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フジロック、2019年の豪雨は「完全にプールでした」 会場を守るスタッフが運営の裏側を語る

フジロック、2019年の豪雨は「完全にプールでした」 会場を守るスタッフが運営の裏側を語る

FUJI ROCK FESTIVAL '23の会場設営・運営に携わるスタッフ岩月さん、石戸さんがエピソードを披露した。

この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「READY FOR FUJI ROCK FESTIVAL '23 supported by iichiko」。オンエアは7月20日(木)。同コーナーでは、FUJI ROCK FESTIVAL '23に出演するアーティスト、スタッフや関係者、フジロック好き著名人や音楽ライターなどが日替わりで登場し、その魅力や見どころをさまざまな視点から紹介する。同コーナーはポッドキャストも配信中。

イベントを支える仕事

この日はFUJI ROCK FESTIVAL '23の会場設営・運営に携わるスタッフとして岩月さん、石戸さんが登場してトークを繰り広げた。

石戸:オムニインターナショナルの石戸と申します。会場の計画や、それに伴う設備の設営工事をおこなっている会社です。

岩月:岩月と申します。私は運営補助とステージ、各スタッフのケータリング周りと本部の雑用などに携わっています。簡単に言いますと、岩月的には当日のスタッフ周り、ステージ周りに置くお弁当を約2000個近くを配達します。各ステージにハイエースでお弁当を配りながら、飲み物の補充などをして回っています。

石戸:私も具体的に言うと、発電機をたくさん設置しているのでそれが回っている燃料の給油であったり、設置しているトイレの清掃、給水をおこなったりします。場合によっては造作の点検をしたり、新たに作ったりもしています。わかりやすい例だと、いつも本番3日目の15時ぐらいに入場ゲートの裏側にある「SEE YOU IN(また会いましょう)」なんていうのもやっていたりします。そういった工事周りを常にしながら動いております。

岩月:岩月的には前夜祭から数えて2週間プラス2日みているんですけど、その前から入っていて。本部という建物があり、その建物の前に冬のあいだに積もり積もった落ち葉があるので、まずはそれを掃くことから始まります。建物の風を通して掃除したり、あとは備品のチェックなどから始めます。石戸さんは?

石戸:岩月さんと同じように大体2週間前ぐらいから入ります。まずはスタッフが入るためのインフラを整えるところからがスタートだと思っています。それこそ運営本部をまず作るとか、各スタッフの休憩所を作る。それに伴うテーブル、椅子の設置。電気、水を整えていくという感じになります。

岩月:ちなみに石戸さんは何年から入っていたんでしたっけ?

石戸:僕は2003年からです。岩月さんはいつからフジロックに関わられていますか?

岩月:私は97年の天神山の初年度から入っていまして。仕込みの頭からバラしの最後まで常にいました。

石戸:1997年から毎年ずっと欠席なく?

岩月:皆勤賞です。

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2019年の豪雨

石戸さんはつらかった思い出として、豪雨があった2019年のフジロックを振り返った。

石戸:恐らく一番、フジロックのなかで雨が降った年なんじゃないかなと思います。これも各所で池というか湖レベルで水が溜まってしまって。発電機やなんやらも、ありとあらゆるものが水没するような状況でした。漏電とかそういった安全対策でいろいろなところを回って対処した、というのが記憶に残っています。

岩月:発電機が浮きましたもんね。

石戸:あとは床材がプカプカ浮いていたりとか。

岩月:ジェネレーターが水の底になっていましたもんね。

石戸:本当に腰高以上に水が溜まったりして、完全にプールでした。グリーンステージのFOHと呼ばれるコントロールブースですね。そこで水風船のように屋根に大きな水溜まりができてかなり危険な状況になってしまって。スタッフ総出で屋根に上ったり、なかから棒で突っついたりして、なんとかして守るということをしました。スタッフがびしょ濡れどころじゃない形でなんとか対応しました。その代わり対応していたスタッフは、目の前でSiaの歌を聴きながらという対応だったので「ラッキーだった」とは言っていましたけど(笑)。かなりシビアな状況でした。

愛がないとできない仕事

2人は大変な状況のなかでもフジロックに関わり続ける理由を語った。

岩月:言葉で言うとステータスシンボルという感じで、あとは愛です。愛がないとやっていないです。苗場という土地に対しての愛もありますが、5月ぐらいになるとだんだん心配してくるんです。「今年は天気どうかな」みたいな。「そろそろ本部で使う建物の前の落ち葉を掃除しに行かなきゃ」みたいな気持ちがモリモリと盛り上がってきまして。6月になったら「よし、梅雨の晴れ間があるから行こう」と思って、今年も2週間前に弾丸ツアーで行ってきました。そういうところが自然に出てきちゃうところが、フジロックってすごいんだなと思います。人をその気にさせるというか。

石戸:もちろん仕事で行っているんですが、いい意味で公私混同しているというか。仕事で行きつつも個人的にいろいろなことをよくしたいし、うまくいろいろなことをかっこよくしたいとか。その辺の想いというのが強いのかなとは思います。その分、私も20年近く関わっているのもありますので、そういったところは一言で言うと愛、ということになっちゃうのかもしれないです(笑)。

岩月:お互いに思い入れは強いですよね。

フジロックの詳細は公式サイトまで。

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