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東京ドーム58個分! 広大な「ENEOS鹿島製油所」が担う役割とは? 堀田茜が現地取材

東京ドーム58個分! 広大な「ENEOS鹿島製油所」が担う役割とは? 堀田茜が現地取材

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提供:ENEOS株式会社

東京ドーム58個分の広大な敷地面積を誇るENEOSの鹿島製油所。この巨大施設では日々どのような作業が行われ、また、私たちの暮らしにどのような恩恵をもたらしているのか――。今回、モデルで女優の堀田茜が、現地取材および担当者へのインタビューを通して紐解いた。

取材・インタビューの模様を伝えたのは、2023年12月2日、9日に放送されたJ-WAVEの番組『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(ナビゲーター:堀田茜)。毎週ゲストを招き、地球のより良い未来の実現に向けたSDGsについてリスナーと共に学ぶプログラムだ。

取材の模様は、J-WAVEの公式YouTubeチャンネルでも楽しめる。

我々の生活を支える石油製品の供給プロセスとは?

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「いや~、ほんとにすごい景色です。工場が好きな人がいたら“工場萌え”するだろうなっていう」

東京都心から車で約2時間。茨城県神栖市にあるENEOSの鹿島製油所にやってきた堀田は、そのスケール感を目の当たりにしてこう口にした。訪問の目的は、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に向けた同施設の取り組みを学ぶため。早速、鹿島製油所 製油技術グループの佐々木康人(ささきやすひと)さんに話を伺った。

堀田:都内から2時間かけて神栖市に来たんですけど、着いた時の景色がとにかくすごくて!

佐々木:ありがとうございます。今堀田さんがいらっしゃる構内地区で165万平方メートル。加えて、原油などを貯めている原油タンク地区が108万平方メートル。合わせて、273万平方メートルとなり、東京ドーム58個分の広さがあります。

堀田:東京ドームで喩えてもわかりづらいくらいの広さですね(笑)。ほんとに、一つの街みたいな規模といいますか。

佐々木:そうですね。当製油所では、海外から運んでくる原油を、日常生活の様々な場面で使用される石油製品に変えています。たとえば、プロパンガス、ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油、重油といった燃料。そのほかには、プラスチック・化学繊維などにすることができるんです。

堀田:すごい! それら数多くの種類の油は、どういった工程で精油しているのでしょうか?

佐々木:はじめに、原料となる原油について説明させてください。諸説あるのですが、原油は数億年前に海や湖にいた生き物たちの死骸が、長い年月をかけて変化していったものだとされています。この原油を、地中に大きな井戸のようなものを掘って取り出すわけです。取り出した原油はタンカーに積載された後、海を渡って日本へ届けられています。

堀田:原油が日本に運ばれた後、製油所でどのように取り扱われるのかも教えていただきたいです。

佐々木:まず運ばれてきた原油をタンカーから桟橋で受け取り、原油タンクに貯めています。次に、常圧蒸留装置(トッパー)に送って加熱し、沸点に応じて、ガソリン、灯油、軽油など、様々な燃料油等々に分離していく。その後、各製品のタンクに貯められ、構内にある出荷センターからタンクローリーに積み込まれて、各地にお届けしています。

堀田:となると、出荷センターの面積も相当広そうですね。

佐々木:おっしゃる通り、かなりの広さとなっていて。24時間体制で運転しており、1日で約350台のタンクローリーが入ってきます。そして、茨城県のほぼ全域と千葉県北部、栃木県東部へと出荷しています。

堀田:鹿島製油所の皆さんのおかげで、周辺地域の方々は日常生活を快適に送れているんですね。

製油所内を見学し「近未来にいるみたい!」

その後、鹿島製油所・見学ツアーへ。東京ドーム58個分の敷地だけあって移動手段はバス。ヘルメットを被って車内に乗り込んだ堀田は「みんなでヘルメットをして、バスで移動っていうのがすごく不思議な感じがするんですけど。初めての体験です」と期待に胸を膨らませる。

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バスが走り出すと、変わった形状をした巨大施設の数々が車窓に流れていく。「見たことのない大きな施設がたくさん!」「近未来にいるみたい!」。そんなふうに、堀田が製油所ならではの景観を楽しんでいるうちに、最初の目的地である原油タンク地区へと到着した。

佐々木:見てください。こちらが原油タンク地区になります。全部で22基の原油タンクがありまして。そのほかにも、石油化学製品のもとになるナフサを貯めるタンクが2基あります。

堀田:合計24基もタンクがあるんですか! 目の前にすると、壮観ですね。

佐々木:タンクは大きいものだと直径が97メートルほどあり、高さは8階建てのビルに相当する24メートルになります。例えでいうと、面積としてはサッカーグラウンドが入るくらいの大きさです。体積としては家庭用のお風呂の約80万倍、50mプールだと約64杯入ります。

堀田:ちょっとスケールが大きすぎて、想像しづらいですけど、ここで大運動会ができるくらいの体積と言うことですね。大きくて遠近感がわからなくなります。

続いてバスが向かった先は、原油が最初に通る装置「常圧蒸留装置(トッパー)」だ。

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堀田:うわ~、圧巻です! あれがトッパー……。大きいですね!

