ポルノグラフィティの新藤晴一が、ギターを始めたきっかけや影響を受けたアーティスト、バンドメジャーデビュー25周年を迎えた心境を語った。
新藤が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは3月30日(土)。ここでは公開収録で行われた様子をテキストで紹介する。
ポルノグラフィティは3月27日に25周年第一弾シングル『解放区』をリリースした。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。新藤は安岡蒲鉾の「宇和島じゃこ天」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
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公開収録は、東京ミッドタウンで開催されたイベント「ザ・パーフェクト黒ラベル エクスペリエンス2024」内の特設ブースで行われた。多数の応募から選ばれた幸運なリスナーは、新藤&クリスとビールで乾杯。ブース外にも人が集まるほどの賑わいとなった。
新藤は広島県因島出身。幼い頃はたくさんの親戚に囲まれて「ぬくぬくと育った」と当時を振り返る。さらに「高校くらいのときにバンドを始めて、どこかにあったドラムセットを家に持ち込んで叩いて、ギターを鳴らしても近所のおばちゃんは『賑やかでいいね』と言ってくれた」とその様子を語った。
そんな新藤が音楽に目覚めたのは中学生の頃。世の中はバンドブームが巻き起こり、誰となく楽器を持っていたりバンドを組んだりする環境だったという。
クリス:そのときに人気があったバンドは?
新藤:JUN SKY WALKER(S)やTHE BLUE HEARTSですね。BOØWYも人気がありました。あの頃のバンドってコピーしやすいというか。今ほどプロダクションじゃなくて、自分たちがスタジオに入ってアレンジをしたみたいな感じだったから、バンドでやりやすかったんですね。
クリス:初めて買ったレコードは覚えていますか?
新藤:キョンキョン(小泉今日子)の『木枯らしに抱かれて』が入ったアルバム『Hippies』ですね。
クリス:キョンキョンファンだったんですね。
新藤:明菜ちゃん(中森明菜)ファンだったんですけどね。なんでキョンキョンを買ったんでしょうね。
クリス:あはは(笑)。
新藤がギターを始めたのは中学2、3年の頃。東京からの転校生が持っていた赤いストラトキャスターを貸してもらったことがきっかけだった。
新藤:ロックギターって言ったらひずむ音だけど、エフェクターの存在を知らなかったので、なぜあの音が出ないのかって。それは俺が下手だからだと思っていて。うまくなったらギターの音がひずむんだと思っていたくらい情報が何もない中、最初にコピーしたのがX JAPANの『紅』で。この曲はアルペジオっていうクリーントーンの音で始まって、一節歌ったらジャジャーンってひずんだ音が入るんだけど、俺はまだここを弾くには早いんだと思って。
クリス:未熟だから弾けないんだと。
新藤:そのうち情報が入ってくると、ペダルを踏むと音がひずむんだとわかって。これだったんだって。あれは時間がかかったな。
X JAPANの他に新藤が影響を受けたアーティストとして、BARBEE BOYSの名前を挙げた。
新藤:歌詞や演奏も都会っぽかったっていうのはありますし、KONTAさんが大好きだったのでコピーバンドをするならこれをやろうと。文化祭は僕がボーカルで歌おうとしたんですけど、BARBEE BOYSってコーラスもあるので、そのために他のクラスに岡野昭仁くんっていう歌のうまいやつがいるって聞いて、コーラスを頼んで。「カモン!」ってコーラスだけなんですけど。それを岡野くんが歌ってくれたら、明らかに僕よりうまくて。
クリス:なるほど。もともとはギターも弾くボーカリストだったんですね。
新藤:そうです。俺の伴走集まれってバンドを組んだんですけけど、その文化祭でクビになりました(笑)。
新藤:ギターのかっこいいことをやってくれる感じ。Guns N' Rosesのギタリスト・スラッシュもかっこよかったんですけど、スラッシュを弾くにはブルースなんだ、ブルースって言ったら誰だ、クラプトンだって。クラプトンを聴くと王道のかっこいいことをやってくれてコピーをしたくなる。
クリス:その王道が魅力なのかな。
新藤:アバンギャルドじゃなかったというか。ジミ・ヘンドリックスはかっこいいけど、どうやってコピーしたらいいかよくわからない。それと比べるとクラプトンはフレーズが端正で教科書のようにメジャーとマイナーのブルーススケールを行き来してくれる。ブルースのいいところをしっかり教えてくれた感じですね。
クリス:クラプトンで好きなアルバムは?
