BRAHMAN/OAUのTOSHI-LOWが、「目的地なきドライブ」をテーマに亀田誠治と音楽談議を展開した。
TOSHI-LOWが登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは8月20日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
TOSHI-LOW:人生っていうのは目的地なき旅じゃないですか。それをみなさんに伝えたくてっていう理由があればいいんですが、まずドライブするのにどこかに行くっていうのはむっちゃ大人になってからの発想で。我々、いちばん初めに車に乗ったのは18歳くらいのときに、まだ学生のうちに先に学校に隠れて免許を取ってくるやつがいて、そいつがどこかからもらってきたボロボロの車で迎えに来てくれたり、土曜の夜とかに来てくれるの。
亀田:そういうのあった。わけもなく呼び出したりとか。
TOSHI-LOW:男4人くらい乗ってどこ行くでもなく、とりあえず1回海行って、今度山行って。お金もないからどこかに寄るっていっても缶コーヒー買うくらいしかなくて。でも明け方までずっと「そこ右行こう」「左行こう」とか言って、そのうちにクラクション鳴らした怖い人に追いかけられたりしてさ(笑)。どこに逃げてるんだろうって(笑)。
亀田:ずっと目的地がないわけね。
TOSHI-LOW:当時ナビとかなかったけど家にちゃんと帰れるし、ああいうドライブってまたしてみたいけど、たぶん二度と同じ道は走れないだろうし、一生に一回しか走らない道を走ってたんだろうなって思うと、思い出としてはギュッとくる。
そんなTOSHI-LOWは最初の空想ドライブミュージックにSHOGUNの『男達のメロディー』をセレクトした。
TOSHI-LOW:これ亀ちゃん(亀田)とか青春時代に聴いてたんじゃないの?
亀田:リアルタイム。中高生くらいじゃないかな。
TOSHI-LOW:SHOGUNの人たちと関わりある?
亀田:あるある。ドラムの山木(秀夫)さんとかもそうだし、(芳野)藤丸さんは少し先輩に当たったりとか、メンバーってスタジオミュージシャンだったんだよね。当時、僕はアマチュアで聴いてたけど、自分がプロになってからスタジオで一緒にレコーディングをするようになったりとか、そういう大先輩たちですね。
TOSHI-LOW:スタジオミュージシャンの人たちって上品だと思ってたけど、この曲を聴いてると、この人たちの人間性も出てるような、カッコいい男の感じが出てる気がしてね。あと、この曲の歌詞を作った喜多條忠って俺の友だちのお父さんなのよ。
亀田:ちょっと待って!? 喜多條忠さんっていわゆる歌謡曲の大御所だよ?
喜多條忠は、かぐや姫のシングル『神田川』などで知られる作詞家だ。
TOSHI-LOW:本当に友だちのお父さんで、この歌詞がすごく好きで、「これ、俺のおやじが作ったんだよ」って言われたときに「うおー!」ってなって、会わせてもらったときにその話ばっかりして。「これなんで書いたんですか?」って言ったら「適当だよ」って言ってた(笑)。確かによく読んだら適当だなって、死ぬだけさって(笑)。でもそれが逆にいいんだよね。意味があることばっかりじゃなくてさ、行き当たりばったりだけどそれが人生を表してるんだなって思う。
TOSHI-LOW:アコースティックなのにちょっとパンキーでしょ?
亀田:一発でOAUワールドだけど、なんだろうね、出てきた瞬間の印象なのかTOSHI-LOW やBRAHMANのメンバーがいるからなのかな、OAUのサウンドはすごくあったかくてくるまれるのよ。
TOSHI-LOW:確かに日本におけるアコースティックサウンドとかバイオリンが入ってるものって少し高貴になっちゃうでしょ。それをもっとストリートっぽくやりたいとは思ってて。
亀田:これは新しい曲だよね。
TOSHI-LOW:そう。いつもMARTINのやつの日本の訳をやるんだけど、バッグに詰めてその道を行こうぜみたいな歌で、だんだん道を行きながら彼女のことを思って、最終的には家に帰るみたいな。それまでの旅みたいな歌で、ドライブするんだったらこの歌いいなと思って。
亀田:この歌でも目的地は設定してないね。
TOSHI-LOW:そうかも。
亀田:最後は家に戻ってくるわけでしょ。
TOSHI-LOW:もはや歳取ってくると家に帰ることも旅だからね(笑)。行くだけじゃねえから。帰り道危ねえから(笑)。
TOSHI-LOW は3曲目に真島昌利の『さよならビリー・ザ・キッド』をセレクトした。
亀田:この曲はリアルタイム?
