「漫画は教科書!?」をテーマに、ぱーてぃーちゃんの信子、MAN WITH A MISSIONのJean-Ken Johnny、マユリカの中谷が“教科書漫画”と、そこで得た教訓を紹介した。
3人がコメントで登場したのは、2月20日(木)放送のJ-WAVE『GURU GURU!』(木曜日ナビゲーター:エバース)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく“逆転ラジオ”。リスナーからさまざまな意見を募り、発想と柔軟性を育てる教養バラエティプログラムだ。ここでは、そのトークの一部をテキストでお届けする。
佐々木:普段、町田はどれくらい漫画を読むの?
町田:いま読んでる漫画はないですね。
佐々木:でもヒロアカ(『僕のヒーローアカデミア』)を読んでた時期はあったよね?
町田:あれはアニメで観てた。
佐々木:当時、町田といい感じだった女の子がヒロアカ好きで、共通の話題を作るために町田もヒロアカを観始めて、その子にヒロアカの感想をLINEで送ったら、一文で「あっ、そう」みたいな返事で、全然広がってなかったな。
町田:ふざけんなよって感じで(笑)。佐々木はいま読んでる漫画はある?
佐々木:20代中盤くらいからはあんまり読んでないかな。小学生の頃から24、5歳くらいまでは毎週ジャンプ(『週刊少年ジャンプ』)を読んでた。
町田:なんで読むのをやめたの?
佐々木:気になる漫画しか読まなくなっていって。
町田:前は全部の連載を読んでたんだよね。
佐々木:そう。ほぼ作業みたいな感覚。そんなに読みたくないのに読んじゃう。それが大人になるにつれて、本当にしんどくなってきて。だから、当時の人気どころばかり読むようになって『ONE PIECE』『NARUTO』『ハイキュー!!』とか。その数が減ってきて「これ買ってる意味あるのかな?」ってことで読むのをやめた。
町田:でも、だいぶ漫画好きだよね。いまは単行本で買うとかもないの?
佐々木:ない。でも、ネットとか見てて広告みたいなので流れてくるエロ漫画とかは買っちゃうことがある。
町田:それ、何の話だよ。
まず、コメントで登場したのは、お笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんの信子。好きなジャンルは、おもに少年漫画とBLなど。『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「マンガ大好き芸人」や『王様のブランチ』(TBSテレビ)など、漫画コーナーにたびたび出演。作品の単行本の帯にコメントを寄せるなど、漫画フリークとしても有名だ。
そんな信子は、教科書的1冊として小川彌生の漫画『きみはペット』を挙げ、ここで学んだ教訓は「いい女には裏がある」だと話す。
信子:マジで読んだときに「うわ、ごめんけど、いい女になるわ」って決めたときの話ね。(巌谷)澄麗(すみれ)ちゃんっていう、誰がどう見てもバリキャリで壁を作りまくり、一匹狼で誰にも媚びない、みたいな主人公がいて、ひょんなことから男の子をペットにすることになるのね。それがモモ(合田武志)っていうのね。澄麗ちゃんはみんなからとっつきにくいって思われているんだけど、モモと出会ってからどんどん人間らしさが出てくる。そもそも、本当は澄麗ちゃんはそんなにカッコいい女の子じゃなくて、ピュアだし傷つきやすいし、だからこそ反面的に強い感じになっちゃった女性で。それをモモがほだしていって、どんどん人間味が出てくるの。
「『澄麗ちゃんって本当は面白いじゃん』って、みんなが気付いていくまでの過程が最高すぎる」と信子は続ける。
