J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。8月8日(水)のオンエアでは、歌舞伎俳優の中村芝翫(しかん)さんをゲストにお迎えしました。
■「中村芝翫」という会社の社長になったようなもの
2016年10月に、三代目中村橋之助から八代目中村芝翫を襲名された中村さん。襲名披露は1年半をかけて全国の大劇場を回られ、今年の7月29日にようやく全て終わりました。
中村:特に最初の10月の歌舞伎座の初日は、生まれてこのかた経験したことのない、緊張で足が震えるなんてのはまだ簡単なもので、それ以上の緊張でしたね。でも、舞台へ出ましてお客様から割れんばかりの拍手をいただいたときに思ったのは、「この拍手をもらうために僕は生まれてきたんだな」っていう。「さあはじまったぞ」という感じになりました。
中村芝翫は代々続いて八代目になります。これは「中村芝翫」という会社の社長に就任したようなもの、と言います。
クリス:わかりやすい例えですね!
中村:だからこれを大事に宝石箱にしまっておくんじゃなくて、やっぱり事業成績も上げていかなきゃいけないですから。で、あわよくば親父の七代目よりも八代目は業績を上げて、九代目の息子にプレッシャーと共に渡さなきゃいけない(笑)。
クリス:そうですね(笑)。
■念願かなってシェイクスピアの作品に!
そんな中村さんは、9月2日からシェイクスピア劇の『オセロー』に出演します。役者として生を受けた以上は、一度はシェイクスピアの作品をやってみたかったという中村さん。
中村:僕も50を過ぎましたんで、もうやっぱりシェイクスピアの作品には巡り合えないかなと思っていたんですけど、芝翫を襲名する前の橋之助のときに、歌舞伎以外のお仕事で育てていただいたので、芝翫を襲名したからといって、歌舞伎に専念するということではなしに、どんどん役者としての扉を開けていきたいなというのが念願で。
今回の『オセロー』は、大正から平成にかけて、これまでも多くの歌舞伎俳優が出演しています。
クリス:台詞や立ち振る舞いは歌舞伎とは全然違うのではないですか?
中村:シェイクスピアって歌舞伎に近いところがあって、なんて言うのかな……、言葉が、肉体から出てくる言葉ではないような、歌を歌うような言葉。歌舞伎はよくセリフを言うときに、歌のように歌って言うと良いっていうことですね。
今から30年ほど前に『オセロー』に出演された北大路欣也さんに、「うまくいかないんです」と相談すると、「歌舞伎と一緒だから歌うように歌えばいいよ」とアドバイスをもらったそうです。
歌舞伎は日本独自のものですが、シェイクスピアは世界で上演されています。その違いはどこにあるのでしょうか。
中村:簡単に言うと「嫉妬」ですよね。誰しも人間の心には嫉妬と誤解と疑念があるということですよね。それと、噂と。
時代や国が違えども、人間の持っている普遍的なものは共通していると語りました。。
今回の演出をつとめるのは、故・蜷川幸雄さんの助手を10代の頃から務めていた、井上尊晶さん。井上さんは生前の蜷川さんからたまたま『オセロー』の演出の本をもらっていたそうです。中村さんもお世話になったことがあるとか。
中村:だからなにかの縁だと思いますね。今、稽古をやっている真っ最中なんですけれど、稽古場には井上さんがちゃんと蜷川さんの席を置いているんですよ。初日にそれを見たときに胸がいっぱいになりましたね。
どんな『オセロー』が観られるのか楽しみですね。9月2日から26日まで、新橋演舞場で上演されます。400年以上も愛され続ける作品に中村芝翫さんはどう挑むのか、ぜひ劇場に足を運んでみてください!
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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
■「中村芝翫」という会社の社長になったようなもの
2016年10月に、三代目中村橋之助から八代目中村芝翫を襲名された中村さん。襲名披露は1年半をかけて全国の大劇場を回られ、今年の7月29日にようやく全て終わりました。
中村:特に最初の10月の歌舞伎座の初日は、生まれてこのかた経験したことのない、緊張で足が震えるなんてのはまだ簡単なもので、それ以上の緊張でしたね。でも、舞台へ出ましてお客様から割れんばかりの拍手をいただいたときに思ったのは、「この拍手をもらうために僕は生まれてきたんだな」っていう。「さあはじまったぞ」という感じになりました。
中村芝翫は代々続いて八代目になります。これは「中村芝翫」という会社の社長に就任したようなもの、と言います。
クリス:わかりやすい例えですね!
中村:だからこれを大事に宝石箱にしまっておくんじゃなくて、やっぱり事業成績も上げていかなきゃいけないですから。で、あわよくば親父の七代目よりも八代目は業績を上げて、九代目の息子にプレッシャーと共に渡さなきゃいけない(笑)。
クリス:そうですね(笑)。
■念願かなってシェイクスピアの作品に!
そんな中村さんは、9月2日からシェイクスピア劇の『オセロー』に出演します。役者として生を受けた以上は、一度はシェイクスピアの作品をやってみたかったという中村さん。
中村:僕も50を過ぎましたんで、もうやっぱりシェイクスピアの作品には巡り合えないかなと思っていたんですけど、芝翫を襲名する前の橋之助のときに、歌舞伎以外のお仕事で育てていただいたので、芝翫を襲名したからといって、歌舞伎に専念するということではなしに、どんどん役者としての扉を開けていきたいなというのが念願で。
今回の『オセロー』は、大正から平成にかけて、これまでも多くの歌舞伎俳優が出演しています。
クリス:台詞や立ち振る舞いは歌舞伎とは全然違うのではないですか?
中村:シェイクスピアって歌舞伎に近いところがあって、なんて言うのかな……、言葉が、肉体から出てくる言葉ではないような、歌を歌うような言葉。歌舞伎はよくセリフを言うときに、歌のように歌って言うと良いっていうことですね。
今から30年ほど前に『オセロー』に出演された北大路欣也さんに、「うまくいかないんです」と相談すると、「歌舞伎と一緒だから歌うように歌えばいいよ」とアドバイスをもらったそうです。
歌舞伎は日本独自のものですが、シェイクスピアは世界で上演されています。その違いはどこにあるのでしょうか。
中村:簡単に言うと「嫉妬」ですよね。誰しも人間の心には嫉妬と誤解と疑念があるということですよね。それと、噂と。
時代や国が違えども、人間の持っている普遍的なものは共通していると語りました。。
今回の演出をつとめるのは、故・蜷川幸雄さんの助手を10代の頃から務めていた、井上尊晶さん。井上さんは生前の蜷川さんからたまたま『オセロー』の演出の本をもらっていたそうです。中村さんもお世話になったことがあるとか。
中村:だからなにかの縁だと思いますね。今、稽古をやっている真っ最中なんですけれど、稽古場には井上さんがちゃんと蜷川さんの席を置いているんですよ。初日にそれを見たときに胸がいっぱいになりましたね。
どんな『オセロー』が観られるのか楽しみですね。9月2日から26日まで、新橋演舞場で上演されます。400年以上も愛され続ける作品に中村芝翫さんはどう挑むのか、ぜひ劇場に足を運んでみてください!
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番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
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