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松居大悟、原点を語る「光が当たらない人にも物語性は必ずある」

松居大悟、原点を語る「光が当たらない人にも物語性は必ずある」

J-WAVEで放送中の『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。12月16日(月)のオンエアは、劇団ゴジゲンの主宰・松居大悟が登場。2月上演の新作舞台『ポポリンピック』について語った。


■“選ばれなかった側”を描く

劇団ゴジゲン第16回公演『ポポリンピック』が、2019年12月21日(土)から2020年2月9日(日)にかけて福岡、東京、北海道、京都の4都市で上演される。松居はこの舞台の作・演出を務める。

松居:『ポポリンピック』は来年に東京オリンピック・パラリンピックが開催しますよね。自分がこのイベントをテーマに作品を描くなら「選ばれなかった物語を作りたい」と思いました。

今回のオリンピックは最終追加種目で8競技がエントリーされ、その内の5競技(野球・ソフトボール、空手、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミング)が選ばれた。一方、武術、スカッシュ、ボウリングの3競技は落選した。

松居:ボウリングって競技人口も多いし、みんなが一度は触れていたスポーツですよね。(プロの)ボーリングプレイヤーのことを考えたときに、一度は「東京オリンピックに出られるかも」とか「日本中から応援してもらえるかも」と思って、でも最終的に落選してしまった。でも、その姿をテレビのドキュメンタリー番組などではきっと描かれないだろう、描くならオリンピック選手だと。だから、余計にオリンピックまで行けなかった人たちが気になり、今回の舞台はボウリング選手を主人公に描こうと思いました。

松居は舞台『ポポリンピック』のストーリーについてこう語る。

松居:物語は2013年に東京オリンピックが決定した瞬間から始まり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの話です。フィクションですけど、実際に起きる出来事として、2014年に最終追加8競技が決まり、2015年に公式33競技が決定して、3競技が落選して、と時系列に基づきながら物語は進みます。ボウリング選手やボウリング場のオーナー、一方で選ばれた競技の人も現れて、衝突しながら、基本的にはコメディーなので楽しく描いています。

松居は「これまでの作品は完全なフィクションだったけど、今作は事実に基づいて作っているため、それは見どころかな」と付け加えた。


■光の当たっていない人たちにも物語性がある

松居はJ-WAVE『JUMP OVER』(毎週木曜 26:00-26:30)のナビゲーターを務めている。劇団ゴジゲンの前作、2月に上演された舞台『みみばしる』はJ-WAVEと松居がコラボレートして、ラジオリスナーと共に作品を制作するというラジオと演劇の垣根を越えるプロジェクトだった。

サッシャ:『みみばしる』ではラジオの発信側とリスナーが繰り広げる物語でした。『ポポリンピック』も、オリンピックに出られる人、出られない人と相反する2つの軸がありますよね。そういった軸は発想の原点にあるんですか?
松居:ありますね。『みみばしる』を制作するときに、ラジオのナビゲーターよりもリスナーの話をしたいと思いました。それで物語を作ることに苦戦するかもしれないけれど、恐れずに言うと、光の当たっていない人たちのほうが多いわけで、そこに物語性が必ずあるし、リスナーがメッセージを読まれてうれしいとか、ラジオに励まされるとか、そういったことをドラマにしたほうがグッとくるなと考えました。『ポポリンピック』もオリンピックに選ばれなかった人たち、それこそ光が当たりかけたけど、当たらなかった人たちにとっても「スポーツって面白いじゃん」とかドラマはきっとあると思います。

松居は「僕の原点は光が当たっていない人たちの物語を描くこと」と続ける。

松居:「物語性があるのは光が当たっている側である」なんてことはないぞと。特に舞台では関わる人も少なく、緻密に作っていけるからそういうことは大切にしていますね。
サッシャ:映画とは違うわけですね。
松居:そうですね。映画だと関わる人が増えていくので、もう少し広いものにしないといけないので。でも、自分の中では『ポポリンピック』は舞台だけど広いものですね。光を浴びられなかった人たちをコミカルに描いています。

番組では、松居が愛してやまないミンティア(清涼菓子)について熱く語る場面もあった。4都市で上演される舞台『ポポリンピック』。ぜひ劇場で松居の思いを感じてほしい。

『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone

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