
提供:ENEOS株式会社
地球のよりよい未来の実現に向けたSDGsについてゲストを招き、リスナーと一緒に学んでいくJ-WAVE『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(毎週土曜日14:00〜14:30)。ナビゲーターを務める俳優でモデルの堀田茜が8月某日、東京・Inspired.Lab(インスパイアード・ラボ)にて行われた公開収録に出演した。
ゲストとして登場したのは、お笑いコンビ・マシンガンズで活躍し、ごみ清掃員としても勤務する滝沢秀一氏、そしてENEOS Xplora株式会社 総務部広報・渉外グループの保科達郎氏。滝沢は日本の深刻なごみ問題について、保科氏は「地下」と「二酸化炭素」をキーワードにした「CCS/CCUS」という取り組みについて語った。
堀田:滝沢さんが2019年に出版された『ゴミ清掃員の日常』を読ませていただき感銘を受けました。今回共演ができてうれしいです。そもそも、ごみ清掃員のお仕事を始めたきっかけをお話しいただけますか。
滝沢:子どもの出産費を稼ぐためでした。“ショートネタ”ブームを巻き起こした『爆笑レッドカーペット』に出演していた時期もあったんですけど、その番組が終了して、お笑いの仕事も減ってしまったんですね。
貯金が0円になったタイミングで妻の妊娠が判明してアルバイトを探したんですが、当時36歳でしたから、見つけることができませんでした。それで就職している元芸人に口を利いてもらって始めたのがごみ清掃員。知識0の状態からスタートしました。
堀田:始めてみて、想像していたものとのギャップはありましたか?
滝沢:最初は仕事が見つかってラッキーだと思いました。働いて、家にお金を入れられれば、お笑いを続けてもいいという許可ももらえたので。「匂いはキツくないですか?」なんて言われたりもしましたが、確かに夏は多少厳しいですが30分くらい働けば匂いには慣れます。
ただ、不思議なもので、ごみ清掃工場に行くと、僕らと同じように可燃ごみを集めている車がたくさんあって、それに対しては臭いと思うんです。集めているものが違うからなのか、僕が乗っていた車にだけ耐性ができたのかはわかりませんが、この違いはおもしろいと思いました。
滝沢:不燃ごみを回収していたとき、包丁が飛び出てきたことがありました。ビニールの中にそれだけで入れちゃうと、めちゃくちゃ危険なんです。段ボールで包んで「危険」とか書いてくれると、こっちも気をつけることができる。要は、我々が危険なことがわかればいいんです。でもたまにやりすぎな人がいて「靴」とか「パンツ」と書いている人がいるんです。何でこれを書いたんだ、というね(笑)。
堀田:知らせたかったんですかね(笑)。ごみは捨てるのではなく、相手にパスをするという発想で出すといいのかもしれないですね。
滝沢:いいこと言いますね。ごみステーションという言葉がありますけど、リサイクルできるものは回り回って自分のもとに返ってくることがありますから、そういう意識を持っていただけるとうれしいですね。
滝沢はごみが増えすぎたことによる社会問題について語った。
滝沢:可燃ごみは燃えて灰になり、これらは最終処分場に埋められます。ある日、ものすごい量のごみが集められたときがあって、ベテランごみ清掃員に「東京がごみで埋まりそうですね」と言ったところ「埋まるに決まっているだろ!」と語気を強められたことがありました。
そのときに最終処分場の寿命を知りました。地域によって寿命は様々なんですけど、平均すると、日本全国で24.8年と言われています。簡単に言うと、25年後に日本がごみで埋まるんです。だったら、自らでそういった事実を発信していって、みんなにごみの考え方を変えてもらおうと思ったのが、今日の僕の活動につながっているんです。
堀田:なるほど……! 私は今、32歳なので、57歳のときには日本がごみで埋まってしまうということですね。もっとしっかり考えたいと思います。
滝沢:生ゴミの80%が水分です。これを各家庭で絞ってくれるだけで、だいぶ重量が軽くなるんですよ。
堀田:生ごみって80%も水分なんですね!?
滝沢:そうです。そこに雑菌も繁殖するし、みんなも絞ることにメリットがあるんです。ごみの重みが軽くなれば処理料も安くなるし、ごみを運搬する車のガソリン代も安くなる。そしてやはり水分を含んだ生ごみを焼却するとなると、焼却炉内の温度が下がるので、重油を加える。このエネルギーは税金から賄っているんです。
堀田:なるほど……。私もその事実を知ってから絞るようにしていますが、もっとしっかりとやっていきます……! 生きているだけでごみは出てしまうものだけど、たった少しの工夫で地球のためになるんだなということを学びました。
滝沢:ごみと、どういうふうに向き合うかはとても大事だと思います。たくさんのごみを集めていると、みんなでこの社会で共存していることを自覚します。個人だけで生きているわけではないことをそれぞれに考えて欲しいです。
真面目なトークが中心となったが、芸人らしい話術で公開収録を盛り上げた滝沢。堀田は「聞きたいことが多過ぎて時間が足りない」と嘆きつつ、この番組での滝沢との再共演を約束していた。
堀田:石油や天然ガスを生産されている一方で、環境に配慮した取り組みも行っているとのことですが、どんなことをされているんでしょうか?
