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Bialystocks・甫木元空、90代の祖父との暮らしを語る「朝ドラから始まり…」

Bialystocks・甫木元空、90代の祖父との暮らしを語る「朝ドラから始まり…」

Bialystocksの甫木元空(Vo)が、ニューアルバム『Songs for the Cryptids』の制作エピソードを語った。

J-WAVEで放送中の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。10月13日(日)のオンエアでは、甫木がゲストに登場した。

祖父の1日の生活サイクルは決まっている

Bialystocksは甫木元空と菊池 剛によるオルタナティヴ・ロックバンド。2019年、甫木元監督作品、青山真治、仙頭武則共同プロデュースの映画『はるねこ』生演奏上映をきっかけに結成された。2022年11月にメジャーファーストアルバム『Quicksand』をリリース。番組には2022年10月ぶりの出演となる。

甫木元はミュージシャンのほかに映画監督、小説など、その活動は多岐にわたる。現在は祖父が暮らす高知と東京の2拠点で活動している。

クリス:2拠点生活はいかがですか?

甫木元:リフレッシュにはなりますかね。東京の喧騒と田舎っていう違いもありますし、90代の祖父の独特な時間感覚で生活していると、また違いますよね。

クリス:どんな風に違うんですか?

甫木元:ルーティンすべてが決まっているんですよね。朝ドラから始まり、17時になったらお酒を飲むみたいな。

クリス:90歳になってもお酒は飲まれるんですね。

甫木元:高知の人なんだなって思いますね。

クリス:何を飲むんですか?

甫木元:すべて決まっています。缶ビール1本を飲み、冬でも夏でも焼酎のお湯割りを3杯飲むのが日課になっています(笑)。

クリス:おじいちゃんとはすごく親しいんですね。

甫木元:そうですね。小さい頃は夏休みに遊びに行くぐらいの関係性だったんですけど、コロナ禍で一緒に生活する時間も長かったんですよね。そこで急速に仲良くなったっていうのはあったかもしれないです。

クリス:おじいちゃんと一緒に生活しているってなかなかないと思います。

甫木元:母親が病気をして高知に帰ることになって、そのタイミングで一緒に戻ったんですけど、高知のことを全然知らなかったんですね。それで、祖父から自分の家のルーツだったりいろいろ聞きまくったんです。話を聞いていくうちに仲良くなった気はします。

シンプルで聴きやすいアルバムに仕上がった

Bialystocksは10月2日、ニューアルバム『Songs for the Cryptids』をリリースした。前作から1年8ヵ月ぶり、3枚目のアルバムとなる。

クリス:「Cryptids」というのは「未確認生物」という意味なんですよね?

甫木元:はい。

クリス:そうすると、アルバムタイトルは「未確認生物のための歌」ということですか?

甫木元:「Songs for the 〇〇」って昔アルバムのタイトルでよく使われていたんですよね。今回、アルバムのタイトルが最後に決まったんですけど、この2年間の作品集って感じです。これまでは自分が体験してきたことを歌詞に書くことが多かったんですけど、ちょっとそこに遊び心がほしいなって思ったんですね。SF映画じゃないですけど、僕たち自身も誰かにとっては未確認生物で、そういう遊び心を視点を変えて入れるとユーモアを交えながら歌詞が書けるんじゃないかと思ってつけました。

クリス:すごくいいですよね。英語のタイトルも引っかかりがあるし、ちょっと紐解いてみたいなって思わせます。3枚目のアルバムで毎盤完成度が増している感じがありますけども、自分たちなりに進化した部分、狙ったポイントはあります?

甫木元:よくも悪くもずっと変わらず、お互いとにかくいいメロディーを持ち寄ろうって思いがあります。編曲は相方のピアニストの菊池 剛さんがやってくれるんですけど、今回は菊池さんがギターもベースも弾いている曲も増えています。いろんな音が入っている曲もあるんですけど、だんだんシンプルに、聴きやすくなっているところはあるかもしれないですね。

クリス:でも、ボーカルには凝っているんじゃないですか?

