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生物学者、長沼毅「人間の進化は美徳の進化でもある」

生物学者、長沼毅「人間の進化は美徳の進化でもある」

J-WAVE土曜夜の番組「OTHERS」(ナビゲーター:ふかわりょう)。4月16日のオンエアでは、生物学者の長沼毅さんを迎えてお届けしました。

ゲストにフリーランサーの稲垣えみ子さんが登場し、まずは素朴な質問に答えていただきました。

・アライグマはなぜ洗って食べるの?
目が悪いので「これは食べ物なのか?」と手で確かめているだけで、洗っているわけではないとのこと。アライグマは、目ではなくて手で触わりながら世界を認識しているそうです。

・動物は他の動物の死を認識するの?
死んだ仲間のことを「まだ生きている」と思って看病する動物もいますし、死を認識した上で死を悼む行動をする動物もいるそうです。

・羊の群れに近づくと逃げられてしまいます。人が近づいてきたら逃げるというのは、何かで教わったものなのでしょうか?
こちらは、ふかわりょうからの質問。長沼さんによると「学習したものなのか、遺伝子によるものなのか分からない。誰からも教わっていないとすると遺伝子によるなのかもしれない」とのこと。

・人間の欲は制御できるの?
世の中が便利になるすぎると、人間はいらなくなるのではないかと心配している稲垣さんからの質問。長沼さんによると「この5,000年で人間の脳は知的進化を遂げた。暴力的なことが減ってきていて、理想郷に近づこうという力が働いている。ただ、世の中が便利になりすぎて、人間性が損なわれるのであれば、そうならないような力が働くと思う」とのことでした。

長沼先生への質問は尽きません。ほかにも「人間は三原色でものを見ているが、魚や鳥は四原色なので、そういった生物からみれば人間が見ている世界は乏しいと思うかも」「男性の乳首は遺伝子学的には母乳が出せるため、遺伝子に『スイッチ』が入ったら出せるようになると思う」といった話も繰り広げられました。

「辺境生物学者」の長沼さんは様々な辺境地に行かれていますが、自分から辺境に行こうと思っていたわけはないそうです。「辺境」とは、深海、南極、北極、地海底火山などがそれにあたるそう。「自分自身は出不精なんです」という長沼さん。調べていくうちに、辺境地にたどり着いてしまうのだとか。

そんな長沼さんから、最後にメッセージをいただきました。

「人間の進化を見ていくと、人間に備わっている『美徳の力(協調性、支え合い、分かち合いなど)』などが進化してきてるんです。『美徳の力』の愛で、熊本の人達にも苦しい日々をしのいで欲しいと思います」(長沼さん)

熊本の皆様にこのメッセージが届きますように。

【関連サイト】
「OTHERS」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/others/

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