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「東京湾が一望できます!」 堀田 茜、排熱回収ボイラから見る絶景に驚きー五井火力発電所を取材

「東京湾が一望できます!」 堀田 茜、排熱回収ボイラから見る絶景に驚きー五井火力発電所を取材

提供:ENEOS株式会社


千葉県市原市にある五井火力発電所。ENEOSホールディングスのほか、JERA、九州電力も出資する共同出資会社が工事、運営も担っている。2025年3月にリプレースが完了し、新たな姿で再稼働した。ここでは何を燃料にして、具体的にどうやって発電し、さらにどうやって温室効果ガスの排出の削減を目指しているのか──今回、モデルで俳優の堀田 茜が現地取材を実施した。

取材・インタビューの模様を伝えたのは、堀田 茜がナビゲートするJ-WAVEの番組『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』。毎週ゲストを招き、地球のよりよい未来の実現に向けたSDGsについてリスナーと共に学ぶプログラムだ。

オンエアは、2025年6月7日、14日。圧巻の発電所で行われた取材の模様は、J-WAVEの公式YouTubeチャンネルでも楽しめる。

堀田茜が取材!世界最高水準の火力発電《 ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE- 》

3社が共同で世界最高水準の発電所を建設・運営

2024年8月に1号機の運転がスタートしたばかりの最新の発電所・五井火力発電所。地球環境に優しい液化天然ガスを燃料として発電事業を行っている。総面積は約40万平方メートルを有し、これは東京ドーム8.5個分、東京ディズニーランドとほぼ同じ広さだ。今回、堀田は五井火力発電所で働く原さんに話を聞いた。

堀田:五井火力発電所はどういった施設なのでしょうか?

原:五井火力発電所は化石燃料では最も温室効果ガス・二酸化炭素の排出が少ない液化天然ガスを燃料として、発電事業を行っています。株式会社JERA、ENEOS Power株式会社、九州電力株式会社の3社共同出資で設立され、共同で発電所の運転および保守を行っています。

堀田:3社で取り組まれているのですね。なぜ3社で取り組むことになったのでしょうか?

原:石油・電気・ガスなどは、国内の基盤を支えるエネルギーであり、ENEOSグループでは主に石油を、JERA・九州電力では電気を支えてまいりました。それぞれメインで扱うエネルギーの種類は異なりますが、国内のエネルギーを支える企業としての使命は同じであり、温暖化対策への取り組みは、同じ思いでやってまいりました。そういった3社が共同で世界最高水準の発電所を建設・運営し、社会に応えていくこととなりました。

堀田:こちらの火力発電所はいつからあるんですか?

原:本格的な建設工事には約4年かかり、合計3台の発電機を建設いたしました。それぞれの稼働開始は1号機が2024年8月、2号機は2024年11月、そして3号機は2025年3月となります。

堀田:2025年ということは、本当に最近できたばかりの施設もあるということですね……!

それから堀田は“世界最大級の排熱回収ボイラ”と呼ばれる設備の前へと移動した。

堀田:煙突のような施設の麓にやってきました。デザイン的にもかなりカッコいいです!

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原:これが排熱回収ボイラと言います。液化天然ガスを燃料として発電していますが、燃焼したあとの排気ガスはまだ温度が高く、その熱エネルギーを利用できれば、効率の高い発電ができるわけです。この排熱回収ボイラは排気ガスの熱エネルギーを回収するための設備となります。名前がボイラのとおり、水を高温高圧の蒸気に変換しています。今回、この排熱回収ボイラの上に登りたいと思います。

堀田:登れるんですか!?

2人は専用エレベーターに乗り込み、高さ約40メートルの排熱回収ボイラの上に向かった。

堀田:わ〜! 3階に着きました! すごい、東京湾が一望できます! これは絶景ですね。自然と発電所のシルバーが一体となる景色は、なかなか見られないと思います。網々の床で、下がまるっと見えるというのも、だいぶスリルですね(笑)。

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原:ここからそれぞれ3本の煙突をご覧ください。何か違いに気づきませんか?

堀田:煙突のような建物の一番上の部分の色がそれぞれ違います!

原:そのとおりです。それぞれのタービン建屋に入っている発電機は同じタイプ・同じ能力です。そこで、それぞれ色付けして、個性を持たせています。

1号機は「Green(緑色)」、2号機は「Orange(オレンジ色)」、3号機は「Indigo Blue(藍色)」と致しました。それぞれの頭文字を見ると「G・O・I」となります。「五井(火力発電所)」に掛けて色を決めました。

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堀田:面白いですね……! ちなみに普段コチラに登られることはあるんですか?

原:はい。全景がわかりますので、施設の案内をする際に、ここを利用しています。ただ、本来はパトロールや設備の点検、機器の修理のために来ることになります。ここのフロアが高さ約40メートルと、高層ビルで約10階に相当しますので、登り降り時の疲労軽減、それから資機材を運搬することなどを考えて、エレベーターを設置しています。

天気のいい日は東京湾を一望でき、遠くには富士山を見ることができます。夕日も非常にきれいで、私のお気に入りスポットでもあります。

堀田:ここから富士山も見られるんですね! 本当に絶景です!

約580万世帯分の電力を賄うことができる

続いて堀田は発電所の中核施設・タービン建屋にやってきた。

堀田:場所を移動してきましたが、目の前には大きな倉庫のような施設がありますね。

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原:タービン建屋と言います。このタービン建屋の中に、発電所の中核である発電設備が入っていて、ガスタービン・蒸気タービン・発電機、それらが一体となっております。

堀田:今回は特別に中を見させていただけるということで……早速建屋の中に入らせていただいてもいいでしょうか?

