J-WAVE平日20時からの番組「JAM THE WORLD」(木曜ナビゲーター:萱野稔人)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。6月16日のオンエアは、経済アナリストの森永卓郎さんをお迎えして、10年後に失敗しないお金の考えについてお聞きしました。
■アベノミクスは何点?
まずは、森永さんにここまでの「アベノミクス」を100点満点で評価していただいたところ、「50点」との答えが返ってきました。
森永:良い点は、ひどかったデフレの状態から脱却させたこと。1ドル79円ともなる超円高で、工場は次々に海外に行っちゃいましたから。悪い点は、成長の成果が一部の富裕層と大企業に向いているということです。
企業全体の売り上げは1.6パーセント増えているものの、経常利益は9パーセント増えてるんです。売り上げが少ししか伸びていないのに、利益が増えているのはコストをドーンと落としているから。人件費は1.9パーセント落ちてるんです。利益を賃金に反映させずに、企業がお金を貯め込んでるんですね。
萱野:企業が利益を上げているのに賃金が上がらない状況は、政権でどうにかできるものなんですか?
森永:政府がやれるのは、税制を通じた所得の再分配しかできないんです。今は企業が大儲けをしているのに、労働者の賃金は5年連続で下がってるんです。普通は企業から労働者に還元させるものなのに、安倍政権はその逆をやっちゃったんです。
萱野:お金はあるところにはあるのに、本当に必要なところにはまわってないんですよね。
森永:そのあたりをきちんとやってくれたら、アベノミクスは100点だと思います。
■10年後に失敗しない仕事選び
賃金が上がらず、景気も上向かない中で、どう生きていけばいいのでしょうか。
森永:極端にいえば、仕事選びの選択肢は3つしかないと思います。“ハゲタカ”か、“僕(しもべ)”か、“アーティスト”か。実際は職業によってそれぞれの要素の比率が異なるわけです。サラリーマンとして会社に命じられるがまま働いている人も多いと思いますが、個人的にはアーティストになることをおすすめします。
萱野:それはなぜ?
森永:ハゲタカは超弱肉強食で、一発当てれば大儲け。私はそういう人たちと業務上付き合ってきたんですけど、彼らを幸せに思えないんです。確かにお金を持っていて、毎日ドンチャン騒ぎをしていますが、彼らは不安で仕方がないから、24時間働き続けてヘトヘトになっているようにしか見えないんです。それよりも、アーティストとして自分の世界観を出す仕事の方がいいんじゃないかと思うんです。
萱野:でも、アーティストは儲かるんですか?
森永:ほとんどの人は食えません。でも、不幸かというと不幸には見えない。それに今後、日本の職業の49パーセントの職業が消滅すると言われている中で、人工知能では作れない新しいものを創造できることが重要になってきます。
とのこと。これからのことを考える際の参考になりそうです。森永さんによると、出世するタイプは日本もアメリカも同じで「上司へのオベンチャラを言うのがうまいヤツ」「人の足を引っ張るヤツ」「人の手柄を横取りするヤツ」だそうです。真面目に働いたところで出世するのは難しいもの。そこで何か重要なのかというと…。
森永:アイデアは無からは生まれなくて、異質な分野の知識が融合したときに生まれるんです。そこで、世界にいるいろんな分野の人と交流することが大事なんです。ビジネス英語は通じなくても、オタク同士で趣味の話をすると通じたりするんです。世界と交流すると、自分の見識が広がるんです。
萱野:すごくわかります、サッカーが好きな知り合いが、普段は英語がほとんどわからないのに、南米でサッカーの話をしたときが一番通じて、めちゃくちゃ楽しかったという話もありました。
■老後のための自己防衛策は「セコロジー」?
さて、気になる老後について、政府は手取り収入の50パーセントを保証すると言っているものの、これは70歳まで働くことを前提しています。そこで、自己防衛策を考えないといけないのですが、一番必要なのは“家計をダイエットすること”だそうです。少ないお金でも幸せに暮らす術を身につけていれば強いとのこと。するとここで、森永さんに関する衝撃の事実が判明しました。
森永:私、都心から離れたところに暮らしているので、週末以外は都内に“出稼ぎ”するんですけど、月曜から金曜までの食費は1,200円くらいに抑えてるんです。
萱野:1,200円ですか!? それで生活できるんですか?
森永:やろうと思えばできますよ。閉店前のスーパーに行って、安いものだけを買ってきます。このとき、“何を作るかを考えない”のがポイントです。家に帰って、食材を見つめながら、1週間分の献立を考えるんです。ただ、私の家は郊外にあって、まわりは畑だらけだから、野菜はいただけるんです。自分でも家庭菜園を作ろうと思った時期はありましたが、やっぱりプロが作る方が効率的(笑)。
森永さんのまねをそのままするのは大変そうですが、森永さんは“見栄を捨てる”ことが大事と言っていました。「エコロジーよりも、セコロジー。セコイは世界を救うんです」とのこと。しかし、あまりにもセコイと気分が暗くなってしまいそうですが、これから先、明るく生きるにはどうしたらいいのでしょう…。
森永:みんな、イタリア人になったらいいんです。「ダメだダメだ」って言ってる人に新しい感情は生まれないんです。イタリア人は昔から「アモーレ!」って言ってたんですよ。ワクワク・ドキドキしながら、歌って恋をするのがいいんじゃないかと思います。とはいえ、私はモテないんですけど。
萱野:森永さんは痩せたからモテるんじゃないですか?
森永:いや、女性には「痩せたけど、キャラクターが変わらないからダメ」って言われました(笑)。
節約はしても、イタリア人の如く、明るく生きたいと思えたオンエアでした(笑)。
【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
電気代168円!稲垣えみ子、節電生活で見えた豊かさ(2016年06月02日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/06/168.html
ホリエモン「お金を払って社員を雇うっていうのは変」(2016年05月29日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1669.html
■アベノミクスは何点?
