J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。11月26日(月)のオンエアでは、emmaとのコンビでお届けしました。
注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組の アーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、今年で結成40周年を迎えるYMOこと、イエロー・マジック・オーケストラを特集。
■社会現象になったのは約5年間
細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんの3人からなるイエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)。テクノ音楽の元祖とも称される、日本が世界に誇る音楽グループです。1978年のグループ結成から今年で40周年を迎えました。若い世代だと、個々のメンバーの名前は聞いたことがあっても、YMOが当時の音楽シーンにどれほどの影響を与えたか、詳しくはしらないかもしれません。
今年で結成40周年とはいうものの、社会現象とまでいわれた全盛期は、結成の1978年から1983年までで、83年に“散開”されています。つまり再始動を抜きにすると、わずか5年間しか活動していません。しかし、その濃密な5年の間に生まれた楽曲の数々が、のちに多くのミュージシャンに大きな影響を与えます。
■白人文化、黒人文化とは違う「イエロー・マジック」とは
YMOの発起人は最年長メンバーである細野晴臣さん。エイプリル・フールやはっぴいえんど、ティン・パン・アレー、そしてソロとしてすでに活躍していた細野さんは、70年代後半頃から「イエロー・マジック」というコンセプトを提唱していました。
emma:どういうコンセプトなんですか?
藤田:「イエロー」というのは我々日本人も属している黄色人種のことを指していて、白人文化や黒人文化から生まれたものとは違う、黄色人種独自の音楽を作り上げるという思いのもと、この「イエロー・マジック」を提唱していたんです。
その手法として、オリエンタルでエキゾチックなサウンドとコンピューター音楽をつなげてみる、という実験的な音楽を実現させる目的で結成されたのがYMOでした。
そして40年前の1978年11月25日、セルフタイトルのデビュー・アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』がリリースされました。アルバムにはアジアを感じさせる曲がたくさん収められています。その中でも初期のYMOを代表する曲が『東風』。
emma:(『東風』を聴いて)いろんな音があって、聴いてて楽しいですね。
藤田:オリエンタルな雰囲気のフレーズ、プラス電子音のピコピコした感じは、当時、衝撃を受けた人も多かったんじゃないかと思います。
『東風』は坂本さんの作曲で、北京交響楽団をイメージして書いた曲だそう。この『東風』も入ったアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』は、当初そこまで大きな話題にならなかったものの、アメリカの音楽関係者の耳にも止まり、翌年1979年にアメリカのマーケット向けにリミックスし直したUS盤がリリースされました。
国境を感じさせないインスト・ミュージック、欧米人にとって新鮮なオリエンタルな響き、そして何よりも踊れるということで、デビュー2年目にして早くも海外公演を敢行します。他のアーティストの前座ながらスタンディング・オベーションを浴びるなど、国内外でじわじわとその存在に注目が集まっていきました。
■世界中に影響を…でも本人達は!?
1979年に2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』をリリース。デビュー・アルバムはフュージョンやオリエンタルディスコといった要素が強い1枚でしたが、2枚目は当時のメンバーが向いている音楽性も影響し、ニューウェーブ色の強い作品に仕上がりました。打ち込みのビートやシンセサイザーの無機質なメロディが印象的なこのアルバムは、のちに「テクノ・ポップ」というジャンルの先駆けと称され、音楽界のみならず世の中に大きな影響を与えることになります。
しかし当の本人たちは、単に音作りを楽しんでいただけで商業的な成功はまったく考えていなかったそう。
藤田:とにかく創作していくワクワク感みたいなものが、むしろ勝利を導いたということなんでしょうか。
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』に収録されている『TECHNOPOLIS』は、当時、大ヒットしていたピンク・レディー の一連の楽曲を音楽的に分析、再構築して作られた楽曲。実験的な中にもしっかりと理論が詰め込まれています。そしてこのアルバムには、YMOといえば誰もが知っているあの『RYDEEN』も収録されています。
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』をリリースした1ヶ月後から、YMO初の海外ツアーを開催。このツアー期間中にYMOの音楽が瞬く間に日本国内に広まり、本人たちの知らぬ間に国内で大スターになっていきます。そしてYMOの活躍は80年代初頭において、社会現象へと発展していきます。
【2回目】YMOは、いかにして「社会現象」となったか? コントとコラボする斬新な試みも
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ『radiko.jpプレミアム』(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は『radiko.jpタイムフリー』機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組の アーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、今年で結成40周年を迎えるYMOこと、イエロー・マジック・オーケストラを特集。
■社会現象になったのは約5年間
細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんの3人からなるイエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)。テクノ音楽の元祖とも称される、日本が世界に誇る音楽グループです。1978年のグループ結成から今年で40周年を迎えました。若い世代だと、個々のメンバーの名前は聞いたことがあっても、YMOが当時の音楽シーンにどれほどの影響を与えたか、詳しくはしらないかもしれません。
今年で結成40周年とはいうものの、社会現象とまでいわれた全盛期は、結成の1978年から1983年までで、83年に“散開”されています。つまり再始動を抜きにすると、わずか5年間しか活動していません。しかし、その濃密な5年の間に生まれた楽曲の数々が、のちに多くのミュージシャンに大きな影響を与えます。
■白人文化、黒人文化とは違う「イエロー・マジック」とは
YMOの発起人は最年長メンバーである細野晴臣さん。エイプリル・フールやはっぴいえんど、ティン・パン・アレー、そしてソロとしてすでに活躍していた細野さんは、70年代後半頃から「イエロー・マジック」というコンセプトを提唱していました。
emma:どういうコンセプトなんですか?
