気象予報士の森田正光が、天災の恐ろしさを伝える責任や、2026年の夏の天気について語った。
森田が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。
ここでは、6月18日(木)にオンエアしたトーク内容(ポッドキャストのエピソード4)をテキストで紹介する。
・ポッドキャストページ
そこで今回は、気象予報士の森田正光を迎え、今年の夏はどのくらい暑くなるのか、異常気象や気候変動は私たちの暮らしにどのような影響を与えるのかなど、これからの天気について話を聞いた。
クリス:情報が入ってくるペースも速くなってますし、森田さんが始められたころと比べても、更新のスピードはすごく速くなってますよね。でも、それくらいしていかないといけない時代なんでしょうか。
森田:そうですね。ただ、人間の側がそこまでのスピードについていけない面もあります。たとえば、今年の5月末から始まった警戒レベルの情報もそうです。大雨警報などいろいろな情報がありますが、結局、多くの人にとっては「レベル」を覚えることが大事なんです。
現在、災害時の警戒レベルは1~5の5段階に分けられている。レベル1、レベル2は注意や備えを進める段階、レベル3になると高齢者など避難に時間を要する人は避難を開始する目安となる。
さらにレベル4では、一般の人も避難対象となり、この段階までに避難を完了しておくことが求められる。そしてレベル5は、すでに災害が発生、または切迫している状況を示す段階。この時点では避難場所への移動ではなく、建物の上階へ移動するなど、その場の状況に応じて命を守る行動を取ることが重要になる。
クリス:「避難時は垂直移動をするように」という言葉もありますよね。
森田:大雨時などはそうですね。その都度、情報は出ますが、一般的には「今の現象はレベルいくつか」を理解しておくことです。レベル2なら注意、レベル3なら避難準備、レベル4ならすぐ避難、レベル5はもう危険が現実化している。その感覚を持っておくことが大事です。
クリス:これからの夏は特にこうした情報も増えますが、頭ではわかってはいるけれども、行動が遅くなるんだろうなと感じてます。
森田:何にでも言えることだと思いますが、最後の最後は自分しか自分を助けられないんですよね。たとえば、今ここで突然、1時間100ミリ級の豪雨が降ったとします。その雨をいちばん最初に感じるのは誰かというと、気象庁ではなく自分自身なんですよ。今、自分の頭の上で起きていることは、自分だけが最初に経験している。つまり、自分が最初の観測者であり、発信者なんです。そう意識すると、行動も変わるんじゃないかと思います。
クリス:責任はやっぱり自分で持つということですよね。天気予報は参考にしつつ、「違ったじゃないか」と言うだけではなく、自分で判断する必要もありますよね。
森田:ただ、今は社会が豊かになって情報も増えたので錯覚しやすいんですよね。「自分よりも周りの人のほうが自分の状況を知っているんじゃないか」「周囲が騒いでいないから大丈夫なんじゃないか」と。でも、そうではないんです。
森田によると、気象の世界では一般的に「30年に1回程度の頻度で起きる現象」を「異常気象」と捉える。しかし近年は、3年前、2年前、そして1年前と、30年に1回レベルとされる猛暑が立て続けに発生しているという。
「30年に1回」が何年も続くのであれば、それはもはや例外的な出来事ではない。森田は、こうした状況を単なる異常気象ではなく、「気候変動」と捉えてもよいのではないかと指摘する。つまり一時的な振れ幅ではなく、気候そのものの基準が変化してきているという考え方だ。そのうえで森田は、2026年は気象に関わる立場から見ても非常に関心の高い年だと語った。
森田:なぜかというと3年連続猛暑に加えて、今年は「エルニーニョ現象」が起き始めているんです。少し複雑ですが、エルニーニョが起こると、これまで日本は冷夏になることが多いとされてきました。もしエルニーニョなのに猛暑になったらどうなるのか。我々にとっても経験したことのない状況です。だから、みなさんも感覚として「何かおかしい」と思っているかもしれませんが、それが数字として裏付けられる時代に入ったのかもしれません。
