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サカナクションは、バンドを超えてひとつの「現象」だ【ライゾマ・真鍋大度&長谷川白紙】

サカナクションは、バンドを超えてひとつの「現象」だ【ライゾマ・真鍋大度&長谷川白紙】

J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。6月20日(土)のオンエアでは、前回に引き続きサカナクションを特集。ライゾマティクスの真鍋大度、シンガーソングライターの長谷川白紙がリモート出演し、サカナクションの魅力を語った。


■サカナクションのライブの魅力

ライゾマティクスは、過去にサカナクションのステージ演出を手掛けた。真鍋が、特に印象深かったパフォーマンスや楽曲を明かした。

真鍋:『ミュージック』の映像を作ったこともあります。何回も作り変えたのと、後半に大きく展開するところがあって、そこでどうやってガラッと雰囲気を変えようかなと苦戦した思い出があります。



グローバー:どのように作っていったのでしょうか?
真鍋:お任せされる部分も大きくて。特にサカナクションはかなりクリエイターの自由度が高く、ポテンシャルに賭けてくれるんです。
グローバー:ライブの楽しさはどんなところにありますか?
真鍋:お客さんが入って仕上がるみたいなところがあるんです。映像もお客さんがどうしたらより盛り上がるかなというポイントを作っていく作業なので、1回だけだと分からなくて、お客さんの反応を見てちょっとずつ変えていきます。
グローバー:『ミュージック』で言うと、実際にお客さんが入っているライブの反応は覚えてますか?
真鍋:めちゃくちゃ盛り上がる曲です。自分が映像をやってるからこそ言えるんですけど、音楽に比べると映像は感情に訴えかける部分が少ないんです。たとえば目をつぶって聴いてても盛り上がれちゃう。だから、どのライブに関わっても思うのは「音楽の力ってすごいなあ」ということですね。

長谷川はサカナクションの全国ツアー「SAKANAQUARIUM2015-2016 "NF Records launch tour"」において、過去にリリースした楽曲も演奏する姿勢に感銘を受けたという。

長谷川:そのライブで『白波トップウォーター』をやったんです。ものすごく昔の曲だと思うんですけど、それもやるところにグッときました。どのアーティストを観ていても、直近に出したアルバムの中からやると思うんです。だけど、サカナクションはその配合がいつもニュートラルなポジションにあるというか。それでいて盛り上がりを外さないんですからすごいですよね。




■クリエイティブ脳を刺激されるサカナクション曲TOP3!

オンエアでは、真鍋が聴いているだけで演出アイデアが溢れてくる「クリエイティブ脳を刺激されるサカナクションナンバーTOP3」をセレクトし紹介した。

3位:『グッドバイ(NEXT WORLD REMIX)』

真鍋:もとの曲はアコースティックで、リズムがそんなにバキバキしていない曲です。AOKI takamasaくんとかがやってるバージョンとはまた別で、僕はAIに変なリミックスをさせていたんですけど、クラブバージョンというか、リズムが強くなるバージョンというのも同時に作っているのは知っていました。完成形を聴いたら、もとのエモい感じは残しつつも、ちゃんとクラブミュージックになっていて、しかも音響的にもおもしろい作りになってたのですごく好きで、DJでも当時かけたりしていました。

2位:『ネイティブダンサー(rei harakami へっぽこre-arrange)』

真鍋:かなりDJ的なアプローチというか。たとえばアカペラの音源があって、他のインストにのっけて、よく「ブレンド」とか言いますけど、DJやっている人だと、その場でリミックスみたいなことをやるんです。けっこうそういうところもありつつ、rei harakamiさんらしさもすごくあって、DJ脳が刺激されます。

1位:『YES NO(AOKI takamasa remix)』

真鍋:これはもうかなりAOKI takamasa節のビートだと思うんですけど、それでもやっぱりメロディがのっかるとサカナクションになってしまう。サカナクションのメロディやヴォーカルの強さを改めて感じさせられます。「こういうふうに料理するのか」というところでもおもしろさを感じます。今までずっと友人であるAOKIくんがやったから、ということでも刺激されているのかもしれないですね。


■真鍋大度、サカナクションに感謝

ミュージシャンを支えるクリエイター陣は、普段は裏方となる人たちだ。しかし、サカナクションはそのようなクリエイター陣を「前に出してくれる」と、真鍋は感謝する。

真鍋:作品を作る上で音楽はもちろん中心にあるけど、ファッションとか映像とか、そういったものが重要だということを分かりやすく、いろいろなリスナーの方に伝えてくれたので、これはすごくありがたいことだったなと思いますね。
グローバー:音楽というものがカルチャーとしてどう出来上がっていて、何がおもしろいのかということを分かりやすくしてくれたんですね。サカナクションとこんなことをやりたい、こんなことやろうと思っていることはありますか?
真鍋:こういう状況になってから、リアルのイベントも変わっていかなきゃいけなくなって、それを今度どういう形で展開していくのか、という課題があります。僕はそれで何か新しいプラットフォームを作るお手伝いができたらいいなと思っています。
グローバー:みんな新しい楽しみを作りたい、新しいものを楽しみたいっていう気持ちがどんどん熱くなってますからね。長谷川さんはご自身の音楽活動で、サカナクションから影響を受けている一番大きい部分は何でしょうか?
長谷川:ふたつあります。メロディメイクの感覚と、シンセサイザーの音色や、どういうリズムでシンセサイザーを鳴らすのかということに関しては、かなり強く影響を受けてるなと聴き直していて感じました。


■サカナクションにキャッチコピーをつけるなら?

最後に真鍋と長谷川に、サカナクションにつけるキャッチコピーを尋ねた。

真鍋:「サカナクションとは、コミュニティである」。もちろんサカナクションっていうバンドが中心にいるんですけど、そのサカナクションを中心としたクリエイターがいて、さらにその周りにはファンがいると思うんです。そのクリエイターやファンとのつながりがすごく強いのがサカナクションだなという気がします。
長谷川:「サカナクションとは、現象である」。ずっとサカナクションを追っている身として、本当にサカナクションからいろいろなことが変わっていっているように思えるんです。もちろんクリエイターの方々とすごく先鋭的な芸術的なコラボレーションがあったり、裏方の人々に目がいくようになったり、ファッションシーンも含めて、ものすごくいろいろなものをサカナクションからもらっている感じがするんです。ひとつのバンドというだけでは説明のつかないような、いろいろなことが起こっていると思う。そういう枠組みを超えたもの、自分の理解を超えているものという意味で「現象」です。ファンの目線からは、そういうものに見えています。

次回6月27日のオンエアでは、7年ぶりとなるフルアルバム『ザ・ニュー・アブノーマル』をリリースしたザ・ストロークスを特集する。お楽しみに!

J-WAVE『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』では、ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を繰り広げている。放送時間は土曜の17時から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月27日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:毎週土曜 17時-17時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/musicology/

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