打楽器奏者で音楽家の角銅真実が、初のアニメ劇伴制作への挑戦や、日常に潜む音との出会い、目的を持たずに歩くことの魅力について語った。
角銅が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。
ここでは、6月22日(月)にオンエアしたトーク内容(ポッドキャストのエピソード1)をテキストでお届けする。
・ポッドキャストページ
そんな角銅は、現在放送中のテレビアニメ『クジマ歌えば家ほろろ』(TOKYO MXほか)のエンディングテーマ曲および劇伴を担当し、6月24日(水)にはオリジナルサウンドトラック『ほろろ逍遥』をリリースした。
クリス:これ、面白いアニメですよね。
角銅:面白いですよね。
クリス:中学1年生の鴻田 新が、ロシアから渡ってきた鳥なのかなんなのか、不思議な口調をした生き物・クジマと道で出会って、家に連れ帰る。お兄ちゃんは受験生でテンパってるのに、新しい生き物と一緒に春まで家族とともに住むことになるというストーリーです。アニメの劇伴は初めてとのことですが、いかがでしたか?
角銅:もともと原作の漫画がすごく好きで、ぜひ何かできたらと思ってお引き受けすることにしました。音楽を作る段階ではまだアニメーションとか絵はできていなくて、台本が途中までと絵コンテがあるっていう状態で。なので、「このシーンにつける」っていうよりは、「新のテーマ」「クジマのテーマ」みたいに、文字で書いてあるものに対して想像しながら作っていきました。
クリス:その曲のワードは制作の方から渡されたんですか?
角銅:曲名は自分でつけたり、作品を見てつけたりしました。
クリス:今回のサントラは40曲入っているんですよね。まあまあな数だなと思ったんですけど、劇伴となるとこれぐらい数を作るものですか?
角銅:そうですね。でも本当はあと20曲くらいあって、それくらいのなかから選ばれた40曲なんです。
クリス:ええ、あと20曲も聴きたい。
角銅:「これ入れたかった」っていう曲がまだたくさんあったんですけど、全部アニメの劇中には流れているので。
クリス:タイトルを見ながら曲を聴くのがすごく面白くて。たとえば『リビングで踊る』や『日常生活』『住めば都』『火のないところに煙は立たぬ』とか、ちょっと想像をかき立てられる言葉が続いていて。あと『当たるも八卦当たらぬも八卦』、こんな曲もあるんだと思って(笑)。
角銅:クジマっていう生き物が鳥なんですけど、しゃべるんですよね。ロシアから来た生き物で母国語はいちおうロシア語なんですけど、日本に来て日本語を勉強するために、ことわざを覚えて勉強するんです。いつもことわざの本を持って。それにちなんで、そのシーンに合いそうなことわざを私も調べてつけました。
クリス:なるほど。『雨後の筍』はすごく気持ちよい音ですね。雨上がりな感じ。これって、マリンバですか?
角銅:マリンバと、コントラバスと、チェロですね。
クリス:『短気は損気』って曲もありますね。
角銅:クジマが怒ってるシーンですね。怒ってるときは母国語が出ちゃって、ロシア語でまくし立てるっていう(笑)。
『悲しみは海ではないからすっかり飲み干せる』という、他とは異なった雰囲気の曲も収録されている。
角銅:これはもともと漫画にあったタイトルで、ロシアのことわざなのかな。クジマと新のちょっと別れを想起させるようなシーンの曲です。
クリス:すごく素敵な1曲ですね。聴いていると角銅さんは、何でも音になってしまうのかなって思いました。
角銅:音にしたいです。
クリス:言葉から楽器を連想するんですか?
角銅:言葉もありますし、クジマのキャラクターもありますね。たとえば『短気は損気』だったら、クジマが竹を切って流しそうめんを作るシーンがあって、それが印象に残っていて。インドネシアの「アンクルン」っていう竹を振って鳴らすハンドベルみたいな楽器を使ってみたりとか。素材で考えてみたりもしました。
角銅:(スタジオには)楽器以外のほうが多いかもしれません。板とか、拾った金属の破片とか、小さなガラスの破片とか、そういう落ちてるものを拾うのが好きで。
クリス:打楽器奏者ということは、打てるものだったら何でも楽器にはなりますよね。
角銅:はい、素材に興味があって。いい響きの木とか、古道具屋さんで売ってる行き先のない鍵の音とか。チャリチャリっていういい音がして、そういう謎のものがあふれてます。
クリス:最近拾ったのは何ですか?
角銅:何拾ったかな……話が脱線するんですけど、今、木イチゴの季節で。道端に木イチゴスポットを見つけて、そこを通るたびに摘んで食べてます。その木の実を摘んで食べることと、音が鳴るものを拾うとか音を探すみたいな感覚ってけっこう近い気はしていて。鳥の声とか、街のへんてこな音とか。
クリス:楽器になる前の素材が好きっていうのも面白いですね。どの辺で探すんですか? 場所も変わると、ものも変わりますよね。
角銅:そうなんです。だから旅も楽しいし、普通の生活のなかで道端に落ちてるものとか。今まで拾ったものでいちばん好きだなというものは、全然、音と関係ないんですけど、タイの浜辺で拾ったプラスチックの透明の「L」っていう字。
クリス:楽器としてではなくて?
