七尾市を舞台にした人気漫画原作の映画『君は放課後インソムニア』(6月23日公開)。不眠症に悩む女子高生・曲伊咲(まがり・いさき)を森七菜、同じく不眠症で天文部の部室で伊咲と偶然出会う男子高生・中見丸太(なかみ・がんた)を奥平大兼が演じる。出演前から原作ファンで、親友からも嫉妬されたという森に単独インタビュー。撮影の舞台裏はもちろんのこと、森の青春時代や、「目覚まし代わりに音楽を聴かない理由」を語ってくれた。
曲伊咲を演じることができると知ったときは、嬉しくてたまらない気持ちを我慢するという不思議な感覚がありました。というのも好きな原作の実写化に参加できる嬉しい気持ちのまま撮影に臨んでしまうと、浮足立ってしまうような気がしたからです。喜びの感情をグッと我慢をしながら、一読者として客観的に漫画を読んでいたときとは違い、主観で物語を見るような意識をしました。
──曲伊咲を演じる上でどのような工夫をされましたか?
眉毛の太さや細すぎないスタイルなど、原作を読んでいたときから曲伊咲の容姿に関しては自分と似ているような気がしていたので、ヴィジュアル面はメイクさんとスタイリストさんを信頼してお任せしました。演じる上では、普段の私になり過ぎないようにしなければと思って、仕草も含めて普段のお芝居とは違うトーンでやるようにしていました。「自分は曲伊咲に似ている」という思いが自己満足ではなく、原作ファンの方にも同じように思ってもらえたら嬉しいです。
七尾市には、こちらの気持ちがスッとするくらいのどかな景色が広がっていました。私は田舎育ちなので、東京からやって来たというよりも普段に戻ってきたような懐かしさが込み上げました。そののどかな景色が生徒役の皆さんと仲良くなれた理由の一つのような気がしています。東京だと周りに色々なものがあってほかに目が行きがちだけれど、七尾では自分たちに目が行くというか……。七尾の広い空を見て改めて、東京は空が狭いなあと思いました。
──天文台が曲伊咲にとっての癒しの場のように描かれていますが、森さんにとって癒しの場とはどこですか?
地元の大分です。学生時代はお洒落な東京への憧れが強かったけれど、いざ住んでみると便利ではあるものの、自分と噛み合っていないような気持ちがどこかにあります。東京も好きだけれど、それを上回るくらいの地元愛が強い(笑)。大分に戻ると時間の流れや人々のぬくもりが自分にはぴったりと合う気がしています。東京生活を経験して大分に戻ると不便さも感じますが、自分の中の枯渇しているものが満たされていく感覚があります。
学生時代に熱中していたのはお芝居です。そういう意味では今も青春が続いている気がします。高校時代はすでに仕事を初めていましたが、地元に戻ったときは友だちと遊んだり、朝早めに集まってみんなで朝ご飯を食べて学校に行ったり、学生ならではの青春も過ごせたと思います。
──地元のご友人は今の森さんの活躍についてどのように見ているのでしょうか?
仕事を始める前に出会った小学校時代からの親友は「あ、出ているな」くらいの反応しかしません(笑)。そのうちの一人が奥平大兼君の大ファンで、しかも『君は放課後インソムニア』の原作も大好き。私が奥平君と共演すると知った途端、悲鳴を上げていました。普段は私の活動について反応することはないのに、今回は奥平君効果が勝りました。
ラジオはたまに聴きます。音楽系の番組も好きですし、オールナイトニッポンのような王道系番組も聴きます。私は『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー「森七菜のGIRLS LOCKS!」を担当していたことがありますが、ラジオパーソナリティの大変さと難しさを知りました。
──どのような音楽がお好きですか?
マニアックに音楽好きというわけではありませんが、今の流行の曲はもちろん、松田聖子さんの曲とかスピッツさんの初期の頃の曲を好んで聴いたりします。洋楽はほとんど聴きませんが、邦楽はジャンルを分けることなくなんでも聴くタイプです。ちなみに人生で初めて買ったCDは植村花菜さんの『トイレの神様』。確か小学校2、3年生くらいのことだったと思います。
──これを聴いたら気分がアガるという曲を教えてください!
