シンガーソングライターのキタニタツヤが、ベーシストとしての原点や音楽人生を振り返った。
キタニが登場したのは、8月25日(火)放送のJ-WAVE『SPARK』(ナビゲーター:King Gnu・新井和輝)。注目のアーティストが曜日ごとにナビゲーターを務める音楽番組だ。ナビゲーターは月曜 sumika、火曜 新井和輝(King Gnu)、水曜 秦 基博、木曜 杉本ラララが担当している。
新井がナビゲートする火曜日の『SPARK』では、オンエアの内容をポッドキャストでも配信している。
・ポッドキャストページ
番組では、新井とキタニによる初対談が実現。まず新井が、今回の対話に至った経緯を説明する。
新井:この番組を4年ぐらいやっていて、ゲストもいろいろ来てくれているんですが、「ベーシストを呼びたいね」という流れがちょっと前にあって。リスナーさんからいろんなベーシストの名前を挙げてもらっていたんです。そのなかでキタニ君の名前がすごくいっぱいあって。
キタニ:マジか! ベーシストとして認知してもらってるんですね(笑)。
新井:自分のなかではどうですか?
キタニ:ベースはヨルシカのサポートをやっていますけど、結局シンガーソングライターだから、複数の現場も持っていないと「サポートベーシストです」とは言いづらいな、みたいな感覚はあります(笑)。自分の曲でも、基本的にベースをレコーディングするときは自分で弾きますが、別にギターはそれよりもっと弾いているしな、みたいな。初めて触った楽器はベースなんですけどね。
新井:そうなんだ! とはいえ、自分のなかでは「ベーシスト」という肩書きは存在している?
キタニ:そうですね。ちょっとおこがましくて言えない、みたいな感覚が強いです。得意な楽器としては、たぶんベースなんですよ。ギターは立って弾けないし(笑)。
新井:そういう感じなんだ。俺のなかでは、もうバッチリなベースラインと腕前があって、「ベーシスト」と「アーティスト」が半々ぐらいのイメージなんですよ。(ヨルシカは)本当にサポートとしてフィーチャー感がなく(サポートに徹して)活動されていて、でもいちアーティストという人ってマジでいないと思うんです。だから、すごいなと思ってチラチラ見ていたんです。
キタニ:珍しいパターンかもしれないですね。
キタニ:当時、同じようにネットに曲を投稿している友だちがいっぱいいたんです。みんな、それぞれひとりで家で作っていて、曲を作る人はだいたいギターとかピアノを弾けるじゃないですか。それで、彼らが「ベースが打ち込みだと味気ないな」ってなったときに、仲間内でベースを弾けるのが俺だったから、「宅録で弾いて送ってくれないか」ってなって。
新井:そうなんだ。
キタニ:実は、ヨルシカもそうなんですよ。n-bunaというやつがネットでひとりで曲を作っていて、「今度、ライブすることになったんだけど、ベースを弾けるやつが周りにいないから弾いてくれない?」みたいな。そこからずるずる、ずっと今までという感じです。
新井:そうだったんだ!
キタニ:たまにベースのレコーディングの仕事をもらうときも、だいたいそのボカロP時代の友だちで。たとえば、作曲家になったやつが「プリキュアのエンディングテーマを書きます」となったときに、「ちょっとベース弾いて! 宅録でいいから!」みたいな感じで(笑)。「ベースも弾ける便利な作曲・アレンジャー」みたいな立ち位置なんですよね。
新井:いやぁ、それは発注しやすいね。
キタニ:だから「ベーシストです!」とは言いづらいというか。たぶん、友だちのあいだでは「ベースも弾けるやつ」みたいな感じで認知されていると思います。
キタニ:高校1年生で楽器を始めたんですけど、もうずっと日本のロックバンド……アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかが大好きで、そういうバンドになりたいと思いながらコピバンをやっていて。
新井:原体験がアジカンなんだ。
キタニ:子どものころにアジカンを聴いてロックにハマって、みたいな感じですね。
新井:そこは俺とまったく一緒。
キタニ:マジですか!? アジカンなんだ! 意外ですね。
新井はこの番組でASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田貴洋とベーシスト対談を行っている。
【関連記事】アジカン・山田貴洋×King Gnu・新井和輝がベーシスト対談! バンド結成や“大変な時期”を振り返る
新井:母親がブラックミュージック好きで聴いていたんだけど、自分が初めて親にねだったCDは『崩壊アンプリファー』だった。
キタニ:同じだ~!
