J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。8月27日(月)のオンエアでは、演出家の宮本亜門さんが登場。10月に上演される、演出を手がけたミュージカル『生きる』について訊きました。
■黒澤映画を初ミュージカル化
宮本さんは、黒澤 明監督の1952年の名作映画『生きる』の初舞台化にして初ミュージカル化の演出を手がけています。
クリス:黒澤監督の作品は“さわれない”ような感じがしますよね……。
宮本:あまりにも尊敬しているので、お話がきたときにワナワナしちゃって。責任感がすごくあるので、つまらなくしちゃいけない。かと言って、黒澤さんの映画を尊敬するあまり、“舞台”としてつまらなくなってもいけない。生意気な言い方ですけど、対等なくらい面白くお客さんにお見せしないと、舞台を作った意味がないじゃないですか。だから、3年前からやってきました。
クリス:これは亜門さん発信ではないんですね。
宮本:お話をいただくことも、自分で企画することもありますが、基本的に前者が多いですね。この作品もそうなんですが、嬉しかったです。緊張して頑張っていますが、だいぶ面白くできてきました。
あらためて『生きる』のあらすじを、宮本さんに伺いました。
宮本:ある役所に勤めている渡辺勘治という男がいまして、彼が余命を「あと数ヶ月」と宣告されてしまうわけです。「さあ、あなたはどうしますか?」と。ちょっと聞くと寂しい話かなと思いきや、タイトルが『生きる』だけありまして、「これから、どう生きる?」というのが面白くて。クリスさんは、どうですか? もしも余命を宣告されたら……。
クリス:私、映画を観たんです、週末。でも、「自分だったら、どう思うんだろう」と、ちょっと想像ができないですね。
宮本:そのときに、その人の在り方が明確になるじゃないですか。「何ヶ月」と言われたときに僕もどうするかわからないんだけど、映画の中では、黒澤監督自身が「僕も普段生きていて、人生は1回しかないのにちゃんと生きてない気がする。だからその思いを映画に入れたんだ」と。そういう意味では生きることに精力的というか、生きることの大切が至るところに入っている作品なんですね。
クリス:主人公が死を意識することで、生を理解する。自分もそうなるのかな、と思いながら観ました。
舞台手では、渡辺勘治の約はダブルキャスト。市村正親さんと鹿賀丈史さんが演じています。
宮本:このふたりが人生を踏んできている。本人たちの生き様が全部でちゃうので、稽古場から演出家の僕が泣いてはいけないんだけど、どうしても目がジワジワきちゃって毎回ヤバイです。演出家冥利に尽きるというか、稽古場に居れて幸せですね。
■交通事故をきっかけに人生を見つめ直した
クリス:『生きる』を手がけるにあたり、こういうところに挑戦した……などはありますか、
宮本:自分が交通事故にあって死にかけたことがあるんです。意識をなくして、真っ白な世界を見たあと、「俺は何のために生きているんだ」と本当に思ったことがあって、やっぱり舞台を作りたいと、血だらけになって這い上がったのを覚えてるんです。結果的には大丈夫だったんだけど、顔と頭を50針以上縫って、3年ぐらいボロボロだった。「人生は一度きり」ということを交通事故で感じて、すごく大切にしたいと思ったし、死というものが目の前にあるからこそ……という表現を、今回は主演のおふたりとすごく話しあって、嘘にならないように描こうと思ってますね。
今後の宮本さん、来年には『画狂人 北斎』の公演が控えています。さらには「まだ言えないですが、パリのすごいところで上演します」という、能と3D映像作品『YUGEN 幽玄』など、演出を手がける作品が目白押しで3年先まで決まっているそうです。
黒澤 明没後20年作品・ミュージカル『生きる』は、10月8日(月・祝)からTBS赤坂ACTシアターで開催、チケットは現在発売中です。ぜひ足を運んでみてください!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
■黒澤映画を初ミュージカル化
宮本さんは、黒澤 明監督の1952年の名作映画『生きる』の初舞台化にして初ミュージカル化の演出を手がけています。
クリス:黒澤監督の作品は“さわれない”ような感じがしますよね……。
