J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)のワンコーナー「MUSIC+1」。6月6日(木)のオンエアでは、ディズニー音楽の巨匠、アラン・メンケンさんのインタビューをお届けしました。
【radikoで訊く】アラン・メンケンが披露! 実写版『アラジン』名曲メドレー
■ガイ・リッチーが映画監督と聞いて…
6月7日(金)公開の実写版『アラジン』の音楽を担当した作曲家アラン・メンケンさんは、アニメ版『アラジン』の主題歌『A Whole New World』でアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。他にも、『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『ポカホンタス』など、数多くのディズニー映画で名曲を手がけています。
サッシャ:実写版が制作されるにあたり、どう思われたのでしょうか。
アラン:実写版の制作を、最初は噂で聞いたんです。まずオフィシャルに情報が出る前に、プレスに噂が出ました。私が担当する作品はわりと噂から聞くことがあるんです。今回ガイ・リッチー監督が映画を作ることを聞いて、「彼が作るミュージカル映画ってどういうものになるのかな」と思ったんです。過去の作品を考えると、「魔法の絨毯が飛んできて、下から撃ち殺すようなことになっちゃうんじゃないかな」と(笑)。まずは、ガイ・リッチーのことを知ろうと思いました。どんな楽譜にしたいのかを話し合うことから始まり、監督のアプローチをくみ取りました。何を発信したらいいのかは、あとから考えました。はっきりしたのは、ジャスミンの曲の優先順位が非常に高かったことです。
■現代風にアレンジした曲も!
ガイ・リッチーはイギリスを代表する映画監督で、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で長編デビューを果たしました。『スナッチ』や、ロバート・ダウニーJr.主演の『シャーロック・ホームズ』シリーズなどをヒットさせました。
サッシャ:今回のサウンドトラックはヒップホップの要素も取り込まれていて、現代風なアレンジになっていますね。どんなことを意識して作られたのでしょうか。
アラン:一番大きな話し合いになったのは『One Jump Ahead』という曲です。アニメの『アラジン』はトリッキーな動きで踊る感じでしたが、ガイ・リッチー監督が「今回の『アラジン』はもっとストリートに根付いていて知的な感じもあって、ヒップホップ要素をその上で取り入れたい」とのことでした。テンポを変えたりいろいろと試した結果、出来上がりました。『Friend Like Me』という曲に関してはアレンジが簡単で、もともとハーレムジャズスタイルでヒップホップと合っていたので、やり直しやすかったです。『A Whole New World』はもっとミニマルに、楽器の数を減らしてシンプルにしたいとの要望でした。『Arabian Nights』に関しては大きくて偉大で美しい。市場のシーンに使われるということで、歌詞を変えました。時代が代わり、歌詞の内容が今に合わないものもあり、歌詞の書き換えも行いました。
■『グレイテスト・ショーマン』の作曲家も楽曲提供
実写版『アラジン』には、『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』の音楽を手がけたベンジ・パセックとジャスティン・ポールも参加しています。彼らとの作業はどうだったのでしょうか。
アラン:彼らのことは噂で若いときから知っていました。ミシガン大学に娘が通っていて、「パセック&ポールという作曲のすごいチームがいる」ということを聞いて、「いつかは一緒に仕事をしたい、手助けができたらいいな」と言っていたんです。彼らが手がけた『A Christmas Story: The Musical』で「これはすごい!」と思い、今一緒に仕事をできて嬉しいです。
実写版『アラジン』で新しく加わった『Speechless』は、パセック&ポールのテイストが反映されています。これは、ジャスミンが歌い上げるオリジナル曲です。
増井:このシーンは映画の中でも存在感がありましたね。ジャスミンといえば、アニメ版のときから意志の強いキャラクターでしたが、2019年実写版ですと「国民、国を守っていく」という王女としての強い意思を感じました。
サッシャ:その辺に今の時代が表れている感じがありますね。
■『Speechless』はコチラ↓
■ディズニーとそれ以外の楽曲の作り方
ディズニー以外でも作曲を手がけるアラン・メンケンさん。作曲する上でディズニー音楽との違いはあるのでしょうか。
アラン:難しい質問だけど、ディズニーフィルターは確実にあります。ディズニーはセーフスペース(間違いのない安全な場所)。たとえば、親御さんが子どもにディズニーのものを聴かせると安心するという信頼があるから、そういうところに気を使ったり、題材にどうアプローチするかを考えています。ただ、テクニックやミュージカル作品を作る上では変わりません。『リトル・マーメイド』も僕が担当したんですけど、その前に『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』というホラー映画の曲をやっていて、それをまさに自分の中で発展させています。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』はディズニー映画ではなく、『リトル・マーメイド』はディズニーだから、曲を作る上での方向性は変わらない。それを発展させたものです。
この日は、実写版『アラジン』で使用されている名曲メドレーをアラン・メンケンさんが披露しました。ぜひradikoでチェックしてみてください!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
【radikoで訊く】アラン・メンケンが披露! 実写版『アラジン』名曲メドレー
■ガイ・リッチーが映画監督と聞いて…
6月7日(金)公開の実写版『アラジン』の音楽を担当した作曲家アラン・メンケンさんは、アニメ版『アラジン』の主題歌『A Whole New World』でアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。他にも、『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『ポカホンタス』など、数多くのディズニー映画で名曲を手がけています。
サッシャ:実写版が制作されるにあたり、どう思われたのでしょうか。
アラン:実写版の制作を、最初は噂で聞いたんです。まずオフィシャルに情報が出る前に、プレスに噂が出ました。私が担当する作品はわりと噂から聞くことがあるんです。今回ガイ・リッチー監督が映画を作ることを聞いて、「彼が作るミュージカル映画ってどういうものになるのかな」と思ったんです。過去の作品を考えると、「魔法の絨毯が飛んできて、下から撃ち殺すようなことになっちゃうんじゃないかな」と(笑)。まずは、ガイ・リッチーのことを知ろうと思いました。どんな楽譜にしたいのかを話し合うことから始まり、監督のアプローチをくみ取りました。何を発信したらいいのかは、あとから考えました。はっきりしたのは、ジャスミンの曲の優先順位が非常に高かったことです。
■現代風にアレンジした曲も!