TOSHI-LOW:リアルタイム。高校生になったくらいとか。ブルーハーツ自体がちょっと人気出すぎて、いいよブルーハーツは、みたいな。
亀田:もちろん好きだったでしょ?
TOSHI-LOW:もちろん。『TRAIN-TRAIN』以降は一般のものになりすぎて、あえて自分たちが応援しなくてもいい存在になっちゃったんだけど、これが出たときにマーシー(真島)の世界にグッと引き戻されて、この人の隠している悲しさみたいなところがすごく好きなんだなって。
亀田:何か自分ごとに感じるね。
TOSHI-LOW:でしょ。酒入ってたら絶対に泣いてるから(笑)。
亀田:しかも自分がおっさんになっても当てはまる。
TOSHI-LOW:あといろんな人の顔も浮かぶんだよ。
亀田:浮かぶ。
TOSHI-LOW:たまたま音楽で自分たちは食えたじゃない。けど、そこに対して「俺はやった」とか思ってなくて、そこに対する後ろめたさもすごくあって。一緒にバンドやって今泥だらけになって働いているやつの顔がいっぱい浮かんできて。当時から切なかったもん。こっち側の大人にはなりたくないっていうのと、いずれ自分もバンドっていうものとか音楽とかを諦めてって。そっち側のほうが多かったから。でもこの曲があれば頑張れるかなって。中途半端に応援してくれなくてもよくて、絶望のほうがもっと頑張れる気がして。
亀田:わかる。いつも言うんだけど、絶望が希望の種みたくなるというか。気付かせてくれるんだよね。
TOSHI-LOW:当時、ガールズバンドのコピーする女の子たちがみんなこぞってやってて。これかThe Runawaysの『Cherry Bomb』みたいな感じで。これムダなパーティー感っていうか。歌詞とかもろくでもないんだけど、それこそがドライブに近いというか。
亀田:なるほど。
TOSHI-LOW:意味ないじゃん、こんなの、目的あっての曲じゃないじゃん。行くとこまで行こうぜってって感じでしょ。
亀田:これ、Suzi Quatroと俺、誕生日一緒なんだよ。僕が小学生の頃にSuzi Quatroブームが日本でも来て。女性でベース弾いて、ボーカルで。それまで女性ロッカーっていたけどボーカリストだったの。でもこの人は楽器持ってバンドやってるよって。しかも若干タイプ。
TOSHI-LOW:おお、そんな目で見てたわけですね。
亀田:あはは(笑)。それでプロフィールとか見たら誕生日が一緒だったわけよ。亀田少年としては運命の人に出会ったと思うわけだよ。しかも海外アーティストで絶対に手が届かないからこそ、めちゃくちゃ思いが深まっていったわけ。女性ベーシストとしても先駆けだし、Suzi Quatroを初めて見たときは自分がベーシストにはなってはないの。
TOSHI-LOW:そうなの?
亀田:そうそう。だって小学6年くらいとかだもん。そのあとに自分がベースにひかれていくのもSuziちゃんの魅惑の何かがあったのかなって。
TOSHI-LOW:もっとベース観点でベーシストになったかと思ってたから、歌を歌ってるベースで亀ちゃんが入ったってのがすごくいい話。
亀田:あとビートルズとかベースが目立つ音楽が好きだったけど、とにかくSuzi Quatroは自分が初めて勝手に自分の運命の人だと自分で認定したの。さっきTOSHI-LOWがマーシーからエネルギーをもらってたてたように、ずっとSuzi Quatroからもらってるほわっとするエネルギーが自分の中にあるのよ。
TOSHI-LOW:奇しくもそんな曲を俺が選んでしまったって何かやだな(笑)。でもそんな話が聞けてうれしい。
9月16日(土)~18日(月・祝)にOAU主催「New Acoustic Camp 2023 ~わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~」が群馬県利根郡みなかみ町水上高原リゾート200 ゴルフコースで開催される(OAUは18日に出演)。
また、BRAHMANは10月から未踏の地や訪れたことのないライブハウスを中心に回る事をコンセプトとして2003年より定期的に行っている「Tour -Hands and Feet-」を開催する。
TOSHI-LOWが登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは8月20日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
一生に一回しか走らない道…青春時代のドライブ
