J-WAVEで放送中の番組『ROPPONGI PASSION PIT』(ナビゲーター:DEAN FUJIOKA/三原勇希)。各界で活躍する情熱を持ったゲストを迎えて、「好き」や「情熱」をテーマに、トークを繰り広げる。
5月9日(土)のオンエアでは、編集者の箕輪厚介がゲストとしてリモート出演。出版不況と呼ばれるいま、手掛けた本を大ヒットさせてきた箕輪の情熱に迫った。
■自粛期間でも、お酒を飲むだけで稼いでいる
箕輪は1985年生まれ東京都出身。2010年に双葉社に入社したのち、2015年には幻冬舎に移り、編集者として働きながら2017年に自身の会社「波の上商店」を設立。同年、書籍レーベル「NewsPicks Book」を創刊し、わずか2年半で累計222万部を突破。2018年には著書『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)を上梓し、14万部を突破する。2019年にもっとも売れたビジネス書『メモの魔力 The Magic of Memos』(著・前田裕二/幻冬舎)を担当。国内最大級のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰している。
外出自粛要請が続くなか、箕輪は家のベランダで七輪を使って焼き鳥や野菜を焼いているそうだ。また、夜にはビデオ会議アプリ「Zoom」を使って、箕輪が誰かとオンラインで対談する「スナック箕輪」も開いている。
箕輪:本田圭佑さんとやったときは、1人1000円で2000人近く集まりました。堀江貴文さんとやったときも1人1500円で1500人くらい。だから、酒を飲んでいるだけなのに、一晩で150万くらい稼げるんですよ。
三原:でも、それでふたりの気の置けない会話が聞けるわけですもんね。
箕輪:いや、ただ酔っぱらっているだけですけどね(笑)。ノーカットで本当に飲み会。こんなに儲かるなら、月1回飲み会配信していけば食っていけるなあという感じです(笑)。
三原:それは新たに見つけたビジネスですよね?
箕輪:そうですね。僕のオンラインサロンも、今すごく人が増えて活動が活発になっています。ずっとやってきたことが新型コロナをきっかけに少しブレイクスルーしている気はします。
箕輪は自身の肩書である編集者について、「プロデューサーの要素が強い」と語る。
箕輪:本のクオリティの善し悪しや上手な文章は、僕にとっては何十個ある要素のうちのひとつ。それよりも、今の時代に誰が何を言うかという発見を一番大事にしています。「それを聞きたかった」「たしかに今この人にこれを言ってほしかった」というオファーをして、書く人に「それならやってみたい」と思ってもらえることを重視していますね。
三原:時代に合った人を見つけるところから始まっているんですね。
箕輪:そうですね。だから、常にテレビや雑誌、SNSを通して「この人おもしろいな」という人が頭の中にふわっといて、「この人がいまこれを言ったら絶対に世の中の人が共感する」というものを考えて、バシっと決まったときに提案して、実際に書いてもらう感じですね。
■DEANはクリエイター・表現者として生きる人
DEANは日本における最初の仕事が、偶然にも幻冬舎出版の『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』を映画化した『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』だった。リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の犯人である市橋達也の逃亡記で、DEANは監督、主演、主題歌を担当している。箕輪は、「キャリアや評判のリスクにもなりかねないことを(日本で)最初にやるってめっちゃパンク。どうしてこの仕事を受けたんですか?」とDEANに質問を投げかける。
DEAN:最初は俳優としてのオファーだったんです。当時まだ日本で仕事をしたことがなくて、「仕事があればいつでも東京に行きます!」というスタンスでいました。役者として殺人逃亡者の役をやってみたいと思っていたので、色々話があったうえで決まりました。そのときは別の監督がいたんですけど、脚本がまとまらなくて……俳優の立場からだと、待っている間、何も動いていないように見えて。俳優以上の作業だったかもしれないけれど、アイデアを書いてエグゼクティブプロデューサーとメールのやりとりをしていました。そしたらある日、「明日東京で会えないか」と。当時、台北に住んでいたので台北からパッと来て、恵比寿の喫茶店で一対一で「監督をやらないか?」と。
箕輪:監督って、そんな風にできるものなんですか?