ガイ・リッチーはイギリスを代表する映画監督で、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で長編デビューを果たしました。『スナッチ』や、ロバート・ダウニーJr.主演の『シャーロック・ホームズ』シリーズなどをヒットさせました。
サッシャ:今回のサウンドトラックはヒップホップの要素も取り込まれていて、現代風なアレンジになっていますね。どんなことを意識して作られたのでしょうか。
アラン:一番大きな話し合いになったのは『One Jump Ahead』という曲です。アニメの『アラジン』はトリッキーな動きで踊る感じでしたが、ガイ・リッチー監督が「今回の『アラジン』はもっとストリートに根付いていて知的な感じもあって、ヒップホップ要素をその上で取り入れたい」とのことでした。テンポを変えたりいろいろと試した結果、出来上がりました。『Friend Like Me』という曲に関してはアレンジが簡単で、もともとハーレムジャズスタイルでヒップホップと合っていたので、やり直しやすかったです。『A Whole New World』はもっとミニマルに、楽器の数を減らしてシンプルにしたいとの要望でした。『Arabian Nights』に関しては大きくて偉大で美しい。市場のシーンに使われるということで、歌詞を変えました。時代が代わり、歌詞の内容が今に合わないものもあり、歌詞の書き換えも行いました。
■『グレイテスト・ショーマン』の作曲家も楽曲提供
実写版『アラジン』には、『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』の音楽を手がけたベンジ・パセックとジャスティン・ポールも参加しています。彼らとの作業はどうだったのでしょうか。
アラン:彼らのことは噂で若いときから知っていました。ミシガン大学に娘が通っていて、「パセック&ポールという作曲のすごいチームがいる」ということを聞いて、「いつかは一緒に仕事をしたい、手助けができたらいいな」と言っていたんです。彼らが手がけた『A Christmas Story: The Musical』で「これはすごい!」と思い、今一緒に仕事をできて嬉しいです。
実写版『アラジン』で新しく加わった『Speechless』は、パセック&ポールのテイストが反映されています。これは、ジャスミンが歌い上げるオリジナル曲です。
増井:このシーンは映画の中でも存在感がありましたね。ジャスミンといえば、アニメ版のときから意志の強いキャラクターでしたが、2019年実写版ですと「国民、国を守っていく」という王女としての強い意思を感じました。
サッシャ:その辺に今の時代が表れている感じがありますね。
■『Speechless』はコチラ↓
Watch an exclusive clip of “Speechless” from Disney’s #Aladdin. pic.twitter.com/7ixxXuuPzM
— Disney’s Aladdin (@disneyaladdin) 2019年5月31日
■ディズニーとそれ以外の楽曲の作り方
ディズニー以外でも作曲を手がけるアラン・メンケンさん。作曲する上でディズニー音楽との違いはあるのでしょうか。
アラン:難しい質問だけど、ディズニーフィルターは確実にあります。ディズニーはセーフスペース(間違いのない安全な場所)。たとえば、親御さんが子どもにディズニーのものを聴かせると安心するという信頼があるから、そういうところに気を使ったり、題材にどうアプローチするかを考えています。ただ、テクニックやミュージカル作品を作る上では変わりません。『リトル・マーメイド』も僕が担当したんですけど、その前に『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』というホラー映画の曲をやっていて、それをまさに自分の中で発展させています。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』はディズニー映画ではなく、『リトル・マーメイド』はディズニーだから、曲を作る上での方向性は変わらない。それを発展させたものです。
この日は、実写版『アラジン』で使用されている名曲メドレーをアラン・メンケンさんが披露しました。ぜひradikoでチェックしてみてください!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/