クリス:ときどき、ものすごく暑い日があって「記録的」とニュースになりますけど、調べると50年前にも同じようなことがあったりして、「急激に変わったわけではないのかな」と思うこともあります。
森田:30年に1回レベルのことが何年も続いて、今年も同じようなことが起こったら、やはり地球全体がおかしくなっている可能性は考えなければいけないですね。
クリス:気候が変わると、食べ物も変わりますよね。海の環境も変わるし、ワイン用のブドウ畑も産地が移動しています。以前は作れなかった場所で栽培できるようになったり、逆に作れなくなったりしています。
森田:そのなかで、実はいちばん危機的なのは干ばつなんです。本来、雨が降る地域で降らなくなる。もともと雨の少ない地域では、さらに降らなくなる。昔から「20世紀は石油の時代、21世紀は水の時代、水を巡る争いの時代」と言われていましたが、本当にそうなりつつあります。
クリス:そう考えると、天気予報って暮らしの情報ということだけじゃなくて、本当に重要な指針になってきてますね。以前のような、ほのぼのした天気予報とは前提が違いますよね。
森田:天気予報そのものは当たるようになってきていますし、災害時にどう行動すべきかも伝えられるようになりました。でも、その一方で天気自体が変わってきている。その変化によって災害が増えたり、社会が不安定になったりしている。そういう時代になってきたんだと思います。
クリス:今は天気予報だけじゃなく、世界中の災害情報もすぐ入ってきますよね。常にどこかで何かが起きているように感じて、不安になります。
森田:実は、台風やサイクロンなど直接的な気象災害による死者数は減っているんです。一方で、干ばつや雨が降らない地域での豪雨など、気候変動そのものによる影響は広がっています。台風は地域的な被害ですが、気候変動は地球全体の問題です。つまり、規模そのものが変わってきたということなんですよね。
森田:長く続けることがいいとは特に思わないんですけど、やり続けるのはけっこういいことなのかなと思いますね。昔は年長者を大事にする文化がありましたよね。今ももちろんありますけど、それって結局、経験値なんだと思うんです。人間って瞬間的な判断力は別として、20代より30代、30代より40代と経験が積み上がっていきますよね。そう考えると、人がまだ知らないことや、AIでも言えないようなことを伝えられるようになるんじゃないかと思って、今も続けています。もちろん、自分がやりたいと思っていても、求められなければ終わってしまうので、求められる限りは伝えていきたいですね。
クリス:これからどうなっていくかわかりませんが、AIと比べたとき、経験してきた時間や、それを言葉で表現することって人間ならではの醍醐味でもありますよね。
森田は、天気予報そのものの精度は今後さらに向上していくと語る。生成AIやコンピューターの進化によって、予測や計算はますます正確になっていくだろうと予測した。
一方で、その情報をどう受け止め、どのように判断し、行動につなげるかという部分には、人間の役割が残されているのではないかと語る。そうした思いを強く持つようになったきっかけとして、森田は九州北部豪雨での経験を挙げた。
森田:被害が大きかった地域を取材したとき、たまたま助かった方に話を聞いたんです。その方は避難して助かったんですが、「なぜ避難したんですか」と訊くと、「自分は逃げたくなかったけど、近しい人が『逃げよう』と言ったから逃げた」と。そう答える方がけっこう多かったんです。人って、テレビやラジオで「逃げてください」と言われても動かないことがあります。でも、親しい人に「本当に危ないから行こう」と言われると動ける。そういうものなんだとわかったんです。
クリス:体が動くって、やっぱり気持ちが動かないと難しいですもんね。
森田:そうなんです。だから我々は、その前段階として「本当に危ないんだ」と伝えられるだけの言葉を持っていたいと思うんです。そういう言葉って、やっぱり経験値から出てくるものなんですよね。
天気予報そのものの精度は大きく向上しているものの、5~10パーセント程度の誤差は避けられないという。その不確実さを含んだ情報を、どのように受け手へ届けるかは、伝える側それぞれの考え方や姿勢によるものだと語る。そのうえで、近年の情報発信については、表現がやや直線的になっているように感じるとも指摘した。