DEAN:自分が監督業をできていたかどうかは、正直怪しいですね。初めて監督したし、フィルムメイキングのプロセスの全体像は何となくわかっていたけれど、実際にその立場でプロジェクトを回したことがなかったので。しかも、日本で仕事をするのが初めてだったから、いろんな初めてがあって。「日本の人ってこうやって仕事するんだ!」「映画って、監督としてこうやって作るんだ!」って、いろんなことがぐちゃぐちゃになって、トラウマですね(笑)。
箕輪:えー! 観てみよう! まだ観ていないんですよね。僕思ったんです。「すげー人がいるな」って。評判のリスクもあったなか、よく受けたなと。すごく軽い言葉ですけど、「本物だな」って。マスの評判より、クリエイター・表現者として生きる人なんだなって思った記憶があります。
DEAN:本当に日本で最初(の仕事)だったんで、知名度や経済的な担保もないじゃないですか。いろんなものがバチバチ当たってくるわけですよね。でも、そんな中で堀江さんとかがピックアップしてくれて。
箕輪:え! ホリエモンと仲いいんですか?
DEAN:ジャカルタにも遊びに来てくれて。そのあと、東京でも何度か。あのとき、堀江さんにピックアップしてもらえて、いろんな方に見てもらえたので。
箕輪:今度3人で飲みましょうよ!
■やりたいことが一瞬で実現するオンラインサロンは新しい形のエンタメ
オンラインサロンとは、オンライン上の集団コミュニティのことだ。サロンごとに入会金の上下はあるが、主宰者はそのお金を使ってコミュニティを作っている。オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰する箕輪は、こう語る。
箕輪:おもしろいのが、700人くらいを超えると自分とは関係なく自走し始めるんですよ。
DEAN:社会が生まれるわけですね。
箕輪:まさに。もうツイッターで「箕輪編集室」で検索すると、僕の知らない人たちがみんなで楽しそうにイベントをやっているんです。今は自粛期間で実際に会えないので、1日10個くらいZoomのイベントがあるんですよ。箕輪編集室内で結婚する人たちもいて。
DEAN:え~、すごい! それで子どもが生まれたら、命が生まれる瞬間じゃないですか。
箕輪:だから村ですよね。僕はコミュニティのみんなが幸せになる方法を考える役割で、みんなのおかげなんですけど、僕が『ドラえもん』のポケットを持っている感じです。たとえば、僕がオンライン神社を提案すると、コミュニティの1500人の中には神主さんがすでにいるんですよ。サイトを作れる人やデザインができる人、PRができる人もいるので、すぐ実現できちゃう。そして、テレビにも取り上げられる。「スナック箕輪」をやるときも、すぐYouTube配信チームが組まれる。やりたいことがあれば得意な人がチームを作って一瞬で実現できるので、新しい形のエンタメですよね。また、やっている人たちも楽しいから、その盛り上がりや熱量が他の人にも電波します。
DEAN:その合間にボクシングとかもやっているんですよね?
箕輪:よく知ってますね(笑)。今はサッカー選手を目指してます。本田圭佑さんのサッカークラブ「One Tokyo」に僕だけおじさんで太ってたのに、たぶん本田さんの悪ふざけでトライアウトに合格して。
DEAN:あははは(笑)。
箕輪:そこから地獄でした。新型コロナの前は、10代や20代の子に怒鳴られながら練習していました。
テレビ出演もこなすなど多忙な印象のある箕輪だが、「忙しいのはよくないこと」と語る。
箕輪:「忙しい」って、漢字だと「心を亡くす」って書くじゃないですか。忙しいと思っているということは、絶対にシステム化して誰かに引き継がなければいけない状態なので僕のミスです。僕が時間を使うべきなのは、ふざけること。ホリエモンと飲んでぐちゃぐちゃになったり、サッカーにいきなり挑戦して若い人たちに怒鳴られてすごく嫌な気持ちになったり、心を動かすこと。そこからいろいろな着想や新しい企画、人間関係が生まれていきます。だから忙しくないし、「忙しいんです」と言ったら僕はその時点で終わっていると思うので、忙しさを切り離そうとしますね。
■共感する人が増えれば機動力になる
こうした取り組みを可能にするポイントを訊かれると、箕輪は「自分のやっていることに共感してくれる人を増やすこと」と答えた。
箕輪:本を作るときも、普通の編集者がひとりでやることを、僕はオンラインサロンで20人くらいのチームを組んでやっています。生意気だと思われるかもしれないんですけど、僕と本を作ったほうが絶対に売れるんですよ。普通に編集者と出しても普通に売るだけですが、僕はオンラインサロンを稼働させながら作るんで、インタビュー中から動画を回し、その動画を超イケてる感じに編集して、本の発売と同時にツイッターに流すことができる。そして、それをチームが全員で拡散する。だから「この本、売れてる」という現象を起こせて、そもそも興味ない人も「買ってみようかな」となって徐々に広がっていく。これは出版社じゃ無理だと思うんですよね。
DEAN:なぜ無理なんですか?
