崎山蒼志が語る、“Thundercatと父ちゃん”との思い出「タワーレコードで見て『これ、なんなんだろう』と…」

シンガーソングライターの崎山蒼志が、最新アルバム『good life, good people』への想いや制作スタイルについて語った。

崎山が登場したのは、5月19日(火)放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann〈セレイナ・アン〉)のゲストコーナー。東京をGROOVEさせる音楽とカルチャー、そして日夜それを創り出す刺激的で面白い人々が集い、語らうプログラムだ。

エッセイ、演劇と初挑戦が続いた2025年を振り返る

『GRAND MARQUEE』にはおよそ1年ぶりの出演となった崎山。2025年のはじめにはワンマンツアー「The Best Tour 2018-2025」を開催し、最終公演を東京・Zepp Shinjukuで実施した。

セレイナ:7年間の活動を振り返るセットリストだったということですが、このツアーはどうでしたか?

崎山:もともと自分が弾き語りで出てきて、バンドサウンドとかいろいろなものに挑戦してやってきたんだなと客観的に思えました。セットリストを組むのが難しかったですね。いろいろな曲がありすぎて、「なんでこんな、いろんな曲を作ったんだろう?」って(笑)。

タカノ:たしかに、デビューされたのがティーンのころでしたが、そのときすでに持ち曲が数百曲あるというのをどこかで見ました。今ではどのくらいになったのでしょうか。

崎山:管理できてないですね。「どこにいっちゃったんだろう?」という感じです。いろいろな人とコラボしたような曲もあって、「みなさん、ありがとうございます」という気持ちになりました。

タカノ:振り返ることができる、いい時間ですね。

セレイナ:音楽活動以外で言うと、初の書籍『ふと、新世界と繋がって』(新潮社)の発売がありました。

崎山:はい。エッセイを書かせていただいて、すごく楽しい機会でした。

タカノ:文章の執筆のお仕事というのは、どうでしたか?

崎山:締め切りが音楽よりマメにあるというのが、すごくいい習慣になったなと思って。連載しているあいだは、生活習慣が整っている感じがしました。終わった瞬間に生活リズムが崩れるというか(笑)。

セレイナ:ルーティンがなくなった感じで。

崎山:そうそう、また書かせていただくと治るみたいな。僕にとってはありがたい習慣だなと思いました。

セレイナ:中身としては日記のような。普段、見せるためではなくて自分のために日記を書いたりはしていますか?

崎山:普段はあんまり書かないですね。

タカノ:では、ちょっと新鮮な体験?

崎山:人のものを読むことのほうが多いです。人の私小説とかを読むのはめっちゃ好きですね。

セレイナ:演劇にも初挑戦されましたよね。ご友人である演劇団体・様相の主催、カワノヨウタさんの舞台『宇宙と浮遊する六畳』ということで。これはどういった立ち位置で舞台に参加されたのでしょうか。

崎山:本当に仲のいい友人なんですけど 、後ろでずっと音楽をやるということをしました。ほぼライブでした。

セレイナ:劇伴を生演奏しているみたいな?

崎山:生で劇伴するというやつでした。

セレイナ:それ、めちゃ大変じゃないですか? ずっと歌い続けるんでしょうか。

崎山:歌はあまり歌ってなくて。ギターを弾いたりとか、なにかしら動かしてるみたいな。すごく楽しかったです 。

タカノ:アドリブとかも入ったりするんですか?

崎山:ちょっとだけ、場の空気とかで。

タカノ:うわあ、難しそうです。

崎山:でも、そういうのは面白かったです。

タカノ:お客さんとしても演劇体験として新鮮ですよね。

混ざり合う感情をのせたブログ的なアルバム

崎山は4月にニューアルバム『good life, good people』をリリース。番組では同作に収録されている『ending routine feat. 原口沙輔』をオンエアした。

崎山蒼志 / ending routine feat. 原口沙輔 [Lyric Video]

タカノ:バラエティに富んだ曲があって、いろいろなドアがあって、ドアを開けるたびにいろいろな違う世界が見える感覚というか。2年8カ月ぶりのフルアルバムなんですよね。

崎山:かなり経ってるなという気はします。

タカノ:この2年間どうでしたか?

崎山:けっこう混沌としていたというか、出会いもあったし、別れもあったしみたいな。自分のなかで処理できない感情みたいなものがいっぱいあって、そういう暗い歌詞も多いんですが、わりとブログ的なアルバムになったなと思います。参加してくださった方や、いつも会ってる友人も含めて“グッドなピープル”に囲まれているから、取り戻すみたいな。会うと取り戻して“グッドライフ”がやってくる、みたいな感じでした。

タカノ:沙輔さんとのコンビネーションもいいですよね。

崎山:本当にうれしいです。彼が大好きで。

タカノ:『ending routine』のやり取りはスムーズだったのでしょうか。

崎山:2025年1月に、スタジオにふたりで入って。そのまま好きな音楽とかをしゃべり合って「じゃあ、やろう」みたいな感じでした。即興でギターを弾いたり、トラックを打ってくれたりとか「ここはこうだね」と、わりとスムーズに作れました。

