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飲食店・中小企業は“待ったなし”の危機―弁護士が助言「借入金の返済猶予など支払いを抑えて」

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飲食店・中小企業は“待ったなし”の危機―弁護士が助言「借入金の返済猶予など支払いを抑えて」

コロナ禍によって経営に大きく影響を受けているお店やオフィスを応援するJ-WAVEの特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL CHEERS FOR ALL』(ナビゲーター:DJ TARO)が、5月5日(火・祝)にオンエアされた。弁護士の大宅達郎さんがリモート出演し、中小企業の現状や危機を乗り越えるために今できることについて解説した。


■手持ち資金が急減、融資や給付金も時間がかかる…中小企業の危機

大宅さんは虎ノ門の東京双和法律事務所の代表を務め、事業継承やベンチャー企業支援、資金調達などを専門とする。まずは現在の中小企業の状況について訊いた。

大宅:自粛要請によって売り上げが急減している一方で、家賃や人件費、従業員のみなさんへのお給料の支払いなどで手元の資金が急速に減っています。しかし、融資や給付金に時間がかかって資金繰りが非常に厳しいというのが、多くの中小事業者さんの状況だと思います。
DJ TARO:5月4日に決定された緊急事態宣言の延長によって、よりいっそう厳しい状況が予想されますか?
大宅:(3月に)自粛が始まってから5月いっぱいまでとなると、もう3ヶ月くらいになると思いますが、従来であれば健全な会社や事業者さんでも手持ち資金がなくなります。これは本当に待ったなしの状況だと思います。

5月1日には、飲食店も含む中小法人や個人事業主を支援する持続化給付金の申請受付が始まった。1ヶ月の売上が前年と比べて50%以上減少していることが条件で、確定申告書類などの提出が必要となる。大宅さんによると、この持続化給付金についての法律相談は非常に増えているそうだ。


■資金維持のためには融資も大事だが、支払いを抑えることも大事

また政府は中小企業に対して給付のみならず、政府系金融機関による無利子・無担保の緊急融資も申請を受け付けている。

DJ TARO:これについては、どのくらいの企業に融資審査がおりているのでしょうか?
大宅:4月下旬の報道では、申し込みの半分程度の審査が済んでいるそうです。
DJ TARO:このほかにも、中小企業が活用できる制度はありますか?
大宅:この緊急融資については政府系金融機関が窓口なんですが、非常に時間がかかります。(申請してから貸付まで)2ヶ月、3カ月先という話も聞きます。こうした状況に対して政府や民間の金融機関が中心となり、「つなぎ融資をしよう」ということで政府系金融機関が実行するまで、先に民間の金融機関が貸付を行う制度が始まっていると聞いています。
DJ TARO:制度自体もまだ細かいことが決まっていないことも多いんですよね。
大宅:そうですね。まだ政府も実際の支援策を詰めている状況です。ただ、支援をするという方向なのでとにかく足元の資金をつなぐことが大事だと思います。

東京都では、都の要請や協力依頼に応じて、施設の使用停止や営業時間の短縮をした中小事業者に「東京都感染拡大防止協力金」を支給することも発表している。こうした支援策は東京都のみならず、各自治体でも行われているので住まいの地域ごとに調べることも大事だ。

そして大宅さんは中小企業がこのコロナ禍を乗り切るためには、手元のお金を増やすことだけではなく、「支払いを抑えること」の重要性も語る。

大宅:今、金融機関も柔軟に借入金の返済猶予に応じています。今まで通りに払うのではなく、相談しながら支払いを抑制して手元の資金を大事に使っていくことも今できることのひとつ。電話で多くの金融機関さんが相談窓口を設けているので、まずは電話していただくことが大事だと思います。今はいろいろな支援策があるので、事業者の方だけで調べ切るのは大変です。弁護士、税理士、金融機関など、別の人に相談しながら、国の支援も利用しつつ、頑張ってこの緊急事態宣言の間を乗り越えていただきたいです。


■飲食店、家賃支払いの猶予はある?

大宅さんは、「家賃だけでもなんとか猶予していただく方法はあるのでしょうか」という飲食店を経営するリスナーからの質問にも答えた。

大宅:国も、ビルオーナーの業界団体に対して猶予に柔軟に応じるよう要請をしている段階です。実際の猶予はオーナーが認めるかどうかの問題もありますが、資金繰りの観点ではまずは(オーナーに家賃支払いを)待っていただくことをお願いすることが大事でしょう。(国による)猶予の制度が整っていなくても、まずは大家さんに相談して支払いを待ってもらい、手持ち資金を優先することは対策として考えられることです。
DJ TARO:大家さん側が「今月は厳しいだろうから半分でいいよ」と言ってくれるケースもあるみたいですね。
大宅:貸す側もテナントさん側がいなくなったら困るので、むしろ両方が持続的な関係を維持するため協力してもらうことが大事だと思います。また法的には、家賃は一定期間続かなければ、1ヶ月支払わなくても立ち退きを求める上で正当な理由とは認められません。1ヶ月遅れたからと言ってすぐに出なければいけないわけではないので、そこも考慮して大家さんに相談してほしいですね。
DJ TARO:実際には、立ち退く場合にもお金がかかります。そこも大宅さんと相談した上で、どっちがお金を残す上で最善なのか話したほうがいいですよね。

また、「お客さんのなかにはマスクをしない人も。お客さんにコロナが移されたら賠償などはどうなるのでしょうか」という質問には、大宅さんは「ケースバイケース」と答えた。

大宅:自分が感染しているとわかった上でお店に行って移したら不法行為と認められる可能性が高いです。その場合には賠償も余地はあると思います。(感染が)わかっていないなら、(不法行為は)認められない場合も多いでしょう。ただ、身近な家族が感染していたら、自分への感染がわかっていた状況に近いので、認められる可能性もあると思います。
DJ TARO:できるなら、お店の入口に消毒液を置いたりエチケットマスクを徹底してもらったりして上での入店を理解してもらうことが大事かもしれないですね。
大宅:そうですね。お店に入る前の段階でルールやお願い事項をはっきりさせておくことが大事だと思います。

「TEAM J-WAVE ACTION FOR TOMORROW」の特設サイトでは、コロナ禍で工夫を凝らす店舗やオフィスの情報が公開されている。ぜひチェックしてほしい。

・「TEAM J-WAVE ACTION FOR TOMORROW」特設サイト

https://www.j-wave.co.jp/special/actiontomorrow/

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月12日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL CHEERS FOR ALL』
放送日時:2020年5月5日(火・祝) 9時-20時55分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/holiday/20200505/

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