたんですけど、ちょっと今日は我慢できないからって吉野家に入って、牛丼を食べて帰ったことがあったんです。そしたら帰り道が本当に幸せで、夜風が気持ちよくてそのときにサビのメロディーが浮かんだんです(笑)。
aiko:何その、ハピネスな話(笑)。でも『UNIVERSE』はいくとこまでいくなというか。聡くんがどんどん楽しくなって、歌いたい!って感情が全面に出て終わる曲って感じがする。
藤原:そうですね。フェイクとかは新しくやってみたんです。
aiko:すごく気持ちよくて、あんなにアップテンポで前向きで華やかな曲なのに、涙が出る曲だよね。
藤原:嬉しいです。歌うことを楽しむってことを大事にできた曲だなって思いますね。あのフェイクのテーマはaikoさんのフェイクをやりたいって思ってやったものなんです。
aiko:本当に? すごいね、それを聴いて泣いちゃってる私。めちゃくちゃ幸せ!
aikoの楽曲に多くの影響を受けている藤原。話題は、『UNIVERSE』のキャッチーなリリックについて。aikoがおもしろいと感じた部分は?
aiko:『UNIVERSE』の歌詞を現場で、「食べる、食べないのどっち」って変えて歌ってることがあるんだけど、聡くんの歌詞ってすごく覚えやすくてキャッチーというか。聡くんの美味しいものがいっぱい詰まってる感じがするんです。それをあんなに楽しそうに歌うのが本当に羨ましいなって思う。
藤原:嬉しいです。キャッチーなものって単語を繰り返したりすることで生まれると思うんですけど、自分の中でキャッチーなものと本当に伝えたい言葉を秤かけなきゃならない瞬間がたまに訪れる気がしてて。aikoさんはそういうときありませんか?
aiko:私は、歌詞が一番先にできるので、言葉に合うメロディーはなんだろう。この感情を伝えるためにはどうしたらいいだろという作り方が多いかもしれないですね。
藤原:僕は、aikoさんの曲を聴いてて、言葉とメロディーが一緒になって入ってくる感覚っていうのが本当にすごいと思っていて、大好きなポイントなんです。特に『しらふの夢』のサビの歌詞と音階が大好きで心地よくて、こういう言葉にこういうメロデイーが乗っかるってところがaikoさんの音楽の大好きなところなんだよなって。
aiko:あれは、1月3日に洗濯物を干してるときに思いついたの。スウェットとかパジャマを今から干すからパンパンってやってるときに、できて。そのまま曲にしました。
藤原:そうだったんですね。いや〜、本当に素晴らしいです。
音楽とは、人生をかけた釣りをしているような感覚
最後にaikoが投げかけた質問は、「音楽とは?」というシンプルなものだった。現在音楽シーンを席巻するアーティストである藤原は音楽をどう捉えているのだろう。aiko:聡くんにとって音楽とは?
藤原:ロマンのない答えかもしれないけど、人生をかけた釣りをしている感じですね。
aiko:え!? 釣り?
藤原:ただ、何が釣れるかわからないし、ここにはこういう魚がいるってこともわからない。自分の釣り人としてのポテンシャルや才能とかもわからない状況なんですけど、とにかく自分の日常生活や考えていること、弾いてた楽器。キッカケはなんでもいいんですけどそこから何が出てくるのか、自分のインスピレーションから何が出てくるのかを毎日釣り糸を垂らして釣れるのを待ってる感じがするんです。
aiko:めっちゃロマンやん。
藤原:ありますかね(笑)。でも何も釣れない日もあるわけで。
釣りと音楽、あまり共通点がないように思えるが、例えたのには明確な理由があった。
藤原:いい曲ができたらすごく嬉しいし救われるし、今まで何日間もボウズだった日々も報われるし、それによって、自分の夢も叶っていって幸せなんですけど、いつまでもその音楽は僕の側にいないというか。そういうところが釣りに似ているのかなって思うんです。多分僕はこれからも自分の生きがいのためにまた新しい何かが出てきてくれるまでずっと音楽を続けていくと思うし。
aiko:じゃあ、これからも釣りを続けていくんですね。
藤原:そうですね、ずっと釣り糸を垂らすと思います。そうすることでこの世界で幸せに生きていけると思うし、お客さんに楽曲を届けることができていると思うので。あとは音楽が僕を東京へ連れてきてくれたし、大好きなaikoさんとお話しできるところまで連れてきてくれました。僕はそれが音楽の力だなって思うんですよ。
『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
(構成:笹谷淳介)
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番組情報
- WOW MUSIC
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土曜24:00-25:00
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aiko(2021年3月)