ハリー杉山が登場した、J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。9月7日(土)のオンエアだ。ハリーがタレントとして活動するまでの生活や、初めて挑戦した舞台などについて話した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月14日28時59分まで)
■父親への憧れ
ハリーの父はイギリス人、母は日本人だ。東京出身で、11歳までインターナショナルスクールで過ごした。人生における圧倒的なヒーローは父、ヘンリー・スコット・ストークス。ニューヨーク・タイムズ東京支局長も務めたジャーナリストだ。小さい頃から、父親が通った学校に行きたいと考えていたという。
ハリー:14世紀に設立されたイギリスの「ウィンチェスター・カレッジ」という全寮制の学校です、準備も必要なので、11歳でイギリスに飛び立ちました。最初の2、3年は母親と一緒でしたが、そのあとは全寮制なので、そこに身を投じて様々な経験をしました。
イギリスでの生活を経て日本語を忘れ、日本人としてのアイデンティティもわからなくなっていたというハリーは、18歳のときに日本に帰国。その後は就職し、並行してモデルやアルバイトの仕事もした。
ハリー:全寮制で外と触れ合う時間が限られた空間にいると「ウィンチェスター・カレッジ」の中での日々が"まさに人生"ということで、変にイギリスと日本を比べてしまったんです。日本の良さを自分の中で完全に消しまっていたんですが、日本の良さ、美徳、自分の思いを伝えない良さもあるとか、帰ってきて住み始めてからわかりました。
ハリーによると、イギリスでは学校の中で自分の思ったことを伝えられないと、ヒエラルキーが下の方になってしまうそうだ。「なぜ日本人は自分が思ったことを言わないんだろう」と思っていたものの、住んでみるとその良さがわかったという。
現在、タレントとして活躍するハリーは、もともとイギリスのテレビ局「BBC」のレポーターを志望していた。父親はジャーナリストとして有名であり、「自分はカメラの前で何かを伝えたい」と思っていた。ところが、ロンドン大学を中退したこともあって、メディア機関に入るのは難しいだろうと感じていた。そこで、「モデルやタレントなどの仕事を通して近道もあるのではないか」というしたたかな思いから現在の仕事を始めたのだが、「案外テレビの仕事は楽しいな」と思ったそうだ。
ハリー:例えば、情報番組で自分の思いを伝えることも、ある意味でジャーナリズムと重なるところもあるかなと感じて、気が付いたら10何年。"なんちゃってジャーナリスト"かもしれないけど、そういう仕事が馴染んできたんじゃないかと思っています。
■初の舞台で感じた運命
ハリーは、9月5日から上演が始まった『男が死ぬ日』に出演。舞台は初めてのチャレンジだ。
ハリー:20世紀のアメリカ、世界を代表する劇作家、テネシー・ウィリアムズの作品です。三島由紀夫さんに捧げられたもの。実はふたりは仲がよくて、テネシーがこの作品を三島に捧げたことが驚きのひとつでしたし、僕が演じる"東洋人"という役は三島由紀夫さんをイメージして作られた役なんです。
作品の内容は、生々しい男と女の愛憎劇。"東洋人"という役についてハリーは、「愛とは何なのか、死ぬことはどういうことなのか、東洋と西洋の死生観の違いなどを掘り下げる役」と話す。
ハリー:そもそも僕は日本人と外国人の自分がミックスされているので、掘り下げれば掘り下げるほどいろいろな発見があり、最初は「やるはずはないでしょう」という周りの否定的な想いがありましたが、「絶対にやらせてください!」と言い切って、やることになりました。
市川:"東洋人"の役をあえてハーフのハリーが演じることで、意味合いが出てくる気がします。
ハリー:鋭い着眼点ですね。もともとこの作品は、1958年にアメリカでテネシーが書いたもの。アメリカで演じられたのは、その4、50年くらい後で、その間はずっとどこかに眠っていたんです。
今回の演出を担当しているボビー中西は、2001年にアメリカで行われた世界初演で"東洋人"の役を演じたそうだ。
ハリー:その情熱を日本に持ち帰ってきて、18年後にカタチにするという。ボビーさんの魂を受け継いで演じています。そこにはいろいろな運命がありました。もともと僕の父親は、記者として1960年代に三島由紀夫さんを取材をして親しくなり、三島さんが亡くなる直前の手紙も何通か実際に持っているんです。父親が日本に残ったのは三島さんの影響も大きかったので、父親とボビーさんの想いを受け継ぎながら。だから、心も魂もグチャグチャでございます(笑)。
ボビーには「"演じる演技"ではなくて、"自分を使った演技"をしてほしい」と言われるという。演じようとすればするほどフェイクになるのだが、「真面目にしっかりやらなければ」という思いが強いと逆に演じてしまうのだそうだ。そんな重圧を抱える一方で、「この作品を通して自分をさらによく知ることができるような気がしています。本当に宝のような時間です」と、充実感も明かした。
『男が死ぬ日』は9月15日(日)まで、すみだパークスタジオ倉にて上演中だ。また、ハリーはJ-WAVEで毎週土曜の6時から放送中の『POP OF THE WORLD』でナビゲーターを務めている。こちらも、ぜひチェックしてみてほしい。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月14日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide
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■父親への憧れ
ハリーの父はイギリス人、母は日本人だ。東京出身で、11歳までインターナショナルスクールで過ごした。人生における圧倒的なヒーローは父、ヘンリー・スコット・ストークス。ニューヨーク・タイムズ東京支局長も務めたジャーナリストだ。小さい頃から、父親が通った学校に行きたいと考えていたという。
ハリー:14世紀に設立されたイギリスの「ウィンチェスター・カレッジ」という全寮制の学校です、準備も必要なので、11歳でイギリスに飛び立ちました。最初の2、3年は母親と一緒でしたが、そのあとは全寮制なので、そこに身を投じて様々な経験をしました。
イギリスでの生活を経て日本語を忘れ、日本人としてのアイデンティティもわからなくなっていたというハリーは、18歳のときに日本に帰国。その後は就職し、並行してモデルやアルバイトの仕事もした。
ハリー:全寮制で外と触れ合う時間が限られた空間にいると「ウィンチェスター・カレッジ」の中での日々が"まさに人生"ということで、変にイギリスと日本を比べてしまったんです。日本の良さを自分の中で完全に消しまっていたんですが、日本の良さ、美徳、自分の思いを伝えない良さもあるとか、帰ってきて住み始めてからわかりました。
ハリーによると、イギリスでは学校の中で自分の思ったことを伝えられないと、ヒエラルキーが下の方になってしまうそうだ。「なぜ日本人は自分が思ったことを言わないんだろう」と思っていたものの、住んでみるとその良さがわかったという。
現在、タレントとして活躍するハリーは、もともとイギリスのテレビ局「BBC」のレポーターを志望していた。父親はジャーナリストとして有名であり、「自分はカメラの前で何かを伝えたい」と思っていた。ところが、ロンドン大学を中退したこともあって、メディア機関に入るのは難しいだろうと感じていた。そこで、「モデルやタレントなどの仕事を通して近道もあるのではないか」というしたたかな思いから現在の仕事を始めたのだが、「案外テレビの仕事は楽しいな」と思ったそうだ。
ハリー:例えば、情報番組で自分の思いを伝えることも、ある意味でジャーナリズムと重なるところもあるかなと感じて、気が付いたら10何年。"なんちゃってジャーナリスト"かもしれないけど、そういう仕事が馴染んできたんじゃないかと思っています。
■初の舞台で感じた運命
ハリーは、9月5日から上演が始まった『男が死ぬ日』に出演。舞台は初めてのチャレンジだ。
ハリー:20世紀のアメリカ、世界を代表する劇作家、テネシー・ウィリアムズの作品です。三島由紀夫さんに捧げられたもの。実はふたりは仲がよくて、テネシーがこの作品を三島に捧げたことが驚きのひとつでしたし、僕が演じる"東洋人"という役は三島由紀夫さんをイメージして作られた役なんです。
作品の内容は、生々しい男と女の愛憎劇。"東洋人"という役についてハリーは、「愛とは何なのか、死ぬことはどういうことなのか、東洋と西洋の死生観の違いなどを掘り下げる役」と話す。
ハリー:そもそも僕は日本人と外国人の自分がミックスされているので、掘り下げれば掘り下げるほどいろいろな発見があり、最初は「やるはずはないでしょう」という周りの否定的な想いがありましたが、「絶対にやらせてください!」と言い切って、やることになりました。
市川:"東洋人"の役をあえてハーフのハリーが演じることで、意味合いが出てくる気がします。
ハリー:鋭い着眼点ですね。もともとこの作品は、1958年にアメリカでテネシーが書いたもの。アメリカで演じられたのは、その4、50年くらい後で、その間はずっとどこかに眠っていたんです。
今回の演出を担当しているボビー中西は、2001年にアメリカで行われた世界初演で"東洋人"の役を演じたそうだ。
ハリー:その情熱を日本に持ち帰ってきて、18年後にカタチにするという。ボビーさんの魂を受け継いで演じています。そこにはいろいろな運命がありました。もともと僕の父親は、記者として1960年代に三島由紀夫さんを取材をして親しくなり、三島さんが亡くなる直前の手紙も何通か実際に持っているんです。父親が日本に残ったのは三島さんの影響も大きかったので、父親とボビーさんの想いを受け継ぎながら。だから、心も魂もグチャグチャでございます(笑)。
ボビーには「"演じる演技"ではなくて、"自分を使った演技"をしてほしい」と言われるという。演じようとすればするほどフェイクになるのだが、「真面目にしっかりやらなければ」という思いが強いと逆に演じてしまうのだそうだ。そんな重圧を抱える一方で、「この作品を通して自分をさらによく知ることができるような気がしています。本当に宝のような時間です」と、充実感も明かした。
『男が死ぬ日』は9月15日(日)まで、すみだパークスタジオ倉にて上演中だ。また、ハリーはJ-WAVEで毎週土曜の6時から放送中の『POP OF THE WORLD』でナビゲーターを務めている。こちらも、ぜひチェックしてみてほしい。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月14日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide
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