藤田:「イエロー」というのは我々日本人も属している黄色人種のことを指していて、白人文化や黒人文化から生まれたものとは違う、黄色人種独自の音楽を作り上げるという思いのもと、この「イエロー・マジック」を提唱していたんです。
その手法として、オリエンタルでエキゾチックなサウンドとコンピューター音楽をつなげてみる、という実験的な音楽を実現させる目的で結成されたのがYMOでした。
そして40年前の1978年11月25日、セルフタイトルのデビュー・アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』がリリースされました。アルバムにはアジアを感じさせる曲がたくさん収められています。その中でも初期のYMOを代表する曲が『東風』。
emma:(『東風』を聴いて)いろんな音があって、聴いてて楽しいですね。
藤田:オリエンタルな雰囲気のフレーズ、プラス電子音のピコピコした感じは、当時、衝撃を受けた人も多かったんじゃないかと思います。
『東風』は坂本さんの作曲で、北京交響楽団をイメージして書いた曲だそう。この『東風』も入ったアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』は、当初そこまで大きな話題にならなかったものの、アメリカの音楽関係者の耳にも止まり、翌年1979年にアメリカのマーケット向けにリミックスし直したUS盤がリリースされました。
国境を感じさせないインスト・ミュージック、欧米人にとって新鮮なオリエンタルな響き、そして何よりも踊れるということで、デビュー2年目にして早くも海外公演を敢行します。他のアーティストの前座ながらスタンディング・オベーションを浴びるなど、国内外でじわじわとその存在に注目が集まっていきました。
■世界中に影響を…でも本人達は!?
1979年に2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』をリリース。デビュー・アルバムはフュージョンやオリエンタルディスコといった要素が強い1枚でしたが、2枚目は当時のメンバーが向いている音楽性も影響し、ニューウェーブ色の強い作品に仕上がりました。打ち込みのビートやシンセサイザーの無機質なメロディが印象的なこのアルバムは、のちに「テクノ・ポップ」というジャンルの先駆けと称され、音楽界のみならず世の中に大きな影響を与えることになります。
しかし当の本人たちは、単に音作りを楽しんでいただけで商業的な成功はまったく考えていなかったそう。
藤田:とにかく創作していくワクワク感みたいなものが、むしろ勝利を導いたということなんでしょうか。
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』に収録されている『TECHNOPOLIS』は、当時、大ヒットしていたピンク・レディー の一連の楽曲を音楽的に分析、再構築して作られた楽曲。実験的な中にもしっかりと理論が詰め込まれています。そしてこのアルバムには、YMOといえば誰もが知っているあの『RYDEEN』も収録されています。
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』をリリースした1ヶ月後から、YMO初の海外ツアーを開催。このツアー期間中にYMOの音楽が瞬く間に日本国内に広まり、本人たちの知らぬ間に国内で大スターになっていきます。そしてYMOの活躍は80年代初頭において、社会現象へと発展していきます。
【2回目】YMOは、いかにして「社会現象」となったか? コントとコラボする斬新な試みも
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ『radiko.jpプレミアム』(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は『radiko.jpタイムフリー』機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/