クリス:データが正確になったからこそ、人間側もその正確さに合わせなきゃいけない空気がありますよね。これって、お天気だけじゃないと思うんです。だからこそ5パーセントくらいの誤差って、居心地がいいというと変ですが、大事な余白なんじゃないかと思うんです。
森田:まさしくそうで、同じ考え方だと思います。僕らの今の社会って、曖昧さを許さないですよね。一方で、曖昧さが人との関係を滑らかにしてくれる部分もあります。全部、数字で線引きすると、そこから外れたものを排除してしまう。災害もそうです。「何ミリだから避難」「こうしなさい」と社会的圧力だけが強くなると、それは少し違うんじゃないかと思うんです。伝える側も受け取る側も「5パーセント、10パーセントくらいの誤差は認めようよ」という感覚が必要なんじゃないでしょうか。少し違っただけで「間違っている」と排除したり、訴訟になったりする社会は息苦しいですよね。
クリス:お天気の話もそうですが、受け手側がその5パーセントを想像する必要もありますよね。結局、自分の生活や行動に関わることですし。
森田:まさにそうです。だから、誤差を許容できる人になってほしいと思います。
クリス:そうですね。森田さんが伝え続けてくださる限り、大丈夫な気がします。長年、状況が変わり続けるなかでもお天気を伝え続けてくださっていて、私たちは天気以上のものを受け取っている気がします。
森田正光の最新情報は株式会社ウェザーマップの公式サイトまで。
クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。
森田が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。
ここでは、6月18日(木)にオンエアしたトーク内容(ポッドキャストのエピソード4)をテキストで紹介する。
・ポッドキャストページ
警戒レベルを理解し、適切な行動を
近年、地球規模での気候変動や自然災害の激甚化が身近なリスクとして語られるなか、6月8日にはフィリピン南部ミンダナオ島沖で大規模な地震が発生するなど、あらためて防災への意識が高まっている。さらに日本国内では、これから本格的な台風シーズンを迎えるにあたり、日ごろの備えや気象情報への関心がこれまで以上に欠かせない状況だ。そこで今回は、気象予報士の森田正光を迎え、今年の夏はどのくらい暑くなるのか、異常気象や気候変動は私たちの暮らしにどのような影響を与えるのかなど、これからの天気について話を聞いた。
クリス:情報が入ってくるペースも速くなってますし、森田さんが始められたころと比べても、更新のスピードはすごく速くなってますよね。でも、それくらいしていかないといけない時代なんでしょうか。
森田:そうですね。ただ、人間の側がそこまでのスピードについていけない面もあります。たとえば、今年の5月末から始まった警戒レベルの情報もそうです。大雨警報などいろいろな情報がありますが、結局、多くの人にとっては「レベル」を覚えることが大事なんです。
現在、災害時の警戒レベルは1~5の5段階に分けられている。レベル1、レベル2は注意や備えを進める段階、レベル3になると高齢者など避難に時間を要する人は避難を開始する目安となる。
さらにレベル4では、一般の人も避難対象となり、この段階までに避難を完了しておくことが求められる。そしてレベル5は、すでに災害が発生、または切迫している状況を示す段階。この時点では避難場所への移動ではなく、建物の上階へ移動するなど、その場の状況に応じて命を守る行動を取ることが重要になる。
クリス:「避難時は垂直移動をするように」という言葉もありますよね。
森田:大雨時などはそうですね。その都度、情報は出ますが、一般的には「今の現象はレベルいくつか」を理解しておくことです。レベル2なら注意、レベル3なら避難準備、レベル4ならすぐ避難、レベル5はもう危険が現実化している。その感覚を持っておくことが大事です。
クリス:これからの夏は特にこうした情報も増えますが、頭ではわかってはいるけれども、行動が遅くなるんだろうなと感じてます。
森田:何にでも言えることだと思いますが、最後の最後は自分しか自分を助けられないんですよね。たとえば、今ここで突然、1時間100ミリ級の豪雨が降ったとします。その雨をいちばん最初に感じるのは誰かというと、気象庁ではなく自分自身なんですよ。今、自分の頭の上で起きていることは、自分だけが最初に経験している。つまり、自分が最初の観測者であり、発信者なんです。そう意識すると、行動も変わるんじゃないかと思います。
