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誕生日に殺され、同じ日を無限ループ!? 「時」が関わるおすすめ作品を映画評論家が紹介

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」。6月10日(月)のオンエアでは、この日が「時の記念日」であることから、映画評論家の松崎健夫さんをお迎えし、「時×映画」をテーマに訊きしました。

「時の記念日」は1920年に制定。当時の「生活改善同盟」による日常生活を合理的にしようとの提唱を受けて、6月10日に決められました。


■時を操る映画

「映画」と「時間」は切っても切り離せない関係です。まずは松崎さんに「時を操る監督」について伺いました。

松崎:クリストファー・ノーラン監督です。日本で有名になった『メメント』で、時間をテーマにしています。
別所:2000年の作品ですね。
松崎:10分しか記憶が持たない健忘症の人が主人公の映画です。10分経ったら20分前に話が戻り、また10分話が進んで20分戻るという作りになっています。物語が前に進むのではなく、後ろに進む。多分こんな映画は他にないんじゃないかと思う構成です。
別所:時間の魔術師的な。
松崎:先に結果を観せられているのに、結局それが何だったのか、観客の誰も分からないというのが、ものすごい作り方だと思います。

また、ノーラン監督作『ダンケルク』も時間を操る映画です。1940年の「ダンケルクの戦い」における、陸・海・空のそれぞれの視点が描かれています。ただし、陸が1週間、海は1日、空は1時間という時間軸で物語が描かれます。時間の長さが違いながらも、場面が切り替わっていき1つの作品になっている、時間を操る作品です。

別所:人間は映画で観せられると受け入れている部分もありますが、時間軸の違いに対して違和感を持たないんですか?
松崎:そもそも映画とは「時間を切り取る芸術」だと言われています。そのことをノーラン監督は映画史の基本の基本に戻って、「人間は時間のことをどう見て考えるようになっているんだろう」と立ち返ったことが、結果的に時を演出している作品になっていると思います。

そして、日本の映画監督で時間の操り方が上手い監督は、大林宣彦さんだと松崎さん。

松崎:時空が歪んだり過去に行くなどして、2つの世代を同時進行で描く作品などがあるので、大林さんという感じがします。

さらに「時×映画」の王道作品は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とのこと。

別所:究極のエンターテイメント・タイムトリップ物ですよね。
松崎:時間の経過って、老若男女、貧富の差を問わずみんな平等ですよね。「やり直したい」というのはみんなあると思うんです。でも時間だけはみんな一緒で戻れないから、「戻って何かをする」ことに興味があるんだと思います。
別所:戻れないからこそのね。だからこそ映画で観て想像したい、疑似体験をするんでしょうね。


■誕生日が終わらない…大ヒットホラー

また、6月28日(金)に映画『ハッピー・デス・デイ』が公開されます。ホラー映画ですが、これも時間が関係しています。

松崎:主人公の女子が男子寮で目覚めるところから始まります。
別所:え!?
松崎:何があったのか観客も何も分からない。主人公も何があったか分からないけど、目覚めると男子寮にいた。そこでそっと抜け出して日常に戻ります。その日は主人公の誕生日で、周りは祝ってくれるのですが、夜になると仮面を付けたおかしな人物に出会っていきなり刺し殺されちゃうんです。
別所:いきなり主人公が殺されちゃうんですか?
松崎:はい。そこで主人公は、またハッと目が覚めるんです。同じ男子寮のベッドで。それでまたその日を送ると、仮面の人物に刺されて死んで、また男子寮で目が覚める。さまざまな方法で殺されないように試みる、という話なんです。つまり、「なぜ彼女が仮面の人物に殺されるのか」という謎解きにもなっています。
別所:夢オチじゃないですよね?
松崎:夢オチではないです。全米では2017年に公開され、日本では未公開でした。パート2がアメリカで公開されて大ヒットしたことで、日本でも公開されることになりました。(日本では)パート1の2週間後にパート2が公開します。

「時」が関わるおすすめ映画、気になった方はぜひチェックしてみてください!

次回11日(火)の「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」のコーナー(8:35頃)は、洗濯のプロ「洗濯ブラザーズ」をお迎えし、梅雨シーズンの洗濯術について伺います。お楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr

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