4ピースインストバンド・toconomaのリーダー・西川隆太郎(Key.)が、音楽との出会いやギターから鍵盤への転身、今の音楽に影響を与える楽曲、そして 11月6日にtoconomaがリリースした約4年ぶりのオリジナルアルバム『ISLAND』について語った。
西川が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは11月23日(土)。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。西川は、「プリングルズ バターキャラメル」と、toconomaのベース・矢向 怜が店主を務める東京・三鷹のタイ料理屋「キッチンConro」のパッタイを持参し、ビールとともに楽しんだ。
西川:姉が小さい頃からピアノをやっていて、なんとなくその影響で僕も始めていたんですけど、やっぱりやらされている感じがあって、あまり楽しくはないなと思っていました。自分で音楽を始めたいなと思ったのが小学校高学年で、ギターとかをやりたくなるじゃないですか。その流れで市のギター教室に友だちと行く機会があって、そこで初めてギターを弾いて。やっぱり音楽って楽しいなって、そのとき初めて能動的に音楽に親しむ感じでした。
クリス:どんな曲をやっていたんですか?
西川:サイモン&ガーファンクルとか。ギターで弾いてもいいし歌ってもいいしみたいな曲をやっていましたね。あと、家庭の影響でわりとそのときはクラシックも聴いていましたね。
クリス:ご両親もクラシックが好きだったんですか。
西川:そうですね。自分で弾けるとかではなかったんですけど、そういう音楽は流れていましたね。
クリス:どんな曲が流れていました?
西川:覚えているのはブラームスの『ハンガリー舞曲第5番』ですね。メロディーは悲しい感じではあるのですがすごく印象的で、この曲ばかりをずっと聴いていた思い出がありますね。
クリス:西川さんの土台はクラシックなのかな?
西川:かもしれないですね。クラシックのなかでもメロディーがはっきりしているものは好んで聴いていたような気がしますね。
クリス:ドラマチックなサウンドということでしょうね。
西川:クラシックって抑揚もすごくあるじゃないですか。そういうものに心が揺さぶられるみたいなものは好きでしたね。
西川:当時、初めてCDショップに行って、いわゆる短冊形のCDで。それだけだと車で聴けないから、輪っかみたいなアダプターを付けて、車で聴きたいという謎の欲望がありました。車でずっと聴いていたので記憶にはすごく残っていますね。
クリス:結構J-POPも聴かれていたんですか?
西川:よく聴いていましたね。小学校時代から中学校時代に上がるにつれて、ギターを始めていたっていうところもそうですし、僕らが中学生時代ってGLAYとかL'Arc-en-Cielとか、そういう方々が流行っていた時代で、当時僕もエレキギターを買ってそういうバンドの曲をコピーする時期がありましたね。
クリス:当時、どんなミュージシャンをコピーしていました?
西川:一番印象に残っているのはBRAHMANの『SEE OFF』ですね。
西川:この曲はAIR JAM全盛期で、僕が高校生の頃によくコピーしていたんですけど、この曲をやっているときって、改めて自分はバンドが好きだなと思ったというか。バンドって1人じゃできなくて仲間でやるものだし、なおかつ熱量が集中するし、オーディエンスもいるし。そういう状況のなか、人生のなかでこれをやっているのが一番楽しいなって、いわゆる人生のピントがバシッと決まった瞬間ではあったかなと思います。今でも当時のバンドのメンバーとは忘年会とかで飲む仲だったりもするので、そういう意味ではかけがえのない時間だったのかなって思いますね。
西川:大学に入ってそれまでと同じようにコピーバンドをしていたんですけど、あまりにギター人口が多いなと思って(笑)。僕は幼い頃にピアノをかじっていたところもあって、なんとなくピアノを弾いてみようかなと思ったのが20歳くらいで。聴いていた音楽もスカやレゲエと、ジャズに広がっていったところもあったので、だったらピアノをやってみようかなと思って、その頃に自主的にピアノにコンバートしました。
クリス:そのとき誰かに教わった?
