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YOASOBIも出演! アメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ2024」徹底ガイド

YOASOBIも出演! アメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ2024」徹底ガイド

毎年4月に行われるアメリカ最大級の音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」通称・コーチェラ。フェスジャーナリストの津田昌太朗が、今年の傾向を解説した。

コーチェラを特集したのは、J-WAVEで2月19日(月)に放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。

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最大の特徴は、同じラインナップを2週連続でやること

コーチェラは、毎年4月に行われる砂漠の祭典、アメリカ最大級の音楽フェスだ。今年はタイラー・ザ・クリエイター、ラナ・デル・レイ、ドージャ・キャットらのヘッドライナーに加え、日本からもYOASOBIや新しい学校のリーダーズの出演も決定している。

津田:コーチェラはアメリカ・カリフォルニア州のパーム・スプリングスで開催される野外フェスで、他のフェスと違って2週末に渡って行われて、同じラインナップを2週連続でやることが最大の特徴です。

あっこゴリラ:面白いですよね。

津田:アーティストとしては1週目と2週目でやることはある程度同じこと。ただその中で、どう差を出していくのか。世界に配信されるので、世界中の人が知っているっていうことも特徴です。さらに90年代から2000年代くらいにかけてはインディロックフェスというか、日本でもフジロックとかサマーソニックとかと同じような流れだったんですけど、ここ10年くらいは多ジャンル化して、トレンドを生み出す場所になっています。それこそ音楽だけじゃなくてファッション、アートとかも含めて。例えばアーティストで言うと、2018年にビヨンセが歴史に残るステージをしたとか、ビリー・アイリッシュのデビューからヘッドライナーへのサクセスストーリーがあったりとか、去年はBLACKPINKがアジアのグループとして初めてヘッドライナーに立つとか、そういう歴史的なトピックも多いフェスです。

あっこゴリラ:今はトレンドの場所ってイメージがありますよね。

津田:良くも悪くも音楽好きだけじゃない人が集まるイメージもあったりするフェスですね。

津田は、今年注目の出演アーティストの楽曲として、ラナ・デル・レイの『Coachella - Woodstock in My Mind』を紹介した。



津田:この方がヘッドライナーに出ることを夢見てたんですよ。楽曲でも、彼女自身がコーチェラに観客として訪れたときに思い浮かんだという曲がリリースされている。コーチェラに出ることを夢見て、っていうところもあるんでしょうね。

あっこゴリラ:「コーチェラに行った」っていうところからのサクセスストーリーですね。

津田:コーチェラに出たいってことではないけど、私はコーチェラに行ってこういうことを感じたって曲にしたと。この曲も歌うんじゃないかって。

あっこゴリラ:絶対歌いますよね。それでファン号泣(笑)。

津田:ちょっとひねくれてるから1週目しかやらないとかね。そういう面白さもあるんですよ。セットリストが違うって。

今年のヘッドライナーは弱い?

ラナ・デル・レイの他、タイラー・ザ・クリエイター、ドージャ・キャットという今年のヘッドライナーのラインナップについて、津田さんはどんな印象を持っているのだろうか。

津田:もちろん3組とも素晴らしいアーティストなんですけど、ここ数年のヒット企画と比べられることも多くて、インパクトに欠けるんじゃないかって言われ方を今はされています。チケットの動きも少し遅かったんですよ。もう1週目は売り切れてるんですけど、売り切れの速度がちょっと遅いとか言われています。例えばラナ・デル・レイは去年のフェスに出てたりとか、タイラーは毎年自分でフェスをやってたりとか、ドージャ・キャットはこの中では抜擢されたほうなんですけど、全員がアメリカ出身で、去年BLACKPINKが出たような面白さ、多様性みたいなものが少しヘッドライナーでは少ないとは言われています。でも逆に言うと、コーチェラのステージをこの3組は、全員ちゃんと過去に経験してるんですよ。いきなり大抜擢っていうよりは、新しいヘッドライナーの存在をちゃんと据えている。そういう意味で、ここ数年でいちばん真摯な選び方、フェスティバルとして正しい選び方をしたと僕は思っています。もしかしたら派手さはないかもしれないけど、そういう意味ではいいなって第一印象は受けました。

あっこゴリラ:確かに。最近のコーチェラは良くも悪くも「トレンド」みたいに見えていたから、今年は揺り戻し的な感じがあるかなって。

津田さんは、「今年の海外フェス全体としても、ヘッドライナー不足とは言われている」と言及する。

津田:その中でこの3組を揃えてるのは手堅いなっていうのはあって。去年の反響とか現実的な動きとか、配信の数字を見たりもして、けっこう手堅いなって。ただスペシャルアクトみたいなのもあってヘッドライナー以外でNo Doubtとかも入ってたりするですね。例えば去年のblink-182も出てけっこう盛り上がったんですよ。アメリカって今エモのゆり戻しみたいなところもあって、その成功だからこそNo Doubtがこの位置に入ってるんだなとか、コーチェラってトライアンドエラーなんですね。去年のことを踏まえてみるとなるほどなって。

