J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。6月25日(月)のオンエアでは、星空写真家のKAGAYAさんをお迎えして、星空写真の撮影秘話をお訊きしました。
別所:これはスカイツリーと月の写真ですね?
KAGAYA:超望遠レンズで八王子から撮影しました。月が大きく見えて、スカイツリーとほぼ同じ大きさで写っているのは対比の関係です。スカイツリーからできるだけ離れることで、月と同じ大きさになるんです。
別所:対比のマジックなんですね。
北海道上士幌町にあるタウシュベツ川橋梁は、5月に撮影したそうです。
KAGAYA:星空は絶えず動いているのでタイミングが大事です。いつ、どこへ行って、何を撮るとどういう写真が撮れるか……事前に計画をしてその場で撮るんです。
別所:こんなにも星が見えるものなんですか!
KAGAYA:北海道は街の明かりが少ないので、星が綺麗に見えます。
別所:橋の風景と星々がちょうど寄り添うようになる瞬間、これはきちんと計算してるんですね。
KAGAYA:特にこの橋はダム湖の中にあって、季節によってはダムの水の底に沈んだり、水の上に顔を出したりを繰り返してるんです。 顔を出した瞬間と星空がピッタリくるタイミングを見計らいます。一年のうちに数日しかありません。
別所:そうなんですか!
続いて天の川の写真についても聞きました。
KAGAYA:南米のアンデス山脈にあるウユニ塩湖です。そもそも、標高が高いので星が綺麗なんです。一年のうち数ヶ月だけ、雨季の時に広大な塩の原野に水がたまります。すると星空が水鏡にまるまる写ります。
こちらの写真は撮影するのに、かなりの苦労があったそうです。
KAGAYA:雨季なんですが、星空を見るためには晴れなければいけません。風があると水面が波立って鏡になりません。雨季に行って晴れていて、無風状態……という条件が揃わないと撮れないんです。
別所:何日ぐらい粘ったんですか?
KAGAYA:5日です。
別所:5日で撮れたら一生ものですね。
KAGAYA:ラッキーでした。
ここまで綺麗な写真が撮れるのは、カメラの性能がよくなったこととも関係しているそうです。
KAGAYA:カメラが高感度になったんです。例えば星空はゆっくりと動いてますから、フィルムのカメラだと数分の露出時間をかけて撮るので、その間に星が動いてしまうんです。
別所:線のようになるんですよね。
KAGAYA:そうです。ところが最近のカメラは高感度になったので、10、20秒の露出で天の川まで写るようになったんです。
■一生に一度のチャンスを追って九州へ
今年の夏、火星が15年ぶりに地球に大接近します。7月31日が大接近の日で、その距離はおよそ5759万キロメートル。もちろん、KAGAYAさんも写真を撮りにいくそうです。
KAGAYA:火星は他の星と違って接近したり遠ざかったりしていて、接近すると人目を引くぐらいに明るくなります。今も夜11時ぐらいに南東の空に赤く光る、非常に明るい星が火星です。既にかなり近づいてるんですか、これからもっと近づきます。明るさは今の倍以上になります。そうなると皆さんの目に止まるようになってくると思います。
別所:火星を撮るときのポイントは?
KAGAYA:できれば火星と風景を一緒に撮ると、そのときの記念になると思います。例えば自分のお気に入りの場所で火星を狙ったり、田舎に行ってそこで撮ってみたり。その時の思い出として火星と一緒に風景を撮るといいと思います。火星は大接近時にはとても明るくなりますので、わりと簡単に写せると思います。
KAGAYAさんは、火星をどこで撮影するか、既に秘策を練っているそうです。
KAGAYA:実は7月28日の早朝に皆既月食があるんです。皆既月食と大接近した火星を同時に撮れたらいいなと思っています。 皆既月食と大接近した火星を撮れるのは一生に一度あるかないかの出来事です。
別所:それはどこで撮るんですか?
KAGAYA:実は東京だと皆既月食が始まるときに夜が明けてしまってるんです。できれば西のほうに行くと、まだ暗いうちに皆既月食が見られます。九州あたりで晴れてるところを狙いたいと思います。
ちなみに、次の火星の大接近は2035年だそうです。KAGAYAさんの初めてのフォト&エッセイ『一瞬の宇宙』が発売されました。こちらも手にとってみてください。
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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/
KAGAYAさんは星空の写真をツイッターにアップし、フォロワーはなんと60万人! 今回は、KAGAYAさんの写真を見ながらお話を伺いました。能登半島の見附島(石川県)と天の川。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) 2018年6月23日
写真左上に夏の大三角、右端にさそり座が写っています。
今日もお疲れさまでした。明日もおだやかな一日になりますように。 pic.twitter.com/hwIv6ueARb
月の舟と東京スカイツリー。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) 2015年12月5日
都心から40kmほど西へ離れ望遠レンズで狙いました。
空低いので月は大気差でひしゃげて見えています。
数ヶ月間チャンスをうかがっていた構図で、昨夜条件が全てそろい撮影できました。 pic.twitter.com/vAS3AfMR1q
別所:これはスカイツリーと月の写真ですね?