クリス:責任はやっぱり自分で持つということですよね。天気予報は参考にしつつ、「違ったじゃないか」と言うだけではなく、自分で判断する必要もありますよね。
森田:ただ、今は社会が豊かになって情報も増えたので錯覚しやすいんですよね。「自分よりも周りの人のほうが自分の状況を知っているんじゃないか」「周囲が騒いでいないから大丈夫なんじゃないか」と。でも、そうではないんです。
異常気象から気候変動の時代へ
続いて、話題は2026年の夏について。森田は「今年も暑い夏になる」と見通しを語る。森田によると、気象の世界では一般的に「30年に1回程度の頻度で起きる現象」を「異常気象」と捉える。しかし近年は、3年前、2年前、そして1年前と、30年に1回レベルとされる猛暑が立て続けに発生しているという。
「30年に1回」が何年も続くのであれば、それはもはや例外的な出来事ではない。森田は、こうした状況を単なる異常気象ではなく、「気候変動」と捉えてもよいのではないかと指摘する。つまり一時的な振れ幅ではなく、気候そのものの基準が変化してきているという考え方だ。そのうえで森田は、2026年は気象に関わる立場から見ても非常に関心の高い年だと語った。
森田:なぜかというと3年連続猛暑に加えて、今年は「エルニーニョ現象」が起き始めているんです。少し複雑ですが、エルニーニョが起こると、これまで日本は冷夏になることが多いとされてきました。もしエルニーニョなのに猛暑になったらどうなるのか。我々にとっても経験したことのない状況です。だから、みなさんも感覚として「何かおかしい」と思っているかもしれませんが、それが数字として裏付けられる時代に入ったのかもしれません。
クリス:ときどき、ものすごく暑い日があって「記録的」とニュースになりますけど、調べると50年前にも同じようなことがあったりして、「急激に変わったわけではないのかな」と思うこともあります。
森田:30年に1回レベルのことが何年も続いて、今年も同じようなことが起こったら、やはり地球全体がおかしくなっている可能性は考えなければいけないですね。
クリス:気候が変わると、食べ物も変わりますよね。海の環境も変わるし、ワイン用のブドウ畑も産地が移動しています。以前は作れなかった場所で栽培できるようになったり、逆に作れなくなったりしています。
森田:そのなかで、実はいちばん危機的なのは干ばつなんです。本来、雨が降る地域で降らなくなる。もともと雨の少ない地域では、さらに降らなくなる。昔から「20世紀は石油の時代、21世紀は水の時代、水を巡る争いの時代」と言われていましたが、本当にそうなりつつあります。
クリス:そう考えると、天気予報って暮らしの情報ということだけじゃなくて、本当に重要な指針になってきてますね。以前のような、ほのぼのした天気予報とは前提が違いますよね。
森田:天気予報そのものは当たるようになってきていますし、災害時にどう行動すべきかも伝えられるようになりました。でも、その一方で天気自体が変わってきている。その変化によって災害が増えたり、社会が不安定になったりしている。そういう時代になってきたんだと思います。
クリス:今は天気予報だけじゃなく、世界中の災害情報もすぐ入ってきますよね。常にどこかで何かが起きているように感じて、不安になります。
森田:実は、台風やサイクロンなど直接的な気象災害による死者数は減っているんです。一方で、干ばつや雨が降らない地域での豪雨など、気候変動そのものによる影響は広がっています。台風は地域的な被害ですが、気候変動は地球全体の問題です。つまり、規模そのものが変わってきたということなんですよね。
AI時代だからこそ求められる経験値
日本最年長のお天気キャスターとして活躍する森田。クリスは、生涯現役で伝え続けようという使命感があるのではないかと問いかける。森田:長く続けることがいいとは特に思わないんですけど、やり続けるのはけっこういいことなのかなと思いますね。昔は年長者を大事にする文化がありましたよね。今ももちろんありますけど、それって結局、経験値なんだと思うんです。人間って瞬間的な判断力は別として、20代より30代、30代より40代と経験が積み上がっていきますよね。そう考えると、人がまだ知らないことや、AIでも言えないようなことを伝えられるようになるんじゃないかと思って、今も続けています。もちろん、自分がやりたいと思っていても、求められなければ終わってしまうので、求められる限りは伝えていきたいですね。
