村治佳織がラジオで明かした幼少期の意外な素顔とは?

【連載】やきそばかおるのEar!Ear!Ear!(vol.30)

毎年この時期になると、あちらこちらのラジオ番組から、ナビゲーターやパーソナリティー自身の夏の自由研究の思い出の話が聞こえてきます。先日もラジオから「私もどちらかというと、自由研究は2学期が始まる頃になって急いでやってました」という声が聞こえてきました。声の主はギタリストの村治佳織さんです。村治さんはJ-WAVEで、ゲストとのリラックストークを楽しむ番組「RINREI CLASSY LIVING」(土曜20時)のナビゲーターを担当しています。

村治さんは、ある年の夏休みに「釘のサビ方」を研究したことがあるそうで、水道水、酢を入れた水、隅田川の水をビーカーに入れて、サビ具合を観察したとか。2学期が近づく中、どれもサビなかったら困るわけで、私が村治さんの立場だったら「あぁ、早くサビてくれないかな…」と念を送っていたことでしょう。釘は食塩水や酢に入れるとサビやすくなるそうで、村治さんの研究のケースでは酢を入れた水が一番サビやすくなるという結果になったそうです。同様の実験をしているお子さんをお持ちの方で、数日後には9月に入ってしまうというトホホなご家庭は、酢を入れた水に塩をドサドサ入れるといいかもしれません。(もはや、信ぴょう性のかけらもありませんが…)

かくいう私も、夏休みの宿題に関しては苦い思い出しかありません。毎年8月25日を過ぎたあたりから、脳内を映画「ジョーズ」の、サメが近づいてくる時のような音が流れ始めていました。寝る前に「目が覚めたら7月20日に戻ってくれないだろうか」と、どんなに思ったことでしょう。そんな私から、今年も自由研究に頭を痛めている皆さんにとっておきのアイデアを一つ。

今、飛ぶように売れていて、続編も発売された「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)を参考にしてみてはどうでしょう。これは、「オシドリの夫婦は実は毎年相手が違う」「ザリガニは顔からオシッコを出す」といった、生きものの生態の“ざんねんな部分”が記された本です。通常、動物図鑑といえば動物たちの優れた特徴が書かれていますが、その真逆をいっています。同様に、自分で動物のざんねんな部分を探してみてはどうでしょう。例えば私から一つ。「動物園で飼育されているハダカデバネズミの兵隊係は、やることがない」。ハダカデバネズミという小型のネズミは、“女王”ネズミの近くにいる“王様”、巣を天敵から守る“兵隊”、巣の掃除やエサを取ってくる“働き係”、女王から生まれてきた子どもを温める“布団係”といるのですが、動物園には天敵がいないため、兵隊はすることがありません。人間に置き換えてみると、一見楽そうに見えてやることがないのは辛いのではないか…と思ってしまいます。こんな感じで、オリジナルの「ざんねんないきもの事典」を作れば、自由研究も楽しくできそうです。

話が逸れてしまいましたが、音楽界において、「ざんねん」という言葉とは無縁そうな村治さん。3歳の頃からお父さまにギターの手ほどきを受け、日々厳しい訓練を受けてきたそうです。その後、学生時代に複数のギターコンクールで優秀な成績を収められています。番組でも仰っていましたが、反抗期がなかったそうで、煌びやかなイメージのある村治さんが、夏の宿題に追われていたという話を聞くと、親近感が湧いてきます。

そんな村治さんが担当している「RINREI CLASSY LIVING」では、藤井フミヤさん、宮本笑里さん、フラメンコギタリストの沖仁さん、別所哲也さんに始まり、「孤独のグルメ」原作者の久住昌之さん、春風亭小朝さん…と多岐に渡るゲストをお迎えしています。どんな分野のゲストが遊びにきても、素敵な話を引き出す村治さんは、いわば文化人界のハブといったところでしょう。中でも、村治さんとのお付き合いが長いという小朝さん。村治さんの魅力に気づいた小朝さんは、以前からコンサートに通っていたそうです。村治さんは「昔、開催した演奏会で、客席に小朝さんが座っていることが開演の直前に分かった時は緊張しました」と話していました。村治さんは、落語などの伝統芸能にまつわる話で盛り上がったかと思えば、音楽にまつわるゲストが登場すると、音楽の話で盛り上がって、その場でゲストの演奏が始まることも。また、宮本笑里さんとは音楽の話のほかに、村治さんが羨ましがっているという宮本さんの美脚の話や、宮本さんが豚が大好きだということで、宮本さんに豚の絵をその場で描いてもらうという展開に。時にゆったりと、時にワイワイした雰囲気が土曜の夜にピッタリです。

さらに番組では、リラックスする方法をゲストに伺っています。いつもは村治さんがゲストのリラックス法を聞いているので、逆に私が村治さんのリラックス法を妄想してみました。ご自宅は白を基調した内装で天井は高く、豪邸にありがちなプロペラみたいなものが天井でゆっくりとまわっていそうです。村治さんは、白くてフサフサした猫を膝の上に乗せており、おそらくその猫は空気の読める猫で、村治さんがギターの演奏をしている時には決して邪魔をせず、固唾を呑んで見守っているか、寝ていることでしょう。そして、村治さんの演奏が終わり、三角のワイングラスにモン◯チ(高級な餌)を入れて金のスプーンで「チーン」と鳴らすと、ゆったりと歩いてくる…そんな光景を見てリラックスするのではないかと…。

こんなふうに、村治さんの煌びやかな日々を勝手に妄想していると、ふと、以前読んだインタビュー記事に書かれてあったことを思い出しました。高校生の頃、村治さんは「バランスを大事にしていきたい」と思い、ギタリストとして華やかに活動し始めた自分と、普通の高校生としての自分のバランスをとるため、学校ではなるべく普通にしていたそうです。ひょっとすると、村治さんが“バランスをとること”を意識しだしたのは、もっと小さい頃からかもしれません。だとすると、村治さんが自由研究を先延ばしにしていたのも、ギターを頑張る傍ら、“普通の小学生”としてバランスをとっていたのかも!?(単に忙しすぎて、自由研究をするヒマがなかっただけかもしれませんが…)。いずれにせよ、村治さんは魅力が多いため、その魅力を分析する“自由研究”は、そう簡単に終わりそうにありません。

RINREI CLASSY LIVING http://www.j-wave.co.jp/original/classyliving/

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