西川:我流でした。小さい頃にやっていたとはいえ譜面もそんなに読めなくて。でもギターをやっていたので耳コピはよくできていたから、そういう意味ではずっと我流でやってきました。
西川は現在の音楽活動にも繋がるルーツを明かす。その1曲にポール・モーリアの『恋はみずいろ』挙げた。
西川:これは父親が車でかけていて、どこに行くにもこの曲が常にかかっていて。その頃はなんとも思っていなかったんですけど、大人になってくるとメロディーがシンプルでなおかつすごくきれいで、情景がいろいろ浮かんでくるような感じがあったので、それは今の、記憶の残り方をどう作るのかっていう自分のインストの音楽の参考になっていますね。あとは同じようなテイストでゲーム音楽も昔は聴いていて。当時みんながCDで音楽を聴いていたっていうのはあったんですけど、僕はRPGを好んで、そのなかでも『FINAL FANTASY VI』の『仲間を求めて』っていう曲もメロディーが焼きついています。
西川:『ハンガリー舞曲第5番』も『恋はみずいろ』もそうですけど、なんとなく自分の好きなコード進行というか、マイナーで哀愁があってちょっとエスニックな感じもする音楽が好きなのかなって思いました。ゲーム音楽って情景が浮かんでくるところもあるので、合わせて自分の音楽性には活きているのかなと思いますね。
西川:社会人になってからずっとこういうスタンスでやっているので、わりと慣れてきている部分があるのかなと思います。普通に月曜から金曜まで仕事をして、土日でバンド活動をして。土日でみんな何かやるじゃないですか。趣味とか。そういう1つが音楽っていうスタンスをずっと続けているので。
クリス:周りから羨ましいって言われませんか?
西川:言われることもありますね。職場の人からは土日に音楽をやるのはすごいねって言われて、逆に音楽業界の方からは平日仕事しているのはすごいねって言われたりするんですけど、僕らとしては土日の部活みたいな感じでずっとやってきたので。
クリス:どれくらいからやり始めたんですか?
西川:僕らが社会人になったのが2007年で、そこから1年なんとなくチューニングして2008年からやっているので16年経ちますね。
クリス:最初はインディーズだったんですよね。
西川:2013年くらいですかね。だから5年くらいは曲を作りながら自主でもリリースしたり音源を手売りしたりしていました。
クリス:リハーサルとか練習はいつ?
西川:土曜日ですね。平日は仕事優先とパキッとしているので。最近、海外遠征とかは金曜に有休を取って金・土・日で行くとか、そういう感じですね。
クリス:苦じゃない?
西川:全然苦じゃないですね。むしろこのスタイルが今の自分たちにとってちょうどいいというか。
クリス:4年ぶりっていうのはコロナの影響?
西川:社会人なので、それほどリリースのペースが早くないのはちょっと申し訳ないのですが、前作の『VISTA』から4年でコロナもあったんですけど、今作の『ISLAND』はコロナ禍ということもあり、ポジティブなアルバムにしたいよねっていうのはベースにあって。落ち着いたタイミングで海外にも行けるし、我々はフィールド問わず出たいよねっていう意識があったので、改めてこの島国・日本から世界へポジティブに発信するメッセージみたいなアルバムになればいいなと思って、このタイトルにしました。
クリス:全体的に陽な作品ですよね。
西川:どちらかというとコロナ禍でマスクを着けてリハーサルスタジオに入ったりして、こういう感じはいつか終わってポジティブになるんじゃないかっていう先を見ながら楽曲を作っていたのかもしれないですね。陰鬱ななかにもゴールを見据えてポジティブな曲を作っていこうっていうのがアルバムのなかには出ているのかなって思います。
番組では『ISLAND』に収録の『SODA』をオンエアした。
2025年1月22日(水)には『ISLAND』のアナログ盤をリリース。また2025年2月1日(土)からは全国ツアー「toconoma 5th ALBUM "ISLAND" RELEASE TOUR」がスタートする。
toconomaの最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
西川が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは11月23日(土)。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。西川は、「プリングルズ バターキャラメル」と、toconomaのベース・矢向 怜が店主を務める東京・三鷹のタイ料理屋「キッチンConro」のパッタイを持参し、ビールとともに楽しんだ。
初めて能動的に音楽に親しむことができた
西川は東京出身。幼少時代は1歳上の姉の影響で音楽には親しみがあったと振り返る。西川:姉が小さい頃からピアノをやっていて、なんとなくその影響で僕も始めていたんですけど、やっぱりやらされている感じがあって、あまり楽しくはないなと思っていました。自分で音楽を始めたいなと思ったのが小学校高学年で、ギターとかをやりたくなるじゃないですか。その流れで市のギター教室に友だちと行く機会があって、そこで初めてギターを弾いて。やっぱり音楽って楽しいなって、そのとき初めて能動的に音楽に親しむ感じでした。
クリス:どんな曲をやっていたんですか?
