J-WAVE平日20時からの番組「JAM THE WORLD」（水曜日ナビゲーター：安田菜津紀）のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。6月1日のオンエアでは、月々の電気代が約200円という超節電生活を送っている、元朝日新聞編集委員の稲垣えみ子さんをお迎えしてお話を伺いました。
アフロヘアーが印象的な稲垣さん。3.11の震災による原発事故にショックを受けたことをきっかけに、電気になるべく頼らない生活を実践されています。先月の電気代はなんと168円！
安田が気になったのが「どこから節電に手を付けたのか」ということ。電気代を減らそうと思ったらエアコンを使わないことが一番なのだそうですが、稲垣さんは、そもそもほとんどエアコンを使っていなかったそう。さらに炊飯器も掃除機も持っていない生活を送っていたため、どこから節電するか悩んだそうです。
「以前はカビ防止のために、浴室の換気扇を1日中つけっぱなしにしていたので『これを消したら相当効果があるんじゃないか？』と思って、カビないためにお風呂に入ったあとに裸のままお風呂中を雑巾で拭くということをしていたんですが、まったく減っていないどころか、暖かい時期だったので冷蔵庫の消費電力が増えて電気代が少し高くなっていたんです」（稲垣さん、以下同）
どうするか悩んだ結果「電気を節約するのではなく、そもそも電気が無いものとして生活しよう。電気が無い世界を生きているんだ」と考えるようにしたのだとか。
コンセントは全部抜き、家に帰っても電気をつけずに少し待ち、暗闇に目が慣れるまで待つ生活に。料理をするときなどは危ないため電気をつけるそうですが、電気をつけなくてもある程度のことはできるそう。
「お風呂に入ったりトイレに行ったりとかは別に電気が無くてもOKなんです。むしろ落ち着いてリラックスできたり。考えてみればトイレに行くのも、自分が用を足しているときに煌々と明るくないといけない理由って無いんですよね。いらないな、と思って」
そんな生活を送っていると、あることに気がついたそうです。
「テレビをつけることを無くすと静けさを感じ、虫の音が聞こえたりするんです。無くすということは、無くなって惨めとか不便とか寂しいということではなくて、新たな世界が立ち上がってくる、ということに気づけたんですよね」
安田も「無くすというと、どうしてもマイナスにするというイメージですが、むしろまた違った種類のプラスがやってくるということになるんでしょうね」と共感しました。
そんな生活を送っていて、リスナーからは、逆に200円の電気代は何でかかっているのか質問が。現在、稲垣さんが使っている家電製品は、最低限の明かり、ラジオ、パソコン、携帯電話の4つのみ。冷蔵庫も使わないため、その日に食べるものしか買わず、残ったものは干したり漬物にしているそうです。
電気は熱を発したり冷やしたりすることに向いていないため、「電気に得意なことをさせたい。貴重な電気をどこに使うべきか考えるだけでも面白い。もう愛ですね」と稲垣さん。電力会社の人から「電気を大切に使ってくれてありがとう」と感謝されたこともあるとか。
稲垣さんは、昨年9月に28年務めた朝日新聞を退職し、現在フリーランスとして活動しています。「お金がなくてもハッピーに暮らせるライフスタイル」を模索しているという稲垣さんにとって“豊かさ”とは何なのでしょうか。
「究極を言うと豊かさってたぶん、友だちがいることなんじゃないかと思うんですね。私は友だちがいて、たまに一緒にご飯を食べられたりすることが基本、幸せだと思うんです。みんな、そのためにはお金が必要と思いがちなんですが、お金がなくても友だちは作れるし、それだったら、食べていければ、そんなにお金って実は必要ないんじゃないかなって。
幸せのベースは人それぞれ違うけど、お金を経由しなくても、その幸せを得られる可能性は、すごい高いと思うんです。そこの回路を少し変えると『こうじゃなきゃ（幸せじゃない）』ってものは、どんどん無くなっていく気がしますね」
超節電の話から、人にとっての“豊かさ”を考えさせられた今回のオンエア。あなたにとっての“豊かさ”とは何ですか？
【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
生物学者、長沼毅「人間の進化は美徳の進化でもある」（2016年04月17日）
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1400.html
モノを持たない自由を実感、「ミニマリスト」という生き方（2015年10月08日）