新藤:たくさんあるんですけど、1枚挙げるとしたら『Pilgrim』を選びます。クラプトンのよさのひとつがメロディアスだと思います。このアルバムは打ち込みも多くて古典的なブルース臭はあまりしないんですけど、クラプトンのメロディアスさ、メロディーメーカーさ、そして歌のよさがあり、打ち込みの中に時折ブルースが出てくるんですよね。その塩梅がこのアルバムはいいですね。
また近年はミュージカルにも大きな影響を受けていると新藤は言う。
新藤:我々がやっている曲はその1曲で成り立つ音楽だけど、ミュージカルはストーリーの中に曲があって、その曲たちが影響し合って意味が生まれてくる。ミュージカルはなんでもありなんですよね。歌って踊ってお芝居もしている。とにかく全力で楽しませようって。エンターテインメントという意味では最近好きですね。
クリス:全部ミュージカルの中に入っていますよね。歌も踊りも芝居も美術も演出も。
新藤:我々は音楽をやっているけど、また可能性のひとつとして面白いと思いますね。
2023年、新藤がプロデュース・原案・作詞・作曲を手掛けたミュージカル『a new musical「ヴァグラント」』が上演された。
新藤:本当に楽しかったですね。役者さん1人1人に曲があって、いろんな人が歌ってくれることも楽しかったですし、「こういう風に歌うんだ」っていうのも楽しかったし。たくさんの人が集まって何か作るって、バンドを組んだときと同じような楽しさが思い浮かんだし、全体的にいい夏休みだったなって思います。
5月24日(金)には『a new musical「ヴァグラント」』のBlu-rayがリリースされる。
クリス:1999年のメジャーデビュー曲『アポロ』は空前の大ヒットでしたよね。
新藤:あの頃、自分たちの事務所は福山雅治さんの『桜坂』やサザンオールスターズの『TSUNAMI』がバンバン売れていたので、このあと『サウダージ』が初めて100万枚いったんですけど、事務所で全然褒めてもらえませんでした。あっちは300万枚だから。
クリス:うわ、厳しいな。
新藤:時代ですよね。
そんなポルノグラフィティは3月27日に25周年第一弾シングル『解放区』をリリースした。
新藤:自分は高度経済成長の名残やバブルがある時期に、「明日はいい日だ」っていう国全体の空気を吸って生きてきて。でももう日本の国的には失われた何年だって話や暗い話が多いけど、みんなそれなりにその日を楽しんで大事に生きている。それを書きたかったので、「明日がいい日」や「ここじゃないどこか」みたいなことではなくて「いまここ」をテーマにしました。
クリス:苦もあれば楽もあるけど、幸福は自分でつかんでいくっていうことですよね。
ポルノグラフィティは全国ツアー「19thライヴサーキット "PG wasn't built in a day"」を開催。3月31日に東京・有明アリーナでツアーファイナルを行った。
クリス:「ポルノグラフィティは1日でできあがったんじゃないぞ」というタイトルですが。
新藤:自分たちが作ってきた曲で、自分たちがやってきた曲ですけど、ファンの人たちもその曲を育ててきたということがあると思うんですよね。ヒット曲はあるけど、それはただ過去のヒット曲であって、ライブでファンの方たちが育てて今またステージにのせてやっていて、育ててきた曲を一緒に楽しんでいる。ライブ自体も、ポルノグラフィティ自体も今日だけでできているわけではないなっていう意味を込めてみました。
ポルノグラフィティは8月31日(土)、9月1日(日)に広島・因島運動公園で、9月7日(土)、8日(日)に神奈川・横浜スタジアムで、ライブイベント「因島・横浜ロマンスポルノ’24」を開催する。その他の最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
(撮影=竹内洋平)
新藤が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは3月30日(土)。ここでは公開収録で行われた様子をテキストで紹介する。
ポルノグラフィティは3月27日に25周年第一弾シングル『解放区』をリリースした。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。新藤は安岡蒲鉾の「宇和島じゃこ天」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