箕輪:出版業界以外もそうだと思うんですけど、人間の成長が止まっているんです。本を作ることはできても、誰も動画は作れないんですよ。SNSすらやっていない人も多い。もちろんみんな頑張っているので「動画は大切だから10万円で動画会社に依頼しよう」とやったとしても、それはクリエイターじゃなくてサラリーマンなんですよね。テレビのプロデューサーもそうですが、新卒試験に突破したクリエイター気取りのサラリーマンで、時代に迅速に対応する能力はなくて「外注する」という思考になる。でも僕のオンラインサロンには優秀な10代、20代も多く、高校生なんかは動画をめちゃめちゃ早く作るんですよ。すぐ「グッズのTシャツも作りませんか」と言ってきたりします。この機動力は多種多様な若い人たちがいる集団じゃないと無理なんですよね。
最後に箕輪は、情熱とは「世界中の誰も共感しなくても、自分ひとりだけが無我夢中になってしまうもの」とコメントした。
箕輪:誰かにウケようと思わず、たったひとりでただ熱狂することで、2人目、3人目にも電波して爆発する。本でも「なんかこれ売れそうだな」と思う座組でもスベることが多いんですが、編集者も著者も無名でも「こいつら熱狂してるぞ」というものはハネる。だから情熱ってたったひとりで熱狂し続けることかなと思いますね。
『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、みんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土曜23時から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月16日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『ROPPONGI PASSION PIT』
放送日時:毎週日曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/passionpit/
5月9日(土)のオンエアでは、編集者の箕輪厚介がゲストとしてリモート出演。出版不況と呼ばれるいま、手掛けた本を大ヒットさせてきた箕輪の情熱に迫った。
■自粛期間でも、お酒を飲むだけで稼いでいる
箕輪は1985年生まれ東京都出身。2010年に双葉社に入社したのち、2015年には幻冬舎に移り、編集者として働きながら2017年に自身の会社「波の上商店」を設立。同年、書籍レーベル「NewsPicks Book」を創刊し、わずか2年半で累計222万部を突破。2018年には著書『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)を上梓し、14万部を突破する。2019年にもっとも売れたビジネス書『メモの魔力 The Magic of Memos』(著・前田裕二/幻冬舎)を担当。国内最大級のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰している。
外出自粛要請が続くなか、箕輪は家のベランダで七輪を使って焼き鳥や野菜を焼いているそうだ。また、夜にはビデオ会議アプリ「Zoom」を使って、箕輪が誰かとオンラインで対談する「スナック箕輪」も開いている。
箕輪:本田圭佑さんとやったときは、1人1000円で2000人近く集まりました。堀江貴文さんとやったときも1人1500円で1500人くらい。だから、酒を飲んでいるだけなのに、一晩で150万くらい稼げるんですよ。
三原:でも、それでふたりの気の置けない会話が聞けるわけですもんね。
箕輪:いや、ただ酔っぱらっているだけですけどね(笑)。ノーカットで本当に飲み会。こんなに儲かるなら、月1回飲み会配信していけば食っていけるなあという感じです(笑)。
三原:それは新たに見つけたビジネスですよね?