今回、TOSHI-LOWが空想ドライブのテーマとして「目的地なきドライブ」を選んだ。TOSHI-LOW:人生っていうのは目的地なき旅じゃないですか。それをみなさんに伝えたくてっていう理由があればいいんですが、まずドライブするのにどこかに行くっていうのはむっちゃ大人になってからの発想で。我々、いちばん初めに車に乗ったのは18歳くらいのときに、まだ学生のうちに先に学校に隠れて免許を取ってくるやつがいて、そいつがどこかからもらってきたボロボロの車で迎えに来てくれたり、土曜の夜とかに来てくれるの。
亀田:そういうのあった。わけもなく呼び出したりとか。
TOSHI-LOW:男4人くらい乗ってどこ行くでもなく、とりあえず1回海行って、今度山行って。お金もないからどこかに寄るっていっても缶コーヒー買うくらいしかなくて。でも明け方までずっと「そこ右行こう」「左行こう」とか言って、そのうちにクラクション鳴らした怖い人に追いかけられたりしてさ(笑)。どこに逃げてるんだろうって(笑)。
亀田:ずっと目的地がないわけね。
TOSHI-LOW:当時ナビとかなかったけど家にちゃんと帰れるし、ああいうドライブってまたしてみたいけど、たぶん二度と同じ道は走れないだろうし、一生に一回しか走らない道を走ってたんだろうなって思うと、思い出としてはギュッとくる。
そんなTOSHI-LOWは最初の空想ドライブミュージックにSHOGUNの『男達のメロディー』をセレクトした。
TOSHI-LOW:これ亀ちゃん(亀田)とか青春時代に聴いてたんじゃないの?
亀田:リアルタイム。中高生くらいじゃないかな。
TOSHI-LOW:SHOGUNの人たちと関わりある?
亀田:あるある。ドラムの山木(秀夫)さんとかもそうだし、(芳野)藤丸さんは少し先輩に当たったりとか、メンバーってスタジオミュージシャンだったんだよね。当時、僕はアマチュアで聴いてたけど、自分がプロになってからスタジオで一緒にレコーディングをするようになったりとか、そういう大先輩たちですね。
TOSHI-LOW:スタジオミュージシャンの人たちって上品だと思ってたけど、この曲を聴いてると、この人たちの人間性も出てるような、カッコいい男の感じが出てる気がしてね。あと、この曲の歌詞を作った喜多條忠って俺の友だちのお父さんなのよ。
亀田:ちょっと待って!? 喜多條忠さんっていわゆる歌謡曲の大御所だよ?
喜多條忠は、かぐや姫のシングル『神田川』などで知られる作詞家だ。
TOSHI-LOW:本当に友だちのお父さんで、この歌詞がすごく好きで、「これ、俺のおやじが作ったんだよ」って言われたときに「うおー!」ってなって、会わせてもらったときにその話ばっかりして。「これなんで書いたんですか?」って言ったら「適当だよ」って言ってた(笑)。確かによく読んだら適当だなって、死ぬだけさって(笑)。でもそれが逆にいいんだよね。意味があることばっかりじゃなくてさ、行き当たりばったりだけどそれが人生を表してるんだなって思う。
アコースティックサウンドを、ストリートっぽくやりたい
TOSHI-LOWが2曲目にTOSHI-LOW がボーカル/アコースティックギターを担当するOAUの『Homeward Bound』を紹介した。TOSHI-LOW:アコースティックなのにちょっとパンキーでしょ?
亀田:一発でOAUワールドだけど、なんだろうね、出てきた瞬間の印象なのかTOSHI-LOW やBRAHMANのメンバーがいるからなのかな、OAUのサウンドはすごくあったかくてくるまれるのよ。
TOSHI-LOW:確かに日本におけるアコースティックサウンドとかバイオリンが入ってるものって少し高貴になっちゃうでしょ。それをもっとストリートっぽくやりたいとは思ってて。
亀田:これは新しい曲だよね。
TOSHI-LOW:そう。いつもMARTINのやつの日本の訳をやるんだけど、バッグに詰めてその道を行こうぜみたいな歌で、だんだん道を行きながら彼女のことを思って、最終的には家に帰るみたいな。それまでの旅みたいな歌で、ドライブするんだったらこの歌いいなと思って。
亀田:この歌でも目的地は設定してないね。
TOSHI-LOW:そうかも。
亀田:最後は家に戻ってくるわけでしょ。
TOSHI-LOW:もはや歳取ってくると家に帰ることも旅だからね(笑)。行くだけじゃねえから。帰り道危ねえから(笑)。
TOSHI-LOW は3曲目に真島昌利の『さよならビリー・ザ・キッド』をセレクトした。
亀田:この曲はリアルタイム?
