BRAHMAN・TOSHI-LOW、「いなくなってしまった人は二度と会えない」心情を表す言葉との出会い

BRAHMANのTOSHI-LOW(Vo)が、現在の心境やニューアルバム『viraha』について語った。

TOSHI-LOWが登場したのは、2月20日(木)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。

4時間にわたるライブ

TOSHI-LOWは同番組には3年ぶりの登場。まずは2024年11月に開催された、過去に発表した6枚のフルアルバムに収録されている全72曲を4時間にわたって演奏したワンマンライブ「六梵全書」の話題になった。

サッシャ:さすがTOSHI-LOWさん。そんなこと普通考えないです。

TOSHI-LOW:考えてもやらないよね。

サッシャ:会議に出ても却下です。

TOSHI-LOW:俺ひとりがバカじゃなくて、メンバーもバカというのはすごいよね。バカが集まっちゃってるんだもん。そりゃ30年バカだよね。

サッシャ:それを通せているのが最高です。

TOSHI-LOW:ありがとうございます。

サッシャ:ひとつ、やり切った感はあったんじゃないですか?

TOSHI-LOW:「もっとこうすればよかったな」「こう歌えばよかったな」という後悔って必ずあるじゃない? それをあの日で全部やった。全部やれたから、そういうものが取り払われたというか。

ノイハウス:全部通しでやっちゃって、やり切った感じですか。

TOSHI-LOW:いまはだから、すごく新しい気持ちになっているというか。

ノイハウス:4時間もやれば新しい気持ちになると。

TOSHI-LOW:カラオケボックスでやってみる?

ノイハウス:次の日、声が出ません(笑)。

サッシャ:考えてみたらひとりカラオケを4時間しないけど、それをやってらっしゃる。尊敬します。

TOSHI-LOW:本当バカバカしいよ。

10年後の自分

BRAHMANの公式YouTubeチャンネルには「六梵全書」のダイジェスト映像が公開されており、そのなかでメンバーのMAKOTO(Ba)が「30年やろうとは思っていなかった」とコメントしている。TOSHI-LOWに現在の心境を尋ねた。

BRAHMAN「六梵全書 Six full albums of all songs Documentary」ダイジェスト

ノイハウス:バンドを始めるときに30年やろう、40年やろうという気持ちはないんですか?

TOSHI-LOW:19、20歳のやつが考えられないもん。

サッシャ:想像つかないですよね。

TOSHI-LOW:うん。だって、生きてるって思っていなかったから。あとそのときに、50歳のおじさんとかとしゃべるのは嫌だったもん。

サッシャ:50になってみると、20歳の少年とはしゃべりたいんですか?

TOSHI-LOW:「親父狩りとかには会いたくないな」とは思うよ。

サッシャ:そっちじゃなくて(笑)。

TOSHI-LOW:コミュニケーションは全然いいよ、楽しいよ。だから気を付けるよね。「飲み屋で武勇伝とか語っちゃったら嫌だな」とか(笑)。

サッシャ:昔の「俺はこうだった」とかは言いたくない。

TOSHI-LOW:「俺らのころは」なんて、いちばん嫌われちゃうやつじゃん。

サッシャ:そういうのを嫌って蹴散らしてきたわけですよね。

TOSHI-LOW:そうなんだよ。だって嫌だったから。自分がまさか、ここにくるとは思わなかったというかね、謝りたい。

サッシャ:そのときのおじさんたちに?

TOSHI-LOW:おじさんたちに(笑)。もっと優しくしておけばよかった。

サッシャ:でも、これからもまだ突っ走っていくわけですか?

TOSHI-LOW:そうね。でも本当にわからない、先のことは。

ノイハウス:どれくらい先を考えるんですか?

TOSHI-LOW:明日? 明後日?

ノイハウス:それくらい?

TOSHI-LOW:うん。あとは「10年後、どういうふうにありたいか」ということだけ考える。

ノイハウス:人として?