クリス:これからどうなっていくかわかりませんが、AIと比べたとき、経験してきた時間や、それを言葉で表現することって人間ならではの醍醐味でもありますよね。
森田は、天気予報そのものの精度は今後さらに向上していくと語る。生成AIやコンピューターの進化によって、予測や計算はますます正確になっていくだろうと予測した。
一方で、その情報をどう受け止め、どのように判断し、行動につなげるかという部分には、人間の役割が残されているのではないかと語る。そうした思いを強く持つようになったきっかけとして、森田は九州北部豪雨での経験を挙げた。
森田:被害が大きかった地域を取材したとき、たまたま助かった方に話を聞いたんです。その方は避難して助かったんですが、「なぜ避難したんですか」と訊くと、「自分は逃げたくなかったけど、近しい人が『逃げよう』と言ったから逃げた」と。そう答える方がけっこう多かったんです。人って、テレビやラジオで「逃げてください」と言われても動かないことがあります。でも、親しい人に「本当に危ないから行こう」と言われると動ける。そういうものなんだとわかったんです。
クリス:体が動くって、やっぱり気持ちが動かないと難しいですもんね。
森田:そうなんです。だから我々は、その前段階として「本当に危ないんだ」と伝えられるだけの言葉を持っていたいと思うんです。そういう言葉って、やっぱり経験値から出てくるものなんですよね。
天気を伝える力に求められるのは「正確さ」だけではない?
森田は、1992年に民間気象会社である株式会社ウェザーマップを設立し、後進の育成にも力を注いできた。そこでクリスが、次の世代に求められる「天気の伝え方」について尋ねたところ、森田はその難しさを率直に認める。天気予報そのものの精度は大きく向上しているものの、5~10パーセント程度の誤差は避けられないという。その不確実さを含んだ情報を、どのように受け手へ届けるかは、伝える側それぞれの考え方や姿勢によるものだと語る。そのうえで、近年の情報発信については、表現がやや直線的になっているように感じるとも指摘した。
クリス:データが正確になったからこそ、人間側もその正確さに合わせなきゃいけない空気がありますよね。これって、お天気だけじゃないと思うんです。だからこそ5パーセントくらいの誤差って、居心地がいいというと変ですが、大事な余白なんじゃないかと思うんです。
森田:まさしくそうで、同じ考え方だと思います。僕らの今の社会って、曖昧さを許さないですよね。一方で、曖昧さが人との関係を滑らかにしてくれる部分もあります。全部、数字で線引きすると、そこから外れたものを排除してしまう。災害もそうです。「何ミリだから避難」「こうしなさい」と社会的圧力だけが強くなると、それは少し違うんじゃないかと思うんです。伝える側も受け取る側も「5パーセント、10パーセントくらいの誤差は認めようよ」という感覚が必要なんじゃないでしょうか。少し違っただけで「間違っている」と排除したり、訴訟になったりする社会は息苦しいですよね。
クリス:お天気の話もそうですが、受け手側がその5パーセントを想像する必要もありますよね。結局、自分の生活や行動に関わることですし。
森田:まさにそうです。だから、誤差を許容できる人になってほしいと思います。
クリス:そうですね。森田さんが伝え続けてくださる限り、大丈夫な気がします。長年、状況が変わり続けるなかでもお天気を伝え続けてくださっていて、私たちは天気以上のものを受け取っている気がします。
森田正光の最新情報は株式会社ウェザーマップの公式サイトまで。
クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。
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2026年6月25日28時59分まで
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