保科:石油や天然ガスは「化石燃料」ということで、二酸化炭素をたくさん出すイメージがあると思います。しかしENEOS Xploraでは、カーボンニュートラルが叫ばれる前から、カーボンニュートラルに取り組んできました。実は世界で見ても、先進的に排出した二酸化炭素を回収している企業でもあります。
すると突然、保科氏は堀田に輝く石を手渡した。
堀田:これは何ですか……?
保科:実はこれ、二酸化炭素でできた石で「カルサイト」、日本語では「方解石」と呼ばれるものです。二酸化炭素は空気中に見えない形で存在していますが、地下深くにある状態だと、こうやって宝石のような鉱物の形に変化することがわかっています。
ここからは「地下」と「二酸化炭素」をキーワードにお話しをしたいのですが、「CCS」「CCUS」という言葉をご存知ですか?
堀田:聞いたことがないです。教えてください……!
保科:「CCS」とは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、簡単に言うと、二酸化炭素を地中に閉じ込める技術です。一方の「CCUS」は「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、その地中に埋めた二酸化炭素を活用する技術を指しています。
現在は二酸化炭素を減らす様々な技術がありますが、一度に最も多くの量を処理できるのが、このCCSとされています。先ほど見せた石もこの技術に関連していて、石にしてしまえば、地中に埋めた二酸化炭素が漏れる心配もありません。
堀田:二酸化炭素を石にするという概念を初めて知りました……!
保科:自然界では石になるのに2万年かかると言われていますが、当社ではこれを数年で石にする研究を進めています。ぜひ今後の展開に期待していてください。
堀田:2万年を数年で!? スゴいです! 続けて、CCUSについても教えていただけますか。
保科:CCUSはCCSに加えて、回収した二酸化炭素を有効活用する技術です。具体的には二酸化炭素を枯渇した油田に注入します。枯渇した油田というと、石油を取り尽くして、空っぽのイメージを持たれるかと思いますが、実際は違います。地下にはまだ多くの石油が残っているんです。
石油は井戸を掘ると、地下の圧力で、自然に押し出されます。膨らんだ風船の口から空気が抜けるようなイメージです。この地下の圧力が下がると、自然には出なくなり「枯渇した」と言われます。
そこで二酸化炭素を注入して、圧力をかけると、残った石油を押し出して、回収することができます。同時に二酸化炭素を地下に貯めることができますので、二酸化炭素の活用と貯留を一度に行えるという仕組みです。当社は世界に先駆けて2016年からこの技術を事業化、米国で世界最大級のCCUSプロジェクトを操業しています。
堀田:なるほど……! この技術を使えば、相当カーボンニュートラルに近づけそうですね!
ENEOS Xploraでは確かな実績も出しているという。
堀田:すでに事業化しているとのこと。具体的にどれくらい石油の生産量が増加し、同時に温室効果ガスが削減されたのでしょうか?
保科:油田の生産量は10倍に増加。2025年2月には地下へ注入した二酸化炭素の累計量が500万トンに達しました。これは約140万世帯の年間排出量に相当します。だいたい大阪市が150万世帯ですので、その規模の都市から一年間に出る二酸化炭素を回収して、地下に埋めたことになります。
堀田:そんなに!?
保科:この量の二酸化炭素の地下貯留に成功した企業、つまりこの量の二酸化炭素を削減した実績のある企業は世界を見てもほとんどありません。文字通り、当社が世界最先端を行く事業であり、カーボンニュートラル実現の鍵を握る技術を実用化していることになります。
堀田:すごい取り組みですね。お話しを聞いていて、未来が明るいと思えました! 私たちの日常生活に欠かせないエネルギーは、たくさんの人たちの情熱や技術で支えられていることを改めて実感しました。本日は滝沢さん、保科さん、ありがとうございました!
