音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
大阪万博以降倉庫で眠っていた「世界的美術品」が復活

大阪万博以降倉庫で眠っていた「世界的美術品」が復活

タイムフリー

J-WAVEで放送中の「~JK RADIO~TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。6月9日(金)のオンエアでは、1970年、大阪万博で展示された「バシェ音響彫刻」をご紹介しました。

彫刻であり同時に楽器でもあるという貴重な文化財産が、万博後およそ40年に渡って、倉庫で眠っていました。この世界的美術品の復元プロジェクトについて東京藝術大学・先端芸術表現科講師の川崎義博さんに話を伺いました。

「バシェは、フランスの、兄弟で作品を作っていたアーティストで、1950年代から金属で彫刻を作り出し、そこに風や水の要素を入れ、音具的なものを作り出しました。楽器はトレーニングが必要で、子どもたちが容易に触ることができるものではなかったので、彫刻のストラクチャー(構造)を持ちながら、簡単に子どもたちが触ることができる“音響彫刻”というものを考えたんです」(川崎さん、以下同)

鉄でさまざまな形をつくり、組み合わせ、それを叩いたり、こすったりして音を出します。この音響彫刻は、人の背丈より高いものや、横に大きく広がったものなど、複雑なデザインをしていて、1970年の大阪万博では「鉄鋼館」というパビリオンで展示されました。

「作曲家の武満徹さんが、カナダの万博を見に行ったときにバシェの作品を見て『ぜひとも日本に持ってきたい』と招聘し、大阪の鉄工所でアシスタントをつけて17作品作りました。万博が終わってから鉄鋼館は建物として残ったんですけど、バシェの作品は解体されて、倉庫に詰められていました。世界的な美術作品だけど、破棄されてもおかしくない状態だったんです」

倉庫で眠っていた「バシェ音響彫刻」にスポットが当たるのは2009年。 演奏家の永田砂知子さんがその存在に着目。2013年に、バルセロナ大学でバシェ研究をしているマルティ・ルイツさんと川上さんがボランティアで修復を始めたそう。

「普通、コンサートの後に楽器に触ることはできませんよね。美術品も絶対に手で触れちゃダメです。でもバシェの作品は、触ってもらうことが目的なので、コンサートのあと、老若男女みんなが一緒に1時間くらい演奏してる。こういう状態って他の楽器ではないです」

この貴重な文化財産「バシェ音響彫刻」は40年以上の時を越え復活します。現在、その復元プロジェクトとしてクラウドファンディングサイトReadyForで、200万円の資金を募っています。ぜひチェックしてみてください!

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「~JK RADIO~TOKYO UNITED」
放送日時:毎週金曜 6時-11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン