開発ユニット・AR三兄弟の長男として、あらゆるジャンルの「拡張」を手がけてきた川田十夢がお届けするJ-WAVEのラジオ番組『INNOVATION WORLD』が、10年の歴史に区切りをつけ、新番組『SYNCREATE』(毎週金曜20:00-22:00)として生まれ変わる。
コンセプトは、異なるもの同士が出会うことで新しい何かが生まれることを意味する「創発」。テクノロジー、アート、音楽、クリエイティブがクロスオーバーし、様々なデジタルプラットフォームやメディア、アーティストとコラボレーションしていく。「note」とのコラボレーション企画や、AI による人生相談コーナーなど多彩な企画を予定。
ナビゲーターとして、NHKで9年間キャリアを積んだフリーアナウンサー・中川安奈が仲間入り。テクノロジーの進化と並走してきた番組が、AI時代に「創発」を掲げて新たなステージへ踏み出す──番組開始を前に、二人に話を聞いた。
川田:初対面は去年の11月か12月くらい、ゲストとして出ていただいたのが最初です。中川さんは「明るさ」が印象に残りました。僕は九州生まれなんですけど、南の地域の人ってデフォルトの明るさがあるんですよ。
──その部分で共鳴があったと。中川さんは10歳から四年間、プエルトリコにお住まいだったんですよね。
中川:そうなんです。カリブ海で育ったこともあって楽しいことが大好きで。川田さんのラジオを聴いていると、いつも楽しいことを探されている"陽キャ"な雰囲気を感じて、「一緒にワクワクさせていただきたいな」という思いでゲストとしてスタジオに入ったことを覚えています。
──実際に会われて、いかがでしたか。
川田:僕、教養って明るさの中にもあると思っていて。世間的に知的な喋り方というと、言葉数を少なくして存在感を溜めてから一言喋る、みたいなものとされがちじゃないですか。僕はそういうのを信じていなくて、「ひたすら明るいけど、いいこと言ってるな」と感じる人が好きなんですよ。中川さんはまさにそうで、自分の経験と紐づいた背伸びしてないリアクションをしてくれるし、エピソードも盛らない。
中川:たしかに……あ、でも、独立して民放のテレビに出演させてもらうようになってから、盛り癖はちょっとついちゃっているかも(笑)。
川田:(笑)。
中川:でも、嘘はないです。
川田:海外経験も豊富で語学も堪能だし、頭がいい人なんだけど、頭のよさがそんなに全面に出てこない……って言うと語弊があるかもしれないけど(笑)、すごく話しやすくてラジオ向きだなと思ったんです。
川田:ちらっと「番組が変わるかも」程度ですね。じゃあどんな人と一緒にやろうか、ちょうど探していたところでした。
中川:実はフリーアナウンサーになって最初にお邪魔したのがJ-WAVEでした。憧れの局でしたし、川田さんの作る音楽も日常的に聴いているくらい尊敬しているので、こうしてお仕事をご一緒させていただけることがすごく嬉しくて。今の段階では、打ち合わせで川田さんとスタッフさんのやりとりを聞いて「高度だな」と感じることがあるので、勉強していかないと……と気を引き締めているところです。
――川田さんはいかがでした?
川田:明るい中川さんが入るというのは、もう“希望”ですね。『INNOVATION WORLD』で10年間、マイクに向かってずっと一人で喋っていて。最近のラジオは二人でやるのが定番になってきているから、自分もできたらと思っていたんですよ。
中川:私、NHKに9年いて、社会人10年目なんです。ほぼ同じ期間、番組をおひとりでやってらっしゃったと思うとすごいですね。
川田:自分が得意なプログラムや技術的な話をするとき、説明をスキップしちゃっている部分もある気がするから、中川さんの正直な感覚で「今のはどういうことですか?」とか挟んでもらえると、リスナーも聴きやすいかなと。そこをすごく期待しています。カタカナとかが多くなったときに、平たい言葉にしていってほしい。あと、普通にプロフィール紹介とかをしてほしい、それをずっと僕が一人でやってたからさ、毎週2時間。
中川:大変ですよね。そのあたり、しっかりやりますので任せてください! 進行もしつつ、テクノロジーの疑問点を訊きつつでがんばりたいと思います。
――『INNOVATION WORLD』は2015年のスタートから今まで、まさにテクノロジーで社会が激動する時代と並走してきた番組です。今、生まれ変わることについて、どんな気持ちがありますか?
川田:いろんな業種の人と可能性を話し合って創発する上で、ベストなタイミングだなと思っています。今、AIの力を借りることで、技術の壁がなくなって、お互いプロとして手加減なく語り合える状態になっている。だからこそ逆に、ちょっと素人っぽさが残るアイデアのほうがおもしろいし、“会話”の機会だと感じています。
――異なるもの同士が出会うことで新しい何かが生まれる「創発」がコンセプトということで、どんな化学反応が起こるのか楽しみです。中川さんはこの言葉を最初に聞いたときどう感じましたか?
中川:「創発」という言葉を、実はこの番組で初めて知ったんです。創造するって、アナウンサーの仕事にはほぼないことなので。そこに飛び込めるのは嬉しいんですが、正直ちょっと「大丈夫かな」とも。
川田:明るさだけでも十分ありがたいし、教養のある人だから大丈夫ですよ。
中川:そもそも「創発」という言葉自体は、もともとある熟語なんですか?
川田:創発はありますね。「SYNCREATE(シンクリエイト)」は番組で作った造語です。
中川:なるほど。
中川:実は、AIにちょっと不信感があるんです。MCのお仕事だと、事前に共演者のプロフィールを調べるんですけど、そのときにAIを使ったら「これは違うのでは?」という情報が出てきたことがあって。
──事実ではない情報をもっともらしく生成する「ハルシネーション」は、AIを使う上でやっかいですよね。
中川:そうですよね。だから、AIとうまく生きていく方法を学びたいですし、私のように活用しきれていない人もまだまだ多いと思うから、「こういうポイントを抑えるといいよ」みたいなこともシェアしていけたらいいなと。
川田:使っているのはChatGPT? 回答するときのモデル、言わば「窓口」みたいなものが複数あるので、なるべく高いバージョンのモデルに聞くと変なことを言いにくくなりますよ。あと、リサーチも、「Deep Research」というモードがあって、論文もあげてくれるような精度。ゲストを迎えるときなんかに使うと、その人の情報が大体まとまってくる。
中川:そうなんですか! こういう素朴な質問も番組でしていけたらと思っています。
川田:毎週、コーナーの間に自由に話すスキマがあると思うから、テクノロジーでわからないことがあったら訊いてくれれば。
中川:問われますね、アドリブ力が……! 今もうひとつ思っているのは、AIで文章を作ると、けっこうバレちゃうじゃないですか。どうやったらうまく活用していけるんだろう、という。
川田:それは、全部じゃなくトピックだけ書かせるのがいいですね。事実関係だけを作らせて、文章の「おもむき」は自分で書く。
中川:なるほど。言葉のリズムなどで自分らしさが出せるということですね。
――川田さんは、番組でやってみたいことはありますか?
川田:形を作りたいですね。必ずしも仕事としての創発じゃなくてもいいと思っていて。例えばゲストと意気投合して、「3人でLINEグループ作っちゃいました」みたいなこともあると思うんですよ。
──そこから何かが生まれていくことは、大いにしてありそうですね。
川田:あと、中川さん自身をよくわかったら「中川さんを拡張する」というのを考えたいです。
中川:やったー! お願いします。
川田:中川さんってオフィシャルグッズとか、アクスタとか作ってないの?
中川:ないですよ(笑)。
川田:じゃあアクスタとかいいね。中川さんが飛び出してるやつ。「一家に1台中川さん」みたいな。
――川田さんは以前、「本人が飛び出すARアクスタ」を独自に開発されて、Xで約658万回も再生されてましたもんね。
中川:私が食卓に出てくるっていう。笑っちゃいますね(笑)。
中川:ラジオは、人のぬくもりを伝える力のあるメディアだと思います。AIに聞けば疑問が解決するような時代だからこそ、人を通して聴く魅力を届けていければと思います。ラジオにはそういう力があるんじゃないかなと。
川田:最近のニュースで、お年寄りの脳の活性化のために、その人たちが全盛期を過ごした時代のラジオをAIで再現して聴かせるというのがあって。
中川:へえ!