KAGAYA:超望遠レンズで八王子から撮影しました。月が大きく見えて、スカイツリーとほぼ同じ大きさで写っているのは対比の関係です。スカイツリーからできるだけ離れることで、月と同じ大きさになるんです。
別所:対比のマジックなんですね。
その朽ちた鉄道橋は、天の川の果てまで続いているようでした。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) 2016年5月29日
(今朝未明、北海道上士幌町タウシュベツ川橋梁にて撮影) pic.twitter.com/asJd7f4sa1
北海道上士幌町にあるタウシュベツ川橋梁は、5月に撮影したそうです。
KAGAYA:星空は絶えず動いているのでタイミングが大事です。いつ、どこへ行って、何を撮るとどういう写真が撮れるか……事前に計画をしてその場で撮るんです。
別所:こんなにも星が見えるものなんですか!
KAGAYA:北海道は街の明かりが少ないので、星が綺麗に見えます。
別所:橋の風景と星々がちょうど寄り添うようになる瞬間、これはきちんと計算してるんですね。
KAGAYA:特にこの橋はダム湖の中にあって、季節によってはダムの水の底に沈んだり、水の上に顔を出したりを繰り返してるんです。 顔を出した瞬間と星空がピッタリくるタイミングを見計らいます。一年のうちに数日しかありません。
別所:そうなんですか!
生まれて初めて星野に立つ。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) 2016年1月15日
満天の星を映す天空の鏡い。
(南米ウユニ塩湖にて本日撮影) pic.twitter.com/T0hLibYo57
続いて天の川の写真についても聞きました。
KAGAYA:南米のアンデス山脈にあるウユニ塩湖です。そもそも、標高が高いので星が綺麗なんです。一年のうち数ヶ月だけ、雨季の時に広大な塩の原野に水がたまります。すると星空が水鏡にまるまる写ります。
こちらの写真は撮影するのに、かなりの苦労があったそうです。
KAGAYA:雨季なんですが、星空を見るためには晴れなければいけません。風があると水面が波立って鏡になりません。雨季に行って晴れていて、無風状態……という条件が揃わないと撮れないんです。
別所:何日ぐらい粘ったんですか?
KAGAYA:5日です。
別所:5日で撮れたら一生ものですね。
KAGAYA:ラッキーでした。
ここまで綺麗な写真が撮れるのは、カメラの性能がよくなったこととも関係しているそうです。
KAGAYA:カメラが高感度になったんです。例えば星空はゆっくりと動いてますから、フィルムのカメラだと数分の露出時間をかけて撮るので、その間に星が動いてしまうんです。
別所:線のようになるんですよね。
KAGAYA:そうです。ところが最近のカメラは高感度になったので、10、20秒の露出で天の川まで写るようになったんです。
■一生に一度のチャンスを追って九州へ
今年の夏、火星が15年ぶりに地球に大接近します。7月31日が大接近の日で、その距離はおよそ5759万キロメートル。もちろん、KAGAYAさんも写真を撮りにいくそうです。
KAGAYA:火星は他の星と違って接近したり遠ざかったりしていて、接近すると人目を引くぐらいに明るくなります。今も夜11時ぐらいに南東の空に赤く光る、非常に明るい星が火星です。既にかなり近づいてるんですか、これからもっと近づきます。明るさは今の倍以上になります。そうなると皆さんの目に止まるようになってくると思います。
別所:火星を撮るときのポイントは?
KAGAYA:できれば火星と風景を一緒に撮ると、そのときの記念になると思います。例えば自分のお気に入りの場所で火星を狙ったり、田舎に行ってそこで撮ってみたり。その時の思い出として火星と一緒に風景を撮るといいと思います。火星は大接近時にはとても明るくなりますので、わりと簡単に写せると思います。
KAGAYAさんは、火星をどこで撮影するか、既に秘策を練っているそうです。
KAGAYA:実は7月28日の早朝に皆既月食があるんです。皆既月食と大接近した火星を同時に撮れたらいいなと思っています。 皆既月食と大接近した火星を撮れるのは一生に一度あるかないかの出来事です。
別所:それはどこで撮るんですか?
KAGAYA:実は東京だと皆既月食が始まるときに夜が明けてしまってるんです。できれば西のほうに行くと、まだ暗いうちに皆既月食が見られます。九州あたりで晴れてるところを狙いたいと思います。
ちなみに、次の火星の大接近は2035年だそうです。KAGAYAさんの初めてのフォト&エッセイ『一瞬の宇宙』が発売されました。こちらも手にとってみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/