コーチェラのサクセスストーリーにも注目

津田はヘッドライナー以外での注目アーティストについて語る。

津田:今年のフジロックにも出るアーティストもいて、エリカ・デ・カシエールとかThe Last Dinner Partyとかは観たいなって。日本でも配信されるので、コーチェラで予習してフジロックに備えてもらいたいなと思います。ライブだとリル・ウージー・ヴァートも観たいし、『Water』って曲で一気にスターになったタイラとかも観たいんですけど。

あっこゴリラ:その中から注目の1組選ぶと?

津田:やっぱりアイス・スパイスに注目しています。今年は本当にバランスよくラインナップされてるんですけど、コーチェラっていうのは「今、このタイミングで、この場所で観たい」というアーティストを観る場所でもあるんですね。そういう意味で、アイス・スパイスは今年グラミー賞にもノミネートされたり、去年とにかくSNSとかラジオでいちばん聴いたんじゃないかって。自分で聴いたよりも、「オンエアで聴いた」ようなことが、いちばん多かったのがアイス・スパイスだと思っていて。

あっこゴリラ:すごいですよね。

津田:コーチェラってサクセスストーリーみたいなのもあるんですよ。ビリー・アイリッシュが2番目のステージで超パンパンになりすぎてからヘッドライナーに行ったりとか、今年のドージャ・キャットみたいに過去に出てヘッドライナーまで上り詰めるみたいな。アイス・スパイスもあるんじゃないかなって。次のコーチェラのストーリーを見せてくれるんじゃないかなって思っています。

番組ではアイス・スパイスがPinkPantheressとコラボした楽曲『Boy's a liar Pt. 2』をオンエアした。

YOASOBIが満を持してコーチェラへ

そんなコーチェラには日本からYOASOBIや新しい学校のリーダーズ、初音ミクも参加が決定している。

あっこゴリラ:もう紅白歌合戦じゃん。

津田:まさに紅白toコーチェラなわけですよ。

あっこゴリラ:(笑)。

津田:あんまりこういうことってなかったんですけど、この辺の日本の音楽業界の垣根もフェスとテレビといろんな垣根がなくなって、海外フェスまでつながっているのが面白い現象ではあるなと思います。

あっこゴリラ:コーチェラって、今まで日本人は誰が出てたんですか?

津田:最近だとPerfumeとかきゃりーぱみゅぱみゅとかが出てたんですけど、ここ数年のコーチェラはアジアをフィーチャーしてるんですよね。ただ、去年は日本勢がいなかったですよね。だから今年はこうやって3組揃ったのはいいことだなと。初音ミクに関してはコロナ禍でラインナップされてたんですよ。2020年かな。ただコーチェラ自体がキャンセルになったのでそのリベンジみたいなかたちで出ます。

あっこゴリラ:待望の。

津田:特にYOASOBIに関しては、海外フェスを僕も実際に観に行きました。香港のフェス「Clockenflap」に、ヘッドライナーで出たんです。

あっこゴリラ:おお。

津田:日本人のアーティストがインターナショナルなフェスでヘッドライナーってなかなかなくて歴史的なことだったんですけど、それこそPULPとかと並んでヘッドライナーっていうのがあって、満を持してコーチェラ出演って感じでした。なので出るだろうなっては思ってて。去年でもよかったんじゃないかなと思ってますけど、『アイドル』を引っさげてアジアではなく欧米にどう打って出るか、かなり楽しみだなと思います。

番組ではコーチェラに出演する新しい学校のリーダーズからコメントも到着した。コーチェラの初出演に関して「ヤバい」「大興奮」と盛り上がるメンバー。周囲からの反響も大きかったそうだ。コーチェラの印象についてSUZUKAは、過去に出演したビヨンセのステージが印象的だったと語り「ビヨンセが出てたときのドキュメンタリーをひたすら観てるから、最近はモチベーションを上げるために、もう一回観てコーチェラ行くんだな。ステージの大きさは違うけど、同じフェスティバルに出れることがうれしい」と語った。

また、過去にメンバーでコーチェラの配信を見ていて「私たちもコーチェラ行けるよ!」と語り合ったことがあったそうで「今年は出れる!」「約束って大事」とそれぞれ興奮した様子。

「コーチェラって舞台で私たちらしさを出すってなったら、レペゼン・ジャパンっていうのとレペゼン・私たちっていうのをどれだけ大きくクレイジーにやるかっていうのを考えている」と意気込みを語った。

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