信子:モモが、元バイト先の店長にさらわれちゃうんだけど、そのときに澄麗ちゃんと蓮實(滋人)先輩っていう彼氏がモモを助けにいろんな屈強な男たちを倒しながら進んでいくのね。澄麗ちゃんはめっちゃ強いから、その屈強な男に対して澄麗ちゃんが最終的にひじで喉をつぶそうとして、「このまま喉をつぶされたくなかったらゲロったらいいわよ」みたいなことを言うのね。そのあと「意外とあっさり吐きましたね、ルンルン」みたいな。澄麗ちゃんが強いところを蓮實先輩に見せてなかったのを忘れていて、先輩はめっちゃビビりまくってるっていうシーンがかわいいんだよ(笑)。
どんどん人間味を帯びていく澄麗の変化に加え、同作にはさまざまな要素が含まれていると信子は語る。
信子:澄麗ちゃんが実は涙もろいとか、こんなに弱いけど支えてくれる愛する人がいる、その人にだけ見せればいいじゃんって。「世の中のいい女の条件がすべて詰まってんじゃね」って思うような作品なのね。漫画の要素が全部詰め込まれてるんじゃないかってくらい、ヒーローっぽいところとかSF要素とかも意外とあったりして。「少女漫画なんだけど、少女漫画じゃない」みたいなカテゴリーで、これは唯一無二のカテゴリーだと思ってるくらい、うち的には最高の作品なので絶対に読んでみろって感じ。
そんなJean-Ken Johnnyは、教科書的1冊として曽田正人の漫画『シャカリキ!』を挙げ、この作品で学んだ教訓はズバリ「天才の異常性」。
Jean-Ken Johnny:1992年カラ3年クライ『週刊少年チャンピオン』デ連載サレテイタ自転車漫画デスネ。親ノ都合デ関西ノ「坂ノ町」ニ引ッ越シヲシテキタ自転車ヲトニカク愛スル主人公・野々村輝クン。彼ノ少年時代カラ始マル物語ナンデスケド、引ッ越シタノガ坂ダラケノ町ナンデスヨネ。ソノ坂ノナカデモ、町ノコドモハマダ誰モ自転車デ上ッタコトガナイヨウナ坂ガアルンデスケド、彼自身ハ子ドモノ頃カラ坂ニ対スル異常ナ執着心ガアッテ、ソレヲ上ルコトニ喜ビヲ抱クヨウナ少年デ。トニカク来ル日モ来ル日モソノ坂ニ挑戦シテ、ツイニハ、ソノ年齢デ突破デキテシマウノカッテイウ小サイ頃ニ、ソノ坂ヲ走破シテ町ノヒーローニナッテイキマス。
その後、主人公の野々村は自転車の名門校に進む。
Jean-Ken Johnny:ソコデ個人トシテモ、チームロードレーストシテモ自転車ヲ通ジテドンドン成長シテイッテ、最終的ニハ世界ヲ代表スルヨウナヒルクライマーマデ成長スルデアロウ姿ガ描カレテイル自転車青春漫画デス。イワユル青春スポーツ漫画ノ側面モ散リバメラレテイルンデスケド、ボクハ天才デアルコトノ異常性ヲ(感ジマシタ)。モシカシタラ天才ニナルニハ、コレヨリ異常ジャナケレバイケナイノカッテノヲ学ビマシタ。ヒトツ印象的ナエピソードデ言ウト、マズ坂ッテツライハズナンデスヨ。下リノホウガ楽シイシ、平地ノホウガスピードガデルカラソコデ勝負ヲカケルノガホトンドデスケド、野々村クンハトニカク上リ坂ヲ(好ムンデスネ)。ナゼ、コイツハコンナ苦シイトコロヲウレシソウナ顔デ上ッテイクンダト。ミンナガ上リ坂ヲ必死ニ上ッテイクノニ、野々村クンハ意気揚々ト笑顔デ上ッテイク。ソンナ他ノ選手ニ絶望ヲ与エルヨウナ描カレ方ヲサレテイテ。自分モ音楽ヲ作ル職業ナノデ、イワユル天才トイウモノニ憧レタリスル節モアルンデスケド、大キナコトヲ成スニハ異常ナ側面ヲ帯ビテナイトイケナイノカナッテ、真理カドウカハワカラナイデスケド、学バセテモライマシタ。同時ニソレニ憧レル節ミタイナモノヲ生ンデクレタ作品デシタネ。
そんな中谷は教科書的1冊にあだち充の漫画『クロスゲーム』を挙げ、そこで得た教訓は「かっこいい人間とは何か」だったと話す。