クリープハイプの『栞』です。聴くだけで無性に元気が出てくるので、聴いているときは何も考えず、メロディに身を任せています。どこから聴いても心地よくて、自然と元気にしてくれる名曲です。今も仕事の合間に聴いたりしています。仕事の最中は作品のテイストやイメージに合わせて聴く曲を変えることがあって、今回の『君は放課後インソムニア』の撮影中はマカロニえんぴつさんの『ヤングアダルト』『はしりがき』を聴いていました。撮影の合間やロケバスの移動中に車窓から見える景色を見ながら聴いていました。
──目覚まし代わりに音楽を聴くことはありますか?
朝起きるときは目覚まし時計派なので音楽で起きることはありません。そもそも朝起きるのが苦手なので、音楽を目覚まし代わりにしたらその曲を嫌いになりそう(笑)。もし音楽を目覚まし時計代わりにするのであれば、運動会の定番曲「クシコス・ポスト」にします。タタタータタタータタタタタッ!と耳にした途端「起きなきゃ!」と思うような気がするからです。万が一その曲を嫌いになっても日常に支障をきたすこともなさそうなので……。
【関連記事】森七菜「これを流せば、人間って共通認識で急ぐ」 支度をするときに聴く音楽は?
──今年は月9ドラマ初主演など、飛躍する1年になりそうですね。最後に抱負を聞かせてください!
今まで頑張ってきたものが公開されたり放送されたりして改めて思うのは、周囲から「森にならば任せても大丈夫だ!」と信頼を得たいということです。役や作品を与えてくれた方々、そして観客や視聴者の方々から信頼を得ることが2023年の目標です。皆さんから納得してもらえるような1年にしていきたいです。
(取材・文=石井隼人、撮影=山口真由子)
七尾市を舞台にした人気漫画原作の映画『君は放課後インソムニア』/©オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会
原作のファンだからこそ、喜びをグッと我慢して臨んだ
──出演が決まる以前から原作漫画の大ファンだったそうですね! 喜びもひとしおだったのでは?曲伊咲を演じることができると知ったときは、嬉しくてたまらない気持ちを我慢するという不思議な感覚がありました。というのも好きな原作の実写化に参加できる嬉しい気持ちのまま撮影に臨んでしまうと、浮足立ってしまうような気がしたからです。喜びの感情をグッと我慢をしながら、一読者として客観的に漫画を読んでいたときとは違い、主観で物語を見るような意識をしました。
──曲伊咲を演じる上でどのような工夫をされましたか?
眉毛の太さや細すぎないスタイルなど、原作を読んでいたときから曲伊咲の容姿に関しては自分と似ているような気がしていたので、ヴィジュアル面はメイクさんとスタイリストさんを信頼してお任せしました。演じる上では、普段の私になり過ぎないようにしなければと思って、仕草も含めて普段のお芝居とは違うトーンでやるようにしていました。「自分は曲伊咲に似ている」という思いが自己満足ではなく、原作ファンの方にも同じように思ってもらえたら嬉しいです。
©オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会
地元・大分への愛「自分にぴったりと合う」
──物語の舞台である石川県七尾市の風景も見どころですね!七尾市には、こちらの気持ちがスッとするくらいのどかな景色が広がっていました。私は田舎育ちなので、東京からやって来たというよりも普段に戻ってきたような懐かしさが込み上げました。そののどかな景色が生徒役の皆さんと仲良くなれた理由の一つのような気がしています。東京だと周りに色々なものがあってほかに目が行きがちだけれど、七尾では自分たちに目が行くというか……。七尾の広い空を見て改めて、東京は空が狭いなあと思いました。
──天文台が曲伊咲にとっての癒しの場のように描かれていますが、森さんにとって癒しの場とはどこですか?