原:ではまいりましょう!

ということで堀田は原さんと共に1号機のタービン建屋内を見学。五井火力発電所ではガスタービンを用いた最新鋭の発電設備を3基導入している。蒸気タービンを組み合わせた高効率な方式で発電を行っていて、1基あたりの最大出力はなんと約78万kWだという。
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堀田:タービン建屋を見学させていただきました! 本当に迫力満点で、原さんと近くにいてもお話しができないくらいかなり音が大きかったです(笑)。中で訊きたかったことですが、歩いているとかなりモワッとした熱い蒸気のようなものを感じたのですが、ガスタービンの中の温度は何℃くらいなのでしょうか?

原:液化天然ガスを燃焼させるガスタービン燃焼器の内部は最高で1650℃に達します。

堀田:1650℃……!

原:この温度は発電効率の性能を決める重要なファクターであり、1650℃は現在の燃焼技術で、最高クラスと言われています。

堀田:そうなのですね! そんな温度をあんなに安全に見学できるというのは、すごいことだなと思います……!

堀田は五井火力発電所の施設について詳しく話を聞くため、屋内に移動した。

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堀田:そもそも火力発電はどういった発電方式と説明するのでしょうか?

原:火力発電は燃料を燃やし、発電タービンを回して発電する方式です。そんな中で、五井火力発電所はコンバインドサイクル発電という方式を採用しています。コンバインドサイクル発電とは、発電タービンのうち、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式となります。ガスタービンは身近なところでは飛行機のジェットエンジンと方式が似ており、大きな発電を出力することができます。

また、排熱回収ボイラで水を蒸気に変換し、その蒸気をまた蒸気タービンへと送って、さらに発電するという仕組みもとっています。この組み合わせにより、高出力で効率の高い発電ができるわけです。

堀田:なるほど。飛行機(ジェットエンジン)と少し似ている仕組みなんですね。知らなかったです。

五井火力発電所では旧施設の老朽化のため、最新機器の導入・設備更新を実施した。そうして世界最高水準の発電効率を誇る最新鋭の発電所として生まれ変わったわけだ。

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堀田:先ほど、3号機が今年3月に完成したばかりだと仰ってましたが、新しくなった施設ではどれくらいの電力を生み出しているんですか?

原:3台の発電機を有しておりまして、それぞれ78万kWです。3台合計で234万kWですね。これを試算しますと、約580万世帯分の電力を賄うことができるというわけです。この五井火力発電所がある千葉県の世帯数が約290万世帯と言われていますので、千葉県全世帯数の約2倍ですね。厳密に言うと、ここで作られた電気がどのエリアに使われているかは、変電所の運用で変わってきますが、千葉県はもとより関東一円に使われていると、思っていただいて問題ないと思います。

堀田:では、私の家の電力も、ここで作られているものかもしれないということですね。

原:そういうことですね。

年間約110万トンの温室効果ガス排出量を削減

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせ、排熱を有効活用することで発電効率を高めたコンバインドサイクル発電設備。地球環境に対しては、具体的にどんなメリットがあるのだろうか?

原:化石燃料の中で、温室効果ガス・二酸化炭素が最も少ない液化天然ガスを使用し、さらに発電効率が高い発電機のため、地球温暖化対策に大きく貢献することとなります。また液化天然ガスは大気汚染物質のひとつである、硫黄酸化物や煤塵(ばいじん)……いわゆるススですね。これを排出しないため、環境負荷の低減にもなっています。

堀田:より地球に優しい設備に進化したということですね。環境問題に対して、他に改善された点はありますか?

原:ガスタービンは液化天然ガスを高温で燃焼させますので、その際、大気汚染物質のひとつである、窒素酸化物が生成されます。この窒素酸化物を抑えるために、最新の燃焼技術で開発された燃焼器の導入、また排気ガスから直接窒素酸化物を浄化する排煙脱硝装置を設置し、地域社会への環境負荷低減も図っています。

堀田:具体的にどれくらいの温室効果ガス排出量を削減することができたのですか?

原:建て替え前と比較して、年間約110万トンの削減が実現しています。

堀田:そんなに! 発電量が伸びた上にさらに環境のことも考えられるようになったということですもんね。本当に技術の進化はすごいです!

2人は再び建物の中にある別の部屋へと移動した。

堀田:こちらは一体どういった場所なのでしょうか?

原:ここは発電所全ての設備をコントロールするところになります。たくさんのモニターがありますが、ここでは発電設備の状況や情報がリアルタイムで共有されています。運転員はこれらの情報を見ながら、安全で最適な運転ができているかどうか確認し、必要により迅速に操作を行います。

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堀田:発電設備は24時間動き続けている?

原:24時間稼働しています。(突如、信号音が鳴り)こういうのを聞いて、運転員が素早く対応しています。

堀田:安心安全を届けるためにも必要な場所なんですね…! 最後にこの五井火力発電所の今後の目標を教えていただいてもいいですか?

原:電気という今の当たり前を支えるため、この五井火力発電所の安全・安定操業、そして電力の安定供給に努めてまいります。また、今後も見込まれる電力需要の増加や、地球温暖化対策への取り組みなど、明日のあたり前をリードし、人と地球の快適に挑戦し続けたいと考えております。

堀田:私たちが日々安心して暮らせているのは、こういった設備で頑張っている方々がいるからなんだなと改めて感じました。貴重なお話をありがとうございました!

(構成=中山洋平)

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