(取材・文・撮影=中山洋平)
地球のよりよい未来の実現に向けたSDGsについてゲストを招き、リスナーと一緒に学んでいくJ-WAVE『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(毎週土曜日14:00〜14:30)。ナビゲーターを務める俳優でモデルの堀田茜が8月某日、東京・Inspired.Lab(インスパイアード・ラボ)にて行われた公開収録に出演した。
ゲストとして登場したのは、お笑いコンビ・マシンガンズで活躍し、ごみ清掃員としても勤務する滝沢秀一氏、そしてENEOS Xplora株式会社 総務部広報・渉外グループの保科達郎氏。滝沢は日本の深刻なごみ問題について、保科氏は「地下」と「二酸化炭素」をキーワードにした「CCS/CCUS」という取り組みについて語った。
ごみ清掃員の仕事を始めたきっかけは?
滝沢は芸人として活動する一方で、2012年頃よりごみ清掃員として活動。以降、ごみ研究家、環境省サスティビリティ広報大使など、多岐にわたる活躍をしている。そんな滝沢がごみ清掃員を始めたきっかけとは──。堀田:滝沢さんが2019年に出版された『ゴミ清掃員の日常』を読ませていただき感銘を受けました。今回共演ができてうれしいです。そもそも、ごみ清掃員のお仕事を始めたきっかけをお話しいただけますか。
滝沢:子どもの出産費を稼ぐためでした。“ショートネタ”ブームを巻き起こした『爆笑レッドカーペット』に出演していた時期もあったんですけど、その番組が終了して、お笑いの仕事も減ってしまったんですね。
貯金が0円になったタイミングで妻の妊娠が判明してアルバイトを探したんですが、当時36歳でしたから、見つけることができませんでした。それで就職している元芸人に口を利いてもらって始めたのがごみ清掃員。知識0の状態からスタートしました。
滝沢:最初は仕事が見つかってラッキーだと思いました。働いて、家にお金を入れられれば、お笑いを続けてもいいという許可ももらえたので。「匂いはキツくないですか?」なんて言われたりもしましたが、確かに夏は多少厳しいですが30分くらい働けば匂いには慣れます。
ただ、不思議なもので、ごみ清掃工場に行くと、僕らと同じように可燃ごみを集めている車がたくさんあって、それに対しては臭いと思うんです。集めているものが違うからなのか、僕が乗っていた車にだけ耐性ができたのかはわかりませんが、この違いはおもしろいと思いました。
ごみは「捨てる」ではなく「相手にパスをする」意識で
続けてごみを回収する立場として、ごみを出す側に改めて意識して欲しい点を語った。滝沢:不燃ごみを回収していたとき、包丁が飛び出てきたことがありました。ビニールの中にそれだけで入れちゃうと、めちゃくちゃ危険なんです。段ボールで包んで「危険」とか書いてくれると、こっちも気をつけることができる。要は、我々が危険なことがわかればいいんです。でもたまにやりすぎな人がいて「靴」とか「パンツ」と書いている人がいるんです。何でこれを書いたんだ、というね(笑)。
堀田:知らせたかったんですかね(笑)。ごみは捨てるのではなく、相手にパスをするという発想で出すといいのかもしれないですね。
滝沢:いいこと言いますね。ごみステーションという言葉がありますけど、リサイクルできるものは回り回って自分のもとに返ってくることがありますから、そういう意識を持っていただけるとうれしいですね。
滝沢はごみが増えすぎたことによる社会問題について語った。
滝沢:可燃ごみは燃えて灰になり、これらは最終処分場に埋められます。ある日、ものすごい量のごみが集められたときがあって、ベテランごみ清掃員に「東京がごみで埋まりそうですね」と言ったところ「埋まるに決まっているだろ!」と語気を強められたことがありました。
そのときに最終処分場の寿命を知りました。地域によって寿命は様々なんですけど、平均すると、日本全国で24.8年と言われています。簡単に言うと、25年後に日本がごみで埋まるんです。だったら、自らでそういった事実を発信していって、みんなにごみの考え方を変えてもらおうと思ったのが、今日の僕の活動につながっているんです。
堀田:なるほど……! 私は今、32歳なので、57歳のときには日本がごみで埋まってしまうということですね。もっとしっかり考えたいと思います。
生ゴミの80%が水分。各家庭で「絞る」だけで…
各家庭で今から始められる、地球環境にやさしいごみの出し方はあるのだろうか? 滝沢は、「生ゴミの水分を絞る」というポイントを語った。滝沢:生ゴミの80%が水分です。これを各家庭で絞ってくれるだけで、だいぶ重量が軽くなるんですよ。
堀田:生ごみって80%も水分なんですね!?
