安藤裕子「何にもない日々をドラマにしてあげたい」新アルバムに込めた思いを語る

J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』（ナビゲーター：クリス智子）。6月11日（月）のオンエアでは、シンガーソングライターの安藤裕子さんが登場。6月27日（水）に発売されるニューアルバム『ITALAN』について訊きました。


■アルバムよりも先に小説が完成

アルバム『ITALAN』は、安藤さんご自身で執筆した『至らぬ人々』という小説集をテーマに、その音楽版という位置づけなのだそうです。アルバムには文庫本がついてきますが、本作は小説が先だったといいます。

安藤：アルバムを作りたいというのが根本にあって、社長に相談したときに「裕子ちゃん、じゃあ本書きなよ」と。1、2年休んでいたんですけど、休んでいるときに長めの小説を書いてたんですね。それを渡していたので「本つけなよ」と言われて。でもそれをつけるのは違うなと思ったから、短編で何個か書いて、それのサウンドトラックなんです。

小説については「短編だったから、短い世界で何かが完結していく感じがわからんと思いながら、でも短編がいいというのがあったのであまり長くならないように気をつけてました」と教えてくれました。


■『至らぬ人々』について

クリス：安藤さんは元々言葉遣いとかある方だから、文章っていうのもいいですね。『至らぬ人々』については……？
安藤：そうですね、大まかにいうと、恋に至らないOLとか、人間力がないというか人間に至らないというか。みんなちょっと派手じゃない、ドラマがない、そういう人を「2Dを3Dにしてあげる」みたいに、ふだんの生活って私もそうなんですけど、何にもないんですよ。
クリス：え!?
安藤：何にもないんです。でも何にもない日々をドラマにしてあげたいというのが、どこか音楽を私がやってきた役目だったと思うんだけど、さらにこの小説の主人公たちも、何の殺人事件も起きないし、何の大事件も起きないんだけど、そういう地味な暮らしを、その人たちを主人公にしてあげたいというか。さらにそれにタイトル曲というか、音楽って飾れるでしょ？　『至らぬ人々』って曲もテーマ曲だけど、要は内容は「何にも熱中できないし、仕事にも恋にも熱中できない。あなたのこともそんなに深く思えない。何にも心が揺れない」というのを高らかにミュージカル調に歌うみたいな。


■小説のテーマはどこから…？

今回の小説には「夢の中で後輩の社員と恋をする人」「4歳の子どもがいるけれど恋をしていいのだろうかと悩む人」など、さまざまな人が登場します。

クリス：そういうテーマはどこから拾ってきたんですか？
安藤：小説の場合はタイトルがあとで、最初に一気に話を同時に書きはじめたんです。そうしたら全員至らないキャラだったので『至らぬ人々』にしたんです。

ご自身初のセルフ・プロデュース作品についても訊きました。

安藤：大変だけど面白かった。予算的なことも含めて。エイベックス時代は非常に抱負な予算で、やりたい放題やらせて貰っていたから、できることとできないことを自分でわけていく感じも面白かったですね。家で録音している音とか、弦や生弦にお金はかけるけど、別の曲は家で全部音を録るとか。グラスの音を自分で「チリンチリン」と録ったりとか。

アルバム『ITALAN』をリリース以降のスケジュールも決定しています。6月30日（土）にはHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにてインストアイベントを開催。その後、8月25日（土）、26日（日）Motion Blue YOKOHAMA、8月29日（水）NAGOYA Blue Note、8月31日（金）Billboard Live OSAKAでのライブが決定しています。「アルバムの世界を再現することを前提に、旧曲も。このアルバムの曲だけだとお客さんがびっくりしちゃうかもしれないので（笑）。安心していただける曲も入れて（笑）」とライブの内容について明かしていました。

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【番組情報】
番組名：『GOOD NEIGHBORS』
放送日時：月・火・水・木曜 13時－16時30分
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/