再生は2024年4月6日28時ごろまで
「他のクラスに岡野昭仁くんっていう歌のうまいやつがいる」
公開収録は、東京ミッドタウンで開催されたイベント「ザ・パーフェクト黒ラベル エクスペリエンス2024」内の特設ブースで行われた。多数の応募から選ばれた幸運なリスナーは、新藤&クリスとビールで乾杯。ブース外にも人が集まるほどの賑わいとなった。
新藤は広島県因島出身。幼い頃はたくさんの親戚に囲まれて「ぬくぬくと育った」と当時を振り返る。さらに「高校くらいのときにバンドを始めて、どこかにあったドラムセットを家に持ち込んで叩いて、ギターを鳴らしても近所のおばちゃんは『賑やかでいいね』と言ってくれた」とその様子を語った。
そんな新藤が音楽に目覚めたのは中学生の頃。世の中はバンドブームが巻き起こり、誰となく楽器を持っていたりバンドを組んだりする環境だったという。
クリス:そのときに人気があったバンドは?
新藤:JUN SKY WALKER(S)やTHE BLUE HEARTSですね。BOØWYも人気がありました。あの頃のバンドってコピーしやすいというか。今ほどプロダクションじゃなくて、自分たちがスタジオに入ってアレンジをしたみたいな感じだったから、バンドでやりやすかったんですね。
クリス:初めて買ったレコードは覚えていますか?
新藤:キョンキョン(小泉今日子)の『木枯らしに抱かれて』が入ったアルバム『Hippies』ですね。
クリス:キョンキョンファンだったんですね。
新藤:明菜ちゃん(中森明菜)ファンだったんですけどね。なんでキョンキョンを買ったんでしょうね。
クリス:あはは(笑)。
新藤がギターを始めたのは中学2、3年の頃。東京からの転校生が持っていた赤いストラトキャスターを貸してもらったことがきっかけだった。
新藤:ロックギターって言ったらひずむ音だけど、エフェクターの存在を知らなかったので、なぜあの音が出ないのかって。それは俺が下手だからだと思っていて。うまくなったらギターの音がひずむんだと思っていたくらい情報が何もない中、最初にコピーしたのがX JAPANの『紅』で。この曲はアルペジオっていうクリーントーンの音で始まって、一節歌ったらジャジャーンってひずんだ音が入るんだけど、俺はまだここを弾くには早いんだと思って。
クリス:未熟だから弾けないんだと。
新藤:そのうち情報が入ってくると、ペダルを踏むと音がひずむんだとわかって。これだったんだって。あれは時間がかかったな。
X JAPANの他に新藤が影響を受けたアーティストとして、BARBEE BOYSの名前を挙げた。
新藤:歌詞や演奏も都会っぽかったっていうのはありますし、KONTAさんが大好きだったのでコピーバンドをするならこれをやろうと。文化祭は僕がボーカルで歌おうとしたんですけど、BARBEE BOYSってコーラスもあるので、そのために他のクラスに岡野昭仁くんっていう歌のうまいやつがいるって聞いて、コーラスを頼んで。「カモン!」ってコーラスだけなんですけど。それを岡野くんが歌ってくれたら、明らかに僕よりうまくて。
クリス:なるほど。もともとはギターも弾くボーカリストだったんですね。
新藤:そうです。俺の伴走集まれってバンドを組んだんですけけど、その文化祭でクビになりました(笑)。
エリック・クラプトンのギターに教わったこと
「尊敬するアーティストは?」と訊かれた新藤はエリック・クラプトンを挙げ「ギターの弾き方を彼から習ったみたいなところはある」と答えた。新藤:ギターのかっこいいことをやってくれる感じ。Guns N' Rosesのギタリスト・スラッシュもかっこよかったんですけど、スラッシュを弾くにはブルースなんだ、ブルースって言ったら誰だ、クラプトンだって。クラプトンを聴くと王道のかっこいいことをやってくれてコピーをしたくなる。
クリス:その王道が魅力なのかな。
新藤:アバンギャルドじゃなかったというか。ジミ・ヘンドリックスはかっこいいけど、どうやってコピーしたらいいかよくわからない。それと比べるとクラプトンはフレーズが端正で教科書のようにメジャーとマイナーのブルーススケールを行き来してくれる。ブルースのいいところをしっかり教えてくれた感じですね。
クリス:クラプトンで好きなアルバムは?