箕輪:そうですね。僕のオンラインサロンも、今すごく人が増えて活動が活発になっています。ずっとやってきたことが新型コロナをきっかけに少しブレイクスルーしている気はします。
箕輪は自身の肩書である編集者について、「プロデューサーの要素が強い」と語る。
箕輪:本のクオリティの善し悪しや上手な文章は、僕にとっては何十個ある要素のうちのひとつ。それよりも、今の時代に誰が何を言うかという発見を一番大事にしています。「それを聞きたかった」「たしかに今この人にこれを言ってほしかった」というオファーをして、書く人に「それならやってみたい」と思ってもらえることを重視していますね。
三原:時代に合った人を見つけるところから始まっているんですね。
箕輪:そうですね。だから、常にテレビや雑誌、SNSを通して「この人おもしろいな」という人が頭の中にふわっといて、「この人がいまこれを言ったら絶対に世の中の人が共感する」というものを考えて、バシっと決まったときに提案して、実際に書いてもらう感じですね。
■DEANはクリエイター・表現者として生きる人
DEANは日本における最初の仕事が、偶然にも幻冬舎出版の『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』を映画化した『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』だった。リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の犯人である市橋達也の逃亡記で、DEANは監督、主演、主題歌を担当している。箕輪は、「キャリアや評判のリスクにもなりかねないことを(日本で)最初にやるってめっちゃパンク。どうしてこの仕事を受けたんですか?」とDEANに質問を投げかける。
DEAN:最初は俳優としてのオファーだったんです。当時まだ日本で仕事をしたことがなくて、「仕事があればいつでも東京に行きます!」というスタンスでいました。役者として殺人逃亡者の役をやってみたいと思っていたので、色々話があったうえで決まりました。そのときは別の監督がいたんですけど、脚本がまとまらなくて……俳優の立場からだと、待っている間、何も動いていないように見えて。俳優以上の作業だったかもしれないけれど、アイデアを書いてエグゼクティブプロデューサーとメールのやりとりをしていました。そしたらある日、「明日東京で会えないか」と。当時、台北に住んでいたので台北からパッと来て、恵比寿の喫茶店で一対一で「監督をやらないか?」と。
箕輪:監督って、そんな風にできるものなんですか?
DEAN:自分が監督業をできていたかどうかは、正直怪しいですね。初めて監督したし、フィルムメイキングのプロセスの全体像は何となくわかっていたけれど、実際にその立場でプロジェクトを回したことがなかったので。しかも、日本で仕事をするのが初めてだったから、いろんな初めてがあって。「日本の人ってこうやって仕事するんだ!」「映画って、監督としてこうやって作るんだ!」って、いろんなことがぐちゃぐちゃになって、トラウマですね(笑)。
箕輪:えー! 観てみよう! まだ観ていないんですよね。僕思ったんです。「すげー人がいるな」って。評判のリスクもあったなか、よく受けたなと。すごく軽い言葉ですけど、「本物だな」って。マスの評判より、クリエイター・表現者として生きる人なんだなって思った記憶があります。
DEAN:本当に日本で最初(の仕事)だったんで、知名度や経済的な担保もないじゃないですか。いろんなものがバチバチ当たってくるわけですよね。でも、そんな中で堀江さんとかがピックアップしてくれて。
箕輪:え! ホリエモンと仲いいんですか?
DEAN:ジャカルタにも遊びに来てくれて。そのあと、東京でも何度か。あのとき、堀江さんにピックアップしてもらえて、いろんな方に見てもらえたので。
箕輪:今度3人で飲みましょうよ!
■やりたいことが一瞬で実現するオンラインサロンは新しい形のエンタメ
オンラインサロンとは、オンライン上の集団コミュニティのことだ。サロンごとに入会金の上下はあるが、主宰者はそのお金を使ってコミュニティを作っている。オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰する箕輪は、こう語る。
箕輪:おもしろいのが、700人くらいを超えると自分とは関係なく自走し始めるんですよ。
DEAN:社会が生まれるわけですね。
箕輪:まさに。もうツイッターで「箕輪編集室」で検索すると、僕の知らない人たちがみんなで楽しそうにイベントをやっているんです。今は自粛期間で実際に会えないので、1日10個くらいZoomのイベントがあるんですよ。箕輪編集室内で結婚する人たちもいて。
DEAN:え~、すごい! それで子どもが生まれたら、命が生まれる瞬間じゃないですか。
箕輪:だから村ですよね。僕はコミュニティのみんなが幸せになる方法を考える役割で、みんなのおかげなんですけど、僕が『ドラえもん』のポケットを持っている感じです。たとえば、僕がオンライン神社を提案すると、コミュニティの1500人の中には神主さんがすでにいるんですよ。サイトを作れる人やデザインができる人、PRができる人もいるので、すぐ実現できちゃう。そして、テレビにも取り上げられる。「スナック箕輪」をやるときも、すぐYouTube配信チームが組まれる。やりたいことがあれば得意な人がチームを作って一瞬で実現できるので、新しい形のエンタメですよね。また、やっている人たちも楽しいから、その盛り上がりや熱量が他の人にも電波します。
DEAN:その合間にボクシングとかもやっているんですよね?
