J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「VOLVO DESIGN YOUR LIFE」。7月27日(土)のオンエアでは、大ヒット映画『カメラを止めるな!』の監督、上田慎一郎さんが登場。子どもの頃のエピソードや待望の新作『イソップの思うツボ』撮影秘話を訊きました。
【radikoで聴く!上田慎一郎、待望の新作『イソップの思うツボ』を語る(2019年8月3日28時59分まで)】
■遭難しかけた高校時代、泣けてきたフリーター時代
上田さんは1984年生まれ滋賀県長浜市出身。琵琶湖の北側に位置しており、人口は1万人に満たないほどの町でした。子どもの頃は手作りのいかだで琵琶湖を横断しようとしたり、民家に泊めてもいながら自転車で旅をしたりと、チャレンジすることが好きだったそうです。
上田:高2の夏休みに「手作りいかだで琵琶湖を横断したら前代未聞ではないか」と思ったんですけど、遭難したんです。1メートル以上の波がきて全然前に進まなくなって、オールも飛ばされて本当に死ぬかと思いました。
また、映画館が近くになく、友だちの父の本棚に映画のテープがたくさんあり、背表紙のタイトルを見て面白そうなテープを借りて観ていたと言います。
上田:中学や高校になるにつれて、超大作というよりはクエンティン・タランティーノ監督作品のような、ひとくせあるような作品のほうがかっこいいと思うようになって、それを観てました。
渡辺:中学、高校でタランティーノ作品を観ているのは羨ましい(笑)。
番組では、上田さんの思い出の曲としてTHE BLUE HEARTS『1000のバイオリン』をオンエア。面白いことや楽しいことをたくさんしたいという上田さんにとって、この曲は「自分の思い出の走馬灯をたどるような歌詞」だと言います。
上田:大阪でフリーターをしていたときに、お金がなさすぎて、家にある全てのDVDやCDを売りに行ったんです。アーケードを歩いていたら、重さで紙袋が抜けてCDやDVDが全部散らばってしまい、道行く人々が怪訝な顔で通り過ぎていったんです。そのときにちょうど『1000のバイオリン』がかかっていて「這い上がってやる!」と思ったら泣けてきたんです。
■好きな芸人は...
上田さんは映画監督として活躍していますが、もともとお笑いも好きで、高校生の頃は映画の学校に行くか吉本興業に行くか迷っていたそう。
上田:学生時代に、漫才やコントを作っていたこともあって、自分の映画にもすごく影響を与えています。コントや漫才を隙間時間に観るのが今の息抜きです。
上田さんが思春期の頃から影響を受けたのはダウンタウン。現在は、ジャルジャルとさらば青春の光のファンです。
上田:共通点は、どちらもちょっと異質なこと。ハッキリとしたボケ・ツッコミがあるよりは、コメディに近いです。お客さんに委ねる部分が多いというか、コイツはこう思っているということに感情移入させて、前のめりにさせて終わらせてます。構成も芝居もすごくうまいです。コントや笑いは"ちょっと"怒っているくらいのほうがわかりやすいんですけど、"ちょっと"のニュアンスが出せている感じです。
■前代未聞"トリプル監督"
上田さんの新作映画『イソップの思うツボ』が 8月16日(金)に公開されます。上田さんが脚本と監督を務めるものの、今回は"トリプル監督"の作品です。上田さんのほか、『カメラを止めるな!』で助監督、スピンオフ版で監督を務めた中泉裕矢さん、『カメラを止めるな!』でスチール担当を務めた浅沼直也さんの3人が監督を務めます。
上田:埼玉県にある映像施設「SKIPシティ」で、若手の映画監督を育成する活動をしていて、『イソップの思うツボ』の前に、4人でオムニバス映画『4/猫』を撮ったんです。猫をテーマにした独立した話だったんですけど、打ち上げの席で「3人でもう一度やってみないか」という話になりました。
劇中には3つの家族・3人の女優が登場し、それぞれが自分の担当の家族と女優の監督をして、ほかの2人は助監督を担当するのが基本だったと言います。
主役の3人の女の子は、カメだけが友だちの内気な女子大生、大人気タレント家族の娘である恋愛体質の女子大生、復讐代行屋の親子として、その日暮らしの生活を送る女性の3人。この3人が出会ったことから始まる予測不能のストーリーです。
上田:通常、監督は1人です。兄弟で監督をしたり、分業で監督をする場合はありますが、3人の監督が横並びで1本の長編を撮るというのは、あまり聞いたことがなかったんです。体制が変わると映画はどう変わるのかというチャレンジが、自分の好奇心を掻き立てました。
作る前に「やめとけ」と言われたそうですが、上田さんはそう言われれば言われるほど、トライしたくなってしまったと明かしました。
上田:それぞれの作家性を3人で擦り合わせるというよりは、3人それぞれが作家性を出して、それが1本の映画に入っているいびつさも含めて、面白さになっている映画ならいいなと思ってます。
上田さんは『カメラを止めるな!』の大ヒットで非常にハードルが高い状況にありますが、「とにかく通常運転に戻して、数年間は黙々とチャレンジをしながら映画をつくっていきたいと思っています」と話しました。『イソップの思うツボ』をぜひチェックしてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/