西川:サイモン&ガーファンクルとか。ギターで弾いてもいいし歌ってもいいしみたいな曲をやっていましたね。あと、家庭の影響でわりとそのときはクラシックも聴いていましたね。
クリス:ご両親もクラシックが好きだったんですか。
西川:そうですね。自分で弾けるとかではなかったんですけど、そういう音楽は流れていましたね。
クリス:どんな曲が流れていました?
西川:覚えているのはブラームスの『ハンガリー舞曲第5番』ですね。メロディーは悲しい感じではあるのですがすごく印象的で、この曲ばかりをずっと聴いていた思い出がありますね。
クリス:西川さんの土台はクラシックなのかな?
西川:かもしれないですね。クラシックのなかでもメロディーがはっきりしているものは好んで聴いていたような気がしますね。
クリス:ドラマチックなサウンドということでしょうね。
西川:クラシックって抑揚もすごくあるじゃないですか。そういうものに心が揺さぶられるみたいなものは好きでしたね。
人生のピントがバシッと決まった瞬間
西川が初めて買ったCDはCHAGE and ASKA『YAH YAH YAH』のシングル盤だった。西川:当時、初めてCDショップに行って、いわゆる短冊形のCDで。それだけだと車で聴けないから、輪っかみたいなアダプターを付けて、車で聴きたいという謎の欲望がありました。車でずっと聴いていたので記憶にはすごく残っていますね。
クリス:結構J-POPも聴かれていたんですか?
西川:よく聴いていましたね。小学校時代から中学校時代に上がるにつれて、ギターを始めていたっていうところもそうですし、僕らが中学生時代ってGLAYとかL'Arc-en-Cielとか、そういう方々が流行っていた時代で、当時僕もエレキギターを買ってそういうバンドの曲をコピーする時期がありましたね。
クリス:当時、どんなミュージシャンをコピーしていました?
西川:一番印象に残っているのはBRAHMANの『SEE OFF』ですね。
西川:この曲はAIR JAM全盛期で、僕が高校生の頃によくコピーしていたんですけど、この曲をやっているときって、改めて自分はバンドが好きだなと思ったというか。バンドって1人じゃできなくて仲間でやるものだし、なおかつ熱量が集中するし、オーディエンスもいるし。そういう状況のなか、人生のなかでこれをやっているのが一番楽しいなって、いわゆる人生のピントがバシッと決まった瞬間ではあったかなと思います。今でも当時のバンドのメンバーとは忘年会とかで飲む仲だったりもするので、そういう意味ではかけがえのない時間だったのかなって思いますね。
影響を与えたゲーム音楽
そんな西川がギターから鍵盤にパートを変えたのは20歳の頃だったという。西川:大学に入ってそれまでと同じようにコピーバンドをしていたんですけど、あまりにギター人口が多いなと思って(笑)。僕は幼い頃にピアノをかじっていたところもあって、なんとなくピアノを弾いてみようかなと思ったのが20歳くらいで。聴いていた音楽もスカやレゲエと、ジャズに広がっていったところもあったので、だったらピアノをやってみようかなと思って、その頃に自主的にピアノにコンバートしました。
クリス:そのとき誰かに教わった?
