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イギリス、付加価値税を大幅引き下げ。市民の反応をロンドン在住ジャーナリストが語る

ビジネスからライフスタイルまで、さまざまなアプローチから世界の“今”を紐解く「KONICA MINOLTA GLOBAL SCALE」。『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナーだ。7月28日(火)のオンエアでは、イギリスではじまった消費刺激施策に注目した。

世界トップレベルを誇るイギリスの演劇業界が、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響で、大規模な解雇や劇場閉鎖の危機に直面しているニュースが報じられた。現地では、劇場や製作会社の70%が年末までに経営破綻する恐れがあるとも言われている。

イギリスでも経済の立て直しが急務となっているが、15日から始まったのが、日本の消費税に当たる付加価値税の大幅な引き下げだ。半年間、現在の20%から5%に下げられる。日本では、政府の「Go To トラベルキャンペーン」が物議をかもしているが、イギリスで始まって2週間弱経った今回の試みは、市民からどのように受け止められているのか。ロンドン在住のジャーナリスト・ライターの山下めぐみさんが解説した。

山下:15%とかなり減税されていますが、宣伝されていないために気付いている人が意外と少ないです。「いつもより安くなっていた」という声は聞きますが、「減税になったから、行こう」という感じではありません。そもそも商品の表示価格が消費税込みで記載されているので、購入時に税金を払っているという意識があまりないんだと思います。

施策のPR不足、税込み価格の表示が基本であるため、いまひとつ市民には浸透していない部分もあるようだ。また、企業側が減税分を価格に反映させなければ、そのまま企業の利益になるため、値下げを実施していない店舗もあるという。そんななか、山下さんが期待を寄せる、別の施策が控えている。

山下:日本でも「Go To Eatキャンペーン」という計画がありますが、イギリスでも8月3日から31日まで、事前に登録したレストランでの飲食費が50%オフになるという制度を準備中です。まずお店が登録をして、そのあとに登録店のリストが発表されます。リストにあるレストランに行って支払いをする際、お客さんは50%オフの金額を支払い、レストラン側は政府から50%分が支払われます。一人最大10ポンド(約1,400円)までの制限がありますが、家族4人で行けば約6,000円お得になるため利用する人が多いのではないかと期待しています。市民にはうれしい対策だと思います。

ウィズコロナの時代、経済をどう立て直していくべきなのか。正解がないだけに、各国で様々な試みが続いている。
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2020年8月4日28時59分まで

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