中谷:あだち充先生の作品は『タッチ』とか『H2』とか野球漫画が多いんですけど、どの作品も、男性も女性もモブキャラに至るまでカッコ悪いやつが一切出てこないんですね。一見情けないダメに見えるキャラクターでも、裏で誰にも言わず努力をしていたりとか、やぼなことを言わず背中で語る、そういう人間としてのカッコよさがセリフ回しも含めて魅力だなと思います。『クロスゲーム』は主人公が樹多村 光という男の子で、そのおとなりさんが4人姉妹のご家庭です。次女に(月島)若葉って女の子がいて、年子で三女に青葉って女の子がいて。主人公の光と若葉は公認のカップルというか、ずっとふたりでいい感じで進んでいくんですけど、実は青葉もちょっと光のことが好きで、でもお姉ちゃんの若葉とラブラブだから言えない。言えなくて気持ちの裏返しでイジワルをしちゃう構図があるんですが、多少のネタバレになってしまうけど1巻の最後で若葉が亡くなってしまうんですね。そういうことがありながらいろいろ経て、高校生になった光と青葉の距離がどうやって縮まっていくのかを野球を交えて見せていく作品です。
なかでも、中谷は印象深いシーンがあると言う。
中谷:社会人の月島家の長女・一葉が昔付き合っていた人のことを聞かれたときに、サラッと「別れたら忘れるの。好きになったこと以外にはね」って言うんですね。これが人間のカッコよさというか。そんなことを僕も言ってみたいなって思わせられる、そういうセリフが作品に詰まっているので、僕はあだち充作品は人間のカッコいいところを学べる素敵な作品だなと思っています。
J-WAVE『GURU GURU!』は、毎週月曜〜木曜の22時からオンエア。
3人がコメントで登場したのは、2月20日(木)放送のJ-WAVE『GURU GURU!』(木曜日ナビゲーター:エバース)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく“逆転ラジオ”。リスナーからさまざまな意見を募り、発想と柔軟性を育てる教養バラエティプログラムだ。ここでは、そのトークの一部をテキストでお届けする。
気になる子と共通の会話をするために…
今回のテーマは「漫画は教科書!?」。漫画の読み過ぎはよくないという考えは、もう古い。人生における大切なことは勉強からではなく、実は漫画から学べるのではないのか。さまざまな人の“教科書漫画”をとおして、人生に役立つ教訓を学んでみる。佐々木:普段、町田はどれくらい漫画を読むの?
町田:いま読んでる漫画はないですね。
佐々木:でもヒロアカ(『僕のヒーローアカデミア』)を読んでた時期はあったよね?
町田:あれはアニメで観てた。
佐々木:当時、町田といい感じだった女の子がヒロアカ好きで、共通の話題を作るために町田もヒロアカを観始めて、その子にヒロアカの感想をLINEで送ったら、一文で「あっ、そう」みたいな返事で、全然広がってなかったな。
町田:ふざけんなよって感じで(笑)。佐々木はいま読んでる漫画はある?
佐々木:20代中盤くらいからはあんまり読んでないかな。小学生の頃から24、5歳くらいまでは毎週ジャンプ(『週刊少年ジャンプ』)を読んでた。
町田:なんで読むのをやめたの?
佐々木:気になる漫画しか読まなくなっていって。
町田:前は全部の連載を読んでたんだよね。
佐々木:そう。ほぼ作業みたいな感覚。そんなに読みたくないのに読んじゃう。それが大人になるにつれて、本当にしんどくなってきて。だから、当時の人気どころばかり読むようになって『ONE PIECE』『NARUTO』『ハイキュー!!』とか。その数が減ってきて「これ買ってる意味あるのかな?」ってことで読むのをやめた。
町田:でも、だいぶ漫画好きだよね。いまは単行本で買うとかもないの?
