1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を繰り広げる、J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。1月23日、1月30日(ともに土曜)のオンエアでは、Official髭男dism(略称:ヒゲダン)を特集した。ここで紹介するのは、ライブの魅力を語った30日のオンエア。ゲストに音楽ライターの阿刀“DA”大志とラジオDJの樋口大喜を迎えた。
ヒゲダンは2月24日(水)ニューシングル『Universe』をリリースする。
【23日の記事】Official髭男dismのライブは「口から音源」を超えた感動がある。“観客の喜び”を追求して
阿刀:「ロックしているところ」ですね。パブリックイメージではポップスの面が強く出てると思うんですけど、ライブになると熱のこもった演奏とパフォーマンスで、「これが魅力なんだぞ」と僕は強く訴えかけたいなと思います。
グローバー:特に「このシーンは忘れられない」というのはありますか?
阿刀:初めて観たときに衝撃を受けたのは『FIRE GROUND』の間奏でギターの(小笹)大輔さんが、イングヴェイ・マルムスティーンのオマージュの弾き方をしたところです。
グローバー:ハードロック、ヘビーメタルのツボを押してきたなと。どこにイングヴェイ・マルムスティーンを感じました?
阿刀:“片膝屈伸弾き”です。
樋口:はははは(笑)。
グローバー:樋口さんも「それそれ」っていう?
樋口:そうですね、大輔さんが得意としているギターの弾き方のひとつだと思います。
阿刀:その大輔さんのうしろでメロイックサインを掲げている(藤原)聡さん。
一方の樋口は「映像として記憶に残っているのは、日本武道館公演のアンコール1曲目『Amazing』のドラムを聡さんが叩いたシーン」だという。
樋口:もともと聡さんはヒゲダンを組む前のバンドキャリアをドラムからスタートさせてるんです。そのときにヘビーメタル、ハードロックのバンドをやっていたみたいで、もうこのドラムもめちゃくちゃすごくて迫力がありました。ヒゲダンのドラムのちゃんまつ(松浦匡希)のほうをチラチラ見ながらドラムを叩くという「すごいパフォーマンスを観てるな」という感じがありました。特にヒゲダンのライブはメンバーの一人ひとりが輝く見せ場があるというか、ライブエンターテインメントを追求している感じがあります。
3位:『相思相愛』
阿刀:歌詞、メロディ、アレンジ、全部いいんですけど、特に歌詞の冒頭でガッチリつかまれます。しかも『相思相愛』っていうタイトルだから、ラブラブな曲かと思いきや実はそうではない。そこがまたおもしろいところで、サビになると「そこまで言いますか……」っていう歌詞。クズな自分を隠してないんですよね。自分に酔ってない歌詞の作り方が、同じ男として気持ちがいいんです。メロディ、アレンジも抑え気味なんですけど、変にドラマチックじゃない。「盛り上げてやろう」という感じじゃなくて、この歌詞の世界観に寄り添った落ち着いた展開がより歌詞を染み込ませる。そこに主人公のテンション感が伺えるなあと思います。
2位:『夏模様の猫』
阿刀:『HELLO EP』の4曲目に収録されています。アマチュア時代、CDを手売りしていたときに作られた曲ということで。本当に短くて2分ちょいぐらいのピアノバラードなんですけども、シンプルなアレンジとメロディで、歌詞も特別自分の感情を表現するわけでもなく、行間から滲み出てくる情景にグッとくるんですよね。
1位:『Driver』
阿刀:本当にいい曲だと思うんですよね。「なんで当時シングルじゃなかったんだろう?」って思うぐらい。この曲を嫌いな人は絶対にいないですよ。ほんと隠しておくにはもったいない。
樋口:私はヒゲダンの音楽を通じて「日本語っていいな」「日本語の楽曲っていいな」と日本語や言葉の重要性に改めて気づきました。
グローバー:日本語の歌詞のはめ方が新鮮で、これはおそらく日本の音楽シーンにも影響を与えてるだろうと。阿刀さんはいかがですか?