TOSHI-LOW:リアルタイム。高校生になったくらいとか。ブルーハーツ自体がちょっと人気出すぎて、いいよブルーハーツは、みたいな。
亀田:もちろん好きだったでしょ?
TOSHI-LOW:もちろん。『TRAIN-TRAIN』以降は一般のものになりすぎて、あえて自分たちが応援しなくてもいい存在になっちゃったんだけど、これが出たときにマーシー(真島)の世界にグッと引き戻されて、この人の隠している悲しさみたいなところがすごく好きなんだなって。
亀田:何か自分ごとに感じるね。
TOSHI-LOW:でしょ。酒入ってたら絶対に泣いてるから(笑)。
亀田:しかも自分がおっさんになっても当てはまる。
TOSHI-LOW:あといろんな人の顔も浮かぶんだよ。
亀田:浮かぶ。
TOSHI-LOW:たまたま音楽で自分たちは食えたじゃない。けど、そこに対して「俺はやった」とか思ってなくて、そこに対する後ろめたさもすごくあって。一緒にバンドやって今泥だらけになって働いているやつの顔がいっぱい浮かんできて。当時から切なかったもん。こっち側の大人にはなりたくないっていうのと、いずれ自分もバンドっていうものとか音楽とかを諦めてって。そっち側のほうが多かったから。でもこの曲があれば頑張れるかなって。中途半端に応援してくれなくてもよくて、絶望のほうがもっと頑張れる気がして。
亀田:わかる。いつも言うんだけど、絶望が希望の種みたくなるというか。気付かせてくれるんだよね。
ガールズバンドがこぞってコピーしていた
TOSHI-LOWは最後の空想ドライブミュージックとしてSuzi Quatroの『Devil Gate Drive』をセレクトした。TOSHI-LOW:当時、ガールズバンドのコピーする女の子たちがみんなこぞってやってて。これかThe Runawaysの『Cherry Bomb』みたいな感じで。これムダなパーティー感っていうか。歌詞とかもろくでもないんだけど、それこそがドライブに近いというか。
亀田:なるほど。
TOSHI-LOW:意味ないじゃん、こんなの、目的あっての曲じゃないじゃん。行くとこまで行こうぜってって感じでしょ。
亀田:これ、Suzi Quatroと俺、誕生日一緒なんだよ。僕が小学生の頃にSuzi Quatroブームが日本でも来て。女性でベース弾いて、ボーカルで。それまで女性ロッカーっていたけどボーカリストだったの。でもこの人は楽器持ってバンドやってるよって。しかも若干タイプ。
TOSHI-LOW:おお、そんな目で見てたわけですね。
亀田:あはは(笑)。それでプロフィールとか見たら誕生日が一緒だったわけよ。亀田少年としては運命の人に出会ったと思うわけだよ。しかも海外アーティストで絶対に手が届かないからこそ、めちゃくちゃ思いが深まっていったわけ。女性ベーシストとしても先駆けだし、Suzi Quatroを初めて見たときは自分がベーシストにはなってはないの。
TOSHI-LOW:そうなの?
亀田:そうそう。だって小学6年くらいとかだもん。そのあとに自分がベースにひかれていくのもSuziちゃんの魅惑の何かがあったのかなって。
TOSHI-LOW:もっとベース観点でベーシストになったかと思ってたから、歌を歌ってるベースで亀ちゃんが入ったってのがすごくいい話。
亀田:あとビートルズとかベースが目立つ音楽が好きだったけど、とにかくSuzi Quatroは自分が初めて勝手に自分の運命の人だと自分で認定したの。さっきTOSHI-LOWがマーシーからエネルギーをもらってたてたように、ずっとSuzi Quatroからもらってるほわっとするエネルギーが自分の中にあるのよ。
TOSHI-LOW:奇しくもそんな曲を俺が選んでしまったって何かやだな(笑)。でもそんな話が聞けてうれしい。
9月16日(土)~18日(月・祝)にOAU主催「New Acoustic Camp 2023 ~わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~」が群馬県利根郡みなかみ町水上高原リゾート200 ゴルフコースで開催される(OAUは18日に出演)。
また、BRAHMANは10月から未踏の地や訪れたことのないライブハウスを中心に回る事をコンセプトとして2003年より定期的に行っている「Tour -Hands and Feet-」を開催する。
番組情報
- Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
-
毎週日曜21:00-21:54