J-WAVEがいま注目するさまざまなトピックをお届けする日曜夜の番組『J-WAVE SELECTION』。毎月第3日曜は、震災復興プログラム『Hitachi Systems HEART TO HEART』(ナビゲーター:藤巻亮太)をお届け。11月17日(日)のオンエアでは、全国各地の被災地での復興支援を行っているミュージシャン、BRAHMANのボーカル、TOSHI-LOWを迎え、災害の現場の声から“心の通った支援”のヒントを探った。
TOSHI-LOWは東日本大震災後、被災地の復興を支援するNPO法人「幡ヶ谷再生大学復興再生部」を立ち上げ、全国各地の被災地での復興支援を行っている。10月の台風19号では茨城県水戸市にあるTOSHI-LOWの実家も被災し、その際は高さ2メートルほどの浸水があったと語った。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月24日28時59分まで)
■「誰かが困ったことが起きたら、何も言わずに会いに行こうと思った」
藤巻は今回、千葉のFMラジオ局 bayfmの人気DJでもあり、千葉県袖ケ浦市にあるしまむらファーム&ガーデン - ホームの園主・島村幸男さんを取材。今年発した台風15号で農園のハウスの倒壊、ビニールが破れガーデン小屋のガラスが割れる、そして浸水など大きな被害が出た。
トークを商売とする島村さんも、その被害の大きさに言葉を失ったという。ボランティアの助けで自身の農場がある程度復旧したあとは、周辺の農家の手伝いに出かける毎日だと話す島村さんに、被災から復旧するなかで感じたことを伺った。
島村:もし次に誰かが困ったことが起きたら、何も言わずに会いに行こうと思いました。被災地を支援しようと思っても「いつ行ったらいいかわからない」「何を持っていったらいいかわからない」など考えすぎて、いっぱいいっぱいになってしまうことが多い。でも、すぐ被災現場に来て、何も言わずに片づけて帰っていく姿が、一番感動しました。
シンガーソングライターの中村中は、被災した島村さんのもとを訪れたという。
島村:いきなり来て、片づけてくれて帰っていきました。まさか来るとは思っていなかったので、その姿に涙が出そうでしたね。
また、被災地支援を受けることで、高齢者も若者と共有できる活力をもらえると島村さんは続ける。
島村:若者と「助けに来たよ!」「大丈夫?」という関係性が生まれていました。この先、どんどん高齢化社会に向かいます。若者が高齢者に歩み寄るだけではなく、高齢者が若者に歩み寄って自分を変えられるような時代になってほしい。高齢者が若者としっかり仲間になれたら、高齢者が高齢者ではなくなるような気がします。
■被災地に訪れた人が情報を整理し発信することが重要
島村幸男さんをはじめ、台風15号で被災した地域を訪れた藤巻は、取材を通して「情報」がテーマだと感じたと振り返る。
藤巻:「情報」をある辞書で調べると、ひとつは「インフォメーション」、もうひとつは「インテリジェンス」と、ふたつの意味がありました。「インフォメーション」は整理されていないものを指し、それを整えて情報として価値が生まれ「インテリジェンス」になっていくと記されていました。
今回の取材で藤巻は、被災直後はあまりのショック状態で被災者は情報を整理できずに「インテリジェンス」に置き換えられない難しさを感じたという。
藤巻:人よってはその場で判断することが難しい場合もある。取材した島村さんのケースは正にそうで、ボランティアの人たちが自ら現地に入って「インフォメーション」を「インテリジェンス」に変化させ、それぞれが判断してアクションを起こしたからこそ、復旧の手助けをすることができたと思います。
TOSHI-LOWは藤巻に同調しつつ思いを語った。
TOSHI-LOW:「インフォメーション」を「インテリジェンス」の話もそうなんだけど、やっぱり答えは現場にしかなくて。でも、現場は発信能力がない。だから、行った人が(情報を)整理してあげると情報発信できることになる。東日本大震災のがれき処理問題でも、そうだよ。こっちからみたら災害ゴミに見えるけど、少し前までは人の宝だったからね。でも、それを隠してしまうと「被害は少なかったんだ」「ボランティアに行かなくてもいいんだ」となってしまいがちだよね。
■被災地に行きたいという人はどんどん行ってほしい
10月の台風19号では茨城県水戸市の実家が被災したことについてTOSHI-LOWはこう振り返る。
藤巻:被災されてどう感じましたか。
TOSHI-LOW:(災害は)いずれ来ることだからね。自分が支援する側でもされる側でもそんなに驚きはしないというか。ただ、支援のありがたさも感じたから、被災地に行きたいという人はどんどん行ってほしい。実家とかに俺なんかより早く現地に行ってくれたアーティストもたくさんいて、俺のおやじが喜んじゃって毎晩酒盛りしちゃって(笑)。
実家にはマキシマム ザ ホルモンのナヲ(ドラム・ボーカル)もボランティアに訪れたとのことで、活動後にはTOSHI-LOWの父と飲んだそうだ。
藤巻:そういうコミュニケーションや縁が生まれるわけですね。
TOSHI-LOW:だから、現地に行くって大事だよね。アーティストとか情報力のある人たちはどんどん被災地に行って、どんどん見たものや感じたものを情報発信したらいいと思う。そうしやすいような社会にしたいなと思うよね。
番組ではSNSで拡がった善意が救った奇跡の養豚場を経営する夫妻やボランティアの受け入れに奔走した人、NPO法人「幡ヶ谷再生大学復興再生部」のメンバーを取材した模様も紹介した。
最後にTOSHI-LOWは「被災した人の声も大事だけど、それをどう受け取ってひとり1人ができることに置き換えられるかが大切」だと話し、「いろんな仕事があるわけだから、役が立たない人なんかいない」と思いを述べた。
もしものときに「自分がどのように役立てるのか」と考えておくことが必要なのではないだろうか。
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【番組情報】
番組名:『Hitachi Systems HEART TO HEART』