佐々木:ない。でも、ネットとか見てて広告みたいなので流れてくるエロ漫画とかは買っちゃうことがある。
町田:それ、何の話だよ。
少女漫画だけど少女漫画じゃないみたいなカテゴリー
番組では、漫画好きの3人が教科書的1冊を教訓とともに教えてもらった。まず、コメントで登場したのは、お笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんの信子。好きなジャンルは、おもに少年漫画とBLなど。『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「マンガ大好き芸人」や『王様のブランチ』(TBSテレビ)など、漫画コーナーにたびたび出演。作品の単行本の帯にコメントを寄せるなど、漫画フリークとしても有名だ。
そんな信子は、教科書的1冊として小川彌生の漫画『きみはペット』を挙げ、ここで学んだ教訓は「いい女には裏がある」だと話す。
信子:マジで読んだときに「うわ、ごめんけど、いい女になるわ」って決めたときの話ね。(巌谷)澄麗(すみれ)ちゃんっていう、誰がどう見てもバリキャリで壁を作りまくり、一匹狼で誰にも媚びない、みたいな主人公がいて、ひょんなことから男の子をペットにすることになるのね。それがモモ(合田武志)っていうのね。澄麗ちゃんはみんなからとっつきにくいって思われているんだけど、モモと出会ってからどんどん人間らしさが出てくる。そもそも、本当は澄麗ちゃんはそんなにカッコいい女の子じゃなくて、ピュアだし傷つきやすいし、だからこそ反面的に強い感じになっちゃった女性で。それをモモがほだしていって、どんどん人間味が出てくるの。
「『澄麗ちゃんって本当は面白いじゃん』って、みんなが気付いていくまでの過程が最高すぎる」と信子は続ける。
信子:モモが、元バイト先の店長にさらわれちゃうんだけど、そのときに澄麗ちゃんと蓮實(滋人)先輩っていう彼氏がモモを助けにいろんな屈強な男たちを倒しながら進んでいくのね。澄麗ちゃんはめっちゃ強いから、その屈強な男に対して澄麗ちゃんが最終的にひじで喉をつぶそうとして、「このまま喉をつぶされたくなかったらゲロったらいいわよ」みたいなことを言うのね。そのあと「意外とあっさり吐きましたね、ルンルン」みたいな。澄麗ちゃんが強いところを蓮實先輩に見せてなかったのを忘れていて、先輩はめっちゃビビりまくってるっていうシーンがかわいいんだよ(笑)。
どんどん人間味を帯びていく澄麗の変化に加え、同作にはさまざまな要素が含まれていると信子は語る。
信子:澄麗ちゃんが実は涙もろいとか、こんなに弱いけど支えてくれる愛する人がいる、その人にだけ見せればいいじゃんって。「世の中のいい女の条件がすべて詰まってんじゃね」って思うような作品なのね。漫画の要素が全部詰め込まれてるんじゃないかってくらい、ヒーローっぽいところとかSF要素とかも意外とあったりして。「少女漫画なんだけど、少女漫画じゃない」みたいなカテゴリーで、これは唯一無二のカテゴリーだと思ってるくらい、うち的には最高の作品なので絶対に読んでみろって感じ。
青春スポーツ漫画の側面もあるけど…
続いては、ロックバンド・MAN WITH A MISSIONのJean-Ken Johnnyがコメントで登場。J-WAVEで放送中の番組『THE KINGS PLACE』の火曜日ナビゲーターを担当し、番組内で漫画コーナーを設けるほどの大の漫画好き。『鬼滅の刃』『ゴールデンカムイ』など人気漫画原作のアニメ主題歌も多数手がけている。そんなJean-Ken Johnnyは、教科書的1冊として曽田正人の漫画『シャカリキ!』を挙げ、この作品で学んだ教訓はズバリ「天才の異常性」。