佐々木:トッパーは高さがおよそ60メートルありまして。350度に熱せられた原油を様々な石油製品の元になる油に分けて、それぞれ取り出している装置です。

堀田:あと、ここにはもう一つ重要な施設があるとか。

佐々木:はい。あの高いタワー、流動接触分解装置です。トッパーで、350度に熱してもまだ気体にならないようなドロドロの黒い油・重油を、500度以上に熱した触媒と反応させて分解させることにより、白いガソリンに変化させます。そんな付加価値の高い油に変える重要な装置なんです。

ドローン使用で2時間の作業が5分で完結

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このように、広大な敷地の中に様々な施設が建ち並ぶ鹿島製油所。それらを運用・管理する上で、どのような工夫がなされているのか。佐々木さんに改めて聞いてみた。

堀田:これだけ規模が大きい製油所だと管理も大変だと思うのですが、設備の点検などはどのように行われているのですか?

佐々木:近年話題になっているドローンを活用した点検を行っております。原油タンクは、これまで人が上り下りして、肉眼でくまなく点検していました。ですが、ドローンが登場したことにより、もともと人が1~2時間かけて行っていた作業を、ものによっては5分程度で完結させることも可能となりました。

堀田:それはすごいですね!しかも、ドローンだと安全性もありますしね。

佐々木:おっしゃる通りです。

堀田:ただ、これだけたくさんの設備について点検含めた様々な作業を行うのは、大変そうですよね……。

佐々木:そうですね。危険物を扱っている我々にとって、「安全・安定運転」は何よりも大切です。そこで、「手順書」を用いて、一つひとつ確認しながら着実に作業を行っています。この手順書は現在、紙媒体で運用されているのですが、鹿島製油所ではDX化の一環として、ペーパレス化の準備を進めているんです。具体的には、モバイル端末を現場に持ち込めるようにした上で、画面上に表示された手順書をタッチパネルでチェックできるような仕組みを採用し、今年度中に運用を開始する予定となっています。

堀田:なるほど。では、ENEOSでは石油製品を作る際にどのような取り組みを実施しているんですか?

佐々木:温室効果ガス排出削減に向けて、温室効果ガスの排出量を見える化するための取り組みを展開しています。CO2排出量を算出し、所内やENEOS本社に報告しています。

堀田:たしかに、数字で見えると見えないとでは、CO2削減への意識が全く変わってきそうですね。このほかに、鹿島製油所で力を入れていることがあれば教えてください。

佐々木:CO2排出量の話に絡むのですが、日々の製油所装置の運転において、省エネの観点から、キーとなる運転パラメーターを抽出して製造部門で毎日確認するという施策を実施しています。製油所は燃料等々を大量に使用してCO2を排出するというイメージがあると思うんですけど、そういったエネルギーの使用量を見える化するという取り組みを行った上で、エネルギーをなるべく使用しない省エネ志向の運転をすることについて、日々議論しているんです。

堀田:ほんとに色々な取り組みをされているんですね。

佐々木:あとは、プラスチック製造に関する事業者ということもありまして、私たちは循環型社会の形成に貢献することをテーマの一つに据えています。そこで、廃棄されるプラスチックの問題に対応するべく、鹿島製油所と三菱ケミカルさんの茨城事業所でプラスチックの油化の共同事業を進めています。

堀田:油にかえるんですね。

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佐々木:はい。文字通り“油に化ける”ということです。ゴミとして破棄される予定だった個体のプラスチックを、液体の油をはじめとした別の化学製品に生まれ変わらせています。設備の規模としては、年間2万トンくらいの処理能力を持つケミカルリサイクルのプロジェクトを進めているんです。このように、限られた資源を守るために鹿島製油所一丸となり、循環型社会の実現に貢献するように取り組んでいます。

堀田:今回取材をさせていただき、社会と地球のためにカーボンニュートラルの実現に向けて、多彩な取り組みをされていることがよくわかりました。ということで佐々木さん、本日はありがとうございました!

佐々木:こちらこそ、ありがとうございました!

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(構成=小島浩平)

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毎週土曜
14:00-14:30