阿刀:僕が思うのは「いい曲だったら何やってもいいじゃん」ということです。たとえば大ヒットした『Pretender』なんかもそうなんですけど、鍵盤ソロがあるじゃないですか。鍵盤ソロはこれまで、あまりヒット曲に入っているイメージがないんです。ギターソロも最近の楽曲ってほとんどなくなってきてるじゃないですか。そんななかで鍵盤ソロ。でも楽曲として完成しているから、やっていい。当たり前なんですけど「こういうことをやったらウケないんじゃないのかな?」とか、そういうことを気にせず自分たちがいいと思ったものを楽曲に注ぎ込んでしっかりと完成させれば、響く人にはしっかり響くんだということを改めて証明してくれたのかなと思います。
樋口の案:「Official 髭男dismとは、GOOD MUSIC発明家」
樋口:常に研究し続けているからこそいい音楽が出てくる。そしてずっとドキドキ、ワクワクを提供し続けてくれている。本当にメンバー全員を尊敬します。努力家だと思いますね。
阿刀の案:「Official 髭男dismとは、ハイレベルかつ無邪気な音楽家集団」
阿刀:4人とも本当にただの音楽好きなんですよね。インタビューをしたりインタビューの記事を読んだりしていると伝わってくるんですけど、インタビュー中なのに無邪気に4人で「あのときはああだったよね」ってキャッキャしながら話をするんですよ。それを見ていて「この人たちはただただ音楽が好きで、自分たちの好きな音楽を作ってるだけなんだな」ということがわかる。でもそれにしてはやってることが異常にハイレベルなんです。
グローバー:それが共存しているというのはすごいことですよね。
阿刀:そうなんです。ハイレベルになってくると、だんだんストイックになるというか、メンバー間がギスギスしちゃってもおかしくないんですけど、この4人はすごく仲がいいし、無邪気に音楽談義を繰り広げている様子を見るのが僕はすごく好きです。
J-WAVE『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』では、ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を繰り広げる。放送時間は土曜の17時から。
ヒゲダンは2月24日(水)ニューシングル『Universe』をリリースする。
【23日の記事】Official髭男dismのライブは「口から音源」を超えた感動がある。“観客の喜び”を追求して
ヒゲダンのライブは、メンバーが一人ひとり輝く見せ場がある
前回のOAで、阿刀と樋口は、ヒゲダンに心をつかまれたのはライブだったと語り合った。ふたりはどんな魅力を感じているのか。阿刀:「ロックしているところ」ですね。パブリックイメージではポップスの面が強く出てると思うんですけど、ライブになると熱のこもった演奏とパフォーマンスで、「これが魅力なんだぞ」と僕は強く訴えかけたいなと思います。
グローバー:特に「このシーンは忘れられない」というのはありますか?
阿刀:初めて観たときに衝撃を受けたのは『FIRE GROUND』の間奏でギターの(小笹)大輔さんが、イングヴェイ・マルムスティーンのオマージュの弾き方をしたところです。
Official髭男dism - FIRE GROUND[Official Video]
阿刀:“片膝屈伸弾き”です。
樋口:はははは(笑)。
グローバー:樋口さんも「それそれ」っていう?
樋口:そうですね、大輔さんが得意としているギターの弾き方のひとつだと思います。
阿刀:その大輔さんのうしろでメロイックサインを掲げている(藤原)聡さん。
一方の樋口は「映像として記憶に残っているのは、日本武道館公演のアンコール1曲目『Amazing』のドラムを聡さんが叩いたシーン」だという。
樋口:もともと聡さんはヒゲダンを組む前のバンドキャリアをドラムからスタートさせてるんです。そのときにヘビーメタル、ハードロックのバンドをやっていたみたいで、もうこのドラムもめちゃくちゃすごくて迫力がありました。ヒゲダンのドラムのちゃんまつ(松浦匡希)のほうをチラチラ見ながらドラムを叩くという「すごいパフォーマンスを観てるな」という感じがありました。特にヒゲダンのライブはメンバーの一人ひとりが輝く見せ場があるというか、ライブエンターテインメントを追求している感じがあります。
[LIVE DVD & Blu-ray Digest]Official髭男dism one-man tour 2019 @日本武道館
阿刀セレクト! ヒゲダンの隠れ名曲TOP3
阿刀が「ヒット曲だけじゃないんだよ、ヒゲダン初心者リスナーにも聴いてほしい隠れ名曲TOP 3」を選んだ。とは言え、ヒット曲ばかりのヒゲダンとあって「みんなが知ってる曲が多すぎる。隠れてくれてないんですよ(笑)」と苦労した様子だった。3位:『相思相愛』