川田:いい話だなと思う一方で、それって自動的なラジオじゃないですか。で、自動的なラジオは、僕たちのラジオ番組をお手本にするわけです。だからこれからの表現は、半分は人間に向けるけど、半分はAIに向けてやる。「人間っていうのはこういうもんだ」というのを一方で示さないと、本当に冷たい放送になっちゃう。一言一句、台本通りに話すと機械みたいじゃないですか。機械はミスもしないし、噛まないし、汗もかかない。人間はそうじゃなくて、例えば「あ、ちょっとこれ違うかな」みたいな違和感をその都度示しますよね。そこが聴いた人と繋がったときに「人の香りがする、人間味がする」っていう。だから、喜怒哀楽をちゃんと出していきたいなと思います。
――まさに「人のぬくもり」ですね。最後に、リスナーの方へメッセージをお願いします。
中川:長年聴いていらっしゃる方々にとっては「そんなことも知らないのか」という質問をさせていただくこともあるかと思うんですけど、私みたいなビギナーの人たちに向けても、どんどんこの番組を知って聴いてもらえるよう、楽しくお届けできたら嬉しいです。
川田:聴いてる人のアイデアの一助になればいいし、「こういうやり方があるんだ」とか「やろうと思っていたことを番組がやってくれた」とかの発見がある内容を心がけるんで、実験に付き合ってるような感じで番組を聴いていただければと思います。
J-WAVE『SYNCREATE』は毎週金曜20時〜22時に放送。
(取材・文=西田友紀、撮影=竹内洋平)
コンセプトは、異なるもの同士が出会うことで新しい何かが生まれることを意味する「創発」。テクノロジー、アート、音楽、クリエイティブがクロスオーバーし、様々なデジタルプラットフォームやメディア、アーティストとコラボレーションしていく。「note」とのコラボレーション企画や、AI による人生相談コーナーなど多彩な企画を予定。
ナビゲーターとして、NHKで9年間キャリアを積んだフリーアナウンサー・中川安奈が仲間入り。テクノロジーの進化と並走してきた番組が、AI時代に「創発」を掲げて新たなステージへ踏み出す──番組開始を前に、二人に話を聞いた。
「教養のある明るさ」とは?
――中川さんとのツインナビゲートになり、雰囲気も変わりそうです。おふたりの第一印象は?川田:初対面は去年の11月か12月くらい、ゲストとして出ていただいたのが最初です。中川さんは「明るさ」が印象に残りました。僕は九州生まれなんですけど、南の地域の人ってデフォルトの明るさがあるんですよ。
──その部分で共鳴があったと。中川さんは10歳から四年間、プエルトリコにお住まいだったんですよね。
中川:そうなんです。カリブ海で育ったこともあって楽しいことが大好きで。川田さんのラジオを聴いていると、いつも楽しいことを探されている"陽キャ"な雰囲気を感じて、「一緒にワクワクさせていただきたいな」という思いでゲストとしてスタジオに入ったことを覚えています。
<中川安奈:3歳から4年間フィンランド、10歳から4年間プエルトリコに在住。帰国後、慶應義塾湘南藤沢高等部、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業。2016年NHKにアナウンサーとして入局。NHK秋田放送局、NHK広島放送局を経て2020年に東京アナウンス室で活動。2025年に独立し、フリーアナウンサー、タレントとして活動を開始>
川田:僕、教養って明るさの中にもあると思っていて。世間的に知的な喋り方というと、言葉数を少なくして存在感を溜めてから一言喋る、みたいなものとされがちじゃないですか。僕はそういうのを信じていなくて、「ひたすら明るいけど、いいこと言ってるな」と感じる人が好きなんですよ。中川さんはまさにそうで、自分の経験と紐づいた背伸びしてないリアクションをしてくれるし、エピソードも盛らない。
中川:たしかに……あ、でも、独立して民放のテレビに出演させてもらうようになってから、盛り癖はちょっとついちゃっているかも(笑)。
川田:(笑)。
中川:でも、嘘はないです。
川田:海外経験も豊富で語学も堪能だし、頭がいい人なんだけど、頭のよさがそんなに全面に出てこない……って言うと語弊があるかもしれないけど(笑)、すごく話しやすくてラジオ向きだなと思ったんです。
10年間、ふたりがやってきたこと
──今のやりとりからも中川さんの自然体な魅力が伝わってきました。ゲスト出演時、新しい番組の話はもう出ていたのですか?川田:ちらっと「番組が変わるかも」程度ですね。じゃあどんな人と一緒にやろうか、ちょうど探していたところでした。
中川:実はフリーアナウンサーになって最初にお邪魔したのがJ-WAVEでした。憧れの局でしたし、川田さんの作る音楽も日常的に聴いているくらい尊敬しているので、こうしてお仕事をご一緒させていただけることがすごく嬉しくて。今の段階では、打ち合わせで川田さんとスタッフさんのやりとりを聞いて「高度だな」と感じることがあるので、勉強していかないと……と気を引き締めているところです。
――川田さんはいかがでした?