宮本:あまりにも尊敬しているので、お話がきたときにワナワナしちゃって。責任感がすごくあるので、つまらなくしちゃいけない。かと言って、黒澤さんの映画を尊敬するあまり、“舞台”としてつまらなくなってもいけない。生意気な言い方ですけど、対等なくらい面白くお客さんにお見せしないと、舞台を作った意味がないじゃないですか。だから、3年前からやってきました。
クリス:これは亜門さん発信ではないんですね。
宮本:お話をいただくことも、自分で企画することもありますが、基本的に前者が多いですね。この作品もそうなんですが、嬉しかったです。緊張して頑張っていますが、だいぶ面白くできてきました。
本日情報解禁!黒澤明監督の名作映画『生きる』がオリジナルミュージカルとして、今年10月に蘇る!主演の渡辺勘治役は、日本ミュージカル界を長年牽引してきた市村正親と鹿賀丈史がダブルキャストで挑む。作曲はブロードウェイで活躍するジェイソン・ホーランド、脚本は高橋知伽江、演出は宮本亜門! pic.twitter.com/kmlBhJ4tbv
— ミュージカル『生きる』【公式】 (@ikirumusical) 2018年2月18日
あらためて『生きる』のあらすじを、宮本さんに伺いました。
宮本:ある役所に勤めている渡辺勘治という男がいまして、彼が余命を「あと数ヶ月」と宣告されてしまうわけです。「さあ、あなたはどうしますか?」と。ちょっと聞くと寂しい話かなと思いきや、タイトルが『生きる』だけありまして、「これから、どう生きる?」というのが面白くて。クリスさんは、どうですか? もしも余命を宣告されたら……。
クリス:私、映画を観たんです、週末。でも、「自分だったら、どう思うんだろう」と、ちょっと想像ができないですね。
宮本:そのときに、その人の在り方が明確になるじゃないですか。「何ヶ月」と言われたときに僕もどうするかわからないんだけど、映画の中では、黒澤監督自身が「僕も普段生きていて、人生は1回しかないのにちゃんと生きてない気がする。だからその思いを映画に入れたんだ」と。そういう意味では生きることに精力的というか、生きることの大切が至るところに入っている作品なんですね。
クリス:主人公が死を意識することで、生を理解する。自分もそうなるのかな、と思いながら観ました。
舞台手では、渡辺勘治の約はダブルキャスト。市村正親さんと鹿賀丈史さんが演じています。
宮本:このふたりが人生を踏んできている。本人たちの生き様が全部でちゃうので、稽古場から演出家の僕が泣いてはいけないんだけど、どうしても目がジワジワきちゃって毎回ヤバイです。演出家冥利に尽きるというか、稽古場に居れて幸せですね。
■交通事故をきっかけに人生を見つめ直した
クリス:『生きる』を手がけるにあたり、こういうところに挑戦した……などはありますか、
宮本:自分が交通事故にあって死にかけたことがあるんです。意識をなくして、真っ白な世界を見たあと、「俺は何のために生きているんだ」と本当に思ったことがあって、やっぱり舞台を作りたいと、血だらけになって這い上がったのを覚えてるんです。結果的には大丈夫だったんだけど、顔と頭を50針以上縫って、3年ぐらいボロボロだった。「人生は一度きり」ということを交通事故で感じて、すごく大切にしたいと思ったし、死というものが目の前にあるからこそ……という表現を、今回は主演のおふたりとすごく話しあって、嘘にならないように描こうと思ってますね。
今後の宮本さん、来年には『画狂人 北斎』の公演が控えています。さらには「まだ言えないですが、パリのすごいところで上演します」という、能と3D映像作品『YUGEN 幽玄』など、演出を手がける作品が目白押しで3年先まで決まっているそうです。
黒澤 明没後20年作品・ミュージカル『生きる』は、10月8日(月・祝)からTBS赤坂ACTシアターで開催、チケットは現在発売中です。ぜひ足を運んでみてください!
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PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
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