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2015/10/post-1152.html
アフロヘアーが印象的な稲垣さん。3.11の震災による原発事故にショックを受けたことをきっかけに、電気になるべく頼らない生活を実践されています。先月の電気代はなんと168円！
安田が気になったのが「どこから節電に手を付けたのか」ということ。電気代を減らそうと思ったらエアコンを使わないことが一番なのだそうですが、稲垣さんは、そもそもほとんどエアコンを使っていなかったそう。さらに炊飯器も掃除機も持っていない生活を送っていたため、どこから節電するか悩んだそうです。
「以前はカビ防止のために、浴室の換気扇を1日中つけっぱなしにしていたので『これを消したら相当効果があるんじゃないか？』と思って、カビないためにお風呂に入ったあとに裸のままお風呂中を雑巾で拭くということをしていたんですが、まったく減っていないどころか、暖かい時期だったので冷蔵庫の消費電力が増えて電気代が少し高くなっていたんです」（稲垣さん、以下同）
どうするか悩んだ結果「電気を節約するのではなく、そもそも電気が無いものとして生活しよう。電気が無い世界を生きているんだ」と考えるようにしたのだとか。
コンセントは全部抜き、家に帰っても電気をつけずに少し待ち、暗闇に目が慣れるまで待つ生活に。料理をするときなどは危ないため電気をつけるそうですが、電気をつけなくてもある程度のことはできるそう。
「お風呂に入ったりトイレに行ったりとかは別に電気が無くてもOKなんです。むしろ落ち着いてリラックスできたり。考えてみればトイレに行くのも、自分が用を足しているときに煌々と明るくないといけない理由って無いんですよね。いらないな、と思って」
そんな生活を送っていると、あることに気がついたそうです。
「テレビをつけることを無くすと静けさを感じ、虫の音が聞こえたりするんです。無くすということは、無くなって惨めとか不便とか寂しいということではなくて、新たな世界が立ち上がってくる、ということに気づけたんですよね」
安田も「無くすというと、どうしてもマイナスにするというイメージですが、むしろまた違った種類のプラスがやってくるということになるんでしょうね」と共感しました。
そんな生活を送っていて、リスナーからは、逆に200円の電気代は何でかかっているのか質問が。現在、稲垣さんが使っている家電製品は、最低限の明かり、ラジオ、パソコン、携帯電話の4つのみ。冷蔵庫も使わないため、その日に食べるものしか買わず、残ったものは干したり漬物にしているそうです。
電気は熱を発したり冷やしたりすることに向いていないため、「電気に得意なことをさせたい。貴重な電気をどこに使うべきか考えるだけでも面白い。もう愛ですね」と稲垣さん。電力会社の人から「電気を大切に使ってくれてありがとう」と感謝されたこともあるとか。
稲垣さんは、昨年9月に28年務めた朝日新聞を退職し、現在フリーランスとして活動しています。「お金がなくてもハッピーに暮らせるライフスタイル」を模索しているという稲垣さんにとって“豊かさ”とは何なのでしょうか。
「究極を言うと豊かさってたぶん、友だちがいることなんじゃないかと思うんですね。私は友だちがいて、たまに一緒にご飯を食べられたりすることが基本、幸せだと思うんです。みんな、そのためにはお金が必要と思いがちなんですが、お金がなくても友だちは作れるし、それだったら、食べていければ、そんなにお金って実は必要ないんじゃないかなって。
幸せのベースは人それぞれ違うけど、お金を経由しなくても、その幸せを得られる可能性は、すごい高いと思うんです。そこの回路を少し変えると『こうじゃなきゃ（幸せじゃない）』ってものは、どんどん無くなっていく気がしますね」
超節電の話から、人にとっての“豊かさ”を考えさせられた今回のオンエア。あなたにとっての“豊かさ”とは何ですか？
【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
生物学者、長沼毅「人間の進化は美徳の進化でもある」（2016年04月17日）
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1400.html
モノを持たない自由を実感、「ミニマリスト」という生き方（2015年10月08日）
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2015/10/post-1152.html
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。