川田:明るい中川さんが入るというのは、もう“希望”ですね。『INNOVATION WORLD』で10年間、マイクに向かってずっと一人で喋っていて。最近のラジオは二人でやるのが定番になってきているから、自分もできたらと思っていたんですよ。
中川:私、NHKに9年いて、社会人10年目なんです。ほぼ同じ期間、番組をおひとりでやってらっしゃったと思うとすごいですね。
川田:自分が得意なプログラムや技術的な話をするとき、説明をスキップしちゃっている部分もある気がするから、中川さんの正直な感覚で「今のはどういうことですか?」とか挟んでもらえると、リスナーも聴きやすいかなと。そこをすごく期待しています。カタカナとかが多くなったときに、平たい言葉にしていってほしい。あと、普通にプロフィール紹介とかをしてほしい、それをずっと僕が一人でやってたからさ、毎週2時間。
中川:大変ですよね。そのあたり、しっかりやりますので任せてください! 進行もしつつ、テクノロジーの疑問点を訊きつつでがんばりたいと思います。
今、“創発”がベストなタイミング─その理由
<川田十夢:開発者、AR三兄弟、公私ともに長男。2014-2016年 J-WAVE『THE HANGOUT』火曜ナビゲーターを担当したのち、『INNOVATION WORLD』は10年に渡ってオンエア。WIREDなどで連載を持つ。芸術から芸能まで、ジャンルを越えた拡張を続ける。通りすがりの天才。>
川田:いろんな業種の人と可能性を話し合って創発する上で、ベストなタイミングだなと思っています。今、AIの力を借りることで、技術の壁がなくなって、お互いプロとして手加減なく語り合える状態になっている。だからこそ逆に、ちょっと素人っぽさが残るアイデアのほうがおもしろいし、“会話”の機会だと感じています。
――異なるもの同士が出会うことで新しい何かが生まれる「創発」がコンセプトということで、どんな化学反応が起こるのか楽しみです。中川さんはこの言葉を最初に聞いたときどう感じましたか?
中川:「創発」という言葉を、実はこの番組で初めて知ったんです。創造するって、アナウンサーの仕事にはほぼないことなので。そこに飛び込めるのは嬉しいんですが、正直ちょっと「大丈夫かな」とも。
川田:明るさだけでも十分ありがたいし、教養のある人だから大丈夫ですよ。
中川:そもそも「創発」という言葉自体は、もともとある熟語なんですか?