タカノ:沙輔くんとかもトラックメイカーというか、ボカロをやったりもしています。セッションするとなると、そういう感じなんですね。その場でループみたいなのを作ったりとか打ち込んで。

崎山:ここは僕、あっちは沙輔くんとか。あとは部分部分作っていって。もともと、ふたりとも似た音楽を好きだから、そこもつながって。テーマもパッと見つかったのでよかったです。

タカノ:参加アーティストがすごく豪華で、同世代も多い印象です。

崎山:Mega Shinnosukeくんは仲よくしゃべる友だちで。そんなに意識していないけど、同世代で固まったという感じです。

タカノ:諭吉佳作/menさんとかね。

セレイナ:あとはPAS TASTAのkabanaguさんとか、yuigotさんもですよね。

タカノ:そこら辺の化学反応も含めて、みなさんぜひアルバムもチェックしてください。

崎山:ぜひ。

セレイナ:気になったのが、アルバムの曲順です。先ほどお話に出てきたMega Shinnosukeさんも参加されている『人生ゲーム』という楽曲が2回出てきたりします。アルバムを普通に構成するとしたら、違うバージョンは最後に置くとか。



崎山:そうですね、リミックスバージョンはいちばん最後ですよね。

セレイナ:ボーナストラックみたいな感じで入れるのかなと思ったりするんです。だけど、それが2曲目にリミックスで『人生ゲーム』がきて、ノーマルバージョンが11曲目のラストにきています。

崎山蒼志×Mega Shinnosuke×紫 今 / 人生ゲーム [Official Music Video]崎山蒼志×Mega Shinnosuke×紫 今 / 人生ゲーム [Official Music Video]

タカノ:面白いですよね。

崎山:これは最後に配置するイメージで頼んだんですけど、かっこよくて早く聴いてほしいから2曲目にしました。

セレイナ:面白い(笑)。

タカノ:そこら辺も新しいですよね。『eden』のかもめ児童合唱団も以前、番組で取り上げました。

Eden pt.2

崎山:めちゃくちゃヤバいですよね。

セレイナ:これは以前にこの楽曲のパート2が出ていて、今回がパート1っていう立ち位置になっているんですか? 順番もすごく面白いです。そういう仕掛けがお上手だなと思って。



崎山:村上春樹さんが好きだから、同じ主人公で連作になっているとか。完全な後付けですが。

セレイナ:さっき曲が流れているあいだに、ここでしゃべったんですよね。「どんな本がお好きなんですか?」という。

崎山:村上さんが好きで。

タカノ:今後も楽しみですよね。なにかが伏線になっているかもしれないし、このアルバムに入っている曲から、またなにかにつながってね。

崎山:後付けでやらせていただきたいなと(笑)。

父親とともに好きになったThundercat

この日の『GRAND MARQUEE』では「Thundercat Tuesday」と題して、ジャパンツアーが始まるThundercatを特集。番組では崎山が好きだという『Show You The Way』をオンエアした。

Thundercat - 'Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)' (Official Video)

セレイナ:こちらはMichael McDonaldとKenny Logginsがフィーチャリングで入っている2017年の曲です。こちらの好きなポイントは?

崎山:Thundercatさんの楽曲は、彼が6弦ベースだから和音っぽく鳴らす感じがあって。いわゆる僕が知っているベースの機能とちょっと違ったりとか、和音の楽器として機能しているところが、超魅力的だなと感じています。

セレイナ:和音の楽器として機能している。ギターでコードを弾くみたいな感覚で使っていると。

崎山:わりと鳴っているのがリフっぽかったり、高音でフランジャー(原音にわずかに遅らせた音を混ぜ合わせることができるエフェクト)みたいなのがかかったので弾いていたりとか。音の感じもめちゃかっこいいし、曲もクラシックの感じもあるんだけど新しさもあるというか、そこも大好きです。声もめちゃいいけど、見た目も大好きです。

タカノ:かっこいいですよね。

崎山:ヤバいなと思って。『Drunk』というアルバムで『地獄の黙示録』みたいな。

タカノ:水のなかに顔が浸かっているね。

崎山:それが超センセーショナルというか。タワーレコードで見て「これ、なんなんだろう」と思って、父ちゃんとめちゃハマりました。父ちゃんがR&Bめちゃ好きで、一緒にハマった記憶があります。

タカノ:お父様が?

崎山:「このジャケはヤバい」「曲ヤバい、めちゃかっこいい」みたいな。

タカノ:いいですね。父との思い出みたいなものも接続されて。

セレイナ:ヤングなときにこのアルバムに出会っているんですね。

崎山:2017年なので、僕は15歳でした。

タカノ:だいぶヤング! 15歳でThundercat聴いてる人、なかなかいない(笑)。

崎山蒼志の最新情報は公式サイトまで。

J-WAVE『GRAND MARQUEE』は月~木曜の16時30分~18時50分にオンエア。
番組情報
GRAND MARQUEE
月・火・水・木曜
16:30-18:50

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