TOSHI-LOW:社会情勢は自分ではどうにもできないから。コロナがあるとか、トランプが大統領になるとか誰も考えたことがなかった。でも、自分が「こういうふうにありたいな」という努力はできる。なにか新しいことを始めても、10年あればたぶんできるようになる、みたいなことは考えているけどね。

タイトルに込めた想い

BRAHMANは2月26日にニューアルバム『viraha』をリリースした。タイトルに込めた想いについて語った。

サッシャ:タイトルの『viraha』はヒンドゥー語です。どういう意味なんでしょうか。

TOSHI-LOW:「会えなくなって初めてわかる、自分の相手への大切な愛おしさ」みたいな気持ち。人間って、こうやって会っているときに本当はそれを感じればいいのに。

サッシャ:わかります。

ノイハウス:季節とかもそうですよね。冬になると夏がいいな、夏になると冬がいいなみたいな。ないものねだりというかね。

TOSHI-LOW:そうなんだよね。でも、冬や夏は生きていればもう1回来てくれるけど、たとえばいなくなってしまった人とかは二度と会えないじゃない。そのときにもっとこういう話をしておけばよかったな、もっと飲み行けばよかったなと思う。「そういう気持ちをひと言で表す言葉はないかな?」と思ったら、なかなかなくて。

サッシャ:日本語だとないですよね。

TOSHI-LOW:「慈悲」とかには近いものはあるとは思うの。だけど、ちょっとニュアンスが違う。あと、「郷愁」みたいなものが少し近いのかなと思う。ふるさとは、そこにいるとわからないけど、離れるとよさがわかるじゃない?

ノイハウス:ノスタルジーみたいな感じね。

TOSHI-LOW:だけど、ちょっと違うんだよね。だから、図書館に行って言語辞典とかで世界中の言葉を調べて。ネットって、そんなに便利じゃないのね。データ量がすごいわけではなくて、やっぱり1個の図書館にかなわない。

サッシャ:いろいろな言語を図書館で調べたんですね。

TOSHI-LOW:データ化されていないものとか、ネット(の記事)になっていないものがいっぱいあって。そういう知識はすごかったんだなと。あと世界中にそういう、豊かな彩られる言葉がまだまだあるというのを知るのもいいよね。

サッシャ:それで出会ったのが『viraha』で「これだ!」と思ったと。

TOSHI-LOW:このアルバムをひと言で表わすとしたら、これかなと。

番組では、ニューアルバム『viraha』に収録されている『charon』をオンエアした。

BRAHMAN「charon」MV

除雪作業を眺めながら

この日の「+1」では、同番組の木曜日恒例企画「あなたのケータイに入っている写真を見せて!」を実施。まだSNSにアップしていない写真を1枚、TOSHI-LOWに提供してもらうことに。



サッシャ:雪の写真です。

ノイハウス:すごい雪ですが、これはどちらですか?

TOSHI-LOW:先ほどですよ。札幌の最終便で帰って来て。

サッシャ:昨日の夜の?

TOSHI-LOW:そう。雪がすごくて1時間飛ばなくて。だから飛ばないなら、このまま札幌帰ろうかと思っていたんだけど、残念ながら帰って来られちゃった。

ノイハウス:この写真は飛行機の中から撮っているということですか?

TOSHI-LOW:ずっと暇だったので、ずっと外を眺めて除雪作業を見るという。

ノイハウス:どれくらい待ったんですか?

TOSHI-LOW:1時間以上かな。

サッシャ:雪で曲が作れそうですね。

TOSHI-LOW:聴いてください、『粉雪』。

サッシャ:あるある(笑)。無事に来られてよかったですね。

TOSHI-LOW:ねえ、よかったです。

サッシャ:札幌はどうでしたか?

TOSHI-LOW:面白いね。いろいろな地方に行って、地方のラジオに出るんだけど、それがまたよくてさ。地方感もあるし、ラジオというメディアはやっぱりいいよ。

サッシャ:うれしいな。

TOSHI-LOW:テレビだと伝わらないことが声に乗って、温かいなにかがまだ伝わるメディアだね。

BRAHMANの最新情報は、公式サイトまで。
番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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