川田:創発はありますね。「SYNCREATE(シンクリエイト)」は番組で作った造語です。
中川:なるほど。
AIとの付き合い方を、ビギナーにもわかりやすく届ける
――現時点で、中川さんはAIとどう付き合っていますか?中川:実は、AIにちょっと不信感があるんです。MCのお仕事だと、事前に共演者のプロフィールを調べるんですけど、そのときにAIを使ったら「これは違うのでは?」という情報が出てきたことがあって。
──事実ではない情報をもっともらしく生成する「ハルシネーション」は、AIを使う上でやっかいですよね。
中川:そうですよね。だから、AIとうまく生きていく方法を学びたいですし、私のように活用しきれていない人もまだまだ多いと思うから、「こういうポイントを抑えるといいよ」みたいなこともシェアしていけたらいいなと。
川田:使っているのはChatGPT? 回答するときのモデル、言わば「窓口」みたいなものが複数あるので、なるべく高いバージョンのモデルに聞くと変なことを言いにくくなりますよ。あと、リサーチも、「Deep Research」というモードがあって、論文もあげてくれるような精度。ゲストを迎えるときなんかに使うと、その人の情報が大体まとまってくる。
中川:そうなんですか! こういう素朴な質問も番組でしていけたらと思っています。
川田:毎週、コーナーの間に自由に話すスキマがあると思うから、テクノロジーでわからないことがあったら訊いてくれれば。
中川:問われますね、アドリブ力が……! 今もうひとつ思っているのは、AIで文章を作ると、けっこうバレちゃうじゃないですか。どうやったらうまく活用していけるんだろう、という。
川田:それは、全部じゃなくトピックだけ書かせるのがいいですね。事実関係だけを作らせて、文章の「おもむき」は自分で書く。
中川:なるほど。言葉のリズムなどで自分らしさが出せるということですね。
川田:形を作りたいですね。必ずしも仕事としての創発じゃなくてもいいと思っていて。例えばゲストと意気投合して、「3人でLINEグループ作っちゃいました」みたいなこともあると思うんですよ。
──そこから何かが生まれていくことは、大いにしてありそうですね。
川田:あと、中川さん自身をよくわかったら「中川さんを拡張する」というのを考えたいです。
中川:やったー! お願いします。
川田:中川さんってオフィシャルグッズとか、アクスタとか作ってないの?
中川:ないですよ(笑)。
川田:じゃあアクスタとかいいね。中川さんが飛び出してるやつ。「一家に1台中川さん」みたいな。
――川田さんは以前、「本人が飛び出すARアクスタ」を独自に開発されて、Xで約658万回も再生されてましたもんね。
中川:私が食卓に出てくるっていう。笑っちゃいますね(笑)。
推しのアクリルスタンドは健康に良いと聞いたので、本人が飛び出すタイプを独自開発しました。 pic.twitter.com/XewFaJve4b
— 川田十夢 (@cmrr_xxx) February 8, 2023
「AIが作るラジオ」のお手本になる
――ラジオという昔からあるメディアで最先端のテクノロジーを語るところが『SYNCREATE』のおもしろさのひとつなのではと思います。ラジオについては、どんな思いがありますか?中川:ラジオは、人のぬくもりを伝える力のあるメディアだと思います。AIに聞けば疑問が解決するような時代だからこそ、人を通して聴く魅力を届けていければと思います。ラジオにはそういう力があるんじゃないかなと。
川田:最近のニュースで、お年寄りの脳の活性化のために、その人たちが全盛期を過ごした時代のラジオをAIで再現して聴かせるというのがあって。
中川:へえ!
川田:いい話だなと思う一方で、それって自動的なラジオじゃないですか。で、自動的なラジオは、僕たちのラジオ番組をお手本にするわけです。だからこれからの表現は、半分は人間に向けるけど、半分はAIに向けてやる。「人間っていうのはこういうもんだ」というのを一方で示さないと、本当に冷たい放送になっちゃう。一言一句、台本通りに話すと機械みたいじゃないですか。機械はミスもしないし、噛まないし、汗もかかない。人間はそうじゃなくて、例えば「あ、ちょっとこれ違うかな」みたいな違和感をその都度示しますよね。そこが聴いた人と繋がったときに「人の香りがする、人間味がする」っていう。だから、喜怒哀楽をちゃんと出していきたいなと思います。
中川:長年聴いていらっしゃる方々にとっては「そんなことも知らないのか」という質問をさせていただくこともあるかと思うんですけど、私みたいなビギナーの人たちに向けても、どんどんこの番組を知って聴いてもらえるよう、楽しくお届けできたら嬉しいです。
川田:聴いてる人のアイデアの一助になればいいし、「こういうやり方があるんだ」とか「やろうと思っていたことを番組がやってくれた」とかの発見がある内容を心がけるんで、実験に付き合ってるような感じで番組を聴いていただければと思います。
J-WAVE『SYNCREATE』は毎週金曜20時〜22時に放送。
(取材・文=西田友紀、撮影=竹内洋平)