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世界の献血事情─「1100回以上」行ってギネスブックに載った人も!

(画像素材:PIXTA)

世界の献血事情─「1100回以上」行ってギネスブックに載った人も!

各国の献血事情を、オーストラリア在住の小林純子さんとラオス在住のChija(チジャ)さんが解説した。

おふたりが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「TOKYO CROSSING」。ここでは2月24日(金)のオンエアをテキストで紹介する。

81歳まで献血に協力した男性も

1951年2月26日、日本初の血液銀行「日本ブラッドバンク」が設立されたことにちなんで制定された「血液銀行開業記念日」。血液銀行とは、献血などにより提供者から集めた血液を保存・管理して、輸血に必要な血液を必要に応じて供給する機関だ。また1952年には日本赤十字社も血液銀行を設立している。

まずは、オーストラリア・メルボルン在住の小林純子さんに話を聞いた。

ジョン:オーストラリアでは、献血に関してどういうデータがありますか?

小林:政府保健省によると、オーストラリア全体で毎年30人に1人、人口にするとおよそ3%が献血を行っています。

ジョン:日本の献血率は6%ということですが、オーストラリアでは献血への呼びかけなどはどう行われていますか。

小林:「ナショナル・ブラッド・ドナー・ウィーク」というのが6月にあって、その頃になるとラジオなどいろいろなメディアで、献血者への感謝の気持ちや献血の大切さを伝えて、献血への協力が呼びかけられています。2022年は「1回の献血で3人くらいの命が救える」と語られていました。

ジョン:非常に社会的貢献度の高い「献血」という行為ですが、オーストラリアには献血ルームや移動する献血バスはあるんですか?

小林:日本でよく見かけるような献血バスはないのですが、似たようなものだとポップアップの献血センターがあります。バスのような形のものが各地に期間限定で停まっていて、献血を受け付けているという感じになっています。メルボルン市内には、常設の献血ルームがけっこうあります。

ジョン:アクセス的にはそれほど難しくないようですね。そこに行って献血をするメリットは何かありますか?

小林:日本と同じように、献血をしたあとには飲みものや食べものが無料でもらえます。スナックもたくさんありますし、温かい食べ物、オーストラリアで有名な小さなパイやソーセージロール、ミルクシェイクなどがあります。

小林さんはさらに、献血で多大な貢献をしたオーストラリア人男性について解説した。

小林:現在88歳のジェームズ・ハリソンさんは、2003年にギネスブックで、世界で最も多く献血を行った方として表彰されました。献血は81歳でやめられましたが、それまでに1100回以上献血を行ったということです。その理由は、彼は14歳の頃に肺を1つ摘出する手術をして、そのとき大量の輸血を受けて命がつながれたからだそうです。命がつながったことに感謝するために、(献血可能な)18歳になってすぐに献血を始めたそうです。その後、何年かして、ご自身の血液が特殊な抗体をたくさん持っていたことがわかり、自分の血液を使ってワクチンを作ることにも貢献しました。

献血者6万8,000人! ラオスの献血には日本赤十字の貢献も

続いては、ラオス・ビエンチャン在住のChijaさんに献血事情を訊いた。

ジョン:ラオスで献血は盛んですか?

Chija:はい、ラオスは若い人がとても多い国で、国民の平均年齢が24歳なので、献血をする若い人が年々増えていっている感じですね。

ジョン:献血率のデータはありますか?

Chija:今は1%弱という感じです。

ジョン:ラオスの献血の普及に関しては日本赤十字社が関わっているんですって?

Chija:日本はさまざまな部分で早くからラオスをサポートしてきた歴史があります。日本赤十字社も、早くからラオスの献血サポートをしていて、最初は1年間で数人しか献血をしなかったラオスですが、2022年にはなんと6万8000人が献血しました。ラオス政府や赤十字では、2023年は7万3000人の方に献血していただくという目標を掲げています。

ジョン:5000人ほど上乗せしたいということですね。

Chija:人口もハイペースで増えているので、目標値より増える可能性が高いんじゃないかともいわれています。

ジョン:これだけ献血が身近になっている背景は何かありますか。

チジャ:ラオスのみなさんは仏教徒なので、人を助けることをとても大事にしていらっしゃるんですね。そしてラオスは国民のほとんどがFacebookを使っていて、たとえばFacebookで「A型の血液が足りない」という情報を見ると、若い人が率先して献血に行くという流れがあります。

発展途上のラオスは医療環境もどんどんよくなっているという。そんなラオスの献血環境について、Chijaさんは次のように語る。

チジャ:首都のビエンチャンの街の中心部に噴水があって、若者がたくさん集うエリアがあり、そこにラオス赤十字の献血センターがあります。なので、若い人たちが献血に行きやすくなっています。またバスもあるので、大きなオフィスや個人宅へ赤十字スタッフが献血のために出向くことも増えているそうです。

ジョン:献血をしたら何かいただけるんでしょうか。

チジャ:日本だとお菓子などがもらえますけど、ラオスの場合は献血した方にカードをお渡しします。次回献血をするときに、その方の情報がスムーズにわかるようにということと、その方やご家族・ご親族に血液が必要なときにすぐ血液情報がわかるようカードが重要視されています。

ジョン:安心なシステムが構築されつつあるということですね。

世界でも協力者が増加しつつある献血。空いている時間を使って近くの献血ルームへ足を運んでみてはいかがだろうか。

『~JK RADIO~TOKYO UNITED』のワンコーナー「TOKYO CROSSING」では、世界各地の番組通信とマルチにコネクト。時事問題から生活の実情まで世界中の視点を並列して探っていく。放送は毎週金曜6時40分ごろから。

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2023年3月3日28時59分まで

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