西川:我流でした。小さい頃にやっていたとはいえ譜面もそんなに読めなくて。でもギターをやっていたので耳コピはよくできていたから、そういう意味ではずっと我流でやってきました。
西川は現在の音楽活動にも繋がるルーツを明かす。その1曲にポール・モーリアの『恋はみずいろ』挙げた。
西川:これは父親が車でかけていて、どこに行くにもこの曲が常にかかっていて。その頃はなんとも思っていなかったんですけど、大人になってくるとメロディーがシンプルでなおかつすごくきれいで、情景がいろいろ浮かんでくるような感じがあったので、それは今の、記憶の残り方をどう作るのかっていう自分のインストの音楽の参考になっていますね。あとは同じようなテイストでゲーム音楽も昔は聴いていて。当時みんながCDで音楽を聴いていたっていうのはあったんですけど、僕はRPGを好んで、そのなかでも『FINAL FANTASY VI』の『仲間を求めて』っていう曲もメロディーが焼きついています。
西川:『ハンガリー舞曲第5番』も『恋はみずいろ』もそうですけど、なんとなく自分の好きなコード進行というか、マイナーで哀愁があってちょっとエスニックな感じもする音楽が好きなのかなって思いました。ゲーム音楽って情景が浮かんでくるところもあるので、合わせて自分の音楽性には活きているのかなと思いますね。
“週末バンド”は全然苦じゃない
続いて、toconomaの話題に。メンバー全員が別の仕事をしながら音楽活動を続けていることに関して「大変じゃない?」とクリスが問いかける。西川:社会人になってからずっとこういうスタンスでやっているので、わりと慣れてきている部分があるのかなと思います。普通に月曜から金曜まで仕事をして、土日でバンド活動をして。土日でみんな何かやるじゃないですか。趣味とか。そういう1つが音楽っていうスタンスをずっと続けているので。
クリス:周りから羨ましいって言われませんか?
西川:言われることもありますね。職場の人からは土日に音楽をやるのはすごいねって言われて、逆に音楽業界の方からは平日仕事しているのはすごいねって言われたりするんですけど、僕らとしては土日の部活みたいな感じでずっとやってきたので。
クリス:どれくらいからやり始めたんですか?
西川:僕らが社会人になったのが2007年で、そこから1年なんとなくチューニングして2008年からやっているので16年経ちますね。
クリス:最初はインディーズだったんですよね。
西川:2013年くらいですかね。だから5年くらいは曲を作りながら自主でもリリースしたり音源を手売りしたりしていました。
クリス:リハーサルとか練習はいつ?
西川:土曜日ですね。平日は仕事優先とパキッとしているので。最近、海外遠征とかは金曜に有休を取って金・土・日で行くとか、そういう感じですね。
クリス:苦じゃない?
西川:全然苦じゃないですね。むしろこのスタイルが今の自分たちにとってちょうどいいというか。
島国・日本から世界へポジティブに発信する
toconomaは11月6日に約4年ぶりのオリジナルアルバム『ISLAND』をリリースした。クリス:4年ぶりっていうのはコロナの影響?
西川:社会人なので、それほどリリースのペースが早くないのはちょっと申し訳ないのですが、前作の『VISTA』から4年でコロナもあったんですけど、今作の『ISLAND』はコロナ禍ということもあり、ポジティブなアルバムにしたいよねっていうのはベースにあって。落ち着いたタイミングで海外にも行けるし、我々はフィールド問わず出たいよねっていう意識があったので、改めてこの島国・日本から世界へポジティブに発信するメッセージみたいなアルバムになればいいなと思って、このタイトルにしました。
クリス:全体的に陽な作品ですよね。
西川:どちらかというとコロナ禍でマスクを着けてリハーサルスタジオに入ったりして、こういう感じはいつか終わってポジティブになるんじゃないかっていう先を見ながら楽曲を作っていたのかもしれないですね。陰鬱ななかにもゴールを見据えてポジティブな曲を作っていこうっていうのがアルバムのなかには出ているのかなって思います。
番組では『ISLAND』に収録の『SODA』をオンエアした。
2025年1月22日(水)には『ISLAND』のアナログ盤をリリース。また2025年2月1日(土)からは全国ツアー「toconoma 5th ALBUM "ISLAND" RELEASE TOUR」がスタートする。
toconomaの最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週土曜18:00-18:54