滝沢:そうです。そこに雑菌も繁殖するし、みんなも絞ることにメリットがあるんです。ごみの重みが軽くなれば処理料も安くなるし、ごみを運搬する車のガソリン代も安くなる。そしてやはり水分を含んだ生ごみを焼却するとなると、焼却炉内の温度が下がるので、重油を加える。このエネルギーは税金から賄っているんです。
堀田:なるほど……。私もその事実を知ってから絞るようにしていますが、もっとしっかりとやっていきます……! 生きているだけでごみは出てしまうものだけど、たった少しの工夫で地球のためになるんだなということを学びました。
滝沢:ごみと、どういうふうに向き合うかはとても大事だと思います。たくさんのごみを集めていると、みんなでこの社会で共存していることを自覚します。個人だけで生きているわけではないことをそれぞれに考えて欲しいです。
真面目なトークが中心となったが、芸人らしい話術で公開収録を盛り上げた滝沢。堀田は「聞きたいことが多過ぎて時間が足りない」と嘆きつつ、この番組での滝沢との再共演を約束していた。
「地下」と「二酸化炭素」をキーワードにした「CCS/CCUS」という取り組
この番組のスポンサーであるENEOSからは、石油・天然ガスの開発・生産を行うエネルギー資源開発企業のENEOS Xplora株式会社 総務部 広報渉外グループ・保科達郎が登場した。公開収録の後半では、カーボンニュートラルへ向けて世界に先駆けて行っている「CCS/CCUS」の社会実装への歩みなどについてが話された。堀田:石油や天然ガスを生産されている一方で、環境に配慮した取り組みも行っているとのことですが、どんなことをされているんでしょうか?
保科:石油や天然ガスは「化石燃料」ということで、二酸化炭素をたくさん出すイメージがあると思います。しかしENEOS Xploraでは、カーボンニュートラルが叫ばれる前から、カーボンニュートラルに取り組んできました。実は世界で見ても、先進的に排出した二酸化炭素を回収している企業でもあります。
すると突然、保科氏は堀田に輝く石を手渡した。
保科:実はこれ、二酸化炭素でできた石で「カルサイト」、日本語では「方解石」と呼ばれるものです。二酸化炭素は空気中に見えない形で存在していますが、地下深くにある状態だと、こうやって宝石のような鉱物の形に変化することがわかっています。
堀田:聞いたことがないです。教えてください……!
保科:「CCS」とは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、簡単に言うと、二酸化炭素を地中に閉じ込める技術です。一方の「CCUS」は「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、その地中に埋めた二酸化炭素を活用する技術を指しています。
現在は二酸化炭素を減らす様々な技術がありますが、一度に最も多くの量を処理できるのが、このCCSとされています。先ほど見せた石もこの技術に関連していて、石にしてしまえば、地中に埋めた二酸化炭素が漏れる心配もありません。
堀田:二酸化炭素を石にするという概念を初めて知りました……!
保科:自然界では石になるのに2万年かかると言われていますが、当社ではこれを数年で石にする研究を進めています。ぜひ今後の展開に期待していてください。
堀田:2万年を数年で!? スゴいです! 続けて、CCUSについても教えていただけますか。
保科:CCUSはCCSに加えて、回収した二酸化炭素を有効活用する技術です。具体的には二酸化炭素を枯渇した油田に注入します。枯渇した油田というと、石油を取り尽くして、空っぽのイメージを持たれるかと思いますが、実際は違います。地下にはまだ多くの石油が残っているんです。
石油は井戸を掘ると、地下の圧力で、自然に押し出されます。膨らんだ風船の口から空気が抜けるようなイメージです。この地下の圧力が下がると、自然には出なくなり「枯渇した」と言われます。
そこで二酸化炭素を注入して、圧力をかけると、残った石油を押し出して、回収することができます。同時に二酸化炭素を地下に貯めることができますので、二酸化炭素の活用と貯留を一度に行えるという仕組みです。当社は世界に先駆けて2016年からこの技術を事業化、米国で世界最大級のCCUSプロジェクトを操業しています。
堀田:なるほど……! この技術を使えば、相当カーボンニュートラルに近づけそうですね!
ENEOS Xploraでは確かな実績も出しているという。
堀田:すでに事業化しているとのこと。具体的にどれくらい石油の生産量が増加し、同時に温室効果ガスが削減されたのでしょうか?
保科:油田の生産量は10倍に増加。2025年2月には地下へ注入した二酸化炭素の累計量が500万トンに達しました。これは約140万世帯の年間排出量に相当します。だいたい大阪市が150万世帯ですので、その規模の都市から一年間に出る二酸化炭素を回収して、地下に埋めたことになります。
堀田:そんなに!?
堀田:すごい取り組みですね。お話しを聞いていて、未来が明るいと思えました! 私たちの日常生活に欠かせないエネルギーは、たくさんの人たちの情熱や技術で支えられていることを改めて実感しました。本日は滝沢さん、保科さん、ありがとうございました!
(取材・文・撮影=中山洋平)
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