地元の大分です。学生時代はお洒落な東京への憧れが強かったけれど、いざ住んでみると便利ではあるものの、自分と噛み合っていないような気持ちがどこかにあります。東京も好きだけれど、それを上回るくらいの地元愛が強い(笑)。大分に戻ると時間の流れや人々のぬくもりが自分にはぴったりと合う気がしています。東京生活を経験して大分に戻ると不便さも感じますが、自分の中の枯渇しているものが満たされていく感覚があります。
©オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会
芸能活動の合間に…学生ならではの青春
──森さんが学生時代に熱中していたもの、そして青春とは何ですか?学生時代に熱中していたのはお芝居です。そういう意味では今も青春が続いている気がします。高校時代はすでに仕事を初めていましたが、地元に戻ったときは友だちと遊んだり、朝早めに集まってみんなで朝ご飯を食べて学校に行ったり、学生ならではの青春も過ごせたと思います。
──地元のご友人は今の森さんの活躍についてどのように見ているのでしょうか?
仕事を始める前に出会った小学校時代からの親友は「あ、出ているな」くらいの反応しかしません(笑)。そのうちの一人が奥平大兼君の大ファンで、しかも『君は放課後インソムニア』の原作も大好き。私が奥平君と共演すると知った途端、悲鳴を上げていました。普段は私の活動について反応することはないのに、今回は奥平君効果が勝りました。
「音楽を目覚まし代わりにしない」その理由は
──J-WAVE NEWSは、音楽に力を入れるラジオ局のJ-WAVEが運営しています。森さんはラジオを聴きますか?ラジオはたまに聴きます。音楽系の番組も好きですし、オールナイトニッポンのような王道系番組も聴きます。私は『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー「森七菜のGIRLS LOCKS!」を担当していたことがありますが、ラジオパーソナリティの大変さと難しさを知りました。
──どのような音楽がお好きですか?
マニアックに音楽好きというわけではありませんが、今の流行の曲はもちろん、松田聖子さんの曲とかスピッツさんの初期の頃の曲を好んで聴いたりします。洋楽はほとんど聴きませんが、邦楽はジャンルを分けることなくなんでも聴くタイプです。ちなみに人生で初めて買ったCDは植村花菜さんの『トイレの神様』。確か小学校2、3年生くらいのことだったと思います。
クリープハイプの『栞』です。聴くだけで無性に元気が出てくるので、聴いているときは何も考えず、メロディに身を任せています。どこから聴いても心地よくて、自然と元気にしてくれる名曲です。今も仕事の合間に聴いたりしています。仕事の最中は作品のテイストやイメージに合わせて聴く曲を変えることがあって、今回の『君は放課後インソムニア』の撮影中はマカロニえんぴつさんの『ヤングアダルト』『はしりがき』を聴いていました。撮影の合間やロケバスの移動中に車窓から見える景色を見ながら聴いていました。
──目覚まし代わりに音楽を聴くことはありますか?
朝起きるときは目覚まし時計派なので音楽で起きることはありません。そもそも朝起きるのが苦手なので、音楽を目覚まし代わりにしたらその曲を嫌いになりそう(笑)。もし音楽を目覚まし時計代わりにするのであれば、運動会の定番曲「クシコス・ポスト」にします。タタタータタタータタタタタッ!と耳にした途端「起きなきゃ!」と思うような気がするからです。万が一その曲を嫌いになっても日常に支障をきたすこともなさそうなので……。
【関連記事】森七菜「これを流せば、人間って共通認識で急ぐ」 支度をするときに聴く音楽は?
今まで頑張ってきたものが公開されたり放送されたりして改めて思うのは、周囲から「森にならば任せても大丈夫だ!」と信頼を得たいということです。役や作品を与えてくれた方々、そして観客や視聴者の方々から信頼を得ることが2023年の目標です。皆さんから納得してもらえるような1年にしていきたいです。
(取材・文=石井隼人、撮影=山口真由子)
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