角銅:はい。かわいいんですよ。文鎮みたいで。何かの「L」なんです。大文字の「L」が立体的で、透明でかっこいいんですよ。
クリス:それはどこに置いてるんですか?
角銅:玄関に置いてます。あと、最近は葉っぱの音が好きで、歩いて見つけられる範囲で採ってもいいいろんな草木を採って鳴らしてて。サラサラサラ……みたいな。
クリス:枯れてないから、また違う音が聴こえそうですね。
角銅:ちょっと水っぽい音がして、それもよかったです。
クリス:目的なく歩いてるときのほうが音を拾えそうですね。
角銅:そうですね。拾おうと思うと見つからないものですよね。何なんですかね。
クリス:散歩は朝するんですか?
角銅:朝ですね。毎日ではないんですけどとりあえず外に出て、歩くかちょっとランニングして。同じ時間に同じ場所を歩いても、絶対に何か発見があるんです。それが面白い。
クリス:そうですよね。自転車とか車のペースだと気づかないし、拾わないけど、歩くから拾えますよね。どこまでも歩いていきそうな、戻ることを忘れそうな感じもありますけど。
角銅:そっち気味かもしれません(笑)。
クリス:そういうふうにして、耳とか感覚をリフレッシュしてるのかなと今、聞いてて思いました。
角銅:そうですね。ものを探すのもですけど、耳で音を探す。音を聴いてると、最初何か探してるっていう意識から、どんどんその風景に自分も混じっていくというか、風景の一部に自分がなっていく感じがして。自分がなくなるというか、それが何か発見をもたらしてくれたり、リフレッシュになったりしますね。
角銅真実の最新情報は公式サイトまで。
クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。
角銅が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。
ここでは、6月22日(月)にオンエアしたトーク内容(ポッドキャストのエピソード1)をテキストでお届けする。
・ポッドキャストページ
絵コンテと文字から想像を膨らませた劇伴作り
長崎県の大自然で生まれ育った角銅は、マリンバをはじめとするさまざまな打楽器、自身の声、言葉、そして身の回りのあらゆるものを使って楽曲を制作。ソロ活動にとどまらず、ceroのサポートメンバーや原田郁子とのプロジェクト・くくくなど、幅広く活動している。そんな角銅は、現在放送中のテレビアニメ『クジマ歌えば家ほろろ』(TOKYO MXほか)のエンディングテーマ曲および劇伴を担当し、6月24日(水)にはオリジナルサウンドトラック『ほろろ逍遥』をリリースした。
TVアニメ『クジマ歌えば家ほろろ』メインPV|2026年4月からTOKYO MX、MBS、BS-TBS、AT-Xにて放送開始
角銅:面白いですよね。
クリス:中学1年生の鴻田 新が、ロシアから渡ってきた鳥なのかなんなのか、不思議な口調をした生き物・クジマと道で出会って、家に連れ帰る。お兄ちゃんは受験生でテンパってるのに、新しい生き物と一緒に春まで家族とともに住むことになるというストーリーです。アニメの劇伴は初めてとのことですが、いかがでしたか?
角銅:もともと原作の漫画がすごく好きで、ぜひ何かできたらと思ってお引き受けすることにしました。音楽を作る段階ではまだアニメーションとか絵はできていなくて、台本が途中までと絵コンテがあるっていう状態で。なので、「このシーンにつける」っていうよりは、「新のテーマ」「クジマのテーマ」みたいに、文字で書いてあるものに対して想像しながら作っていきました。
クリス:その曲のワードは制作の方から渡されたんですか?
角銅:曲名は自分でつけたり、作品を見てつけたりしました。
クリス:今回のサントラは40曲入っているんですよね。まあまあな数だなと思ったんですけど、劇伴となるとこれぐらい数を作るものですか?
角銅:そうですね。でも本当はあと20曲くらいあって、それくらいのなかから選ばれた40曲なんです。
クリス:ええ、あと20曲も聴きたい。
角銅:「これ入れたかった」っていう曲がまだたくさんあったんですけど、全部アニメの劇中には流れているので。
クジマがことわざを学ぶ? ユニークな楽曲タイトルの裏側
そんな、オリジナルサウンドトラック『ほろろ逍遥』にはユニークなタイトルの楽曲が並ぶ。TVアニメ「クジマ歌えば家ほろろ」オリジナルサウンドトラック ほろろ逍遥/角銅真実 クロスフェード動画
角銅:クジマっていう生き物が鳥なんですけど、しゃべるんですよね。ロシアから来た生き物で母国語はいちおうロシア語なんですけど、日本に来て日本語を勉強するために、ことわざを覚えて勉強するんです。いつもことわざの本を持って。それにちなんで、そのシーンに合いそうなことわざを私も調べてつけました。
クリス:なるほど。『雨後の筍』はすごく気持ちよい音ですね。雨上がりな感じ。これって、マリンバですか?