甫木元:そうなんですよね。音が少ないぶん、1個1個の音づくりに時間をかけてやっていきました。

クリス:自己採点するといかがですか?

甫木元:難しいですね(笑)! 締め切りギリギリの8月末にやっと完成したんで、おぼろげにやっと客観視できるようになったんですよ。本当は夏に発売する予定だったんですけどズレて秋になってしまったんですね。なんですが、秋らしいアルバムになったなと思っています(笑)。

クリス:たしかにBialystocksは秋のイメージがありますね。

“子どもらしさ”を詰め込んだ楽曲を制作

番組では、アルバム収録曲の『Kids』がオンエアされた。楽曲は子ども時代の感覚を意識して制作されたものだという。



クリス:子どもの頃の感覚ってどんなものですか?

甫木元:小学生の頃って「この時間に終わりが来るんだろうか」と思ったり、夏休みを永遠に感じたりしますよね。ちょっとケガするとこの世の終わりのような感覚を味わったり、夜にシャンプーしていると妄想で怖くなって急に振り向けなくなったりする。自由な発想で1日をすごく伸び縮みしながら生活していた子ども時代を思い出しながら、少年時代の自分と会話しているような歌詞だったらおもしろいかなと思って作ってみました。

クリス:わかります。今思い返すと、子ども時代って白昼夢のようですよね。菊池さんはサウンド的にザ・ビートルズを意識されているそうですね。

甫木元:そうですね。それまであまりビートルズを通っていなかったんですけど、自分でレコーディングするようになって、音響的な部分でビートルズ周辺を改めて聴いた時期があったみたいで。自分に引っかかる部分って何だろうと思って作ったみたいですね。

クリス:ビートルズはポップスの極みみたいなところですよね。

『Kids』のMVでは甫木元が監督を務め、実写と切り絵が融合した独自の世界観が描かれている。
クリス:菊池さんがたくさん分身されていますよね。ドラム、キーボード、ギター、ベースと菊池さんが演奏していますね。MVは甫木元さんの作品ですけども、頭のなかに子どもの頃のシーンが描かれていたりしています。

甫木元:ビートルズのサイケな感じというか、ビートルズのMVもけっこう独特じゃないですか。子どもの頃の純粋無垢な感じをMVが体現しているような、ああいう自由さがおもしろいなって思いました。あの頃のビートルズのアナログなCGの使い方を参考にもした部分があります。

全国7都市を回るライブハウスツアーがスタート!

Bialystocksは10月20日(日)から、愛知のZepp Nagoyaからスタートとなるライブハウスツアー「Bialystocks New Album Tour 2024」を全国7都市で開催。

クリス:関東は11月2日(土)にKT Zepp Yokohama、11月29日(金)にZepp DiverCityですけども、ともにソールドアウト! 大人気ですね!

甫木元:ありがとうございます!

クリス:映画監督、エッセイスト、音楽家の3足のわらじを履いていらっしゃいますよね。音楽のほうが忙しくなっちゃったって感じですか?

甫木元:そうですね。音楽をきっかけにお声がけいただくこともありますので頑張ります!

クリス:ライブに関して目標はありますか?

甫木元:海外ツアーはやってみたいですね。あとは地道に、僕たちらしく流れのまま、会場に合わせたライブができたらと思っています。

クリス:ツアーを映画にするという企画はありませんか?

甫木元:どうなんでしょうね。自分のツアーを映画にするってことは、自分の顔を編集中延々と見ないといけないってことですよね(笑)。ある程度アーカイブが溜まってきたら編集するってなったらあるのかもしれないです。

クリス:今回も完成度の高い、素敵なアルバムに仕上がっていると思います。ツアーも頑張ってください!

Bialystocksの最新情報は、公式サイトまで。

『SAISON CARD TOKIO HOT 100』では、J-WAVE全番組のオンエアチャート、インターネット投票、東京都内主要のCDショップのセールスチャート、ストリーミングを集計。J-WAVEのオフィシャルチャートとして、毎週100曲のオリジナルランキングをオンエアする。放送は毎週日曜日の13時から。

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番組情報
SAISON CARD TOKIO HOT 100
毎週日曜
13:00-16:54