箕輪:よく知ってますね(笑)。今はサッカー選手を目指してます。本田圭佑さんのサッカークラブ「One Tokyo」に僕だけおじさんで太ってたのに、たぶん本田さんの悪ふざけでトライアウトに合格して。
DEAN:あははは(笑)。
箕輪:そこから地獄でした。新型コロナの前は、10代や20代の子に怒鳴られながら練習していました。
テレビ出演もこなすなど多忙な印象のある箕輪だが、「忙しいのはよくないこと」と語る。
箕輪:「忙しい」って、漢字だと「心を亡くす」って書くじゃないですか。忙しいと思っているということは、絶対にシステム化して誰かに引き継がなければいけない状態なので僕のミスです。僕が時間を使うべきなのは、ふざけること。ホリエモンと飲んでぐちゃぐちゃになったり、サッカーにいきなり挑戦して若い人たちに怒鳴られてすごく嫌な気持ちになったり、心を動かすこと。そこからいろいろな着想や新しい企画、人間関係が生まれていきます。だから忙しくないし、「忙しいんです」と言ったら僕はその時点で終わっていると思うので、忙しさを切り離そうとしますね。
■共感する人が増えれば機動力になる
こうした取り組みを可能にするポイントを訊かれると、箕輪は「自分のやっていることに共感してくれる人を増やすこと」と答えた。
箕輪:本を作るときも、普通の編集者がひとりでやることを、僕はオンラインサロンで20人くらいのチームを組んでやっています。生意気だと思われるかもしれないんですけど、僕と本を作ったほうが絶対に売れるんですよ。普通に編集者と出しても普通に売るだけですが、僕はオンラインサロンを稼働させながら作るんで、インタビュー中から動画を回し、その動画を超イケてる感じに編集して、本の発売と同時にツイッターに流すことができる。そして、それをチームが全員で拡散する。だから「この本、売れてる」という現象を起こせて、そもそも興味ない人も「買ってみようかな」となって徐々に広がっていく。これは出版社じゃ無理だと思うんですよね。
DEAN:なぜ無理なんですか?
箕輪:出版業界以外もそうだと思うんですけど、人間の成長が止まっているんです。本を作ることはできても、誰も動画は作れないんですよ。SNSすらやっていない人も多い。もちろんみんな頑張っているので「動画は大切だから10万円で動画会社に依頼しよう」とやったとしても、それはクリエイターじゃなくてサラリーマンなんですよね。テレビのプロデューサーもそうですが、新卒試験に突破したクリエイター気取りのサラリーマンで、時代に迅速に対応する能力はなくて「外注する」という思考になる。でも僕のオンラインサロンには優秀な10代、20代も多く、高校生なんかは動画をめちゃめちゃ早く作るんですよ。すぐ「グッズのTシャツも作りませんか」と言ってきたりします。この機動力は多種多様な若い人たちがいる集団じゃないと無理なんですよね。
最後に箕輪は、情熱とは「世界中の誰も共感しなくても、自分ひとりだけが無我夢中になってしまうもの」とコメントした。
箕輪:誰かにウケようと思わず、たったひとりでただ熱狂することで、2人目、3人目にも電波して爆発する。本でも「なんかこれ売れそうだな」と思う座組でもスベることが多いんですが、編集者も著者も無名でも「こいつら熱狂してるぞ」というものはハネる。だから情熱ってたったひとりで熱狂し続けることかなと思いますね。
『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、みんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土曜23時から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月16日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『ROPPONGI PASSION PIT』
放送日時:毎週日曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/passionpit/
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