放送日時:毎月第3日曜 22時-22時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/special/hearttoheart/
TOSHI-LOWは東日本大震災後、被災地の復興を支援するNPO法人「幡ヶ谷再生大学復興再生部」を立ち上げ、全国各地の被災地での復興支援を行っている。10月の台風19号では茨城県水戸市にあるTOSHI-LOWの実家も被災し、その際は高さ2メートルほどの浸水があったと語った。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月24日28時59分まで)
■「誰かが困ったことが起きたら、何も言わずに会いに行こうと思った」
藤巻は今回、千葉のFMラジオ局 bayfmの人気DJでもあり、千葉県袖ケ浦市にあるしまむらファーム&ガーデン - ホームの園主・島村幸男さんを取材。今年発した台風15号で農園のハウスの倒壊、ビニールが破れガーデン小屋のガラスが割れる、そして浸水など大きな被害が出た。
トークを商売とする島村さんも、その被害の大きさに言葉を失ったという。ボランティアの助けで自身の農場がある程度復旧したあとは、周辺の農家の手伝いに出かける毎日だと話す島村さんに、被災から復旧するなかで感じたことを伺った。
島村:もし次に誰かが困ったことが起きたら、何も言わずに会いに行こうと思いました。被災地を支援しようと思っても「いつ行ったらいいかわからない」「何を持っていったらいいかわからない」など考えすぎて、いっぱいいっぱいになってしまうことが多い。でも、すぐ被災現場に来て、何も言わずに片づけて帰っていく姿が、一番感動しました。
シンガーソングライターの中村中は、被災した島村さんのもとを訪れたという。
島村:いきなり来て、片づけてくれて帰っていきました。まさか来るとは思っていなかったので、その姿に涙が出そうでしたね。
また、被災地支援を受けることで、高齢者も若者と共有できる活力をもらえると島村さんは続ける。
島村:若者と「助けに来たよ!」「大丈夫?」という関係性が生まれていました。この先、どんどん高齢化社会に向かいます。若者が高齢者に歩み寄るだけではなく、高齢者が若者に歩み寄って自分を変えられるような時代になってほしい。高齢者が若者としっかり仲間になれたら、高齢者が高齢者ではなくなるような気がします。
■被災地に訪れた人が情報を整理し発信することが重要
島村幸男さんをはじめ、台風15号で被災した地域を訪れた藤巻は、取材を通して「情報」がテーマだと感じたと振り返る。
藤巻:「情報」をある辞書で調べると、ひとつは「インフォメーション」、もうひとつは「インテリジェンス」と、ふたつの意味がありました。「インフォメーション」は整理されていないものを指し、それを整えて情報として価値が生まれ「インテリジェンス」になっていくと記されていました。
今回の取材で藤巻は、被災直後はあまりのショック状態で被災者は情報を整理できずに「インテリジェンス」に置き換えられない難しさを感じたという。
藤巻:人よってはその場で判断することが難しい場合もある。取材した島村さんのケースは正にそうで、ボランティアの人たちが自ら現地に入って「インフォメーション」を「インテリジェンス」に変化させ、それぞれが判断してアクションを起こしたからこそ、復旧の手助けをすることができたと思います。
TOSHI-LOWは藤巻に同調しつつ思いを語った。
TOSHI-LOW:「インフォメーション」を「インテリジェンス」の話もそうなんだけど、やっぱり答えは現場にしかなくて。でも、現場は発信能力がない。だから、行った人が(情報を)整理してあげると情報発信できることになる。東日本大震災のがれき処理問題でも、そうだよ。こっちからみたら災害ゴミに見えるけど、少し前までは人の宝だったからね。でも、それを隠してしまうと「被害は少なかったんだ」「ボランティアに行かなくてもいいんだ」となってしまいがちだよね。
■被災地に行きたいという人はどんどん行ってほしい
10月の台風19号では茨城県水戸市の実家が被災したことについてTOSHI-LOWはこう振り返る。
藤巻:被災されてどう感じましたか。
TOSHI-LOW:(災害は)いずれ来ることだからね。自分が支援する側でもされる側でもそんなに驚きはしないというか。ただ、支援のありがたさも感じたから、被災地に行きたいという人はどんどん行ってほしい。実家とかに俺なんかより早く現地に行ってくれたアーティストもたくさんいて、俺のおやじが喜んじゃって毎晩酒盛りしちゃって(笑)。
実家にはマキシマム ザ ホルモンのナヲ(ドラム・ボーカル)もボランティアに訪れたとのことで、活動後にはTOSHI-LOWの父と飲んだそうだ。
藤巻:そういうコミュニケーションや縁が生まれるわけですね。
TOSHI-LOW:だから、現地に行くって大事だよね。アーティストとか情報力のある人たちはどんどん被災地に行って、どんどん見たものや感じたものを情報発信したらいいと思う。そうしやすいような社会にしたいなと思うよね。
番組ではSNSで拡がった善意が救った奇跡の養豚場を経営する夫妻やボランティアの受け入れに奔走した人、NPO法人「幡ヶ谷再生大学復興再生部」のメンバーを取材した模様も紹介した。
最後にTOSHI-LOWは「被災した人の声も大事だけど、それをどう受け取ってひとり1人ができることに置き換えられるかが大切」だと話し、「いろんな仕事があるわけだから、役が立たない人なんかいない」と思いを述べた。
もしものときに「自分がどのように役立てるのか」と考えておくことが必要なのではないだろうか。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月24日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『Hitachi Systems HEART TO HEART』
放送日時:毎月第3日曜 22時-22時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/special/hearttoheart/