Jean-Ken Johnny:1992年カラ3年クライ『週刊少年チャンピオン』デ連載サレテイタ自転車漫画デスネ。親ノ都合デ関西ノ「坂ノ町」ニ引ッ越シヲシテキタ自転車ヲトニカク愛スル主人公・野々村輝クン。彼ノ少年時代カラ始マル物語ナンデスケド、引ッ越シタノガ坂ダラケノ町ナンデスヨネ。ソノ坂ノナカデモ、町ノコドモハマダ誰モ自転車デ上ッタコトガナイヨウナ坂ガアルンデスケド、彼自身ハ子ドモノ頃カラ坂ニ対スル異常ナ執着心ガアッテ、ソレヲ上ルコトニ喜ビヲ抱クヨウナ少年デ。トニカク来ル日モ来ル日モソノ坂ニ挑戦シテ、ツイニハ、ソノ年齢デ突破デキテシマウノカッテイウ小サイ頃ニ、ソノ坂ヲ走破シテ町ノヒーローニナッテイキマス。
その後、主人公の野々村は自転車の名門校に進む。
Jean-Ken Johnny:ソコデ個人トシテモ、チームロードレーストシテモ自転車ヲ通ジテドンドン成長シテイッテ、最終的ニハ世界ヲ代表スルヨウナヒルクライマーマデ成長スルデアロウ姿ガ描カレテイル自転車青春漫画デス。イワユル青春スポーツ漫画ノ側面モ散リバメラレテイルンデスケド、ボクハ天才デアルコトノ異常性ヲ(感ジマシタ)。モシカシタラ天才ニナルニハ、コレヨリ異常ジャナケレバイケナイノカッテノヲ学ビマシタ。ヒトツ印象的ナエピソードデ言ウト、マズ坂ッテツライハズナンデスヨ。下リノホウガ楽シイシ、平地ノホウガスピードガデルカラソコデ勝負ヲカケルノガホトンドデスケド、野々村クンハトニカク上リ坂ヲ(好ムンデスネ)。ナゼ、コイツハコンナ苦シイトコロヲウレシソウナ顔デ上ッテイクンダト。ミンナガ上リ坂ヲ必死ニ上ッテイクノニ、野々村クンハ意気揚々ト笑顔デ上ッテイク。ソンナ他ノ選手ニ絶望ヲ与エルヨウナ描カレ方ヲサレテイテ。自分モ音楽ヲ作ル職業ナノデ、イワユル天才トイウモノニ憧レタリスル節モアルンデスケド、大キナコトヲ成スニハ異常ナ側面ヲ帯ビテナイトイケナイノカナッテ、真理カドウカハワカラナイデスケド、学バセテモライマシタ。同時ニソレニ憧レル節ミタイナモノヲ生ンデクレタ作品デシタネ。
カッコ悪いやつが一切出てこない
最後に、マユリカの中谷がコメントで登場。中谷は過去に小学館の新人コミック大賞において佳作を受賞。漫画家としても活動し、漫画連載のオファーもあったという。そんな中谷は教科書的1冊にあだち充の漫画『クロスゲーム』を挙げ、そこで得た教訓は「かっこいい人間とは何か」だったと話す。
中谷:あだち充先生の作品は『タッチ』とか『H2』とか野球漫画が多いんですけど、どの作品も、男性も女性もモブキャラに至るまでカッコ悪いやつが一切出てこないんですね。一見情けないダメに見えるキャラクターでも、裏で誰にも言わず努力をしていたりとか、やぼなことを言わず背中で語る、そういう人間としてのカッコよさがセリフ回しも含めて魅力だなと思います。『クロスゲーム』は主人公が樹多村 光という男の子で、そのおとなりさんが4人姉妹のご家庭です。次女に(月島)若葉って女の子がいて、年子で三女に青葉って女の子がいて。主人公の光と若葉は公認のカップルというか、ずっとふたりでいい感じで進んでいくんですけど、実は青葉もちょっと光のことが好きで、でもお姉ちゃんの若葉とラブラブだから言えない。言えなくて気持ちの裏返しでイジワルをしちゃう構図があるんですが、多少のネタバレになってしまうけど1巻の最後で若葉が亡くなってしまうんですね。そういうことがありながらいろいろ経て、高校生になった光と青葉の距離がどうやって縮まっていくのかを野球を交えて見せていく作品です。
なかでも、中谷は印象深いシーンがあると言う。
中谷:社会人の月島家の長女・一葉が昔付き合っていた人のことを聞かれたときに、サラッと「別れたら忘れるの。好きになったこと以外にはね」って言うんですね。これが人間のカッコよさというか。そんなことを僕も言ってみたいなって思わせられる、そういうセリフが作品に詰まっているので、僕はあだち充作品は人間のカッコいいところを学べる素敵な作品だなと思っています。
J-WAVE『GURU GURU!』は、毎週月曜〜木曜の22時からオンエア。
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