まずは、森永さんにここまでの「アベノミクス」を100点満点で評価していただいたところ、「50点」との答えが返ってきました。
森永:良い点は、ひどかったデフレの状態から脱却させたこと。1ドル79円ともなる超円高で、工場は次々に海外に行っちゃいましたから。悪い点は、成長の成果が一部の富裕層と大企業に向いているということです。
企業全体の売り上げは1.6パーセント増えているものの、経常利益は9パーセント増えてるんです。売り上げが少ししか伸びていないのに、利益が増えているのはコストをドーンと落としているから。人件費は1.9パーセント落ちてるんです。利益を賃金に反映させずに、企業がお金を貯め込んでるんですね。
萱野:企業が利益を上げているのに賃金が上がらない状況は、政権でどうにかできるものなんですか?
森永:政府がやれるのは、税制を通じた所得の再分配しかできないんです。今は企業が大儲けをしているのに、労働者の賃金は5年連続で下がってるんです。普通は企業から労働者に還元させるものなのに、安倍政権はその逆をやっちゃったんです。
萱野:お金はあるところにはあるのに、本当に必要なところにはまわってないんですよね。
森永:そのあたりをきちんとやってくれたら、アベノミクスは100点だと思います。
■10年後に失敗しない仕事選び
賃金が上がらず、景気も上向かない中で、どう生きていけばいいのでしょうか。
森永:極端にいえば、仕事選びの選択肢は3つしかないと思います。“ハゲタカ”か、“僕(しもべ)”か、“アーティスト”か。実際は職業によってそれぞれの要素の比率が異なるわけです。サラリーマンとして会社に命じられるがまま働いている人も多いと思いますが、個人的にはアーティストになることをおすすめします。
萱野:それはなぜ?
森永:ハゲタカは超弱肉強食で、一発当てれば大儲け。私はそういう人たちと業務上付き合ってきたんですけど、彼らを幸せに思えないんです。確かにお金を持っていて、毎日ドンチャン騒ぎをしていますが、彼らは不安で仕方がないから、24時間働き続けてヘトヘトになっているようにしか見えないんです。それよりも、アーティストとして自分の世界観を出す仕事の方がいいんじゃないかと思うんです。
萱野:でも、アーティストは儲かるんですか?
森永:ほとんどの人は食えません。でも、不幸かというと不幸には見えない。それに今後、日本の職業の49パーセントの職業が消滅すると言われている中で、人工知能では作れない新しいものを創造できることが重要になってきます。
とのこと。これからのことを考える際の参考になりそうです。森永さんによると、出世するタイプは日本もアメリカも同じで「上司へのオベンチャラを言うのがうまいヤツ」「人の足を引っ張るヤツ」「人の手柄を横取りするヤツ」だそうです。真面目に働いたところで出世するのは難しいもの。そこで何か重要なのかというと…。
森永:アイデアは無からは生まれなくて、異質な分野の知識が融合したときに生まれるんです。そこで、世界にいるいろんな分野の人と交流することが大事なんです。ビジネス英語は通じなくても、オタク同士で趣味の話をすると通じたりするんです。世界と交流すると、自分の見識が広がるんです。
萱野:すごくわかります、サッカーが好きな知り合いが、普段は英語がほとんどわからないのに、南米でサッカーの話をしたときが一番通じて、めちゃくちゃ楽しかったという話もありました。
■老後のための自己防衛策は「セコロジー」?
さて、気になる老後について、政府は手取り収入の50パーセントを保証すると言っているものの、これは70歳まで働くことを前提しています。そこで、自己防衛策を考えないといけないのですが、一番必要なのは“家計をダイエットすること”だそうです。少ないお金でも幸せに暮らす術を身につけていれば強いとのこと。するとここで、森永さんに関する衝撃の事実が判明しました。
森永:私、都心から離れたところに暮らしているので、週末以外は都内に“出稼ぎ”するんですけど、月曜から金曜までの食費は1,200円くらいに抑えてるんです。
萱野:1,200円ですか!? それで生活できるんですか?
森永:やろうと思えばできますよ。閉店前のスーパーに行って、安いものだけを買ってきます。このとき、“何を作るかを考えない”のがポイントです。家に帰って、食材を見つめながら、1週間分の献立を考えるんです。ただ、私の家は郊外にあって、まわりは畑だらけだから、野菜はいただけるんです。自分でも家庭菜園を作ろうと思った時期はありましたが、やっぱりプロが作る方が効率的(笑)。
森永さんのまねをそのままするのは大変そうですが、森永さんは“見栄を捨てる”ことが大事と言っていました。「エコロジーよりも、セコロジー。セコイは世界を救うんです」とのこと。しかし、あまりにもセコイと気分が暗くなってしまいそうですが、これから先、明るく生きるにはどうしたらいいのでしょう…。
森永:みんな、イタリア人になったらいいんです。「ダメだダメだ」って言ってる人に新しい感情は生まれないんです。イタリア人は昔から「アモーレ!」って言ってたんですよ。ワクワク・ドキドキしながら、歌って恋をするのがいいんじゃないかと思います。とはいえ、私はモテないんですけど。
萱野:森永さんは痩せたからモテるんじゃないですか?
森永:いや、女性には「痩せたけど、キャラクターが変わらないからダメ」って言われました(笑)。
節約はしても、イタリア人の如く、明るく生きたいと思えたオンエアでした(笑)。
【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
電気代168円!稲垣えみ子、節電生活で見えた豊かさ(2016年06月02日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/06/168.html
ホリエモン「お金を払って社員を雇うっていうのは変」(2016年05月29日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1669.html
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