角銅:マリンバと、コントラバスと、チェロですね。
クリス:『短気は損気』って曲もありますね。
角銅:クジマが怒ってるシーンですね。怒ってるときは母国語が出ちゃって、ロシア語でまくし立てるっていう(笑)。
『悲しみは海ではないからすっかり飲み干せる』という、他とは異なった雰囲気の曲も収録されている。
角銅:これはもともと漫画にあったタイトルで、ロシアのことわざなのかな。クジマと新のちょっと別れを想起させるようなシーンの曲です。
クリス:すごく素敵な1曲ですね。聴いていると角銅さんは、何でも音になってしまうのかなって思いました。
角銅:音にしたいです。
クリス:言葉から楽器を連想するんですか?
角銅:言葉もありますし、クジマのキャラクターもありますね。たとえば『短気は損気』だったら、クジマが竹を切って流しそうめんを作るシーンがあって、それが印象に残っていて。インドネシアの「アンクルン」っていう竹を振って鳴らすハンドベルみたいな楽器を使ってみたりとか。素材で考えてみたりもしました。
鍵穴のない鍵から葉っぱの音まで… 素材としての音の魅力
スタジオには楽器以外のものも所狭しとあふれているという角銅は、打楽器奏者ならではの視点で、道端に落ちているものから音を見つける面白さについて語る。角銅:(スタジオには)楽器以外のほうが多いかもしれません。板とか、拾った金属の破片とか、小さなガラスの破片とか、そういう落ちてるものを拾うのが好きで。
クリス:打楽器奏者ということは、打てるものだったら何でも楽器にはなりますよね。
角銅:はい、素材に興味があって。いい響きの木とか、古道具屋さんで売ってる行き先のない鍵の音とか。チャリチャリっていういい音がして、そういう謎のものがあふれてます。
クリス:最近拾ったのは何ですか?
角銅:何拾ったかな……話が脱線するんですけど、今、木イチゴの季節で。道端に木イチゴスポットを見つけて、そこを通るたびに摘んで食べてます。その木の実を摘んで食べることと、音が鳴るものを拾うとか音を探すみたいな感覚ってけっこう近い気はしていて。鳥の声とか、街のへんてこな音とか。
クリス:楽器になる前の素材が好きっていうのも面白いですね。どの辺で探すんですか? 場所も変わると、ものも変わりますよね。
角銅:そうなんです。だから旅も楽しいし、普通の生活のなかで道端に落ちてるものとか。今まで拾ったものでいちばん好きだなというものは、全然、音と関係ないんですけど、タイの浜辺で拾ったプラスチックの透明の「L」っていう字。
クリス:楽器としてではなくて?
角銅:はい。かわいいんですよ。文鎮みたいで。何かの「L」なんです。大文字の「L」が立体的で、透明でかっこいいんですよ。
クリス:それはどこに置いてるんですか?
角銅:玄関に置いてます。あと、最近は葉っぱの音が好きで、歩いて見つけられる範囲で採ってもいいいろんな草木を採って鳴らしてて。サラサラサラ……みたいな。
クリス:枯れてないから、また違う音が聴こえそうですね。
角銅:ちょっと水っぽい音がして、それもよかったです。
目的のない散歩で見つけるさまざまな音
散歩が大好きだという角銅。『クジマ歌えば家ほろろ』エンディングテーマ『ほろろ逍遥』の「逍遥(しょうよう)」には、「そぞろ歩き」や「目的なく歩く」という意味がある。角銅真実/「ほろろ逍遥」(TVアニメ『クジマ歌えば家ほろろ』エンディングテーマ)
角銅:そうですね。拾おうと思うと見つからないものですよね。何なんですかね。
クリス:散歩は朝するんですか?
角銅:朝ですね。毎日ではないんですけどとりあえず外に出て、歩くかちょっとランニングして。同じ時間に同じ場所を歩いても、絶対に何か発見があるんです。それが面白い。
クリス:そうですよね。自転車とか車のペースだと気づかないし、拾わないけど、歩くから拾えますよね。どこまでも歩いていきそうな、戻ることを忘れそうな感じもありますけど。
角銅:そっち気味かもしれません(笑)。
クリス:そういうふうにして、耳とか感覚をリフレッシュしてるのかなと今、聞いてて思いました。
角銅:そうですね。ものを探すのもですけど、耳で音を探す。音を聴いてると、最初何か探してるっていう意識から、どんどんその風景に自分も混じっていくというか、風景の一部に自分がなっていく感じがして。自分がなくなるというか、それが何か発見をもたらしてくれたり、リフレッシュになったりしますね。
角銅真実の最新情報は公式サイトまで。
クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。
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2026年6月29日28時59分まで
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番組情報
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月・火・水・木曜13:00-13:30