新井:ねだって買ってもらって、自分の部屋で家に置いてあったCDコンポで、ずっとかけてました。2枚目は『未来の破片』、3枚目は『君繋ファイブエム』で。ロックも好きで軽音部も入っていたし、大学で一気にジャズのほうに行って。両方というか、二軸でやってきた感じだったね。キタニ君はアジカンからそのまま邦ロックの道に行ったんだね。
キタニ:僕はそうですね。
新井:じゃあ、あのときの感じは共通項があるかも。
キタニ:めちゃくちゃ意外ですね。自分の母親も音楽好きだったんですけど、ニルヴァーナとかが大好きで「ロック以外の音楽なんてない」みたいにめちゃくちゃ偏ってたんです(笑)。それもあって、他のジャンルの音楽に触れる機会があまりなくて。大学に入ったあたりでサブスクが一般化し始めたので、そこから自分の音楽の世界が広がったんですよね。
新井:そういう経緯なんだ。“邦ロック街道”からボカロというのも、また完全に別軸じゃん。どこから並行していったんですか?
キタニ:高1のときに楽器を初めて買ったんですけど、パソコンも家に来たんですよ。ネットが来たことによって、ニコニコ動画やYouTubeを観るようになって、そこで「その辺の人たちが作った音楽」に触れたんですよね。それまで音楽って、プロしか作れないものだと思っていたんですけど、パソコンが手に入ってから、ニコニコ動画とかでアマチュアの音楽、同人音楽みたいなものの存在を知って、ドハマりして。CDを売る即売会みたいなのがあるんですよ。
新井:へええ! いわゆるコミケみたいな?
キタニ:そうです。コミケのボカロ版みたいなイベントがあったんですよ。そこに高校時代のバイト代を全部つぎ込んで、サラリーマンとか大学生が作ったアルバムを買いまくって。それで「これぐらいだったら俺も作れるのかもしれない」と思って、自分のバンドのために曲を作り始めたんです。だから「大学生になったら、もっと機材を揃えてボカロをやるんだ」と思いながらバンドをやっていたんですよ(笑)。
新井:すごい! 高1のときにそういうところまで行ってたんだ。
キタニ:本当にいろんな人の意見を聞きながら作っていたので、最初の『青のすみか』は2パターンあって。「光・青のすみか」と「闇・青のすみか」があったんですよ。メロディーと歌詞だけ一緒で、全然アレンジが違って。まるっきり別の2曲を「こんなんどうでしょう」と言って、とにかくアニメに合うものを聴かせたくて。結局、そのふたつの中間みたいな感じになったんです。ふたつのデータをごちゃ混ぜにしたようなのが、世に出ている『青のすみか』なんですよ。
新井:そうだったんだ!
キタニ:そんな作り方、今までの人生でしたこともないし、今後もしないだろうなと思います。
新井:コードと歌詞は同じで、アレンジ違いってこと?
キタニ:コードも全然違いましたね。「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」みたいな声も普段はあんまり聞かないほうなんですけど、「たしかにそうかもしれない」って納得しながら、魔改造をしまくったので。
新井:そうなんだ。けっこうストレートなのかなと、曲の印象だけを聴くと思っていたんだけど。
キタニ:相当、回り道していましたね。
新井:そのふたつ、聴きたい!
キタニ:いつか世に出したいですけど、(データが)どこにあるんだろう(笑)。
新井:俺もKing Gnuの曲をアレンジしたりするけど、できたアレンジから一度離れて、もう一個別テイクを作るって相当しんどいよ。いちおう、最適解としてひとつのアレンジを構築していくわけじゃん。それを出して、そっちに引っ張られないようにしなきゃいけないから。
キタニ:そうなんですよね。でも、自分はもともと作曲家志望だったんですよね。
キタニタツヤ名義の楽曲だけでは生活費を稼ぐのは難しいと考えていたため、大学生のころは作曲家として収入を得ながら、キタニタツヤとしての活動は趣味で続けようと思っていたという。
一方で、作曲家の仕事や、さまざまなアーティストに楽曲を提供することにも強い憧れがあり、作曲家としての活動にはそれほど苦労を感じなかったと振り返った。
新井:本当に、ボカロP然(いかにも、ボカロPらしい)とした作家像を描いてはいたんだ。じゃあ、まさか自分がここまで出役になるとは思っていなかった?
キタニ:あまり予想はしてなかったですね(笑)。いつかそういうこともあったらいいな、みたいな想像はしていましたけど、ここまでリアルになるとは思ってなかったですね。
新井:音源から伝わる作家性みたいな部分は、そういうところの経緯だったんだね。ここでキタニ君の楽曲を聴かせてください!
キタニ:最近、新曲がたくさんでているのですが、ベースのリフから始まる曲があったので聴いてください。『F.A.C.E.』という曲です。
番組ではキタニタツヤの『F.A.C.E.』をオンエアした。
これまでにもさまざまなアーティストとコラボレーションしているキタニは、もともとコラボレーションが好きで、他のアーティストがどのような仕事をしているのかを見たいという思いがあり、一緒に制作することを楽しんでいるという。
キタニ:ソロなので縛りみたいなルールがないんですよね。「せっかくソロなんだし、やってみよう」みたいな感覚もすごくありますね。
新井:発表された当時、「このふたりがやるんだ」ってすごいビックリした!
キタニ:すごく学びになるし、そこで得たものって、今でもめっちゃ大事だなと思います。
新井:エンタメの人だもんね。
キタニ:エンタメド直球でずっとやってますね。自分って、作曲と人前に出てやるふたつをやらないといけないけれども、どちらかというと「作曲をする人」みたいな気持ちでいるんですよ。家で曲を作って、パソコンの前でダラダラしているときがやっぱりいちばん落ち着くんです。ライブをして人前に立っているときって、なんかちょっと無理してるみたいな感覚があるんですよ。でも、(中島健人は)ライブをやって人前に立つ筋肉を鍛えた人じゃないですか。だから、すごく影響を受けましたね。いい人生経験でしたね。
新井:そうか、すごいねえ。
キタニ:新井さんも踊りましょうよ。別にバンドが踊っちゃいけないなんてルールはないんだから。
新井:いやあ~(笑)。
キタニ:これで新井さんが踊ったら、他の若いベーシストたちが「いよいよヤバい。今度は俺の番だ!」と思うでしょうね(笑)。
番組ではゲストパートの最後に、7月4日にデジタル配信され、8月12日にCDがリリースされたキタニの新曲『遺書』をオンエアした。同曲はテレビアニメ『これ描いて死ね』のオープニング主題歌だ。
キタニタツヤは12月から名古屋、横浜、神戸をまわるワンマンアリーナツアー「TATSUYA KITANI ONEMAN ARENA TOUR “DEKAI / PURE”」を開催する。そのほか、最新情報は公式サイトまで。
J-WAVE『SPARK』では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストがナビゲーターを務める。放送は24時から。
キタニが登場したのは、8月25日(火)放送のJ-WAVE『SPARK』(ナビゲーター:King Gnu・新井和輝)。注目のアーティストが曜日ごとにナビゲーターを務める音楽番組だ。ナビゲーターは月曜 sumika、火曜 新井和輝(King Gnu)、水曜 秦 基博、木曜 杉本ラララが担当している。
新井がナビゲートする火曜日の『SPARK』では、オンエアの内容をポッドキャストでも配信している。
・ポッドキャストページ
「ベーシスト」と呼ばれることへの本音
キタニタツヤは、2014年ごろからネット上で楽曲を発表し、ボカロPとしての活動を開始。2017年からは楽曲提供を行う一方でソロアーティストとしての活動やヨルシカのサポートベースを務めるなど、シンガーソングライターという枠にとどまらず、幅広いフィールドで音楽活動を展開している。番組では、新井とキタニによる初対談が実現。まず新井が、今回の対話に至った経緯を説明する。
新井:この番組を4年ぐらいやっていて、ゲストもいろいろ来てくれているんですが、「ベーシストを呼びたいね」という流れがちょっと前にあって。リスナーさんからいろんなベーシストの名前を挙げてもらっていたんです。そのなかでキタニ君の名前がすごくいっぱいあって。
キタニ:マジか! ベーシストとして認知してもらってるんですね(笑)。
新井:自分のなかではどうですか?
キタニ:ベースはヨルシカのサポートをやっていますけど、結局シンガーソングライターだから、複数の現場も持っていないと「サポートベーシストです」とは言いづらいな、みたいな感覚はあります(笑)。自分の曲でも、基本的にベースをレコーディングするときは自分で弾きますが、別にギターはそれよりもっと弾いているしな、みたいな。初めて触った楽器はベースなんですけどね。
新井:そうなんだ! とはいえ、自分のなかでは「ベーシスト」という肩書きは存在している?
キタニ:そうですね。ちょっとおこがましくて言えない、みたいな感覚が強いです。得意な楽器としては、たぶんベースなんですよ。ギターは立って弾けないし(笑)。
新井:そういう感じなんだ。俺のなかでは、もうバッチリなベースラインと腕前があって、「ベーシスト」と「アーティスト」が半々ぐらいのイメージなんですよ。(ヨルシカは)本当にサポートとしてフィーチャー感がなく(サポートに徹して)活動されていて、でもいちアーティストという人ってマジでいないと思うんです。だから、すごいなと思ってチラチラ見ていたんです。
キタニ:珍しいパターンかもしれないですね。
発注しやすい、キタニ
キタニは、ベーシストとしてのきっかけを振り返る。ネットでボカロPとして活動し、大学生のころから楽曲を投稿していたという。キタニ:当時、同じようにネットに曲を投稿している友だちがいっぱいいたんです。みんな、それぞれひとりで家で作っていて、曲を作る人はだいたいギターとかピアノを弾けるじゃないですか。それで、彼らが「ベースが打ち込みだと味気ないな」ってなったときに、仲間内でベースを弾けるのが俺だったから、「宅録で弾いて送ってくれないか」ってなって。
新井:そうなんだ。
キタニ:実は、ヨルシカもそうなんですよ。n-bunaというやつがネットでひとりで曲を作っていて、「今度、ライブすることになったんだけど、ベースを弾けるやつが周りにいないから弾いてくれない?」みたいな。そこからずるずる、ずっと今までという感じです。
新井:そうだったんだ!
キタニ:たまにベースのレコーディングの仕事をもらうときも、だいたいそのボカロP時代の友だちで。たとえば、作曲家になったやつが「プリキュアのエンディングテーマを書きます」となったときに、「ちょっとベース弾いて! 宅録でいいから!」みたいな感じで(笑)。「ベースも弾ける便利な作曲・アレンジャー」みたいな立ち位置なんですよね。
新井:いやぁ、それは発注しやすいね。
キタニ:だから「ベーシストです!」とは言いづらいというか。たぶん、友だちのあいだでは「ベースも弾けるやつ」みたいな感じで認知されていると思います。
ふたりの共通点は「アジカン好き」
続いて、キタニの音楽的ルーツに迫った。キタニは、自身を「生粋のバンドマン」と表現する。キタニ:高校1年生で楽器を始めたんですけど、もうずっと日本のロックバンド……アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかが大好きで、そういうバンドになりたいと思いながらコピバンをやっていて。
新井:原体験がアジカンなんだ。
キタニ:子どものころにアジカンを聴いてロックにハマって、みたいな感じですね。
新井:そこは俺とまったく一緒。
キタニ:マジですか!? アジカンなんだ! 意外ですね。
新井はこの番組でASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田貴洋とベーシスト対談を行っている。
【関連記事】アジカン・山田貴洋×King Gnu・新井和輝がベーシスト対談! バンド結成や“大変な時期”を振り返る
新井:母親がブラックミュージック好きで聴いていたんだけど、自分が初めて親にねだったCDは『崩壊アンプリファー』だった。
キタニ:同じだ~!
新井:ねだって買ってもらって、自分の部屋で家に置いてあったCDコンポで、ずっとかけてました。2枚目は『未来の破片』、3枚目は『君繋ファイブエム』で。ロックも好きで軽音部も入っていたし、大学で一気にジャズのほうに行って。両方というか、二軸でやってきた感じだったね。キタニ君はアジカンからそのまま邦ロックの道に行ったんだね。
キタニ:僕はそうですね。
新井:じゃあ、あのときの感じは共通項があるかも。
キタニ:めちゃくちゃ意外ですね。自分の母親も音楽好きだったんですけど、ニルヴァーナとかが大好きで「ロック以外の音楽なんてない」みたいにめちゃくちゃ偏ってたんです(笑)。それもあって、他のジャンルの音楽に触れる機会があまりなくて。大学に入ったあたりでサブスクが一般化し始めたので、そこから自分の音楽の世界が広がったんですよね。
新井:そういう経緯なんだ。“邦ロック街道”からボカロというのも、また完全に別軸じゃん。どこから並行していったんですか?
キタニ:高1のときに楽器を初めて買ったんですけど、パソコンも家に来たんですよ。ネットが来たことによって、ニコニコ動画やYouTubeを観るようになって、そこで「その辺の人たちが作った音楽」に触れたんですよね。それまで音楽って、プロしか作れないものだと思っていたんですけど、パソコンが手に入ってから、ニコニコ動画とかでアマチュアの音楽、同人音楽みたいなものの存在を知って、ドハマりして。CDを売る即売会みたいなのがあるんですよ。
新井:へええ! いわゆるコミケみたいな?
キタニ:そうです。コミケのボカロ版みたいなイベントがあったんですよ。そこに高校時代のバイト代を全部つぎ込んで、サラリーマンとか大学生が作ったアルバムを買いまくって。それで「これぐらいだったら俺も作れるのかもしれない」と思って、自分のバンドのために曲を作り始めたんです。だから「大学生になったら、もっと機材を揃えてボカロをやるんだ」と思いながらバンドをやっていたんですよ(笑)。
新井:すごい! 高1のときにそういうところまで行ってたんだ。
『青のすみか』にはふたつの別バージョンがあった
King Gnuとキタニタツヤは、いずれもテレビアニメ『呪術廻戦』のオープニングテーマを手がけた経験がある。キタニは、第2期「懐玉・玉折」のオープニングテーマ『青のすみか』の制作について、「人生でいちばん苦戦した曲」と明かした。青のすみか / キタニタツヤ - Where Our Blue Is / Tatsuya Kitani
新井:そうだったんだ!
キタニ:そんな作り方、今までの人生でしたこともないし、今後もしないだろうなと思います。
新井:コードと歌詞は同じで、アレンジ違いってこと?
キタニ:コードも全然違いましたね。「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」みたいな声も普段はあんまり聞かないほうなんですけど、「たしかにそうかもしれない」って納得しながら、魔改造をしまくったので。
新井:そうなんだ。けっこうストレートなのかなと、曲の印象だけを聴くと思っていたんだけど。
キタニ:相当、回り道していましたね。
新井:そのふたつ、聴きたい!
キタニ:いつか世に出したいですけど、(データが)どこにあるんだろう(笑)。
新井:俺もKing Gnuの曲をアレンジしたりするけど、できたアレンジから一度離れて、もう一個別テイクを作るって相当しんどいよ。いちおう、最適解としてひとつのアレンジを構築していくわけじゃん。それを出して、そっちに引っ張られないようにしなきゃいけないから。
キタニ:そうなんですよね。でも、自分はもともと作曲家志望だったんですよね。
キタニタツヤ名義の楽曲だけでは生活費を稼ぐのは難しいと考えていたため、大学生のころは作曲家として収入を得ながら、キタニタツヤとしての活動は趣味で続けようと思っていたという。
一方で、作曲家の仕事や、さまざまなアーティストに楽曲を提供することにも強い憧れがあり、作曲家としての活動にはそれほど苦労を感じなかったと振り返った。
新井:本当に、ボカロP然(いかにも、ボカロPらしい)とした作家像を描いてはいたんだ。じゃあ、まさか自分がここまで出役になるとは思っていなかった?
キタニ:あまり予想はしてなかったですね(笑)。いつかそういうこともあったらいいな、みたいな想像はしていましたけど、ここまでリアルになるとは思ってなかったですね。
新井:音源から伝わる作家性みたいな部分は、そういうところの経緯だったんだね。ここでキタニ君の楽曲を聴かせてください!
キタニ:最近、新曲がたくさんでているのですが、ベースのリフから始まる曲があったので聴いてください。『F.A.C.E.』という曲です。
番組ではキタニタツヤの『F.A.C.E.』をオンエアした。
F.A.C.E. / キタニタツヤ - F.A.C.E. / Tatsuya Kitani
異なるアーティストとの制作を楽しむ理由
新井は、アニメ『【推しの子】』第2期のオープニングテーマ『ファタール』を歌うGEMN(ジェム)が印象的だったと語る。GEMNは、キタニと中島健人によるユニットだ。ファタール / GEMN - Fatal / GEMN
キタニ:ソロなので縛りみたいなルールがないんですよね。「せっかくソロなんだし、やってみよう」みたいな感覚もすごくありますね。
新井:発表された当時、「このふたりがやるんだ」ってすごいビックリした!
キタニ:すごく学びになるし、そこで得たものって、今でもめっちゃ大事だなと思います。
新井:エンタメの人だもんね。
キタニ:エンタメド直球でずっとやってますね。自分って、作曲と人前に出てやるふたつをやらないといけないけれども、どちらかというと「作曲をする人」みたいな気持ちでいるんですよ。家で曲を作って、パソコンの前でダラダラしているときがやっぱりいちばん落ち着くんです。ライブをして人前に立っているときって、なんかちょっと無理してるみたいな感覚があるんですよ。でも、(中島健人は)ライブをやって人前に立つ筋肉を鍛えた人じゃないですか。だから、すごく影響を受けましたね。いい人生経験でしたね。
新井:そうか、すごいねえ。
キタニ:新井さんも踊りましょうよ。別にバンドが踊っちゃいけないなんてルールはないんだから。
新井:いやあ~(笑)。
キタニ:これで新井さんが踊ったら、他の若いベーシストたちが「いよいよヤバい。今度は俺の番だ!」と思うでしょうね(笑)。
番組ではゲストパートの最後に、7月4日にデジタル配信され、8月12日にCDがリリースされたキタニの新曲『遺書』をオンエアした。同曲はテレビアニメ『これ描いて死ね』のオープニング主題歌だ。
遺書 / キタニタツヤ - Final Draft / Tatsuya Kitani
J-WAVE『SPARK』では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストがナビゲーターを務める。放送は24時から。
番組情報
- SPARK
-
月・火・水・木曜24:00-25:00
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