新藤:たくさんあるんですけど、1枚挙げるとしたら『Pilgrim』を選びます。クラプトンのよさのひとつがメロディアスだと思います。このアルバムは打ち込みも多くて古典的なブルース臭はあまりしないんですけど、クラプトンのメロディアスさ、メロディーメーカーさ、そして歌のよさがあり、打ち込みの中に時折ブルースが出てくるんですよね。その塩梅がこのアルバムはいいですね。
また近年はミュージカルにも大きな影響を受けていると新藤は言う。
新藤:我々がやっている曲はその1曲で成り立つ音楽だけど、ミュージカルはストーリーの中に曲があって、その曲たちが影響し合って意味が生まれてくる。ミュージカルはなんでもありなんですよね。歌って踊ってお芝居もしている。とにかく全力で楽しませようって。エンターテインメントという意味では最近好きですね。
クリス:全部ミュージカルの中に入っていますよね。歌も踊りも芝居も美術も演出も。
新藤:我々は音楽をやっているけど、また可能性のひとつとして面白いと思いますね。
2023年、新藤がプロデュース・原案・作詞・作曲を手掛けたミュージカル『a new musical「ヴァグラント」』が上演された。
a new musical『ヴァグラント』 ゲネプロ
5月24日(金)には『a new musical「ヴァグラント」』のBlu-rayがリリースされる。
ポルノグラフィティは1日でできあがったわけじゃない
ポルノグラフィティは2024年でメジャーデビュー25周年を迎える。新藤は「あっという間だったけど、25年経つとベテランだなって実感もある」と心境を口にする。クリス:1999年のメジャーデビュー曲『アポロ』は空前の大ヒットでしたよね。
新藤:あの頃、自分たちの事務所は福山雅治さんの『桜坂』やサザンオールスターズの『TSUNAMI』がバンバン売れていたので、このあと『サウダージ』が初めて100万枚いったんですけど、事務所で全然褒めてもらえませんでした。あっちは300万枚だから。
クリス:うわ、厳しいな。
新藤:時代ですよね。
そんなポルノグラフィティは3月27日に25周年第一弾シングル『解放区』をリリースした。
新藤:自分は高度経済成長の名残やバブルがある時期に、「明日はいい日だ」っていう国全体の空気を吸って生きてきて。でももう日本の国的には失われた何年だって話や暗い話が多いけど、みんなそれなりにその日を楽しんで大事に生きている。それを書きたかったので、「明日がいい日」や「ここじゃないどこか」みたいなことではなくて「いまここ」をテーマにしました。
クリス:苦もあれば楽もあるけど、幸福は自分でつかんでいくっていうことですよね。
ポルノグラフィティは全国ツアー「19thライヴサーキット "PG wasn't built in a day"」を開催。3月31日に東京・有明アリーナでツアーファイナルを行った。
クリス:「ポルノグラフィティは1日でできあがったんじゃないぞ」というタイトルですが。
新藤:自分たちが作ってきた曲で、自分たちがやってきた曲ですけど、ファンの人たちもその曲を育ててきたということがあると思うんですよね。ヒット曲はあるけど、それはただ過去のヒット曲であって、ライブでファンの方たちが育てて今またステージにのせてやっていて、育ててきた曲を一緒に楽しんでいる。ライブ自体も、ポルノグラフィティ自体も今日だけでできているわけではないなっていう意味を込めてみました。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
(撮影=竹内洋平)
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2024年4月6日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週土曜18:00-18:54