阿刀:歌詞、メロディ、アレンジ、全部いいんですけど、特に歌詞の冒頭でガッチリつかまれます。しかも『相思相愛』っていうタイトルだから、ラブラブな曲かと思いきや実はそうではない。そこがまたおもしろいところで、サビになると「そこまで言いますか……」っていう歌詞。クズな自分を隠してないんですよね。自分に酔ってない歌詞の作り方が、同じ男として気持ちがいいんです。メロディ、アレンジも抑え気味なんですけど、変にドラマチックじゃない。「盛り上げてやろう」という感じじゃなくて、この歌詞の世界観に寄り添った落ち着いた展開がより歌詞を染み込ませる。そこに主人公のテンション感が伺えるなあと思います。
2位:『夏模様の猫』
阿刀:『HELLO EP』の4曲目に収録されています。アマチュア時代、CDを手売りしていたときに作られた曲ということで。本当に短くて2分ちょいぐらいのピアノバラードなんですけども、シンプルなアレンジとメロディで、歌詞も特別自分の感情を表現するわけでもなく、行間から滲み出てくる情景にグッとくるんですよね。
1位:『Driver』
阿刀:本当にいい曲だと思うんですよね。「なんで当時シングルじゃなかったんだろう?」って思うぐらい。この曲を嫌いな人は絶対にいないですよ。ほんと隠しておくにはもったいない。
ヒゲダンが音楽シーンに与えた影響
ヒゲダンが日本の音楽シーンにどのような影響を与えたのか。樋口は「日本語の言葉の使い方」、阿刀は「曲作りへの姿勢」と語った。樋口:私はヒゲダンの音楽を通じて「日本語っていいな」「日本語の楽曲っていいな」と日本語や言葉の重要性に改めて気づきました。
グローバー:日本語の歌詞のはめ方が新鮮で、これはおそらく日本の音楽シーンにも影響を与えてるだろうと。阿刀さんはいかがですか?
阿刀:僕が思うのは「いい曲だったら何やってもいいじゃん」ということです。たとえば大ヒットした『Pretender』なんかもそうなんですけど、鍵盤ソロがあるじゃないですか。鍵盤ソロはこれまで、あまりヒット曲に入っているイメージがないんです。ギターソロも最近の楽曲ってほとんどなくなってきてるじゃないですか。そんななかで鍵盤ソロ。でも楽曲として完成しているから、やっていい。当たり前なんですけど「こういうことをやったらウケないんじゃないのかな?」とか、そういうことを気にせず自分たちがいいと思ったものを楽曲に注ぎ込んでしっかりと完成させれば、響く人にはしっかり響くんだということを改めて証明してくれたのかなと思います。
Official髭男dism - Pretender[Official Video]
ヒゲダンにキャッチコピーをつけるなら?
最後に2人が「ヒゲダンのキャッチコピー」を発表した。樋口の案:「Official 髭男dismとは、GOOD MUSIC発明家」
樋口:常に研究し続けているからこそいい音楽が出てくる。そしてずっとドキドキ、ワクワクを提供し続けてくれている。本当にメンバー全員を尊敬します。努力家だと思いますね。
阿刀の案:「Official 髭男dismとは、ハイレベルかつ無邪気な音楽家集団」
阿刀:4人とも本当にただの音楽好きなんですよね。インタビューをしたりインタビューの記事を読んだりしていると伝わってくるんですけど、インタビュー中なのに無邪気に4人で「あのときはああだったよね」ってキャッキャしながら話をするんですよ。それを見ていて「この人たちはただただ音楽が好きで、自分たちの好きな音楽を作ってるだけなんだな」ということがわかる。でもそれにしてはやってることが異常にハイレベルなんです。
グローバー:それが共存しているというのはすごいことですよね。
阿刀:そうなんです。ハイレベルになってくると、だんだんストイックになるというか、メンバー間がギスギスしちゃってもおかしくないんですけど、この4人はすごく仲がいいし、無邪気に音楽談義を繰り広げている様子を見るのが僕はすごく好きです。
J-WAVE『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』では、ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を繰り広げる。放送時間は土曜の17時から。
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番組情報
- MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY
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毎週土曜17:00-17:54
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