【radikoで聴く!上田慎一郎、待望の新作『イソップの思うツボ』を語る(2019年8月3日28時59分まで)】
■遭難しかけた高校時代、泣けてきたフリーター時代
上田さんは1984年生まれ滋賀県長浜市出身。琵琶湖の北側に位置しており、人口は1万人に満たないほどの町でした。子どもの頃は手作りのいかだで琵琶湖を横断しようとしたり、民家に泊めてもいながら自転車で旅をしたりと、チャレンジすることが好きだったそうです。
上田:高2の夏休みに「手作りいかだで琵琶湖を横断したら前代未聞ではないか」と思ったんですけど、遭難したんです。1メートル以上の波がきて全然前に進まなくなって、オールも飛ばされて本当に死ぬかと思いました。
また、映画館が近くになく、友だちの父の本棚に映画のテープがたくさんあり、背表紙のタイトルを見て面白そうなテープを借りて観ていたと言います。
上田:中学や高校になるにつれて、超大作というよりはクエンティン・タランティーノ監督作品のような、ひとくせあるような作品のほうがかっこいいと思うようになって、それを観てました。
渡辺:中学、高校でタランティーノ作品を観ているのは羨ましい(笑)。
番組では、上田さんの思い出の曲としてTHE BLUE HEARTS『1000のバイオリン』をオンエア。面白いことや楽しいことをたくさんしたいという上田さんにとって、この曲は「自分の思い出の走馬灯をたどるような歌詞」だと言います。
上田:大阪でフリーターをしていたときに、お金がなさすぎて、家にある全てのDVDやCDを売りに行ったんです。アーケードを歩いていたら、重さで紙袋が抜けてCDやDVDが全部散らばってしまい、道行く人々が怪訝な顔で通り過ぎていったんです。そのときにちょうど『1000のバイオリン』がかかっていて「這い上がってやる!」と思ったら泣けてきたんです。
■好きな芸人は...
上田さんは映画監督として活躍していますが、もともとお笑いも好きで、高校生の頃は映画の学校に行くか吉本興業に行くか迷っていたそう。
上田:学生時代に、漫才やコントを作っていたこともあって、自分の映画にもすごく影響を与えています。コントや漫才を隙間時間に観るのが今の息抜きです。
上田さんが思春期の頃から影響を受けたのはダウンタウン。現在は、ジャルジャルとさらば青春の光のファンです。
上田:共通点は、どちらもちょっと異質なこと。ハッキリとしたボケ・ツッコミがあるよりは、コメディに近いです。お客さんに委ねる部分が多いというか、コイツはこう思っているということに感情移入させて、前のめりにさせて終わらせてます。構成も芝居もすごくうまいです。コントや笑いは"ちょっと"怒っているくらいのほうがわかりやすいんですけど、"ちょっと"のニュアンスが出せている感じです。
■前代未聞"トリプル監督"
上田さんの新作映画『イソップの思うツボ』が 8月16日(金)に公開されます。上田さんが脚本と監督を務めるものの、今回は"トリプル監督"の作品です。上田さんのほか、『カメラを止めるな!』で助監督、スピンオフ版で監督を務めた中泉裕矢さん、『カメラを止めるな!』でスチール担当を務めた浅沼直也さんの3人が監督を務めます。
上田:埼玉県にある映像施設「SKIPシティ」で、若手の映画監督を育成する活動をしていて、『イソップの思うツボ』の前に、4人でオムニバス映画『4/猫』を撮ったんです。猫をテーマにした独立した話だったんですけど、打ち上げの席で「3人でもう一度やってみないか」という話になりました。
劇中には3つの家族・3人の女優が登場し、それぞれが自分の担当の家族と女優の監督をして、ほかの2人は助監督を担当するのが基本だったと言います。
主役の3人の女の子は、カメだけが友だちの内気な女子大生、大人気タレント家族の娘である恋愛体質の女子大生、復讐代行屋の親子として、その日暮らしの生活を送る女性の3人。この3人が出会ったことから始まる予測不能のストーリーです。
上田:通常、監督は1人です。兄弟で監督をしたり、分業で監督をする場合はありますが、3人の監督が横並びで1本の長編を撮るというのは、あまり聞いたことがなかったんです。体制が変わると映画はどう変わるのかというチャレンジが、自分の好奇心を掻き立てました。
作る前に「やめとけ」と言われたそうですが、上田さんはそう言われれば言われるほど、トライしたくなってしまったと明かしました。
上田:それぞれの作家性を3人で擦り合わせるというよりは、3人それぞれが作家性を出して、それが1本の映画に入っているいびつさも含めて、面白さになっている映画ならいいなと思ってます。
上田さんは『カメラを止めるな!』の大ヒットで非常にハードルが高い状況にありますが、「とにかく通常運転に戻して、数年間は黙々とチャレンジをしながら映画をつくっていきたいと思っています」と話しました。『イソップの思うツボ』をぜひチェックしてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。